法文の概要は次の通りである。「侵略の定義に関する決議」はその第1条で、侵略を「国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による武力の行使であって、この定義に述べられているものをいう」と定義している 。この定義について、最も掘り下げた議論を行った国際刑事裁判所締約国会議の侵略犯罪に関する特別作業部会では、侵略の定義に関する決議の第1条及び第3条(侵略行為の定義)を参照して適用する案についてその運用段階の議論が行われた。しかし、侵略の定義に関する決議は国際連合安全保障理事会が侵略の事実の有無を認定する際の指針という性質を持つため、公開協議の場では侵略の定義に関する決議を直接参照することについては慎重論が根強く、日本政府も同様の懸念を表明した(→日本の見解)。

 2010.6.11日、カンパラで開かれたローマ規程再検討会議において、侵略の定義に関する決議の内容に一致した定義に規程独自の定義を付加し、管轄権行使の諸要件と手続きをも含めた改正条項を採用する決議(RC/Res.6)が参加国111カ国のコンセンサスにより採択された 。この時、日本政府は投票には参加しなかったものの、コンセンサスを妨げることはなかった。但し、同改正は2012年5月14日現在、発効していない(→侵略犯罪)。