ポスト安倍政争考

 更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).7.4日

 (れんだいこのショートメッセージ)

 2003.5.9日再編集、2009.9.25日 れんだいこ拝


 2016.8.30日、FRIDAYデジタルのレイモンド・ベーダー「麻生太郎が画策する「石破を潰して菅総理誕生」シナリオの深層」。
 麻生氏は腹をくくった

 8月28日17時10分、安倍総理が記者会見で辞意を表明した。持病である潰瘍性大腸炎が悪化して「政権投げ出し」の再現に追い込まれる前に、コロナ対策に道筋をつけたうえで、先手を打って辞意表明したのだ。 総理が記者会見で体調について説明するという情報が事前に流れていたとはいえ、「体調不安を払拭する説明だろう」というのが大方の予想だった。いきなりの辞意表明は日本中に大きな衝撃を与えている。

 政界事情に詳しい永田町関係者はこう言う。 「総理の様子から近い将来の辞任が避けられないという感触を持ってた麻生太郎副総理兼財務相にしても菅義偉官房長官にしても、28日の辞任表明は寝耳に水だったようです。それ以外の安倍側近も含めて、虚を突かれた政治家が大半でしょう。自民党の各派閥は緊急会合を開き、ポスト安倍をめぐる臨戦態勢に入りました」。

  では、ポスト安倍は誰になるのか。 キーパーソンとして今、もっとも注目されているのが麻生太郎副総理だ。 安倍総理の盟友として7年8ヶ月の長期政権を支え続けた麻生氏は、安倍総理の無念を誰よりも理解している人物といえる。自身が総理を務めていた2009年には、総選挙で敗北し政権を民主党に明け渡した苦い思い出もあり、安倍政治をいかに継続させるかという「継承性」が、今の麻生氏にとって重要なポイントになっていることは間違いがないだろう。 麻生氏は戦後日本の礎を築いた吉田茂元首相の孫であり、かつ寛仁親王妃信子殿下の兄にあたる。綿々と続く日本の保守本流そのものを担う自覚は、政界随一だ。 その麻生氏だが、ポスト安倍を「岸田文雄政調会長」ではなく、「菅官房長官」で腹をくくったという情報が流れている。 本来であれば、麻生副総理の本命は岸田氏のはず。現在は独自の麻生派(志公会)を率いているとはいえ、麻生氏はもともと吉田茂直系の池田勇人が創設した「宏池会」(現・岸田派)の出身だ。 しかし、急展開を始めたポスト安倍レースで、いま岸田氏を押すと、岸田嫌いで知られる菅官房長官だけでなく、2019年9月の人事で、自分に代わって幹事長の座につこうとした岸田氏のことを忘れてはいない二階俊博幹事長との関係が微妙になる。 もし、菅=二階連合が敵に回ると、どうなるか。 総裁選は現在のところ、党員投票を行わず、自民党所属国会議員396人から大島理森衆議院議長と山東昭子参議院議長を除いた394人と、各都道府県連代表3名(計141人)からなる両院議員総会で行われる見込みと伝えられている。 しかし、安倍総理は、辞任会見の直前に二階幹事長と面談し、後継選出の党内手続きを全て二階幹事長に一任しているのだ。 その二階幹事長が、岸田政権樹立を阻止するべく石破茂氏(元幹事長)と手を結び、党員投票を実施するフルスペックの総裁選実施に踏み切った場合、不測の事態が起きかねない。実際に二階幹事長は28日の民放番組収録で「石破氏は政策通で、有力な候補者だ」と持ち上げ、八方美人策を隠そうともしていない。 石破氏といえば7月9日、中国の習近平国家主席の国賓来日をめぐり、石破派(水月会)の会合で、「礼儀を尽くさないといけない」と述べて、国賓来日中止を求める自民党外交部会の非難決議に同調しない考えを示している。 仇敵である石破政権誕生を阻止するためには、回り回って、菅=二階連合と手を組み、岸田を諦めて、あえて菅を推す――。これが、日本の将来を憂える「ザ・保守本流」麻生太郎氏の現在の心境ではないだろうか。 もしそうだとした場合、菅義偉候補は数の上からして優勢になる。 自民党各派閥の構成は現在、 細田派(清和会)98人 麻生派(志公会)54人 竹下派(平成研)54人 岸田派(宏池会)47人 二階派(志帥会)47人 石破派(水月会)19人 石原派(近未来政治研)11人 となっている(その他に谷垣グループや無派閥議員がいる)。 このうち、麻生派54人と細田派98人が、二階派47人と組むだけで計199人。これに、参議院議員グループを除いた竹下派と、無派閥議員の中にいる「菅グループ」を足すと250人を超える。 両院議員総会が開かれた場合、国会議員394票および都道府県連票141票の合計(計535票)の過半数(268票)を制することは難しいことではない。 もちろん、岸田政調会長自身は自らの派閥(宏池会)を率いて総裁選に出馬する。しかし、安倍総理は辞任表明会見であえて岸田政調会長の名前に言及せず、禅譲を期待していた岸田氏を突き放す構えを見せた。細田派(安倍総理の出身派閥)が岸田氏を推すというシナリオはすでに自明のものではなくなっているのだ。 他方で、イージス・アショア配備中止で名を馳せた河野太郎防衛大臣(麻生派)など、有力な若手も総裁選の候補者になるかもしれない。下村博文選挙対策委員長(細田派)や野田聖子元総務大臣(無派閥)も立候補の構えを見せている。 総裁選に多彩な候補者が揃えば国民の注目を集める。立憲民主党と国民民主党が合流する新党結成を霞ませるには十分だ。しかし、重要なのは「決選投票」だ。総裁選に岸田・石破・菅三氏が揃って出馬した場合でも、最初の投票で過半数を得た者がいない場合、上位者2名による決選投票になる。その局面でこそ、「麻生副総理が担ぎ、二階幹事長と握った場合の菅官房長官」が最終的な勝者になる可能性が高い。 その場合、菅新総裁の任期は、自民党則80条3項が適用されて、安倍現総裁の任期を受け継ぎ「来年9月末」までとなる。早々に臨時国会が召集され、首班指名選挙を経て菅義偉首相が誕生することになろう。 菅新政権では、来年10月21日に任期満了を迎える衆議院議員の総選挙に向けて、解散を打てるだけの高支持率獲得が至上命題となる。選挙の顔となりうる若手(小泉進次郎環境大臣や小林史明党青年局長等)が重用されるとともに、コロナ禍における経済対策が最重要政策となるであろう。 それを、引き続き副総理兼財務大臣として支えるのか、それとも去就が取りざたされている大島理森衆議院議長の後継として、幣原喜重郎以来となる「首相経験者による衆議院議長就任」を引き受けるのか。 恩讐を超えた政治判断は、大宰相吉田茂の真骨頂であった。いま麻生太郎氏の判断が、日本の将来を決めようとしている。


 自民党総裁選への立候補を目指している岸田文雄政調会長は31日の記者会見で、自身初の著書「岸田ビジョン 分断から協調へ」を9月11日に出版すると発表した。岸田氏は著書出版を総裁選立候補に向けたステップと位置づけ、昨年から準備してきた。著書では「国民の協力を引き出せるリーダーになりたい」として首相を目指す考えを強調。安倍政権の経済政策「アベノミクス」について「大きな成果をあげてきた」と評価しつつ、中間層を底上げする必要性を主張し、「格差という名の分断の解消も、取り組みたい大きなテーマ」とした。施策としては、短期的な株の売買で得た所得に対する税率を現状の20%から引き上げてその税収を中間層に分配する他、高等教育の奨学金制度の拡充、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施した企業への税制優遇を掲げた。


 8月28日、安倍総理が突然の辞任表明をした。その瞬間、自民党の次期総裁を決める総裁選の始まりを告げる号砲が鳴らされた。自民党の次期総裁を選ぶ総裁選の火ぶたが切って落とされた。菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、河野太郎防衛相らの名前が取りざたされている。総裁選は通常の総裁選とは違い、地方の党員投票を伴わない両院議員総会での投票になりそうな雲行きだ。

 首相の後継を選ぶ自民党総裁選で、官房長官(71)が出馬の意向を固めたことを受け、各派閥は31日、相次ぎ対応を協議した。短期決戦で行われる総裁選は、既に派閥横断で一定の支持のある菅氏が軸になる見通し。政調会長(63)も立候補を明言しており、元幹事長(63)の動向を含め、選挙戦の構図がどう定まるかが焦点だ。

 自民党は総裁選日程を「9月8日告示―同14日両院議員総会で投開票」とする案を決めた。菅氏は派閥に所属していないが、幹事長の率いる二階派(47人)が支持する方針。他派の幹部や無派閥議員からも推す声が出ている。新型コロナウイルス対応が急務とされる中、歴代最長の安倍政権を支えてきた安定感や「政策の継続性」を理由としている。

 菅氏は31日午前、首相官邸で定例記者会見に臨み「私の件を含めて総裁選についてはコメントは差し控えたい」と述べた上で「当面は新型コロナ対策が最大の課題だ」と強調した。1日に総裁選日程が決まった後に正式に態度表明する。

 8.31日、ポスト安倍、自民内で動き活発化…派閥・グループが対応協議。安倍首相の後継を選ぶ自民党総裁選で、菅官房長官と岸田政調会長が出馬の意向を固めたことを受け、党内の各派閥やグループは31日、それぞれ会合を開いて対応を協議する。石破茂・元幹事長も出馬に意欲を示しており、党内の動きが活発化している。

 党内第2派閥の竹下派の参院議員ら20人は31日朝、国会近くのホテルで会合を開き、対応を関口昌一参院議員会長に一任することを決めた。同派の石井準一幹事長代理は会合後、記者団に「一致団結という方針を確認した。この力を衆参で結集していく」と語った。竹下派は前回2018年の総裁選で事実上の自主投票となり、首相を支援した衆院側と石破氏を支持した参院側で対応が割れた。このため、31日昼に衆参両院議員による会合を開き、今回は派内で共同歩調をとることを目指している。

 9.4日、「次は菅さんに」 自民総裁選、安倍首相の一言で流れ 新政権でも影響力維持か。自民党総裁選で菅義偉官房長官優位の流れが早々にできた背景には、安倍晋三首相が辞任表明当日に漏らした一言があった。 【図解】自民総裁選は3者の争い  この一言が出馬に向けて菅氏の背中を押し、大半の派閥が菅氏に雪崩を打つきっかけになったとの見方は強い。菅氏が後継に選ばれれば、首相は次期政権でも一定の発言力を維持する可能性がある。  「次は菅さんに任せたい」。任期途中で職を辞すると表明した先月28日、首相は周辺にこう明言した。「自分が言わなくても、菅さんの出馬を求める声が出るだろう」とも語った。  政権批判を続ける石破茂元幹事長の後継阻止を目指す首相は、岸田文雄政調会長に禅譲するシナリオを長く温め、こうした意向を岸田氏に伝えてきた。しかし、岸田氏待望論は党内外で一向に高まらず、首相は辞任表明の前から「岸田さんで大丈夫か」「勝てるなら菅さんでもいい」と漏らすようになっていた。  首相は31日、岸田氏と首相官邸で面会。総裁選での支援を求めた岸田氏に対し、「自分から個別の名前を挙げるのは控えている」として、岸田氏への「後継指名」はできなくなったと伝えた。  首相の意中の人は菅氏との一言は党内にじわりと広がり、首相による「事実上の後継指名」(ベテラン議員)との認識が醸成されていった。  菅氏は出馬の判断について「誰にも相談していない」と説明している。だが、関係筋によると、首相の意向は遅くとも29日には菅氏に伝わっており、菅氏は同日に二階俊博幹事長と会談、出馬の考えを伝えた。二階派が菅氏支持の方針を30日にいち早く固めたのは「首相の意向を側聞し判断したのではないか」(党関係者)との見方がある。  首相の出身派閥の細田派は31日に仲介者を介して首相の意向を伝えられ、菅氏支持を打ち出した。  首相の盟友である麻生派の麻生太郎会長は28日の辞任表明当日、官邸で首相と約30分間会談している。30日に岸田氏と面会した際、麻生氏は「首相の考えは大事だ」として、首相からの支持獲得が支持の条件だと通告。31日に岸田氏が空振りに終わったことを確認すると、菅氏を一致して推すよう派内に指示した。  首相の説明によれば、辞任の直接の理由は持病の潰瘍性大腸炎の再発だ。ただ、内閣支持率が過去最低レベルに落ち込むなど、政権運営が行き詰まっていたことが首相の気力をそいだとの見方も根強い。首相周辺は「さまざまな批判がやまず、首相は精神的にまいっていた」と明かす。  一方、辞任表明後、内閣支持率は大きく改善した。自民党の閣僚経験者は「首相の影響力はまだまだ大きい。菅氏が勝利すれば、人事についても首相に相談せざるを得ないだろう」と語った。

 9.2日、「田崎史郎氏 真のキングメーカーは二階幹事長の裏に「表に出られない別の人が…」 」。
 政治ジャーナリスト田崎史郎氏が2日、フジテレビ「直撃LIVEグッディ」に出演。自民党の次期総裁に、二階俊博幹事長が主導する形で菅義偉官房長官を擁立する構図であることに「二階さんは、誰の目にも明らかなように見せることに成功したってことです」と解説した。

 田崎氏は、一連の情報は二階氏周辺から出て、党員投票を行わない決定をした1日の総務会でも二階氏が主導的役割を果たしているとしたうえで「本当は別の人がいる感じがしますけどね。菅政権を作るって意味では」と述べた。

 「二階さんも重要な役割を果たしてますけども、もうちょっと裏で、しかし表に出るわけにはいかない人がやられてるんじゃないかなと思いますけどね」と意味深長に語った。

 司会の安藤優子から「自分だけが知っててずるい。誰なんですか?」と問われると、「いやだから、あんまり表に出ちゃいけない人がいるじゃないですか…まあ、次行きましょう」と笑顔でかわしていた。


 自民党の総裁選挙管理委員会(委員長・野田毅元自治相)は4日、党本部で会合を開き、今回の総裁選期間中は街頭演説を実施しないなど詳細な日程を決めた。新型コロナウイルス対策の一環で、選挙期間が短い事情も考慮した。事実上の次期首相を決める総裁選で全国遊説を行わないという異例の対応となる。委員会は8日の告示から14日の投開票までの日程を決定。8日午前に立候補を締め切った後、午後に候補者の所見発表演説会と共同記者会見を開く。9日に公開討論会を実施する。日本記者クラブ主催の討論会は12日午後を予定している。

【各候補の推薦人名簿候補】
 9.8日午前、安倍晋三首相(党総裁)の後任を決める自民党総裁選が告示され、立候補の受け付けは午前10時から党本部で行われた。石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)の3氏が届け出た。7年8カ月に及ぶ安倍政権の継承の是非を争点に、アベノミクス後の経済政策のあり方や新型コロナウイルス対策などを巡り論戦が繰り広げられる。国会議員票394票(衆参両院議長除く)と都道府県連票141票の計535票で争われ、14日の両院議員総会で新総裁が決まる。

 3候補は午後1時から所見発表演説会、午後3時から共同記者会見に臨む。  石破氏は安倍政権の「負の遺産」を意識し、国民の「納得と共感」を得ると主張する。地域分散と内需主導型経済への転換で東京一極集中の打破を図る。8日午前の出陣式で「新しい日本に作り変える。歴史を変えるのは常に地方、庶民だ。自民党は本来の使命を深く自覚し、この国を変える原動力になる」と述べた。  
 菅氏は「自助、共助、公助」を基本理念に、安倍政権の継承を前面に打ち出す。「縦割り行政の打破」を訴え、携帯電話料金の引き下げや外国人観光客誘致などの実績をアピールする。8日午前の出陣式で「政治空白を作ることができない。コロナ対策、経済対策に携わった者として誰かが出馬して、この国難を解決しなければならないという思いで熟慮に熟慮をして決心した」と述べた。  岸田氏は「分断から協調へ」をテーマに、最低賃金引き上げなど中間層支援の必要性を強調。アベノミクスで広がった経済格差の是正を訴える。8日午前に党本部で全国知事会から地方創生の要望を受け、「しっかり受け止める。5G(第5世代通信規格)など最新技術を実装することが地方を輝かせる」と応じた。  

 通常の総裁選では、国会議員票と同数の党員票が割り当てられる。しかし、今回は新型コロナ対策が喫緊の課題となる中で首相が突然退陣を表明したことを踏まえ、党員投票を省略し、都道府県連代表による投票で代替する。これまでに党内7派閥のうち5派閥が菅氏支持を表明。無派閥議員の一部からも支持を受ける菅氏が国会議員票で優位な情勢だ。岸田、石破両氏は都道府県連票での巻き返しを図る。
 ◇石破茂氏の推薦人
 石破派(水月会)の鴨下一郎元環境相が推薦人代表。
<衆院> 赤沢亮正 石破派 鳥取2
伊藤達也 石破派 東京22
門山宏哲 石破派 千葉1
神山佐市 石破派 埼玉7
鴨下一郎 石破派 東京13
後藤田正純 石破派 徳島1
斎藤健 石破派 千葉7
平将明 石破派 東京4
冨樫博之 石破派 秋田1
福山守 石破派 比例四国
八木哲也 石破派 比例東海
山下貴司 石破派 岡山2
山本有二 石破派 比例四国
中谷元 谷垣G有隣会 高知1 元防衛相
三原朝彦 竹下派 福岡9
橘慶一郎 無派閥 富山3
渡海紀三朗 無派閥 兵庫10 元文部科学相。初当選同
期。
村上誠一郎 無派閥 愛媛2 元行政改革担当相
<参院> 中西哲 石破派 比例
舞立昇治 石破派 鳥取・島根

 推薦人に女性は入らなかった。石場派の造反者は、田村憲久、古川禎久、田所嘉徳。
◇菅義偉氏の推薦人
 かつて石破氏と行動をともにしていた浜田靖一元防衛相が推薦人代表。
<衆院> 木村弥生 無派閥 比例近畿
浜田靖一 無派閥 千葉12
牧原秀樹 無派閥 比例北関東
平沢勝栄 二階派 東京17
吉川貴盛 二階派 北海道2
塩谷立 細田派清和政策研究会 静岡8
藤原崇 細田派清和政策研究会 比例東北
山田美樹 細田派清和政策研究会 比例東京
河野太郎 麻生派志公会 神奈川15
牧島かれん 麻生派志公会 神奈川17
鈴木貴子 竹下派平成研究会 比例北海道
西銘恒三郎 竹下派平成研究会 沖縄4
山口泰明 竹下派平成研究会 埼玉10
坂本哲志 石原派 熊本3
<参院> 柘植芳文 無派閥 比例
鶴保庸介 二階派 和歌山
山本順三 細田派 愛媛
吉川有美 細田派 三重
有村治子 麻生派 比例
石井浩郎 竹下派 秋田

 推薦人に女性6人。
◇岸田文雄氏の推薦人
 谷垣グループの遠藤利明元五輪相が推薦人代表。
<衆院> 畦元将吾 岸田派 比例中国
大西宏幸 岸田派 大阪1
金子俊平 岸田派 岐阜4
上川陽子 岸田派 静岡1
国光文乃 岸田派 茨城6
辻清人 岸田派 東京2
西田昭二 岸田派 石川3
根本匠 岸田派 福島2
深沢陽一 岸田派 静岡4
堀内詔子 岸田派 山梨2
村井英樹 岸田派 埼玉1
吉川赳 岸田派 比例東海
加藤鮎子 谷垣G有隣会 山形3
小里泰弘 谷垣G有隣会 鹿児島3
本田太郎 谷垣G有隣会 京都5
遠藤利明 谷垣G有隣会 山形1
<参院> 足立敏之 岸田派 比例
小鑓隆史 岸田派 滋賀
林芳正 岸田派 山口
藤木真也 岸田派 比例

 女性議員は上川陽子元法相ら4人。
 竹下派から岸田と同じ広島県が地盤の平口洋元副環境相、新谷正義元厚生労働政務官が選対に加わり、他派閥への支持拡大を目指す。

 安倍首相の辞任表明から、「電光石火」の早業で党内5派閥の支持を取り付け、ポスト安倍候補の中で圧倒的優位な構図をつくった菅義偉官房長官。その背景には、政局のコントロールに長けた二階俊博幹事長との3年半前からの「蜜月関係」があった。菅─二階同盟によって岸田文雄政調会長、石破茂幹事長の政敵二人を追い落とし、天下取りへの道はほぼ盤石。すべてが菅─二階同盟の計画通りに進んでいるかのような展開になっている。自民党の無派閥議員のうち約30人が菅グループと言われ、二階派の47人と合計すると約80人になる。党内最大派閥である細田派の98人に次ぐ一大勢力となっている。菅氏周辺は「ひそかに菅さんを支持する『隠れ菅派』も合わせると、100人程度の規模になるはずだ」とソロバンをはじく。

 但し、早くも派閥間の軋轢が生じている。9.2日、菅―二階連合の動きに対応させて細田派の細田博之、麻生派(54人)の麻生、竹下派(54人)の竹下亘の三派閥の会長がそろって記者会見を開き、二階氏抜きで菅への支持を表明。この動きを主導したのは麻生太郎氏だった。これに二階氏が怒り、二階派幹部の河村建夫元官房長官は、「主導権争いをやっていると余計な臆測を呼ぶ」と麻生氏に伝えたことを明かした。二階派議員は言う。 「二階派にケンカを売ってるのか? 菅さんに『3派を優先した内閣にしろ』と言っているようなものではないか。そこまでしてポストが欲しいか」 。目下の焦点はすでに新内閣の人事に移っている。特に、政権の「要」である官房長官に誰がなるかで水面下の駆け引きが始まっている。 「菅の意中は若手時代に師事した梶山静六の息子で気脈を通じる無派閥の梶山弘志、次いで加藤勝信氏と言われる。しかし麻生派が河野太郎を、細田派が西村康稔をねじ込もうとしており難航している」。「寄り合い所帯」の弱点が早くも露呈しつつある。

 9.5日、菅は出演したテレビ番組で消費税減税に否定的な見解を示した。元来は「上げ潮派」のはずだが、財政規律を重視する麻生財務相への配慮が働いたともとれる。権力基盤の弱さを解消しようと菅が検討しているのが衆院の早期解散だという。 「菅は早くも、党のベテラン職員に選挙に向けた調査を命じたという。9月25日に臨時国会を召集して所信表明と代表質問を行った後、30日解散、10月25日投開票の選挙に踏み切るとの情報が駆け巡っている」。菅の大勝負の時が近づいている。

 9.9日、「似た歴史人物、菅氏は言及せず 石破氏・光秀、岸田氏・池田元首相 自民総裁選」参照。

 自民党総裁選に立候補した3氏は9日、党主催の討論会に参加した。「歴史上の人物に例えると誰に似ているか」を問われ、菅義偉官房長官は具体名に言及しなかったが、石破茂元幹事長は戦国武将の明智光秀を、岸田文雄政調会長は故池田勇人元首相をそれぞれ挙げた。  

 菅氏は「戦国武将(豊臣)秀吉、(徳川)家康、秀吉の弟秀長、こうした歴史物は幅広く読んだ」と前置きしつつ、「自分をどの武将に例えるかはなかなか難しい」と語った。  
 石破氏は、主君織田信長を討った光秀、関ケ原の戦いで敗れた石田三成を挙げ「次の時代は徹底的な悪役に仕立て上げるが、彼らが治めていた地域に行くとそうではない。本当に慕われている」と説明した。  
 岸田氏は「辛抱強く人生に取り組んでいく家康に共感した時代もあったが、今は時代を大きく転換させる政治家として池田元首相」と語り、所得倍増計画を唱えて高度経済成長を推進した宏池会(現岸田派)創立者を選んだ。

 9.7日、 報知新聞社「石破茂氏「UFO信じるか」質問に9分間熱弁 菅氏は50秒、岸田氏は2分…担当記者が見た」。

 安倍首相の後継を決める自民党総裁選(8日告示、14日投開票)に立候補する石破茂元幹事長(63)が6日、国会内でスポーツ7紙の合同インタビューに応じた。 石破氏の取材は、これまでの菅、岸田両氏にない独特のテンポと雰囲気で進んだ。総裁選の戦況は劣勢だが、その苦境をはねのけるエネルギーを決して表には出さない、4度目の出馬への静かな覚悟を感じた。 【自民党総裁選をイラストで読み解く!】自民党派閥とポスト安倍相関図  取材中は、マイペースに「~なんでしょうなぁ」とゆったりとした口調で、一聞けば十以上返ってくる引き出しの多さが際立った。「UFOを信じるか」という合同取材の“恒例”となった他紙の質問に、菅氏は約50秒、岸田氏は約2分かけて答えたが、石破氏は他候補を圧倒する9分間にわたる持論を語った。  石破氏は「理論家」で少し「くせ者」といったイメージだったが、ある意味イメージ通りだった。写真撮影時、色紙にしたためた「鷲鳥不群(しちょうは群れず)」の言葉通り、「強い者は群れない」のスタンスで他者の目を気にすることなく、我が道を進む印象を受けたが、「眼鏡」を巡っては意外な反応がうかがえた。  黒縁眼鏡を新調した経緯を問われると、「秘書など20人ほどに聞いたら、みんな黒縁の方がいいと言ったので」と明かした。「でも評判があまり良くなくて、世の中難しいなぁ…」と“群衆”からのイメージを気にする一面をのぞかせた。(奥津 友希乃)


自民党総裁選3候補、統一教会との”協助”関係でも菅官房長官が独走<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・番外編>

配信

 9月14日に投開票される自民党総裁選。主要派閥の支持により議員票の7割強を固め独走状態となっている菅義偉官房長官、菅氏に大きく水を開けられている石破茂元幹事長と岸田文雄政調会長。本稿ではこの3候補及び周辺の議員について、筆者が追及してきた統一教会(世界平和統一家庭連合/天の父母様聖会家庭連合)との関係を中心にまとめてみたい。

首相肝入り候補を統一教会礼拝に派遣、教団世界副会長を官邸に招待した菅官房長官

 過去の筆者記事の中で、何度も指摘してきたのが菅氏と統一教会との緊密さだ。  首相官邸と統一教会との関係が明確な証拠を以って可視化された2013年の参院選。官邸2トップ、安倍首相と菅官房長官が落選必至と見られていた全国比例区の候補者を統一教会との裏取引によって当選に導いた。その人物は現参議院議員で元産経新聞政治部長の北村経夫氏。祖父・岸信介元首相の恩人・天照皇大神宮教の北村サヨ教祖の孫とあって安倍首相肝入りの候補者だった。安倍首相は北村氏への組織票を「じきじきに」教団へ「依頼」、菅長官は参院選運動期間中、極秘裏に北村氏を福岡県内の統一教会の地区教会2か所の礼拝へ派遣、講演を行わせた。 〈参照:|自民党安倍政権と統一教会。2013年参院選時に蠢いた策動〉  さらに菅長官は17年5月、統一教会系列のワシントンタイムズ財団と米下院議員らからなる世界平和国会議員連合のVIPたちを引き連れ来日していた金起勲(キムギフン)北米大陸会長兼世界副会長一行を首相官邸に招待したとされる。 〈参照:|韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長〉  また、教団イベントで来賓挨拶を行った他、選挙運動員として教団信者を登用した疑惑が持たれている菅原一秀前経産省や山本朋広防衛副大臣といった子飼いの無派閥議員を統一教会に紹介したのも、長年自民党の選対を取り仕切ってきた菅氏の差配と見られている。

教団系メディアに鼎談記事、関連政治団体で講演の石破元幹事長

 一方、石破茂元自民党幹事長にも統一教会との関係が発覚している。地方創生相だった2015年6月、統一教会の関連政治団体・世界戦略総合研究所が永田町の憲政記念館で開いた第85回定例会において『地方から創生する我が国の未来』と題した講演を行っている。  また、教団系メディア・世界日報の月刊誌Viewpointにも石破氏は2度登場。党幹事長に就任する約半年前、衆院予算委員会野党筆頭理事と自民党安全保障調査会長を務めていた時期、同誌の12年2月号に長野祐也元衆院議員や木下義昭世界日報主筆兼社長(当時)と行った新春座談会記事が掲載された。その3年後の15年2月号にも地方創生相として両氏との鼎談が掲載されている。   その他、佐藤正久外務副大臣の叔父がCEOを務めていた統一教会の関連海洋摂理会社・海洋平和が2018年6月に開いた株主総会へ、石破氏が祝電を贈っていたことも判った。  また石破氏は、偽書を基に富士王朝にあった天皇家ゆかりの神社の再建を謳う不二阿祖山太神宮が毎年関連NPO名義で開催する『FUJISAN地球フェスタWA』の名誉顧問を2015年以降、毎年務めている。〈参照:|安倍昭恵氏も関与していたオカルト神社の例祭に参列してみた。関連イベント役員には石破茂氏の名も〉  石破派(水月会)では第4次安倍第1次改造内閣で法務相を務めた山下貴司衆院議員も18年7月、岡山県のジップアリーナ岡山で統一教会が開催した大規模信者集会『復興祈念2018孝情文化ピースフェスティバルin OKAYAMA』に来賓出席している。 〈参照:|弁護士団体の要請を無視、“反社会的”教団の式典に来賓出席する閣僚たち〉  石破氏の推薦人に名を連ねた谷垣グループの中谷元元防衛相も、Viewpointの14年10月号に黒木正博世界日報論説主幹らと行った鼎談記事『集団的自衛権と日本の安全保障』が掲載されている。16年4月号にも防衛相としてインタビュー記事が掲載された。

本人は接点なしも派閥幹部は”濃厚接触”の岸田政調会長

 統一教会との関係においては菅氏に迫る勢いの石破氏、この2人の総裁候補と違って、岸田政調会長にはこれまで統一教会との接点は見当たらない。  ズレたジェンダー観が周知のものになってしまった「家族円満アピール」も記憶に新しい。  しかしながら、トップが“クリーン”であっても岸田派(宏池会)の幹部や構成議員には教団との関係が取り沙汰された議員が複数いる。  在庫一掃内閣と揶揄された現在の第4次安倍第2次改造内閣で科学技術大臣となった宏池会副会長の竹本直一氏は2017年7月、教団がお膳立てしたアメリカ外遊議員団に参加、教団幹部らとともに撮影した記念写真をブログに掲載している。 〈参照:|韓国の新興宗教に忠誠を誓う自民党・国防部会長〉  竹本氏も数年来、前述の『FUJISAN地球フェスタWA』の顧問として名を連ねている。  同じく閣僚入りした北村誠吾地方創生相は18年3月、長崎での日韓トンネル実現シンポジウムに参加し、翌19年6月に長崎で開かれた日韓トンネル推進長崎県民会議総会に出席。同年8月にも教団フロント団体・平和大使協議会が長崎県庁内の会議室で開いた” 平和フォーラム”に参加している。  宏池会座長で総裁選の選対を取り仕切る林芳正元文科相は、Viewpointの12年4月号に『林芳正・農林水産相インタビュー記事『林芳正・自民党政調会長代理に聞く「一体改革」法案出して議論を』が掲載されている。  宏池会事務総長代理の平井卓也前科学技術大臣は16年6月、教団2世組織であることを隠して活動する勝共UNITEの渋谷でのデモ行進を報じたテレビ東京のニュース画像を引用しFacebookに「このようなデモはあまり報道されませんが、学生はシールズというイメージは間違いです」と投稿。教団2世組織を使った党ぐるみの策動の一旦を担った疑惑が持たれている。当時、自民党IT戦略特命委員長に就き、同党のネットメディア局長とネットサポーターズクラブ(J―NSC)代表を歴任してきた平井氏はその後16年8月に自民党情報調査局長、17年8月には自民党広報本部長、そして18年10月に初の閣僚入りを果たした。〈参照:|自民党安倍政権と統一教会。2016参院選、教団2世信者を使った策動〉  さらに、平井氏には科学的根拠が疑わしいとして批判されることも少なくないEM菌に関して、有用微生物利活用推進議員連盟、所謂EM議連の幹事長という経歴もある。  総裁選に際し党員投票の実施を求め党所属の国会議員145人の署名を二階幹事長へ提出したのが岸田派若手のホープ、自民党青年局の小林史明局長だ。しかし、この小林議員も昨年6月、地元広島で平和大使協議会が主催した反LGBTセミナーへ祝電を贈っていたことが発覚した。このセミナーにおいて国際青少年問題研究所所長の肩書きで講演を行ったのは教団の政治組織である国際勝共連合本部の青津和代本部長だ。  祝電を贈った経緯や統一教会及びその関連団体との関係・選挙等の支援の有無などを小林議員の国会事務所に問い合わせた。小林議員の事務所はこの祝電について「電報の文面にありますとおり、地域の方々が参加している会合に対し、その参加しているみなさんのご多幸をお祈りしたまでです。支援のあるなしに関わらず、地域の活動に対し、要請があれば基本的に対応しています」と答えている。支援を受けているか否かについては言及がなかった。

教団との関係は新政権でも継続&深化か

 今回の総裁選に関連する議員を辿るだけでもこれだけの繋がりが出てくることからも、教団があらゆるところに触手を伸ばしていることが判る。  菅官房長官が選出されることが規定路線の自民党総裁選、新総理総裁となる菅氏とこれまでの統一教会との関係性から、両者の結びつきがより緊密になっていくことは想像に難くない。政策で「自助・共助・公助」を掲げた菅氏、これまでに発覚した統一教会との「互助・協助」がどのように発展していくのか注目される。 <取材・文/鈴木エイト> *(本稿は「にょろ」氏ツイッター @hyoloro*非公開 を参照した) 【鈴木エイト】 すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)


自民党総裁選は14日に投開票される。官房長官(71)が党所属国会議員(394人)の7割超の支持を受け、圧倒的に優位な情勢は変わっていない。政調会長(63)、元幹事長(63)は伸び悩んでおり、菅氏が首相の後継総裁に選出される見通し。新総裁は16日召集の臨時国会で首相に指名される。

橋下氏入閣、否定せず 菅官房長官

 菅氏は12日、東京都内で開かれた日本記者クラブ主催の討論会に出席。首相の資質について「私は全体を総理大臣として前に進めていく、この日本を進めていく、そうした準備がある」と述べ、政権運営に強い意欲を示した。
 総裁選は国会議員票(394票)と47都道府県連代表各3票(141票)の計535票で争われる。14日午後2時からの両院議員総会で投開票を行い、結果は午後3時半ごろに発表される。
 菅氏は党内7派閥のうち細田、麻生、竹下、二階、石原5派の支援を受け、国会議員だけで全体の過半数に当たる約300人の支持を固めた。地方票でも優位に戦いを進めており、秋田県連は12日の総務会で、持ち票の3票全てを菅氏に投じることを決めた。秋田は菅氏の出身地。新潟、山口両県連も党員アンケートや予備選の結果、3票を菅氏に投票すると決定。福岡県連は菅氏に2票、石破氏に1票を投じる。
 一方、国会議員の支持では、岸田氏は約55人、石破氏は約25人にとどまる。態度未定の議員票や地方票を加えても逆転は困難な情勢だ。





(私論.私見)