補足・別章【転向考】 |
更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4).3.23日
(れんだいこのショートメッセージ) |
考えてみれば、転向論の現在的在り方が日本左派運動の能力を証しているのかも知れない。膨大に論ぜられているにも拘らず何の教訓も創出されていない。くだらない弁明的な物言いに就いてはねちねちとした議論を生んでいるが、重要な事案に対して真摯に向き合ってこれを討議するという作風が見られない。むしろ野ざらしにされている。れんだいこのこの謂いは云い過ぎだろうか。 いわゆる「転向問題」を分かったように「解決済み」的態度で論ずるエセイストを厳しく批判せねばならない。思想的な面で、戦後の左派運動は何ほどの深化を遂げていない。転向問題についても然りというのがれんだいこ史観である。今日の馬鹿げた状況は、「転向問題」を論ずる側が、その側自身が転向しているにも拘らず、「転向問題」を外的に措定し、かっての転向者を傲慢に批判していることの虚構にある。「転向問題」を批判し抜く立場を維持し得るのは、今現に非転向を貫いている側からでなければ論理整合しないだろうに、かような痴態がはびこっている。そのことを疑問にする声も聞こえない。 せめて、次のようでなければなるまい。今現に転向している側が「転向問題」を解くには、「転向問題」の内的必然性を説き明かし、己の側の転向を是認する方法で裏付けねばなるまい。ところが実際には、「転向問題」をそのように位置づけて苦闘することもなく、これを単に道徳的に批判し、何の根拠もなしに独善的立場から論じている。れんだいこには、その不細工さが堪えられない。これでは何も解けない。つまり、全く不真面目に付き合っており、にも拘らず真面目そうに論じている。れんだいこがこれまで「転向問題」と向き合うのを忌避したり嫌悪してきたのはそういう事情によるものと思われる。 2004.11.23日 れんだいこ拝 |
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