新(1970年)著作権法1 |
(最新見直し2007.3.4日)
(れんだいこのショートメッセージ) | |
まず、著作権法というものがどのようなものであるのか見ていくことにする。ここの理解を正確にしておかないと議論が空回りするから。原文はサイトで紹介されているので、とりあえずそれを転載し、いつの日か要点整理式に切り替えたいと思う。それにしてもかなり悪文であることに驚かされよう。 重要な法益は次の点である。
著作権法は現在急速に変化中であり、日本国憲法の9条同様に現実の方が進展しており、著作権法を超えた現代著作権法とでも云うべき勝手に増殖しつつある。我々には、旗を振るのか、抑制させるのか、どう対処すべきか、そこが問われている。 2003.4.20日 れんだいこ拝 |
【著作権法(昭和四十五年五月六日法律第四十八号)目次】
(改正の項目割愛)以下、体裁等意味を変えない範囲でアレンジしている。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
【第1章総則 】 |
【第一節 通則 】 |
第一条 (目的) |
この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。 (昭六一法六四・一部改正) |
第二条 (定義) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
|
第三条 (著作物の発行) | |||||||||||
|
第四条 (著作物の公表) | ||
著作物は、発行され、又は第二十二条から第二十五条までに規定する権利を有する者若しくはその許諾を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信、口述、若しくは展示の方法で公衆に提示された場合(建築の著作物にあつては、第二十一条に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者によつて建設された場合を含む。)において、公表されたものとする。 | ||
2 | 著作物は、第二十三条第一項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者によつて送信可能化された場合には、公表されたものとみなす。 | |
3 | 二次的著作物である翻訳物が、第二十八条の規定により第二十二条から第二十四条までに規定する権利と同一の権利を有する者若しくはその許諾を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信若しくは口述の方法で公衆に提示され、又は第二十八条の規定により第二十三条第一項に規定する権利と同一の権利を有する者若しくはその許諾を得た者によつて送信可能化された場合には、その原著作物は、公表されたものとみなす。 | |
4 | 美術の著作物又は写真の著作物は、第四十五条第一項に規定する者によつて同項の展示が行われた場合には、公表されたものとみなす。 | |
5 | 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば第一項から第三項までの権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ第一項から第三項までの権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、これらの規定を適用する。
(昭六一法六四・1項2項5項一部改正4項追加、平九法八六・4項削除2項追加1項3項5項一部改正、平十一法七七・1項3項一部改正) |
|
【第二節 適用範囲】 |
第六条(保護を受ける著作物) | |||||||
著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
|
第七条 (保護を受ける実演) | |||||||||||||||||||||||||||
実演は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
|
第八条 (保護を受けるレコード) | |||||||||||||||||||||
レコードは、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
|
第九条(保護を受ける放送) | ||||||||||||||||
放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
|
第九条の二 (保護を受ける有線放送) | |||||||
有線放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
|
【第二章 著作者の権利】 |
【第一節 著作物】 |
第十条 (著作物の例示) | |||||||||||||||||||||||||||||||
この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
|
第十一条(二次的著作物) |
二次的著作物に対するこの法律による保護は、その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。 |
第十二条(編集著作物) | ||||
|
第十二条の二(データベースの著作物) | ||||
|
第十三条(権利の目的とならない著作物) | |||||||||||
次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
|
【第二節 著作者】 |
第十四条 (著作者の推定) |
著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に、その氏名若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。 |
第十五条 (職務上作成する著作物の著作者) | |||||
|
第十六条 (映画の著作物の著作者) |
映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。 |
【第三節 権利の内容】 |
【第一款 総則】 |
第十七条 (著作者の権利) | |
著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。 | |
2 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。 |
【第二款 著作者人格権】 |
第十八条 (公表権) | |||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||
(平十一法四三・1項一部改正3項・4項追加) |
第十九条 (氏名表示権) | |||||||||||||
|
|||||||||||||
(平十一法四三・4項追加) |
第二十条 (同一性保持権) | |||||||||||||
|
|||||||||||||
(昭六〇法六二・2項三号追加四号一部改正) |
【第三款 著作権に含まれる権利の種類】 |
第二十一条(複製権) |
著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。 |
第二十二条(上演権及び演奏権) |
著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。 |
第二十二条の二(上映権) |
著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。(平十一法七七・追加) |
第二十三条(公衆送信権等) | ||||||
|
第二十四条(口述権) |
著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。 |
第二十五条(展示権) |
著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。 |
第二十六条(頒布権) | ||||||
|
第二十六条の二(譲渡権) | |||||||||||||
|
第二十六条の三(貸与権) |
著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。 (昭五九法四六・追加、平十一法七七・旧第二十六条の二繰下) |
第二十七条(翻訳権、翻案権等) |
著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。 |
第二十八条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利) |
二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。 |
【第四款 映画の著作物の著作権の帰属】 |
第二十九条(映画の著作物の著作権の帰属) | |
映画の著作物(第十五条第一項、次項又は第三項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。 | |
2 もつぱら放送事業者が放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第十五条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。 | |
一 その著作物を放送する権利及び放送されるその著作物を有線放送し、又は受信装置を用いて公に伝達する権利 | |
二 その著作物を複製し、又はその複製物により放送事業者に頒布する権利 | |
3 専ら有線放送事業者が有線放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第十五条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該有線放送事業者に帰属する。 | |
一 その著作物を有線放送する権利及び有線放送されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利 | |
二 その著作物を複製し、又はその複製物により有線放送事業者に頒布する権利 | |
(昭六〇法六二・各項一部改正、昭六一法六四・1項一部改正3項追加) |
【第五款 著作権の制限】 |
第三十条(私的使用のための複製) | |
著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。 | |
一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合 | |
二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合 | |
2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。 (昭五九法四六・一部改正、平四法一〇六・1項一部改正2項追加、平十一法七七・1項柱書一部改正一号二号追加) |
第三十一条(図書館等における複製) | |
図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。 | |
一 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合 | |
二 図書館資料の保存のため必要がある場合 | |
三 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合 |
第三十二条(引用) | |
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。 | |
2 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。 (平十一法二二○・2項一部改正) |
第三十三条 (教科用図書等への掲載) | |
公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又は生徒用の図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するものをいう。)に掲載することができる。 | |
2 前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、著作物の種類及び用途、通常の使用料の額その他の事情を考慮して文化庁長官が毎年定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。 | |
3 文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。 | |
4 前三項の規定は、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書及び第一項の教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。
(平一〇法一〇一・1項4項一部改正、平十一法一六○・1項一部改正) |
第三十四条(学校教育番組の放送等) | |
公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、又は有線放送し、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。 | |
2 前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(昭六一法六四・見出し1項一部改正) |
第三十五条(学校その他の教育機関における複製) |
学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。 |
第三十六条 (試験問題としての複製) | |
公表された著作物は、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製することができる。 | |
2 営利を目的として前項の複製を行なう者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。 |
第三十七条(点字による複製等) | |
公表された著作物は、点字により複製することができる。 | |
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。 | |
3 点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、専ら視覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる。 (平十二法五六・1項一部改正2項追加3項一部改正) |
第三十七条の二(聴覚障害者のための自動公衆送信) |
聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。 (平十二法五六・追加) |
第三十八条(営利を目的としない上演等) | |
公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。 | |
2 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送することができる。 | |
3 放送され、又は有線放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。 | |
4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。 | |
5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるものは、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者(第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。 (昭五九法四六・1項一部改正4項5項追加、昭六一法六四・1項一部改正2項追加、平十一法七七・1項一部改正) |
第三十九条(時事問題に関する論説の転載等) | |
新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。 | |
2 前項の規定により放送され、又は有線放送される論説は、受信装置を用いて公に伝達することができる。 |
第四十条(政治上の演説等の利用) | |
公開して行なわれた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行なう審判その他裁判に準ずる手続を含む。第四十二条において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。 | |
2 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。 | |
3 前項の規定により放送され、又は有線放送される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。 (平十一法二二○・2項一部改正) |
第四十一条(時事の事件の報道のための利用) |
写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。 |
第四十二条(裁判手続等における複製) |
著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。 |
第四十二条の二(情報公開法等による開示のための利用) |
行政機関の長又は地方公共団体の機関は、情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、情報公開法第十四条第一項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。以下この条において同じ。)に規定する方法又は情報公開条例で定める方法(情報公開法第十四条第一項に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。 (平十一法四三・追加) |
第四十三条(翻訳、翻案等による利用) | |
次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該各号に掲げる方法により、当該著作物を当該各号に掲げる規定に従つて利用することができる。 | |
一 第三十条第一項又は第三十三条から第三十五条まで 翻訳、編曲、変形又は翻案 | |
二 第三十一条第一号、第三十二条、第三十六条、第三十七条、第三十九条第一項、第四十条第二項、第四十一条又は第四十二条 翻訳 | |
三 第三十七条の二 翻案(要約に限る。) | |
(平四法一〇六・一号一部改正、平十一法四三・二号一部改正、平十二法五六・三号追加) |
第四十四条(放送事業者等による一時的固定) | |
放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく放送することができる著作物を、自己の放送のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。 | |
2 有線放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。 | |
3 前二項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音又は録画の後六月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送又は有線放送があつたときは、その放送又は有線放送の後六月)を超えて保存することができない。ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。
(昭六一法六四・見出し2項一部改正2項追加) |
第四十五条(美術の著作物等の原作品の所有者による展示) | |
美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。 | |
2 前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。 |
第四十六条(公開の美術の著作物等の利用) | |
美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。 | |
一 彫刻を増製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合 | |
二 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合 | |
三 前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合 | |
四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合 | |
(平十一法七七・一号二号四号一部改正) |
第四十七条(美術の著作物等の展示に伴う複製) |
美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第二十五条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。 |
第四十七条の二(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等) | |
プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項の規定が適用される場合は、この限りでない。 | |
2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。 (昭六〇法六二・追加) |
第四十七条の三(複製権の制限により作成された複製物の譲渡) |
第三十一条第一号、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第一項、第三十五条、第三十六条第一項、第三十七条第一項若しくは第二項、第三十九条第一項、第四十条第一項若しくは第二項、第四十一条、第四十二条、第四十二条の二、第四十六条又は第四十七条の規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第三十一条第一号、第三十五条、第三十六条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第三十一条第一号、第三十五条、第四十一条、第四十二条又は第四十二条の二の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第三十一条第一号、第三十五条又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く。)を、第三十一条第一号、第三十五条、第四十一条、第四十二条又は第四十二条の二に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。 (平十一法七七・追加、平十二法五六・一部改正) |
第四十八条(出所の明示) | ||||||||||
|
第四十九条 (複製物の目的外使用等) | |
次に掲げる者は、第二十一条の複製を行つたものとみなす。 | |
一 第三十条第一項、第三十一条第一号、第三十五条、第三十七条第三項、第四十一条から第四十二条の二まで又は第四十四条第一項若しくは第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物を公衆に提示した者 | |
二 第四十四条第三項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者又は有線放送事業者 | |
三 第四十七条の二第一項の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第二号の複製物に該当するものを除く。)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物を公衆に提示した者 | |
四 第四十七条の二第二項の規定に違反して同項の複製物(次項第二号の複製物に該当するものを除く。)を保存した者 | |
2 次に掲げる者は、当該二次的著作物の原著作物につき第二十七条の翻訳、編曲、変形又は翻案を行つたものとみなす。 | |
一 第三十条第一項、第三十一条第一号、第三十五条、第三十七条第三項、第四十一条又は第四十二条に定める目的以外の目的のために、第四十三条の規定の適用を受けて同条第一号若しくは第二号に掲げるこれらの規定に従い作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者 | |
二 第四十七条の二第一項の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者 | |
三 第四十七条の二第二項の規定に違反して前号の複製物を保存した者 | |
(昭六〇法六二・1項柱書一部改正三号四号追加2項全改、昭六一法六四・1項一号二号一部改正、平四法一〇六・1項一号2項一号一部改正、平十一法四三・1項一号一部改正、平十二法五六・1項一号2項一号一部改正) |
第五十条(著作者人格権との関係) |
この款の規定は、著作者人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。 |
【第四節 保護期間】 |
第五十一条(保護期間の原則) | |
著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。 | |
2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)五十年を経過するまでの間、存続する。 |
第五十二条(無名又は変名の著作物の保護期間) | |
無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後五十年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後五十年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。 | |
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。 | |
一 変名の著作物における著作者の変名がその者のものとして周知のものであるとき。 | |
二 前項の期間内に第七十五条第一項の実名の登録があつたとき。 | |
三 著作者が前項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。 |
第五十三条(団体名義の著作物の保護期間) | |
法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年(その著作物がその創作後五十年以内に公表されなかつたときは、その創作後五十年)を経過するまでの間、存続する。 | |
2 前項の規定は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない。 | |
3 第十五条第二項の規定により法人その他の団体が著作者である著作物の著作権の存続期間に関しては、第一項の著作物に該当する著作物以外の著作物についても、当該団体が著作の名義を有するものとみなして同項の規定を適用する。
(昭六〇法六二・3項追加) |
第五十四条(映画の著作物の保護期間) | |
映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年(その著作物がその創作後五十年以内に公表されなかつたときは、その創作後五十年)を経過するまでの間、存続する。 | |
2 映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。 | |
3 前二条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない。 |
第五十五条 削除 |
(平八法一一七・全改) |
第五十六条 (継続的刊行物等の公表の時) | |
第五十二条第一項、第五十三条第一項及び第五十四条第一項の公表の時は、冊、号又は回を追つて公表する著作物については、毎冊、毎号又は毎回の公表の時によるものとし、一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、最終部分の公表の時によるものとする。 | |
2 一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、継続すべき部分が直近の公表の時から三年を経過しても公表されないときは、すでに公表されたもののうちの最終の部分をもつて前項の最終部分とみなす。 (平八法一一七・1項一部改正) |
第五十七条(保護期間の計算方法) |
第五十一条第二項、第五十二条第一項、第五十三条第一項又は第五十四条第一項の場合において、著作者の死後五十年又は著作物の公表後五十年若しくは創作後五十年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。 (平八法一一七・一部改正) |
第五十八条(保護期間の特例) |
文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約により創設された国際同盟の加盟国、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国又は世界貿易機関の加盟国である外国をそれぞれ文学的及び美術的著作権の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約又は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の規定に基づいて本国とする著作物(第六条第一号に該当するものを除く。)で、その本国において定められる著作権の存続期間が第五十一条から第五十四条までに定める著作権の存続期間より短いものについては、その本国において定められる著作権の存続期間による。 (平六法一一二・一部改正、平八法一一七・一部改正、平十二法五六・一部改正) |
【第五節 著作者人格権の一身専属性等】 |
第五十九条(著作者人格権の一身専属性) |
著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。 |
第六十条著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護) |
著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。 |
【第六節 著作権の譲渡及び消滅】 |
第六十一条(著作権の譲渡) | |
著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。 | |
2 著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。 |
第六十二条(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅) | |
著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。 | |
一 著作権者が死亡した場合において、その著作権が民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十九条(相続財産の国庫帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。 | |
二 著作権者である法人が解散した場合において、その著作権が民法第七十二条第三項(残余財産の国庫帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。 | |
2 第五十四条第二項の規定は、映画の著作物の著作権が前項の規定により消滅した場合について準用する。 |
【第七節 権利の行使】 |
第六十三条(著作物の利用の許諾) | |
著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。 | |
2 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。 | |
3 第一項の許諾に係る著作物を利用する権利は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。 | |
4 著作物の放送又は有線放送についての第一項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音又は録画の許諾を含まないものとする。 | |
5 著作物の送信可能化について第一項の許諾を得た者が、その許諾に係る利用方法及び条件(送信可能化の回数又は送信可能化に用いる自動公衆送信装置に係るものを除く。)の範囲内において反復して又は他の自動公衆送信装置を用いて行う当該著作物の送信可能化については、第二十三条第一項の規定は、適用しない。
(昭六一法六四・4項一部改正、平九法八六・5項追加) |
第六十四条(共同著作物の著作者人格権の行使) | |
共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の合意によらなければ、行使することができない。 | |
2 共同著作物の各著作者は、信義に反して前項の合意の成立を妨げることができない。 | |
3 共同著作物の著作者は、そのうちからその著作者人格権を代表して行使する者を定めることができる。 | |
4 前項の権利を代表して行使する者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 |
第六十五条(共有著作権の行使) | |
共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。 | |
2 共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。 | |
3 前二項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第一項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。 | |
4 前条第三項及び第四項の規定は、共有著作権の行使について準用する。 |
第六十六条(質権の目的となつた著作権) | |
著作権は、これを目的として質権を設定した場合においても、設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が行使するものとする。 | |
2 著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行なうことができる。ただし、これらの支払又は引渡し前に、これらを受ける権利を差し押えることを必要とする。 |
【第八節 裁定による著作物の利用】 |
第六十七条(著作権者不明等の場合における著作物の利用) | |
公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。 | |
2 前項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の裁定に係る複製物である旨及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。 |
第六十八条(著作物の放送) | |
公表された著作物を放送しようとする放送事業者は、その著作権者に対し放送の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送することができる。 | |
2 前項の規定により放送される著作物は、有線放送し、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。この場合において、当該有線放送又は伝達を行う者は、第三十八条第二項及び第三項の規定の適用がある場合を除き、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(昭五九法四六・2項一部改正、昭六一法六四・2項一部改正) |
第六十九条 (商業用レコードへの録音) |
商業用レコードが最初に国内において販売され、かつ、その最初の販売の日から三年を経過した場合において、当該商業用レコードに著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物を録音して他の商業用レコードを製作しようとする者は、その著作権者に対し録音又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、当該録音又は譲渡による公衆への提供をすることができる。 (平十一法七七・見出し1項一部改正) |
第七十条裁定に関する手続及び基準) | |
第六十七条第一項、第六十八条第一項又は前条の裁定の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 | |
2 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国又は独立行政法人のうち業務の内容その他の事業を勘案して政令で定めるもの(第七十八条第五項及び第百七条第二項において「国等」という。)であるときは、適用しない。 | |
3 文化庁長官は、第六十八条第一項又は前条の裁定の申請があつたときは、その旨を当該申請に係る著作権者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。 | |
4 文化庁長官は、第六十七条第一項、第六十八条第一項又は前条の裁定の申請があつた場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、これらの裁定をしてはならない。 | |
一 著作者がその著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるとき。 | |
二 第六十八条第一項の裁定の申請に係る著作権者がその著作物の放送の許諾を与えないことについてやむを得ない事情があるとき。 | |
5 文化庁長官は、前項の裁定をしない処分をしようとするときは、あらかじめ申請者にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならないものとし、当該裁定をしない処分をしたときは、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。 | |
6 文化庁長官は、第六十七条第一項の裁定をしたときは、その旨を官報で告示するとともに申請者に通知し、第六十八条第一項又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。 | |
7 前各項に規定するもののほか、この節に定める裁定に関し必要な事項は、政令で定める。 (昭五六法四五・1項一部改正、昭五九法二三・1項一部改正、平十一法二二○・2項追加5項一部改正) |
【第九節 補償金】 |
第七十一条(文化審議会への諮問) |
文化庁長官は、第三十三条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第六十七条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条の補償金の額を定める場合には、政令で定める審議会に諮問しなければならない。 (昭五八法七八・見出し本文一部改正、平十一法一六○・見出し本文一部改正) |
第七十二条(補償金の額についての訴え) | |
第六十七条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条の規定に基づき定められた補償金の額について不服がある当事者は、これらの規定による裁定があつたことを知つた日から三月以内に、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。 | |
2 前項の訴えにおいては、訴えを提起する者が著作物を利用する者であるときは著作権者を、著作権者であるときは著作物を利用する者を、それぞれ被告としなければならない。 |
第七十三条(補償金の額についての異議申立ての制限) |
第六十七条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条の規定による裁定についての行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立てにおいては、その裁定に係る補償金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。ただし、第六十七条第一項の裁定を受けた者が著作権者の不明その他これに準ずる理由により前条第一項の訴えを提起することができない場合は、この限りでない。 |
第七十四条(補償金の供託) | |
第三十三条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第六十八条第一項又は第六十九条の補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その補償金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。 | |
一 著作権者が補償金の受領を拒み、又は補償金を受領することができない場合 | |
二 その者が過失がなくて著作権者を確知することができない場合 | |
三 その者がその補償金の額について第七十二条第一項の訴えを提起した場合 | |
四 当該著作権を目的とする質権が設定されている場合(当該質権を有する者の承諾を得た場合を除く。) |
2 前項第三号の場合において、著作権者の請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る補償金の額との差額を供託しなければならない。 |
3 第六十七条第一項又は前二項の規定による補償金の供託は、著作権者が国内に住所又は居所で知れているものを有する場合にあつては当該住所又は居所のもよりの供託所に、その他の場合にあつては供託をする者の住所又は居所のもよりの供託所に、それぞれするものとする。 |
4 前項の供託をした者は、すみやかにその旨を著作権者に通知しなければならない。ただし、著作権者の不明その他の理由により著作権者に通知することができない場合は、この限りでない。 |
【第十節 登録】 |
第七十五条(実名の登録) | |
無名又は変名で公表された著作物の著作者は、現にその著作権を有するかどうかにかかわらず、その著作物についてその実名の登録を受けることができる。 | |
2 著作者は、その遺言で指定する者により、死後において前項の登録を受けることができる。 | |
3 実名の登録がされている者は、当該登録に係る著作物の著作者と推定する。 |
第七十六条(第一発行年月日等の登録) | |
著作権者又は無名若しくは変名の著作物の発行者は、その著作物について第一発行年月日の登録又は第一公表年月日の登録を受けることができる。 | |
2 第一発行年月日の登録又は第一公表年月日の登録がされている著作物については、これらの登録に係る年月日において最初の発行又は最初の公表があつたものと推定する。 |
第七十六条の二(創作年月日の登録) | |
プログラムの著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。ただし、その著作物の創作後六月を経過した場合は、この限りでない。 | |
2 前項の登録がされている著作物については、その登録に係る年月日において創作があつたものと推定する。 (昭六〇法六二・追加) |
第七十七条 (著作権の登録) | |
次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。 | |
一 著作権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。次号において同じ。)又は処分の制限 | |
二 著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限 |
第七十八条(登録手続等) | |
第七十五条第一項、第七十六条第一項、第七十六条の二第一項又は前条の登録は、文化庁長官が著作権登録原簿に記載して行う。 | |
2 文化庁長官は、第七十五条第一項の登録を行なつたときは、その旨を官報で告示する。 | |
3 何人も、文化庁長官に対し、著作権登録原簿の謄本若しくは抄本若しくはその附属書類の写しの交付又は著作権登録原簿若しくはその附属書類の閲覧を請求することができる。 | |
4 前項の請求をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。 | |
5 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国等であるときは、適用しない | |
6 第一項に規定する登録に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 | |
7 著作権登録原簿及びその附属書類については、情報公開法の規定は、適用しない。 | |
8 この節に規定するもののほか、第一項に規定する登録に関し必要な事項は、政令で定める。 (昭五九法二三・4項一部改正、昭六〇法六二・1項一部改正、平五法八九・5項追加、平十一法四三・3項一部改正6項追加、平十一法二二〇・5項追加) |
第七十八条の二(プログラムの著作物の登録に関する特例) |
プログラムの著作物に係る登録については、この節の規定によるほか、別に法律で定めるところによる。 (昭六〇法六二・追加) |
この続きは【新(1970年)著作権法2】に記す。
(私論.私見)