転向考 |
(最新見直し2012.7.7日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
いわゆる「転向問題」を分かったように「解決済み」的態度で論ずるエセイストを厳しく批判せねばならない。思想的な面で、戦後の左派運動は何ほどの深化を遂げていない。転向問題についても然りというのがれんだいこ史観である。今日の馬鹿げた状況は、「転向問題」を論ずる論者が、その論者自身が何ら己の転向を是認するなり否定するなりの観点を得ていないにも拘らず、「転向問題」を外的に措定し、如何にも学問的に研究しているかのような素振りを見せていることにある。「転向問題」で批判するにせよ理解するにせよ、その立場を維持し得るのは、今現に非転向を貫いているか、「転向問題」の内的必然性を説き明かし、己の転向を是認する観点を獲得していなければ論理整合しないだろう。これができぬままの転向論は味気ない。そういう痴態がはびこっているのに、そのことを疑問にする声も聞こえない。実際には、「転向問題」で思想的に苦闘する訳でもなくこともなく、これを単に何かの権威に依拠して道徳的に批判する的な独善的立場から論じている。全く不真面目に付き合っているにも拘らず真面目そうに論じている。れんだいこには、その不細工さが堪えられない。 れんだいこがこれまで「転向問題」と向き合うのを忌避したり嫌悪してきたのはそういう事情によるものと思われる。考えてみれば、転向論の現在的在り方が日本左派運動の能力を証しているのかも知れない。膨大に論ぜられているにも拘らず何の教訓も総括されていない。くだらない弁明的な物言いについてはねちねちとした議論を生んでいるが、重要な事案に対して真摯に向き合ってこれを討議するという作風が見られない。むしろ野ざらしにされている。れんだいこのこの謂いは云い過ぎだろうか。 2004.10.23日、2004.11.23日再編集、2012.7.7日 れんだいこ拝 |
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