自民党総裁選への立候補を目指している岸田文雄政調会長は31日の記者会見で、自身初の著書「岸田ビジョン 分断から協調へ」を9月11日に出版すると発表した。岸田氏は著書出版を総裁選立候補に向けたステップと位置づけ、昨年から準備してきた。著書では「国民の協力を引き出せるリーダーになりたい」として首相を目指す考えを強調。安倍政権の経済政策「アベノミクス」について「大きな成果をあげてきた」と評価しつつ、中間層を底上げする必要性を主張し、「格差という名の分断の解消も、取り組みたい大きなテーマ」とした。施策としては、短期的な株の売買で得た所得に対する税率を現状の20%から引き上げてその税収を中間層に分配する他、高等教育の奨学金制度の拡充、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施した企業への税制優遇を掲げた。