JASRAC訴訟その7、音楽教室訴訟考 |
(最新見直し2009.2.28日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、「音楽教室訴訟考」をものしておく。 2006.4.20日 れんだいこ拝 |
【音楽教室訴訟考】 |
2017(平成29).6.20日、「音楽教育を守る会」が、JASRACによる音楽教室における著作物の使用料徴収に対し、東京地裁に「音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認訴訟」を提起した。同会は、同会会員団体249社で原告団を結成し、6月20日、JASRAC
(一般社団法人日本音楽著作権協会)に対して、JASRACによる音楽教室における著作物の使用料徴収に関し、音楽教室でのレッスンには著作権法に定める演奏権は及ばず、JASRACの徴収権限は無いことを確認するための「音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認訴訟」を東京地方裁判所に提起した。
8/1追記
上記の通り6月20日に訴訟提起したが、裁判所から、直接事業を行っていないとして、指導者を束ねる団体についての原告適格の確認があったため、これを一旦取下げ、団体会員の個人の指導者を原告とするなどして訴状を改訂した。改訂後の原告の数は「251」。この訴訟において、同会は音楽教室での演奏には、著作権法に定める演奏権(法第22条)が及ばないことを次の3点から主張している。(*別紙添付の「訴状の概要」参照) [参考]第22条「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下『公に』という。)上演し、又は演奏する権利を専有する」。 1.「公衆」に対する演奏ではないこと 2.「聞かせることを目的とした」演奏ではないこと 3.著作権法の立法目的(法第1条)にもそぐわないこと 訴訟提起に至った経緯昨年、JASRACが音楽教室での楽曲演奏について著作権料を徴収する方針を固め各音楽教室事業者へ書面での通知を開始した。この動きに対し本年2月2日に音楽教室を営む団体が合同でこの問題にあたっていくために「音楽教育を守る会」を結成した。(現在約340社が加盟)JASRACから示された使用料規程案に対しては、3月末に当会会員の総意として「音楽教室における著作物の利用は、著作権法第22条に規定する演奏権はおよばず、JASRACには徴収権限がないため文化庁への届出はしないでいただきたい」と回答したが、その回答に対しJASRACからは、「見解を述べているにすぎず、使用料規程案に関する具体的な意見はない」ものとして使用料規程を文化庁に提出するとの回答が書面で届いた。音楽教育を守る会は5月30日に総会を開催、議決行使書の提出を含め270社が参加し、会の総意として「債務不存在確認訴訟」の提起を決定し、音楽教育を守る会加盟団体249社で原告団を結成、本日の提訴に至った。当会は、今回の訴訟提起は単なる法解釈の問題ではなく、民間の音楽教育が日本の音楽文化の振興に果たしてきた役割をあらためて問う契機になるものと考えている。日本の音楽教育ならびに将来の音楽文化の発展を阻害する問題に団結して立ち向かってまいる。 6月7日、 JASRACが文化庁に使用規程を提出した件に関してJASRACが6月7日に文化庁に使用料規程を届け出たが、これによって音楽教室における演奏について著作権法上、演奏権を行使できる利用に該当すると、文化庁が判断したものではない。料率の交渉なら相談に応じるとするJASRACのコメントが報道されているが、当会の主張はあくまでも「音楽教室での指導には著作権法に定める演奏権は及ばす、JASRACに徴収権限は無い」ことであり、料率交渉に応じるのではなく、音楽教室での指導に演奏権が及ぶかどうかについて司法判断を仰ぐことにしている。 |
(私論.私見)