グーグル社の挑戦、検索エンジンと著作権考

 (最新見直し2005.12.3日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 グーグルとかヤフーの検索はとても重宝であるが、この検索機能についても「誰の断りしてサイト紹介しているのか」てなクレームを付ける者が居るのだろうか。逆に、グーグルとかヤフーの検索が認められるとすれば、承諾無しのその行為が広く支持されていることを意味する。全方位四角四面の著作権推進論者はこの点どのようにお考えか、聞いてみたい。

 2004.9.2日、日本経済新聞は、「グーグル、日本語ニュース検索を開始」なる見出しで、次のような記事を掲載している。

 検索エンジン最大手のグーグルは日本語のニュース検索サービスを1日、開始した。国内の新聞社や通信社、テレビ局などが運営する600以上のサイトから情報を検索、表示する。利用者が興味のあるニュースの見出しを選択すると情報配信元のサイトに直接接続できるのが特徴。日本市場向けコンテンツ(情報の内容)強化の一環で、利便性を高め利用者拡大につなげる。

 開設したサイトは、主要ニュースを取り上げる「トップ記事」のほか、「社会」「経済」「政治」「文化・芸能」など8分野別にニュースを表示する。同じ内容の情報がまとまって表示されるほか、キーワードから利用者が求めるニュースを検索することも可能。見出しと内容を表示するだけのポータル(玄関)サイトのニュース配信サービスに比べ、必要な情報が探しやすくなる。

 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20040901AT1D0100Z01092004.html


 
れんだいこは、この流れを支持するが、日本新聞協会編集委員会はどのようにその著作権理論を整合化しているのだろう。「社会的有益論」で合意するのなら、いっそのこと元に戻ってかの偏狭な「1997.11月付け日本新聞協会編集委員会のネットワーク上の著作権に関する協会見解の見直しまで踏み込めばよいのに。

 2004.9.2日 れんだいこ拝


【クーグル思想考】
 ケン・オ―レック著作「クーグル秘録-完全なる破壊」(原題は「GOOGLED」、文芸春秋)が出版された。これを機会にグーグル社とは何者なのか、してその思想は?を確認しておくことにする。ウィキペディア・グーグル」その他を参照転載しておく。

 Google(グーグル)は、アメリカ合衆国のソフトウェア会社、あるいは、同社の運営するインターネット上での検索エンジンである。米Google本社のCEOはエリック・シュミット。日本法人のグーグル株式会社の代表取締役社長は辻野晃一郎。東京オフィスは渋谷セルリアンタワーにあったが、2010年夏、六本木ヒルズ森タワーへの移転が決まっている。

 1996.1
月、Googleの原型となるバックリンクを分析する検索エンジンBackRub(バックラブ)が、スタンフォード大学の博士課程に在籍していた30代後半のコンピューター・エンジニアのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって開発される。もともとは研究プロジェクトとして始められたものだった。この二人が、50代半ばの経営者エリック・シュミットと出会うところからグーグルが始まる。

 1998.9.7日、グーグル社が、アンディ・ベクトルシャイムからの10万ドルの資金援助を受け、カリフォルニア州メンロパークにある友人のアパートで創業した。
oogleという言葉は、googol(グーゴル)という言葉の綴りまちがいに由来する。1997年年にラリー・ペイジたちが新しい検索エンジンの名前を考えてドメイン名として登録した際、googol.comをgoogle.comと綴りまちがえたのがその起源と云われる。グーゴルという言葉は、アメリカの数学者エドワード・カスナーの甥のミルトン・シロッタによって作られたもので、1グーゴルは10100(1のあとに0が100個続く数・10の100乗と読む)である。この言葉に似た言葉を社名に用いていることは、WWW上の膨大な情報の組織化がGoogleの使命であることを意図している。また、1グーゴルの指数表記に由来する1e100.netというドメインも管理し、情報収集に使っている。

 その後短期間のうちに100万ドルの資本を集める。1999.3月、パロアルトに移転する。1999.6.7日、KPCB、セコイア・キャピタルから2500万ドルの資金を調達する。この時点では売上はほとんどない。1999.6月、マウンテンビューに移転する。

 2000.6.26日、Yahoo!のサーチエンジンに採用される。同年10月、Overtureの課金型リスティング広告を参考にアドワーズを開始する。2001.8月、 日本法人のグーグル株式会社を設立する。2003.2月、Pyro Networksを買収しBloggerを獲得する。2004.2.18日、Yahoo!のサーチエンジンの契約を終了させる。

 2004.7
月、画像管理ソフトを開発しているPicasaを買収。同年8.19日、NASDAQで株式公開。ティッカーシンボルは「GOOG」。同年10.27日、人工衛星や航空撮影の画像をデータベース化したソフトを販売しているKeyholeを買収。その後、Keyholeの技術を使ったGoogle マップ、Google Earthが公開される。

 2005.3月、Urchinを買収。その後、Google Analyticsを開始。同年5.11日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のdodgeball.comを買収。

 2006..3.6日、Upstartle社が開発する”Ajaxワープロ”の「Writely」の開発チームを買収。
5月、au (KDDI) と提携。10.9日、GoogleがYouTubeを16億5000万ドル(約1950億円)で買収すると発表。また、YouTubeを買収した後も「Google ビデオ」、「YouTube」の名称を変えないことも発表。11.1日、 企業向けウィキシステム、JotSpotを買収する。

 2007.4.13日、広告会社の「ダブルクリック」を31億ドル(約2800億円)で買収。5月、 画像共有サイト「Panoramio」を買収。
6.1日、RSSサービスのFeedBurnerを買収。10.9日、モバイルサービス企業のJaikuを買収。2007年中に、オハイオ州で巨大データーセンターが作動する。

 2008.1.24日、NTTドコモと提携。


 2009.1.14日、 Googleが、Google Video、Google Notebook、Google Catalog Search、Jaiku、Dodgeball、Mashup Editorのサービスを終了する事を発表する。8.5日、VP8等の動画圧縮技術を保有するOn2 Technologiesを約1億650万ドルで買収した事を発表する。2009年度第四半期に完了予定。9.16日、 スパム対策などで知られるOCR技術を保有するreCAPTCHAを買収。11.9日、 iPhone等の動画広告配信で大きなシェアを広げるモバイル広告企業のAdMobを7億5千万ドルで買収。11.12日、無料IP電話ソフトで知られるGizmo5を買収。買収総額は非公表。11.23日、ディスプレイ広告等で知られる米Teracentを買収する事で合意。買収総額などは2009年11月23日時点では非公表。買収完了は年内の見込み。12.4日、 共同編集エディタ「EtherPad」を開発しているAppJetがGoogleに買収された事を発表。買収金額は未公表。

 2010.1.25日、ダブルクリック株式会社のDART事業をGoogleに譲渡した事を発表。対価は4500万ドル。2.9日、 つぶやきソーシャルネットワークであるGoogle Buzzを発表。同機能はGmailに統合される。2.12日、Google元社員が設立したソーシャル検索サービス企業のAardvarkを5000万ドルで買収した事を発表。2.17日、メールアプリを開発するreMailを買収。3.1日、オンライン写真編集サービスのPicnikを買収。3.5日、 Officeコラボレーションプラグインを開発するDocVerseを買収したことを発表。4.12日、 ビジュアル検索のPlinkを買収。4.26日、 ガジェット開発企業Labpixiesを買収。4.30日、3Dデスクトップを開発するBumpTopを買収したことを発表。5月、音声/ビデオコーデックのGlobal IP Solutionsを6820万ドルで買収。5.20日、 iPhone向けストリーミングアプリを開発するSimplify Media社を買収したことを公表。5.20日、Google TVを発表。5.21日、FTCによりAdMobの買収が承認され、買収完了。

 米国Googleは人類が使う全ての情報を集め整理すると言う壮大な目的をもって設立されている。独自開発したプログラムが、世界中のウェブサイトを巡回して情報を集め、検索用の索引を作り続けている。約30万台のコンピュータが稼動中といわれる。「グーグル・ニュース」は、新聞社等からニュース記事をかき集め、無料公開している。検索結果の表示画面や提携したウェブサイト上に広告を載せることで、収益の大部分をあげている。

 検索エンジンとしては後発であるものの、リンクの集まる重要なページを上位に表示したり、表示に備えて検索対象のウェブページを保存しておいたりと、それまでの検索エンジンにはない機能によって2002年には世界で最も人気のあるものになり、AOLなどのクライアントを通じてインターネット検索のトップを占めるまでになっている。日本では、Yahoo! JAPANに次いでシェア2位である。

 「グーグル書籍検索」では全書籍の電子化を目指し、買収した「ユーチューブ」ではテレビ番組等著作権があるはずの動画が投稿されている。いずれも無料サービスしており、強権著作権派から猛抗議されている。他方、ユーザーの熱い支持を受け快進撃している。マイクロソフトの利潤型路線と対照的で、いわば大衆路線にシフトしつつ双頭の鷲化しつつある。

 社外での活動

 Googleは社内で多くのオープンソースソフトウェアを使っているため、オープンソースの開発者を雇うなど、オープンソースの支援を積極的に行っている。2005年には、「Google Summer of Code」というオープンソースの開発に資金を提供するプロジェクトを行った。これは、Googleが指定したプロジェクトに参加する学生に開発費用を提供するというもので、一定期間の補助を受けて開発を行う。また、これを受けて日本でも「夏休みコード道場」というプロジェクトが、フリーソフトウェアイニシアティブ (FSIJ) の主催の元、Google日本法人の協力で開始された。現在は、ウィキペディアに対しても資金提供をするなど、オープンな文化に対する積極的な支援を行う企業としても名前をあげつつある。また、2005年9月28日にはNASAと提携し、大規模コンピューティングの活用や、データマイニング、ナノ、バイオテクノロジーでの協力などを行うことを発表している。2007年1月21日NHKスペシャルでは、Googleが初めてテレビ局の長期取材に応えた『グーグル革命の衝撃 〜あなたの人生を“検索”が変える〜』が放送された。地元マウンテンビューでは無料のネットワークが張り巡らされている。2007年、サンフランシスコでも無線インターネット接続が発表された。

 Googleは、検索をはじめとした多くのウェブサービスや、ダウンロードして使えるローカルアプリケーションを提供している。

 プライバシー問題

 Googleではプライバシーを軽視する傾向があると言われており、Google Earth並びにGoogle マップで利用できる「公道のパノラマ写真が見ることができるストリートビュー」を公開して以降、Googleと一般人とのトラブルが絶えない。2008年8月5日から日本でも公開されたが、公開当日から個人のプライバシーを侵害しているとして日本国内より非難が集中し、のちに申告された物だけぼかしを入れたり画像をごっそり削除するなどの対処を行った[38]。ただし、いまだにプライバシーを侵害しているとして非難されている。また、「日本のGoogleでもプライバシーを軽視するような傾向である」ような発言を行ったGoogle社員もいる[39]。日本ではストリートビューを停止すべきとの要求も出された。これに対し、2009年6月日本の総務省は、適切な処理が行われている限りでは道路周辺映像提供サービスそのものに違法性はなく、一律の停止ではなく個別に侵害のおそれのある事案に対処していくことが望ましいとの見解をまとめた。一方で「法的な問題を克服できたからといって直ちに受け入れられるサービスといえるわけではない」と指摘しており、一般市民の抱く不安感の解消のための取組をサービス提供者に求めた[40][41][42]

 アメリカペンシルベニア州の住民がストリートビューで自宅内部を勝手に公開されたとして、Googleを相手に裁判を行っているが、その中でGoogleが答弁として「現代では完全なプライバシーなどは存在しない」と反論[43]、非難を浴びた。また、非営利組織のプライバシー保護団体がGoogle Earthを利用してGoogle取締役の自宅を公開した[44]

 中国撤退騒動

 2010年1月13日中国で中国政府に批判的な政治活動家が所有するGMailアカウントに対して中国国内からInternet Explorerの脆弱性を利用した攻撃を受けていたことをGoogle公式ブログで告白、攻撃した一部ユーザーが中国政府であったため中国政府の検閲についても反発し中国から検索事業の撤退を示唆した[47][48]。これについて、中国外務省スポークスマンは「国内の法律に従うしかない」と述べるも、ヒラリー・クリントンアメリカ合衆国国務長官は「サイバー攻撃に対して説明を求める」とした[49]。なお、Internet Explorerはこの攻撃に使われた脆弱性が問題となり、オーストラリア政府機関が同攻撃に対する脆弱性が無い他ブラウザへの推奨を進めるといった異例の事態に発展、特にGoogleは中国ユーザーに利用者が多いInternet Explorer 6のブラウザに対してのサポートを同年3月で打ち切った[50]

この事態を受けて中国政府と交渉を重ねたが[51]折り合いが付かず、2010年3月23日にGoogleは中国国内から検索事業を撤退、中国(google.cn)にアクセスすると検閲のない香港(google.com.hk)に飛ぶようになった。ただし、中国国内から香港の当該サイトで中国政府の規制しているキーワードを検索すると接続が出来なくなるなど、中国当局による規制が行われていると一部のメディアで報道された。




 



(私論.私見)