れんだいこが弁ずるより、小室直樹氏の「日本の敗因」の一節を紹介する。
「戦後、経済で栄えた日本は、現在、経済で滅びそうである。それは、戦争で栄えた日本が戦争で滅んだのとそっくりである。日清、日露の両戦争で、西欧列強と肩を並べた日本が、大東亜戦争によって滅んだ。それとそっくりの状況が、今の日本で展開されているのである。だから、大東亜戦争を検証し、そこから学ぶべきものを学ぶということでしか、現在の日本の状況を打開することはできないと、私は思っている。大東亜戦争を無視して、日本の将来はありえないのである」。 |
「アメリカの物量に敗けた。これは、敗戦責任を逃れるための軍部の口実に過ぎない。あの戦争は、無謀な戦争だったのか。それとも無謀な戦争ではなかったのか。答えを一言でいうと、やはり、あの戦争は無謀極まりない戦争だった。しかし、無謀とは、小さな日本が巨大なアメリカに立ち向かったということではない。腐朽官僚制に支配されたまま、戦争という生死の冒険に突入したこと。それが無謀だったのである。明治に始まった日本の官僚制は、時とともに制度疲労が進み、ついに腐朽して、機能しなくなった。軍事官僚制も例外ではない。いや、軍事官僚制こそが、腐朽して動きが取れなくなった。典型的なロトン・ビューロクラシーであった。そんな軍部のままに戦争に突入したのは、確かに無謀だった。その意味で、あの戦争は『無謀だった』のである」。 |
小室氏のこの指摘は鋭い。
2004.12.13日再編集 れんだいこ拝
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