4281 大東亜戦争とは?その史的総括、聖戦論と自虐史観の狭間考

 (最新見直し2005.9.29日)

 れんだいこが弁ずるより、小室直樹氏の「日本の敗因」の一節を紹介する。

 「戦後、経済で栄えた日本は、現在、経済で滅びそうである。それは、戦争で栄えた日本が戦争で滅んだのとそっくりである。日清、日露の両戦争で、西欧列強と肩を並べた日本が、大東亜戦争によって滅んだ。それとそっくりの状況が、今の日本で展開されているのである。だから、大東亜戦争を検証し、そこから学ぶべきものを学ぶということでしか、現在の日本の状況を打開することはできないと、私は思っている。大東亜戦争を無視して、日本の将来はありえないのである」。
 「アメリカの物量に敗けた。これは、敗戦責任を逃れるための軍部の口実に過ぎない。あの戦争は、無謀な戦争だったのか。それとも無謀な戦争ではなかったのか。答えを一言でいうと、やはり、あの戦争は無謀極まりない戦争だった。しかし、無謀とは、小さな日本が巨大なアメリカに立ち向かったということではない。腐朽官僚制に支配されたまま、戦争という生死の冒険に突入したこと。それが無謀だったのである。明治に始まった日本の官僚制は、時とともに制度疲労が進み、ついに腐朽して、機能しなくなった。軍事官僚制も例外ではない。いや、軍事官僚制こそが、腐朽して動きが取れなくなった。典型的なロトン・ビューロクラシーであった。そんな軍部のままに戦争に突入したのは、確かに無謀だった。その意味で、あの戦争は『無謀だった』のである」。

 小室氏のこの指摘は鋭い。

 2004.12.13日再編集 れんだいこ拝



428111 聖戦論聖戦論旧版
428112 侵略史観
428113 米英ユ同盟親和による間違い史観
428114 れんだいこ史観
428115 親日派史観
428116 自虐史観考
428121 大東亜戦争の呼称問題について
428131 戦争責任論、歴史認識論考
428132 大東亜戦争の歴史的謝罪考
428141 大陸浪人(支那浪人)らが夢想したもの考
428151 中国の反日運動考
428161 戦前日本共産党史考
428171 アジアでの民族独立運動との絡みについて
428172 右翼諸団体の活動考
428181 GHQの「戦争犯罪宣伝計画」について
428191 戦争被害賠償問題について




(私論.私見)