別章【概論戦後学生運動史】 |
更新日/2019(平成31→5.1栄和改元).6.16日
(れんだいこのショートメッセージ) |
学生運動のガイドブックが待望されて久しい。筆者は、政治情況が革命を欲しているにも拘らず、日本左派運動史の負の遺産がのしかかり、何を信じてどう闘えば良いのか、確信と展望を失っていることが遠因で、学生運動の正確な理解を求めたがっているのではないかと窺う。本書は、これに応えるものである。 しかし、これを「中立公正」に書き上げるとなると難しい。そこで、筆者は、まずは真紅の熱血が確かに在って、理論はともかくも本能的に正しく実践したと評価できる運動の流れを中心に史実検証し、これを芯としてその他の潮流も確認してみようと思う。そういう意味での「中立公正」に書き上げるよう苦心した。 既成のものは随分あるが物足りない。日共系のものも新左翼系のものも、明らかに筆者と観点の違う記述が罷り通っており、この種のものをいくら学んでも為にならない。そのような観点からのものを更に追加しても、屋上屋を重ねることにしかならない。何事も見立てが難しい。その見立てを正しくして最低限伝えねばならない動きを記しながら、筆者自身が得心行く新たな学生運動論を纏め、世に問いたいと思う。 本書は、巻末に記した「インターネットサイト」、「参考文献」の各情報を咀嚼しながら纏めた。最終として、高沢、高木、蔵田共著の「新左翼二十年史」(新泉社、1981.8.16日初版)と対話することにする。第1次ブント運動史の正の部分を受け継ぐことから展望するのが良書となると信ずるからである。更に云えば、第1次ブント理論を極限化させ総破産した赤軍派の軌跡から何を学ぶべきか、と云う観点も保持したいと思っている。これはかなり難事ではあるが挑みたい。 なぜ適正な学生運動テキストが必要かと云うと、これが無いと盲目運動に堕してしまうからである。日本左派運動の弊害ないしは幼稚性として、穏和系にせよ急進系にせよ、どういう訳か史実を刻まず、伝承しようとしない作風がある。僅かの史実も自派に都合の良いように書き換えして憚らない作風がある。史書の重要性を顧慮しないこういう運動が首尾よく進展しないのは自明であろう。そういう訳で、最低限知っておかねばならないであろう史実を記し、筆者の観点を散りばめながら皆様方の参考に供しようと思う。 本書は、「さざなみ通信」の「共産党の理論・政策・歴史討論欄」の「99年~00年」に収録されている筆者の投稿文が元文で、当時は「れんだいじ」のハンドルネームで登場していた。その後、それをベースにこれも必要あれも必要と書き加えていくうちに次第に長文化した詳論「戦後学生運動史論」を書き上げた。学生運動史関連の基礎資料としている。当時の政治情勢全般については、「戦後政治史検証」に年次ごとに記し参照するという構造にしている。 但し、詳論は、読み手にすれば散漫になり、さざなみ通信投稿文の方が却ってコンパクトで読み易いということにもなった。そこで、新たに本稿「対話物語り戦後学生運動史」と銘打つ概略本を書き上げることにした。いずれ劇画も含めた物語風に纏めたいと思う。概略本は、詳論の史実を追いながら要点ポイントを抜書きし総括しているところに特徴がある。こうして、詳論と概略本ができあがることになった。 このたび概略本の方を出版し、筆者の処女作とする。ネット上で読めるものを出版本にする必要があるのかと問うこともできるが、私が読者なら、本書にの値打ち次第で書棚に置き、手軽に持ち運びでき、自在に蛍光線引ける出版本を手にしたいと思う。そう考えて出版することにした。ネット本と出版本のこの関係のさせ方は、今後の出版本の在り方のモデルになるのではなかろうかと自負している。 2006.5.18日、2008.9.6日再編集 れんだいこ拝 |
Re::れんだいこのカンテラ時評450 | れんだいこ | 2008/08/11 |
古代史ばかりに夢中になるわけには行かないので再び現代政治批判に向かうことにする。但し、その際の観点を磨くと云う意味で、再び「戦後学生運動論」に戻ることにする。約束からすればブックにできるぐらいの体裁にしておかなければならないのだけれども、もう少し見直したいと思う。 れんだいこは、ネットの能力を最大限駆使し、それを引き出す方法を考えている。そこで、サイトに晒し、皆様方からの意見を聞かせてもらい、再度練りなおすのを良しとしている。仮にブックになったとして、サイトに晒しているのであればそれを読めばよいという考え方もできようが、れんだいこは違うと考えている。 パソコン上で読むのとブックで読むのとでは読み方が違う。手ごたえも違う。ブックならいつでもどこでも仮にトイレにでも持っていける。赤線、黄線引くのも自在で、どこまで読んだか折り曲げることもできる。当然書き込みもできる。パソコンではこうは行くまい。但し、パソコンには情報を膨大に乗せることができる等、パソコンならではの利点もある。 となると、情報程度のものはパソコン上に記しておき、それを凝縮するのはブックと云う使い分けが正解かも知れない。材木資源の無駄を省くという意味でも、そういう使い方が期待されているのではあるまいか。そのパソコン上にも著作権がやかましくなっているので自重自戒せねばならないのではあるけれども。 もとへ。「れんだいこの学生運動論」は下記の通りです。今見直して書き換え中です。ご意見頼みます。まず資料を集め、基本情報を抜き書きして、それにコメント付けるという作法を確立しました。この手法は、れんだいこ式でとても重宝です。パソコンあればこそできる訳で時代に感謝しております。悪筆のれんだいこには特に有り難い。 戦後学生運動論新版 (ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/gakuseiundo/) 戦後学生運動史論 (ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/gakuseiundo/history/top.htm) れんだいこの概略戦後学生運動史論 (ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/gakuseiundo/history/gairyaku/gairyaku.htm) この概略論を見直し中です。 2008.8.10日 れんだいこ拝 |
関連サイト | ||
【戦後政治史検証】 | 【宮本顕治論】 | 【新日和見主義事件解析】 |
【第一次ブント運動考】 | 【党派運動の再生の為に】 | 【左派運動の総点検考】 |
【マルクス主義出藍考】 |
目次
【はじめに(「対話物語り戦後学生運動史」上宰事由)】 | |||
【れんだいこの戦後学生運動区分論】 | |||
別章【戦後学生運動史論】 | |||
章№ | 区分 | 期間 | 概要 |
1章 | 1期 | 終戦直後-1949 | 全学連結成とその発展 |
2章 | 2期その1 | 1950-1953 | 共産党の50年分裂と学生運動 |
3章 | 2期その2 | 50年分裂期の学生運動 | |
4章 | 3期 | 1954-1955 | 六全協期の学生運動 |
5章 | 4期その1 | 1956 | 反日共系全学連の登場 |
6章 | 4期その2 | 1957 | 革共同登場 |
7章 | 5期その1 | 1958 | ブント登場 |
8章 | 5期その2 | 1959 | 新左翼系全学連の発展 |
9章 | 5期その3 | 1960 | 60年安保闘争 |
10章 | 6期その1 | 60年安保闘争直後 | ブントの大混乱 |
11章 | 6期その2 | 1961 | マル学同全学連の確立 |
12章 | 6期その3 | 1962-1963 | 全学連の三方向分裂固定化 |
13章 | 6期その4 | 1964 | 新三派連合結成、民青系全学連の誕生 |
14章 | 7期その1 | 1965-1966 | 全学連の転回点到来 |
15章 | 7期その2 | 1967 | 激動の7ヶ月 |
16章 | 8期その1 | 1968 | 全共闘運動の盛り上がり |
17章 | 8期その2 | 1969 | 全国全共闘結成と内部溶解の兆し |
18章 | 9期その1 | 1970 | 70年安保闘争とその後 |
19章 | 9期その2 | 1971-1975 | 70年代前半期の諸闘争 |
24章 | 【連合赤軍考概略】 | ||
25章 | 【党派間ゲバルト考概略】 | ||
26章 | 【日本赤軍考概略】 | ||
27章 | 【よど号赤軍派考概略】 | ||
20章 | 9期その3 | 1976-1979 | 70年代後半期の諸闘争 |
21章 | 10期その1 | 19780年代 | 1980年代の諸闘争 |
22章 | 10期その2 | 1990年代 | 1990年代の諸闘争 |
23章 | 10期その3 | 2000年代 | 2000年代の諸闘争 |
28章 | 別章【戦後学生運動補足、論評、余話、寸評】 | ||
29章 | 別章【れんだいこの日本左派運動に対する提言】 | ||
【れんだいこの日本左派運動に対する提言一括綴り】 | |||
「旧版1戦後学生運動史概観、戦後学生運動1、60年安保闘争まで」 | |||
「旧版2戦後学生運動史概観、60年安保闘争以降」 | |||
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(私論.私見)