第46回衆院選、選挙結果の総評

 (最新見直し2012.12.26日)


【第46回衆院選の各党獲得議席数】
政党 2005 増減 2009 増減 2012
公示前
2012
選挙後
増減 小選挙区 比例区 女性
自民 300 119 -181 118 294 +176 237←64 57←55
公明 31 21 -10 21 31 +10 9←0 22←21
自公連合総計 331 140 -191 139 325 +186 246←64 79←76
維新 11 54 +43 14 40
みんな +1 18 +10 4←2 14←3
改革 -1 0←0 0←0
右派系第3極連合
民主 115 308 +193 231 57 ―174 27←221 30←87
国民新党 -1 ―1 1←3 0←0
民主系連合 450 453 388 454 +66
未来 61 ―52
大地 ―2 0←0 1←1
小沢系連合 64 10 ―54
社民 ―3 1←3 1←0
新党日本 +1 ―1 0←1 0←0
共産 ―1 0←0 8←9
無所属 ―3 5←6 0←0
合計 477 480 480 300 180

【第46回衆院選の各党獲得得票数】
政党 小選挙区得票数(45回) 比率(45回) 比例区得票数(45回) 比率(45回)
自民 25.643.309(27.301.982) 43.01(38.68) 16.624.457(18.810.217) 27.62(26.73)
公明 885.881(782.984) 1.49(1.11) 7.116.474(8.054.007) 11.83(11.45)
自公連合総計
維新 6.942.353 11.64 12.262.228 20.38
みんな 2.807.244(615.244) 4.71(0.87) 5.245.586(3.005.199) 8.72(4.27)
改革 0(36.650) 0(0.05) 134.781(58.141) 0.22(0.08)
右派系第3極連合
民主 13.598.773(33.475.334) 22.81(47.43) 9.628.653(29.844.799) 16.00(42.41)
国民新党 117.185(730.570) 0.20(1.04) 70.847(1.219.767) 0.12(1.7)
民主系連合
未来 2.992.365 5.02 3.423.915 5.69
大地 315.604 0.53←0 346.848(433.122) 0.58(0.6)
小沢系連合
社民 451.762(1.376.739) 0.76(1.95) 1.420.790(3.006.811) 2.36(4.27)
新党日本 62.697(220.223) 0.11(0.31) (528.171) (0.7)
共産 4.700.289(2.978.354) 7.88(4.22) 3.689.159(4.943.886) 6.13(7.03)
無所属 1.006.468(1.986.055) 1.59(2.81)
合計 59.626.567(70.581.679) 100.00(100.00) 60.179.888(70.370.255) 100.0(100.0)

れんだいこのカンテラ時評№1082 投稿者:れんだいこ 投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その1、投票率の巻

 以下、後日の資料とする為に第46回衆院選を確認、検証、総括しておく。その1を「投票率の巻」とする。

 期日前投票は次の通り。全国で1203万9570人(←1398万4866人)、全有権者数の11.37%(←13.40%)、過去3回の国政選挙で最も多かった2009衆院選時より169万3796人減ったことになる(前回比13.91%減)。期日前投票率が最も高かったのは秋田の22.31%。低かったのは**。前回から増えた都道府県はなかった。期日前投票は2004年の参院選で導入され、その後増え続けてきた。前回の2009衆院選が過去最高で今回初の減少に転じた。在外投票の投票率は小選挙区19.97%、比例代表20.38%。

 気になることとして、選管がこういう数値を発表することは良いとして、更に期日前投票、在外投票の投票内訳を発表せねばなるまい。選挙の不正が噂されている折柄、あらぬ疑いを掛けられない為にも発表すべきである。今後は投票数、投票率、投票内訳を三位一体として発表すべきである。

 投票率は次の通り。投票は、全国300の小選挙区と11ブロックの比例区(総定数180)の議員を選出する為、2012.12.16日午前7時より全国各地の凡そ4万9000か所の投票所で始まった。即日開票される。総務省発表によると、午前10時投票率は全国平均で7・46%(前回2009年は13・19%)。午前11時投票率は14・03%(々21.37%)。午後2時投票率は27・40%(々35.19%)。

 投票は午後8時で締め切られるのが慣例のところ午後6時終了、午後7時終了とする時間繰り上げ投票所が増えた。投票終了時間は、開票所までの票の搬送時間などを考慮し、各自治体の選管が投票所ごとに繰り上げることができる。期日前投票の利用が浸透し遅くまで開票所を開くメリットが減っている、その他天候の判断によったものと思われる。

 最終的に投票率は小選挙区計算で59.32%となった。男女別投票率は男性が60.14%(←69.44%←66.80%)、女性が58.55%(←69.11%←68.18%)。当日有権者数は1億395万9866人(男性5020万4503人、女性5375万5363人)、このうち6166万9473人が投票した。

 2003年以来の60%割れとなり、1996年の59.65%を更に下回る衆院選戦後最低を記録した。前回の2009年衆院選は69.28%であり、194万4515人減、47都道府県全てで下回った。前々回2005年衆院選は67.52%。前々々回2003年衆院選は59.86%。投票率が最も高かったのは島根県の65.74%、次に山形県の64.86%、山梨県の63.67%。低かったのは高知県の53.89%。次に青森県の54.20%、栃木県の54.71%。

 選管の即日開票分発表にも意見しておく。選管は、投票率のみならず投票者数と投票総数の誤差率をも発表すべきである。これは不正投票、ミス投票等を監視する為に必要である。最近、選挙区と比例区の票を間違って渡すとか、二度投票さすとか、投票用紙を二枚渡すとか、従来ではあり得なかった不用意な手違いミスが頻発している。厳に戒めて貰いたい。投票箱の管理、投票の集計、無効票の確認も同様である。立会人のチェック体制機能を十分に発揮して貰いたい。これも選菅の重要な任務である。

 気になりだすといろんな不十分さが見えてくる。今日ではコンピューター集計も可能であるので、人間による手作業確認とコンピューター確認の両集計により万全を期すことが望まれているように思う。付言すればコンピューター確認のみでは却って不正の温床となるので両確認すべきであろう。

 最後に。投票率の低下をどう考えるべきか。政治的無関心層が増大していると考えるべきで、かってのような政治的関心層の積極的棄権によるとは考えにくい。このまま逓減が続けば普通選挙制の根底が崩れることになる。こうなると普通選挙制下での選挙人事前登録者制をも考えざるを得ない。登録者名簿に基づき投票用紙を発送すれば良く投票率も確かなものとなるように思われる。経費節減にも資するので大いに検討に値するのではなかろうか。

 なお、こたびの総選挙に於いて、いつもなら行っていた筈の総務省の投票呼びかけテレビコマーシャルがなかったと思う。あったのかも知れないが、午前7-8時帯にしかテレビを見ないれんだいこには確認できなかった。視聴率の高い時間帯に効果的な選挙公報をすべきではなかろうか。仮にテレビコマーシャルがなかった場合、その理由を開示させねばなるまい。

 もう一つ。今回の衆院選の小選挙区の投票総数は約6166万票、うち有効投票は約5962万票、無効票が約204万票、投票総数に対する無効票の割合は3.31%だった。小選挙区を導入した1996年以降で最も多く、これまで最多だった2000年衆院選の約187万票、2.99%を共に上回った。都道府県別では無効票の割合は高知が5.23%で最も高く、次いで大阪が4.62%、熊本が4.43%、東京が4.20%、佐賀が4.05%だった。最も多かった高知県の選挙管理委員会によると、無効票約1万7千票のうち約9千票が白票だった。政党を選ぶ比例代表の無効票は約148万票。無効票の割合は2.40%で、小選挙区の無効票の割合を初めて下回った云々。

 こうなると一言せねばならない。選菅は、無効票の内訳をも開示せねばならない。高知県選管によると「無効票約1万7千票のうち約9千票が白票」だったと云うことであるが、白票外が8千票と云うことになる。どういう無効票だったのかはっきりさせるに越したことはなかろう。我々は、未来の党の重点区であった岩手、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知の無効票をこそ知りたい。ぜひ情報を開示させねばならない。

 2012.12.19日 れんだいこ拝

 jinsei/

れんだいこのカンテラ時評№1083  投稿者:れんだいこ 投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その2、投票結果総評の巻

 その2を「投票結果総評の巻」とする。第46回衆院選の議席結果は次の通り。

 小選挙区300、比例区180の全480議席のうち、自民294(←118)、民主57(←230)、維新54(←11)、公明31(←21)、みんな18(←8)、未来9(←61)、共産8(←9)、社民2(←5)、国民新党1(←2)、大地1(←3)、新党日本0(←1)、改革0(←0)、諸派0(0)、無所属5(←8)となった。再政権交代により与党となる自公は、参議院で否決された法案を衆議院で再び可決して成立させることができる衆議院議席3分の2を上回る325議席を獲得した。第46回衆院選の各党獲得得票数は別表に記す。

 かくて2009政権交代の逆政権交代選挙となった。まるでオセロゲームのように民主党から自民党へと札が変わった。政権与党の民主党が有権者に不信任されたことになる。民主党は、3年有余に亘ってごく一握りの幹部で閣僚ポストをたらい回しにするメリーゴーラウンドで政治を私物化して来た。政治に於ける政治家発言がこれほど軽はずみにされた例はない。政治責任がなく言葉のあや的弁明に終始する政治遊びに終始した。その挙句、自公政治の方がまだましとして元の鞘に納まった感がある。

 れんだいこが窺うのに、こたびの解散は胡散臭いものであった。三代目の野田政権が意図的故意に御党を壊滅させる猿芝居を打ち、自公と通じて党内を騙しながら抜き打ち解散に出ている。意図的故意に政権を元の自公に禅譲すると云う寸劇を執り行った気がする。そういう意味で、野田首相そのものの胡散臭さが疑われる。野田首相はそもそも反革命式に御党解体の使命を帯びて党中央の座イスに座るように根回しされ登場してきた人物だったのではなかろうか。

 この観点から見れば野田政権の為したこと全体が胡散臭い。孫子の代にまでツケを及ぼさないと云う名目で消費税増税法案を可決させたが、原発については再稼働を画策し続けた。孫子の代にまでツケを及ぼさないのであれば原発再稼働など言語道断のところ優柔不断対応で終始してきている。辻褄が合わないこと夥しい。これに伴い同法案に反対した小沢派の追いだしを完遂している。冤罪が確定した小沢どんに対する執拗なバッシングを続け党外放逐したのも胡散臭い。代わりに公然と自公民体制を打ち出した。この間、民主党三代政権は、2009政権交代時のマニュフェストを反故し続け、その他民主党に幻滅を与えるような意図的故意の施策と発言を続けて来た。決して自然な流れではなかろう。

 但し、自公政治に食傷し、民主政治にがっかりした勢力を糾合した未来の党を支持する投票一揆は不発となり、未来の党は一敗地にまみれた。その未来の党に対抗する維新の会が第3極政党に躍り出た。未来の党と維新の会の中間に立ち、維新よりのみんなの党も躍進した。かくて2009政権交代が大流産し、元の黙阿弥あるいはそれ以上に反動化した旧体制が復活した。

 この結果をどう受け止めるべきだろうか。3.11福島原発事故に遭い、現に対応がままならぬ中で原発再稼働、増税政策、憲法改正、TPP推進を呼号した自民党が圧倒的な支持を受け政権復帰したが、これにき歴史責任を負うべきであろう。

 こたびの選挙期間中、選挙報道が極力抑制され、総務省の選挙公報もなく、真の第三極であった未来の党絡みの情報がほぼ遮断されると云う或る種報道管制が敷かれた異常下で選挙が執行された。その結果としての自公、維新、みんなの大勝であった。これを地団太を踏んで口惜しがるのが未来、共産、社民、大地の党であるところ、少なくとも代表レベルでは不思議と楽しそうなコメントをしている。それが証拠に大敗乃至じり貧したと云うのに誰も責任を取らない。ただ一人、民主の野田が辞任を余儀なくされたが、これまた後釜が同一系から選出されるようで何とも政治のお遊びの度が過ぎよう。

 しかし、それを幾ら強調したとしても事態は何ら変わらない。であるが故にむしろ新たに形成されつつある自公民体制、これを支援するマスコミの報道管制を打ち破れなかった側の主体的能力をも反省すべきだろう。ちなみに朝のニュース番組ではモーニングが一切選挙報道をしなかった。特ダネもほぼ同様にスル―し抜いた。朝ズバは辛うじて取り上げたものの第3極としての未来の党隠しに終始していた。

 この腐れメディアは、選挙結果が判明するやお祭り騒ぎで報道合戦する醜態を晒している。これを思えば、情報を公平に伝達する新メディアの創出が歴史的課題になったと明確に受け止めるべきだろう。これを総評とする。

jinsei/


れんだいこのカンテラ時評№1084  投稿者:れんだいこ 投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その3、各党寸評の巻

  第46回2012衆院選の各党の議席は次のようになった。これを各党別に分析する。

  最初に申し述べておくことは、新聞各社の事前予想がまたしても当たったことである。2005、2009総選挙の時もそうだったが各新聞社の予想は非常に正確ということになる。世論誘導するから結果が当たるのか、空気を的確に読むから当るのかまでは分からないが、ネット世論調査よりよほど正確と云うことが判明した。ネット世論調査の方に信を置いたれんだいこ予想の今後の自戒としたい。投票不正、開票不正の疑いもあるが確たる証拠がないので匂わせるだけとする。

 れんだいこ予想は、2005総選挙の時に大外れ、2009総選挙の時にほぼ的中、こたびの2012総選挙では大外れした。もっとも未来の大健闘に期待した分を自民に上乗せすれば辻褄は合っている。但し、維新と公明党の健闘は予想以上のものとなった。原発再稼働反対の声なき声が存在し、未来の党に結集すると見立てたのが誤りだった。この辺りもっとリアリズムに徹しないといけないと反省したい。それにしても、日本人民大衆の頭脳が予想以上にスポンジ化ピーマン化されつつある気がしてならない。普段からの寺子屋式政治学習の場を日本列島津々浦々に創建せねばならぬのではなかろうか。

 自民党は、選挙前勢力118議席を大幅に上回る294議席(選挙区237、比例57)を獲得した。小選挙区では300議席の79%を占めたことになる。比例は前回55議席を2議席上回る57議席にとどまったが、これは「選挙区は自民、比例区は公明」の申し合わせの影響もあるものと思われる。2009衆院選では、212→300→119議席(小選挙区64、比例55)の歴史的な大敗北を喫したが一気に挽回した。この時、岩手、秋田、福島、埼玉、新潟、山梨、長野、静岡、愛知、滋賀、長崎、大分、沖縄の13県の小選挙区で全敗し「空白県」となったが、こたびは逆にそれぞれ1議席以上を獲得し「空白県」を解消した。安倍総裁―石破幹事長体制が信認され組閣に着手した。特記すべきこととして2009総選挙で落選した元職議員、小泉チルドレンの相当数が復帰した。

 同党の小選挙区得票数は25.643.309票、比例区得票数は16.624.457票、票差は小選挙区基準で9.018.852票減。つまり小選挙区の約900万もの票が公明ないしは他党に流れていることになる。2009衆院選(以下、前回と記す)の小選挙区得票数は27.301.982票、比例区得票数は18.810.217票。これによればこたびの選挙で小選挙区得票数、比例区得票数とも約200万票減らしていることになる。にも拘わらず空前の大勝利とは怪奇現象が起っているとしか考えられない。小選挙区制の恐さでもあろう。

 公明党は、小選挙区に擁立した9人の候補者全員当選、比例区でも22議席を獲得し合計10議席増の31議席(選挙区9、比例22)とした。2009衆院選で落選した太田元代表、北側元幹事長が共に比例区重複保険を掛けない背水の陣を敷きながら見事に返り咲きした。天晴れと云うべきだろう。どこかの党に煎じ薬を飲ませたい。

 同党の小選挙区得票数は885.881票、比例区得票数は7.116.474票、票差は小選挙区基準で6.230.593票増。これは小選挙区を全員当選体制9名に絞り込んだことによるものであろう。前回の小選挙区得票数は782.984票。比例区得票数は8.054.007票。これによればこたびの選挙で比例区得票数で約100万票減らしていることになる。こちらも約100万票を減らしながら10議席増とは怪奇現象が起っているとしか考えられない。

 民主党は、2009衆院選の308議席、小沢系が抜けた後の公示前の230議席からみても4分の1以下の57議席(選挙区27、比例30)に大凋落した。前回は177→115→308議席(小選挙区221、比例87)となり歴史的な大勝利を収めたが、1998(平成10)年に現在の民主党が結成されて以来最低となった。これにより野田首相は即刻辞任を余儀なくされた。

 留意すべきは、辛うじて当選したのは鳩山、菅、野田政権下で要職に就きスポットライトを浴びた議員ばかりであり、冷遇された小沢系居残り組はほぼ完全に潰えていることである。要職者の中でもかなりの人数が落選しているが、小沢系居残り組の殲滅を思えばそれほどのことでもなかろう。かような憂き目に遭わされるのであれば後の祭りではあるが筋を通して小沢系がひとまとまりになり新党を創出した方が賢明だったのではなかろうか。

 同党の小選挙区得票数は13.598.773票、比例区得票数は9.628.653。票差は小選挙区基準で3.970.120票減。つまり小選挙区の約300万もの票が他党に流れていることになる。前回の小選挙区得票数は33.475.334票。比例区得票数は29.844.799票。これによれば、小選挙区得票数で19.876.561票、比例区得票数で20.216.146票減らしていることになる。どちら2千万票減と云う恐ろしい数字が出てくる。野田政権は、これを痛苦に受け止めているのだろうか、却って少数精鋭になったとして居直っているのであろうか気になるところである。

 以下、第3極政党を確認する。

 日本未来の党は、選挙前の61議席から9議席(選挙区2、比例7)に大きく減らした。小選挙区得票数で2.992.365票。比例区得票数で3.423.915票。票差は小選挙区基準で431.550票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約43万票しか増やしていないことになる。これが実際なのかどうか俄かには信じ難い気がするのはれんだいこだけだろうか。実際であったとすれば、嘉田代表の訴求力が如何に弱かったかの責任問題に繫がるべきだろう。未来の党ついては別サイトで確認する。

 日本維新の会は、選挙前の11議席から54議席(選挙区14、比例40)に5倍増伸張した。比例代表で民主党を抑えて第2党の議席を獲得したほか全体の議席でも民主党との差が3議席に迫った。小選挙区得票数で6.942.353票。比例区得票数で12.262.228票、票差は小選挙区基準で5.319.875票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約530万票増やしていることになる。未来の党との鮮やかな対比が確認できる。この党については興味がないので言及を轄愛する。

 みんなの党も選挙前の8議席から18議席(選挙区4、比例14)へと倍増した。前回の善戦に引き続き大健闘した。代表の渡辺が比例重複保険を掛けずに捨身で勝負した気迫が全軍を鼓舞したのではなかろうか。どこかの党の代表に煎じ薬を飲ませたい度胸であった。政策第一で安易な野合をせず単党主義で筋を通した結果の勝利であることを思うと更に興味深い。

 同党の小選挙区得票数は2.807.244票、比例区得票数は5.245.586票、票差は小選挙区基準で2.438.342票増。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、空白選挙区から約240万票増やしていることになる。前回の小選挙区得票数は615.244票。比例区得票数は3.005.199票。これによれば、小選挙区得票数で2.192.000票、比例区得票数で2.240.387票増やしていることになる。どちらも約220万票増と云う数字が出てくる。こちらも未来の党との鮮やかな対比が確認できる。

 共産党は選挙前の9議席から1議席減の8議席(選挙区0、比例9)となった。この党は又も長期じり貧を繰り返す結果となった。捲土重来を呼号して且つ負け続けているのが既にお笑いの域に入っている。それでも宮顕、不破に続く同一系の志位執行部は続投意向を示しており党内権力を放さない。1955年以来60年有余、同一系執行部が続くと不倒最長記録を更新中である。これが党内で問題にならない特殊な党中央集中制タコ壺政党になっている。

 同党の小選挙区得票数は4.700.289票、比例区得票数で3.689.159票、票差は小選挙区基準で1.011.130票減。つまり小選挙区票を基礎票とした場合、約100万票減らしていることになる。前回の小選挙区得票数は2.978.354。比例区得票数は4.943.886票。これによれば、小選挙区得票数で1.721.935票増、比例区得票数で1.254.727票減らしていることになる。小選挙区で約170万票増加したのは候補者を増やしたことによるものであろう。しかるに比例区で約125万票減らしているのは由々しき事態であろう。

 社民党は、選挙前の5議席から2議席(選挙区1、比例1)となり、平成8年に旧社会党から現在の社民党に移行してから最少議席に転じた。こちらも福島執行部は続投意向を示している。福島代表の賞味期限はとうに終っているのに代表の座にしがみつくのは政治の私物化以外の何ものでもなかろうが、既にそういうことを問う活力さえ持ちあわせていないように思える。

 同党の小選挙区得票数は451.762票、比例区得票数は1.420.790票、票差は小選挙区基準で969.028票増。前回の小挙区得票数は1.376.739票、比例区得票数は3.006.811票。これによれば、小選挙区得票数で924.977票減、比例区得票数で1.586.021票減していることになる。社民党も比例区で約160万票減らしており、全国で140万票しか取れないと云う現実は既に解党的危機に陥っていることになる。

 新党大地は、選挙前の3議席から1議席(小選挙区0、比例1)となった。鈴木宗男代表が公民権停止処分を受けて活動できなかったとはいえ散々な結果となった。今後は分からないが案外と地力がないことを示した。小選挙区得票数で315.604票。比例区得票数で346.848票。票差は小選挙区基準で31.244票増。つまり約3万票しか増えていないことになる。前回の小選挙区得票数は0票、比例区得票数は433.122票。これによれば、比例区得票数で86.274票減らしていることになる。前回は代表の鈴木ムネオ一人が闘い約43万票取ったのに対し、6名の候補者を立てた今回は逆に約8万6千票減らしていることになる。理解し難い現象である。選管の再チェックをお願いしたい。

 国民新党は選挙前の2議席から1議席(選挙区1、比例0)となり、2005(平成17)年の結党以来、最少議席となった。去る日に亀井代表を追放した罰が当ったものと思われる。新党日本は、選挙前の1議席から0議席(小選挙区0、比例0)となった。党代表の田中康夫(兵庫8区)が落選し国会での足場を失った。改革クラブは、0→0議席。無所属は8→5議席。小泉龍司(埼玉11区)、中村喜四郎(茨木7区)他が健闘した。

 かくて自公両党が325議席が出現し、自公体制だけで衆議院議席の3分の2の320議席を上回る議席を獲得することになった。これにより参議院で否決された法案を衆議院の3分の2以上の賛成で再び可決して成立させることが可能になった。この自公体制に民主、維新、みんなの党他の改憲勢力が加われば憲法改正も可能となった。この間、憲法改正要件緩和の動きがあるが、これも不要となった。日本国憲法第九十六条「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」を緩和せずとも少なくとも衆議員では可能となった。

 jinsei/


れんだいこのカンテラ時評№1085 投稿者:れんだいこ 投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その4、自公大勝要因の巻

 ここで「自公大勝要因の巻」として自公大勝の要因を確認する。これは「民主大凋落、維新とみんなの健闘、未来大没落、その他弱小政党のじり貧」の裏表の関係にもなっている。特に未来の党に注目し、その実質主体勢力である小沢派が何故にかくも一敗地にまみれたのかに留意しながら考察する。選管発表が公明正大なものであったとの前提で以下論ずることにする。選挙疑惑については最後の章で論うことにする。

 かくなる結果になったことに対して数々の要因が認められるが、要するに自公側軍師の作戦勝ちと云うことになるのではなかろうか。なぜなら、「民主の大凋落、自公、維新勢力の大勝利、未来の党への大打撃」と云う用意周到な仕掛けを狙い通りに完遂しているからである。

 その最大の仕掛けは、小選挙区比例代表並立制の特徴を熟知した者による弱小野党連合の分裂工作であったであろう。2009衆院選で萌芽した野党共闘の動きを掣肘し、その推進体である生活第一党の動きを封殺することに主眼が置かれ、その作戦が図星で当たった。その手法として対抗馬的な維新が結成され、実際には国民生活第一党が第3極であり仮想でしかないのに第3極として喧伝され、これにより生活第一党が意図的故意にスル―されることになった。もう一つの仕掛けとして共産、社民を小沢連合に組みさせない仕掛けが講じられ、共産、社民指導部がこれを受け入れている。こう理解する時、局面がよく見えてくる。そういう訳で、小沢どんの野党結集の動きは失敗するように楔が打ち込まれていた。

 故に、野党連合結集失敗は小沢どんの責任ではない。小沢どんはむしろ早くより非自公系野党の結集を呼び掛けていた。しかし合流したのは嘉田滋賀県知事派、生活第一党、亀井―山田新党、減税日本の三党でしかなかった。今から思えば大地党、新党日本が参加すべきのところ躊躇し、選挙の結果は芳(かんば)しくないことになっている。合流しないまでも選挙協力を結ぶ余地のあるところ傍観した罪は大きい。社民党の一部では合流の動きが見られたが福島執行部そのものが右を向いており何の影響も与えられなかったこうして自公軍師による野党分断工作はまんまと成功した。

 対する小沢軍師はその対応にも致命的な誤りを犯している。生活第一党が主勢力なって未来の党を結成したものの嘉田滋賀県知事を代表に立て、小沢どんは幹事長として采配を振うのではなくまたしても一兵卒に戻された。現有61議席を持つ生活第一党が代表を立てず、国会議員でもない滋賀県知事の嘉田代表が2012総選挙の采配を振うことになった。こうして未来の党は本来のリーダーである小沢どんの指揮下で総選挙に向かうと云う機会を失わされると云う大きな代価を払わさせられた。

 このシナリオを誰が仕組んだのであろうか。よしんば未来の党結成の功は認めても嘉田代表とワンセットにすべきではないところ、嘉田代表ありきの未来の党結成となり、それを呑んだ形で生活第一党が合流した。この筋書きが臭い。生活第一党の未来の党合流が成った瞬間、自公軍師の思う壺となりほくそ笑んだのではなかろうか。

 ところで、少数派野党分裂問題にはいつも共産党が絡んでいる。云うだけ野暮かもしれないが言及しておく。共産党は、2009衆院選では選挙区候補を絞った。ところがこたびは再び全選挙区に立候補させている。それは、2009総選挙で候補を立てなかったところの票が民主候補に向かったことで政権交代の一助の役割を果たしたことへの逆反省として全選挙区立候補制に再シフトしたとしか考えられない。それは、奥の院の対未来の党迎撃用の少数野党分裂指令に呼応したものであろう。

 この党の党中央はそう云う風に飼われているのではなかろうか。その上で共産党そのものが体制側から見てガス抜き安全パイとして利用されていると思う以外にない。口先の政策はともかくも、実際にやっていることを見よ、明らかに自公政権を利する形で裏から補完している。これまでも古くでは角栄を、鈴木ムネオを、目下は小沢どんに対する咬ませ犬として利用されてきたし、今後もされ続けるだろう。この日共的党中央を打倒しない限りこの党の再生はあり得ないと何度も申し上げてきているところである。

 結果は、全員落選どころか比例票を約125万票減らしている。公明党の絞り込み9名全員当選に比して余りにも鮮やかなお粗末さではなかろうか。供託金没収もかなりの金額になるが、それも毎度のことであり、それを難なく切り抜けている党財政が気になるところである。この党の経理を真に見た者はいない。監査役がまともなら卒倒するような手品経理になっているのではなかろうか。何から何までこの党の胡散臭さは折紙つきである。

 共産党は選挙後次のように声明している。「私たちが出発点とすべきは、2010年参院選比例票の356万票」であることを銘記して、このたたかいにのぞみました。この出発点にてらすと、総選挙で、わが党は、比例代表で369万票に、得票・得票率をわずかですが前進させました。小選挙区での全区立候補に挑戦し、選挙区選挙で470万票を獲得したことも、積極的意義をもつものでした」(2012年12月17日 日本共産党中央委員会常任幹部会「総選挙の結果について」)。

 共産党のこたびの小選挙区得票数は4.700.289票、比例区得票数で3.689.159票。前回の2009衆院選の小選挙区得票数は2.978.354。比例区得票数は4.943.886票である。衆院選同士の比較をせずに。2010年参院選比例票の356万票に比して「わずかですが前進」と総括している。これが科学的社会主義なるものに基づく分析であるらしい。嫌らしいと云うべきか姑息さにもほどがあろう。

 共産党の胡散臭さは以上の通りであるが、社民党がこれに倣い始めた感がある。福島執行部賞味期限切れを指摘せざるを得ない所以である。この党への言及は既に語るに値打ちがないので轄愛する。


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れんだいこのカンテラ時評№1086  投稿者:れんだいこ  投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その5、小沢派一敗地にまみれるの巻

 ここで、「第46回2012衆院選考その5、小沢派一敗地にまみれるの巻」として未来の党の敗因を研究する。

 未来の党の前進を阻むもう一つの要因に、共産、社民に加えて、明らかに対抗的な維新の会がマスコミの支援を受けつつ登壇したことである。東の石原都知事、西の橋下大阪市長を押し立てて第3極として喧伝され、選挙の結果は堂々たる54議席を獲得している。未来の党は、この仕立てられた勢いに勝てなかった。今後の教訓として、この種のまやかしに惑わされない理論的戦闘的集団として党形成せねばならないのではなかろうか。

 敗因の戦術的要因として、前稿で述べたが未来の党への合流失敗が挙げられる。結果論になるが、こたびのみんなの党の善戦と比較した時はっきりするが、生活第一党で挑んだ方が却って戦闘力を増し、熱烈な支持を巻き起こしたのではなかろうかと思われる。そういう意味で未来の党への合流は失敗であった。如何なる経緯で未来の党への合流が決まったのか定かでないが、奥の院仕掛けの甘い話を持ち込み乗せられた謀略の臭いを嗅ぐのはれんだいこだけだろうか。

 数合わせで合流したものの代表の座を嘉田滋賀県知事に譲り、小沢どんは民主党の時と同じように一兵卒に戻らされた。これが果たして正しかったのだろうか疑問を禁じ得ない。この道を小沢どんが自ら選んだと仮定して以下苦言を申し上げる。

 小沢どんに期待されているのは小沢政権であるのに、小沢どん自身がいつまでも黒子癖に留まるなら次第に失望を生むであろう。これにつき、千葉4区で野田首相に戦いを挑んで敗退した三宅雪子は、「一夜明けての感想」として「稀有な個性と多数の支持がある小沢一郎を表に出さなかったことは残念でした」とブログしている。これが当然の正直な感想であろう。

 そもそも嘉田代表は、れんだいこの見るところ学者であり、政治的にはせいぜい地方自治の首長止まりの器でしかない。国政レベルで支持者を鼓舞し有権者の胸を震わせるような弁論弁証能力を持っていない。穏やかな口調そのものが政争には向いていない。その当人が代表の座を欲したところ、小沢どんを使いきると豪語する感性を疑う。小沢どんが性格的に黒子役を良しとするのであれば、誰か例えば森ゆうこを代表に据えて二人三脚体制を構築する方が賢明なのではなかろうか。嘉田が代表の座を譲らない限り未来の党に未来はない。いつそのこと生活第一党に戻って出直した方が良いと提言したい。

 嘉田代表にどこまで責任があるのか定かではないが、公示日当日の比例名簿提出を廻るゴタゴタもお粗末過ぎよう。そもそも選挙のプロである生活第一党側が名簿を作成しているものを、わざわざ提出日当日に強硬訂正させ、提出時間ギリギリに滑り込みセーフなどと云う不祥事があって良い訳がない。

 聞くところによると、嘉田代表肝いりの山口一区に立候補した飯田代表代行の比例重複順位を廻っての横槍であったと云う。それならそれで中国ブロックだけを訂正すれば良いだけのことであろう。それを全ブロックで現職議員と新人議員を対等に扱わせるとする改編指示を土壇場で為して大混乱させたと云う。あり得べからざる逆指揮であろう。そもそも「現職議員と新人議員を対等に扱う」なぞ非常識の極みであり聞いたことがない。生活第一党が練りに練った原案の方が正しいのは明らかであろう。

 かくて、比例名簿順位が滅茶苦茶なものになった。これにより、嘉田代表がわざわざ長崎2区から転籍させ近畿ブロック比例専任候補にさせた薬害肝炎被害者としての活動で知られる福田衣里子現職議員は比例名簿登載順位14位と云う絶体絶命の位置に登録させられた。小沢どんが絶対当選枠として用意していた比例専任候補が全員、選挙前に落選宣告されたことになった。恐らく選挙に臨んで一手一つにならねばならない時期の党に迷惑かけられないとの思いで我慢したのであろうが腹わたが煮えくりかえる暴挙であったに違いない。

 しかも未来の党のホームページ上に、その比例専任議員が登録されておらず雲をつかむようなことになっていた。残酷非情の仕打ちと云う他ない。こうなると嘉田代表の人間性が疑われると云うべきだろう。これについて嘉田代表の一片のお詫びも聞いていない。不自然な事この上ないと申しておく。

 嘉田代表は、12.17日未明の党声明で、「結党から三週間足らずでの総選挙・投票日という戦いでした。準備不足が原因です 」、「今後、今日のスタートを第一歩として、同じ思いの人を広く求めながら、より大きな高みをめざして進んでいきたいと思います。参議院選に向けて、これからが、スタートです」と述べている。ここには、多くの落選議員を出したことに対する責任、落選議員に対する労りの弁はない。むしろ小沢系議員の落選につき清々した気分さえ伝わって来る。何か人間性の資質に欠陥を感じるのはれんだいこだけだろうか。

 嘉田代表は18日、滋賀県庁で記者会見し、大きく議席を減らした原因について「小沢ファンと嘉田ファンが分極化してしまった。戦略が不十分だった」と発言している。結成間もない党内で早くも代表自ら小沢派との抗争を宣言していることになるが、もうそういう矮小消耗な政争なぞ見たくもない。嘉田ファンの党を創りたいなら嘉田党として純化するのが筋だろうと申し述べておく。仮に嘉田党が立ちあがるとして、彼女の果たした役割は何のことはない小沢派壊滅シナリオに基づき掻きまわしただけだつたことになる。

 未来の党の前進を阻んだもう一つの重要な要因に、卒原発論一本槍で臨んだことも挙げておかねばならない。原発問題の重要性から見てシングルイシュ―にしたこと自体は間違いではない。但し、卒原発の扉から全ての問題をこじ開ける、あらわる政治政策がこれに絡んでいるとして「一点突破、全面展開」の見地から訴えなければ単にシングルイシュ―に終わってしまう。実際この手のシングルイシュ―に向かってしまった。それは負けの道である。

 こたびの自公の大勝利を見ても明らかだが、有権者は原発問題のみならず景気回復、適切な経済政策を望んでいる。これはいつの時代でもそうで、政治の要諦は国民を食わすことにある。国民は目下の生活と将来の生活に不安を抱えており、これに応える政策を打ち出さない限り関心を寄せない。単発の卒原発論では見向きもされない。そういう関係であるのに経済政策論を打ち出さないまま選挙に挑んだ未来の党の勝利は暗かったと見なすべきであろう。そういう意味でも生活第一の党の方が訴求力があったと考える。

 最後に確認したいことは、これは小沢どんの手になるものと思われるが刺客作戦の失敗である。こたび千葉に多くの女性候補が刺客として送りこまれ全員討ち死にしている。これは仮に当選しても良からぬ戦術であると云わざるを得ない。今後は厳に慎むべきではなかろうか。

 元々小泉が郵政選挙で打ち出したものであるが、東京等の大都市圏ならいざ知らず、議員は生まれ育った故郷で闘うのが筋ではなかろうか。仮に野田を落選させたいとしたら一番にはその選挙区に有能候補を見いだすべきであり、いなければ千葉県全域から探し、それでもいなければあきらめるのが筋だろう。こたびの刺客作戦は策士策に溺れるの感があった。

 本稿の最後に2009総選挙の教訓でも述べたが選挙の意義について再確認し書き直しておく。「選挙は、お祭りであり集団芸術であり現代的な合戦である。いずれもパフォーマンスこそが命である。そこには良き軍師、プロデューサー、ディレクタ―が必要とされる。良き指導者を持ち各持ち場がこれを自主自律的に補翼する時、闘いは勝利する。逆は逆である」。


 jinsei/

れんだいこのカンテラ時評№1087  投稿者:れんだいこ  投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その6、不正選挙疑惑の巻その1

 「第46回2012衆院選考その6、不正選挙疑惑の巻」とする。普通選挙は戦後日本が統治手法として採用している議会制民主主義の基礎中の基礎であり、昨今その前提が崩れつつあるように思える。投票モラルと投開票の公正さは先進国度を示すバロメーターであり日本は長らく先進国であり得た。その日本で昨今、不正選挙が蔓延し始めていると云うことであれば既に後進国に転落していると云わざるを得ない。銀行強盗の場合、相対的に重罰化されているが、不正選挙加担者には同様の措置が必要ではなかろうか。

 これを確認するのに、選挙公報の偏向性、投開票の不正の二方面からの検証が必要であろう。選挙公報の偏向性とは、政府公報の異常な抑制、マスコミの或る党に対する推奨宣伝、逆に誹謗宣伝、或る党に対する不言及等を云う。これについては最後の稿で述べることにする。本稿では投開票の不正について検証する。

 投開票の不正は、大項目として投票箱管理の不正、投票カウントの不正、無効票識別の不正が考えられる。投票箱管理の不正とは、期日前投票箱も含めて一体どのように管理されているのかと云う問題になる。投票箱が保管所乃至は投票所を出た後、どういう管理下で開票所に届くか殆どの者が知らない。選管の責任で運んでいるのか民間に外部委託的に発注して運ばせているのかも分からない。この間に投票箱がすりかえられるか、票の入れ替えの可能性が考えられる。情報が開示されていないので確かめようもない。そういう意味で投票箱の監視が不可欠となっている。選管は、この疑問につき納得いく説明をして貰いたい。

 投票カウントの不正とは、投票カウントの不正、票の入れ替え、無効票識別の不正等の問題を云う。期日前投票分にも同様の疑いがある。立会人が居るには居るが十分なチェックとはほど遠い情況下にある。いつ頃からかは分からないがコンピューター集計されるようになったようで、これはコンピューター会社から派遣された専門のスタッフが排他的に管掌するようである。こうなると立会人の目が届かない。

 この不正を防止する為には、コンピューター集計を第一次発表として次に原始的な手作業確認による第二次集計で二度確認によるすり合わせをする以外にない。手間暇が大変であろうが不正選挙防止の為とあらば止むを得ないのではなかろうか。現在の集計方法では、立会人がいれどもお飾りに過ぎずブラックボックス化していると云わざるを得ない。なお、後日の証としての票の一定期間管理も必要なように思われる。

 投票カウントの不正問題で特にチェックするところは、当日投票者数と投票数の一致精度の確認であろう。当日投票者数より以下の投票数は票が抜き取られた可能性に繫がり、以上の場合には水増しに繫がる。考えたくもないが、県単位で万単位の誤差が常態化しているとならば放置できまい。

 無効票識別の同様の精査も必要であろう。こたびの選挙では小選挙区で白票や候補者以外の名前が書かれた無効票が約204万票に上っている。無効投票率全国計は前回比1・32ポイント増の3・31%。都道府県別で割合が高かったのは高知県の5.24%、大阪府4.63%、熊本県4.44%、東京都4.20%の順。高知県選管の担当者によると、県全体の無効票約1万7千票のうち半数以上が白票で、候補者以外の名前を記した票も多かったという。比例区で例えば日本未来の党を単に未来と書いた場合に無効票とされているのかいないのか、されていた場合、そういう票が何票あるのか知りたいところである。選管は、こういうところを正確に情報開示する義務があろう。

 以下、不審点を確認する。その一は、投票率の怪である。 期日前投票が全有権者数の11.37%(←13.40%)に止まったことから小選挙区投票率の59.32%(←69.28%)も何となく納得されている。しかしながら、「投票所が混んでいた」、「初めての経験だが行列ができていた」との証言も数多く為されている。これを思えば、各選管が2009衆院選との比較が分かるような形で投票者数の増減を開示せねばなるまい。「初めての経験だが行列ができていた」のにまさか投票者が減っていたと云う訳には行くまい。

 次は、注目されていた福島県の票の怪である。福島原発事故の影響による票の出方が注目されていたが、比例選で最多票を獲得したのは原発再稼働派の自民党で23万8893票(前回を8万4511票減の25.98%)。原発のらりくらり派の民主は18万5503票(同34万6671票減の20.18%)。原発稼働派の維新の会は約16万3861票(得票率17・8%)、みんなは7万2392票(同2302票増の7.87%)、公明は8万5705票(同2万6434票減の9.32%)、未来の党は6万6563票(得票率は7・2%)、共産は5万9335票(同9088票減の6.45%)、社民は3万4176票(同2万6506票減の3.72%)。

 このどこがオカシイのかと云うと、軒並み低下した中で原発稼働派の維新の会が第2位の約16万3861票を獲得しているところである。福島でそれほど維新の会が人気を得ていたのか気になるところである。同様の疑惑で未来の党の票数が低過ぎる気がしてならない。嘉田代表が第一声を放った飯舘村でも237票(得票率8・7%)にとどまり10政党のうち5番目だった。福島県の小選挙区票は全部で922.763票、比例投票数は906.428票、票差は16.335票。この1万6千票の票差は許容範囲だろうか。どこの選管でもこういう万単位の票差が当たり前になっているのだろうか。福島の期日前投票は3万7913人で前回(4万4393人)に比べ14.6%減。

 れんだいこが不正選挙疑惑するのは福島県に限らず未来の党の票数が少な過ぎると思うからである。これを「未来の党の票数の怪」とする。小選挙区票でも然り、比例区票でも然りである。各党が立会人を出して監視しているからには不正はないと思われているが既述した通り機能していないことが考えられる。

 未来の党の票数の過少疑惑は、主として千葉、東京、神奈川、愛知の激戦区で際立つ。現職議員の得票数が異常に少ない。民主党候補と票を割るので前回より少ないのは理解できるにしても予想値より妙に少な過ぎる。例えば、神奈川3区の場合、自民現職の小此木八郎が85.451票、維新新人の高橋真由が39.781票、民主現職の勝又恒一郎が34.738票、みんな新人の毛呂武史が32.189票。未来現職の岡本英子候補は22.163票となっている。岡本候補は前回の2009衆院選では125.856票取っており新聞、雑誌予想でも当選確実視されていた。その現職の岡本候補が接戦にさえ持ち込めず維新、みんなの党の新人2名に遅れをとって5位となっている。解せないと云うしかない。

 埼玉7区現職の小宮山泰子も有望視されていたが、前回142.556票から今回は44.415票。票を大きく減らして新人の維新候補にさえ負けている。千葉3区現職の岡島一正も112.035票から31.161票。東京15区東祥三も105.131票から28.518票。下馬評の高かった岐阜1区の笠原多見子、愛知1区の佐藤夕子、愛知14区の鈴木克昌その他の得票数も予想より低過ぎる。誰一人として前回票を伸ばしていない。現職議員の場合、票を伸ばすことが通例で大きく減らすには相当の理由を要する。未来の党現職議員が民主を離党した故に考えられるとして済ませれているが釈然としない。

 未来党候補が僅かしか出ていない中国ブロック、四国ブロック辺りで票が出ないのは分かる。ところが、未来の党が重点的に候補を集中させていた岩手、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知でもさほどの票が出ていない。共通して当選にはるかに届かない票数辺りに止まっている気がしてならない。「票の怪」は未来の党候補だけではない。民主に残った小沢系候補の場合にも顕著に認められる。例えば、一新会会長代行にして滋賀県4区の民主現職の奥村展三の場合、44.231票で、自民新人の武藤貴也の57.049票、維新新人の岩永裕貴の47.715票に負けている。前回は113.801票であり、未来が対立候補を立てていないことを考えると票が割れることもないのに票減落差が大き過ぎる。逆に、千葉4区の野田首相の場合、163.334票(←162.153票)と微増させている。首相効果と云えばそれまでだが、野田首相の地元人気がそれほどあったのだろうか。

 しかし、これらは推測の域を出ないもどかしさがある。選管は、票の抜き取り、入れ替え、水増し等の不正がなかったことを証する為に投票者数と投票数、小選挙区票と比例区票、無効票につき精査して発表する義務があると云わざるを得ない。

 jinsei/

 千葉4区について次のような論考が為されている。興味深いので転載しておく。(「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK141」の運否天賦氏の2012.12.26日付け投稿「不正選挙4 野田ブーに16万票 異常に多い (ひょう吉の疑問)
 http://blog.goo.ne.jp/akiko_019/e/5848f1fc95b06e214b9db95553d3e3e0

 千葉4区 4人
 当 野田 佳彦 民前 163,334
   藤田 幹雄 自元 72,187
   三宅 雪子 未前 28,187
   斉藤 和子 共新 21,459

 ちなみに、前首相の菅直人は東京18区から出馬し、73,942票。小選挙区では敗れ、かろうじて比例代表で復活当選。民主党出身の現首相と前首相の失政に大した違いがあるとは思わないが、野田が16万票、菅が7万票、というのは、あまりにも違いすぎる。倍以上の開きがある。野田の16万票というのは、あまりにも多すぎる。民主党の候補者が次々に落選するなかで、その原因をつくった民主党の現首相だけが大勝ちするというのはおかしい。野田の落選運動さえ起こっていた選挙区なのに。

 さらに未来の党の三宅雪子の28千票というのは少なすぎる。今まで書いてきたように、実際の得票数の1/4に減らされたのではないか。だとすれば、三宅雪子の実際の得票数は、28,187 × 4 = 112,748 だったのではないか。そこから、112,748 - 28,187 = 84,561票が差し引かれたのではないか。そしてその分が野田の得票に上乗せされたのではないか。だとすれば実際の野田の得票は、163,334 - 84,561 = 78,773票だったのではないか。 だとすれば、千葉4区の実際の得票は、

    野田 佳彦 民前 78,773
    藤田 幹雄 自元 72,187
 当  三宅 雪子 未前 112,748
    斉藤 和子 共新 21,459

 だったのではなかろうか。三宅雪子の得票率は、約40%。ネット上の世論調査とも符合する。どちらが、国民の実感に近いだろうか。


れんだいこのカンテラ時評№1088  投稿者:れんだいこ  投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その7、不正選挙疑惑の巻その2

 選挙の不正疑惑を述べるれんだいこの言を負け惜しみの弁と受け取る方に次の事例を問いたい。同日行われた東京都知事選投票数と衆院選投票数の差票が著しいことが指摘されている。これをどう説明できるのだろうか。これを確認するに知事選投票数は6,647,744票、衆院選投票数は5,256,655票、差票は1,391,089票に上っている。何と約140万人もの者が都知事選のみ投票したことになる。国政選挙に投票して都知事選にはしなかったと云うのなら分かるが逆である。選管は「理由はわからない」としているとのことであるが分からないでは済まんだろう。

(訂正)上記の情報は「★阿修羅♪政治・選挙・NHK141」(http://www.asyura2.com/12/senkyo141/index.html)の往ける者氏の12.19日付け投稿「東京都民の皆さん、都知事選に投票して衆院選に投票しない人っているんですか?」(http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/470.html)によるが間違いのようである。東京都選管発表は、都知事選投票数6.647.744票、有効投票数6.442.443票。衆議院小選挙区投票者数6.668.474票、有効投票数6.388.207票。衆議院比例代表票6.668.632票、有効投票数6.537.607票。これによると衆議院小選挙区投票者の方が都知事選投票者より20.888票多い。こちらが真実とすると、これを勘ぐるのには及ばないので訂正しておく。往ける者氏の情報がどこからのものなのかは分からない。

 ところで、未来の党票が抜き取られた可能性はないだろうか。東京ブロック比例区票の出方は自民が1.460.033票(占有率25.38%、当選5名)、維新が1.161.718票(20.19%、当選3名)、民主が900.975票(15.66%、当選2名)。ここまでは仮に良いとして、以下、みんなの党2名、公明党1名、共産党1名と続き、未来の党は377.577票(6.56%)となっている。衆議員現職の61名を持つ真正の第3極であった未来の党の比例票が8議席のみんなの党、21議席の公明党、9議席の共産党の後塵を拝する7位などと云うことが俄かには信じられない。

 未来の党の小選挙区票を見ると、1区(野沢哲夫)14.875票、3区(池田剛久)25.773票、5区(丸子安子)19.462票、7区(岡本幸三)17.437票、10区(多ケ谷亮)24.414票、11区(橋本久美)26.469票、13区(本多正樹)17.906票、14区(木村剛司)35.334票、15区(東祥三)28.518票、16区(初鹿明博)27.179票、18区(杉村康之)15.873票、19区(渡辺浩一郎)22.445票、21区(藤田祐司)11.408票、23区(石井貴士)18.125票、25区(真砂太郎)10.689票。

 以上の未来の党の小選挙区総数は315.907票(平均21.060票)。この選挙区票が全て比例票に流れたとした場合、空白選挙区からは377577―315907=61.670票しか出ていないことになる。空白選挙区は2区、4区、6区、8区、9区、12区、17区、18区、20区、21区、24区の11区ある。これを割ると5.606となり約5.600票しか入っていないことになる。

 しかし、候補を立てたところの選挙区で少なくとも平均21.060票取りながら、候補を立てていないところからは平均5.600票しか出なかったなどと信じられるだろうか。空白区では票が出にくいというも納得できない。維新、みんなの党は空白区であろうがそれなりの票が出ている。維新、みんなの党には期待値が多く、未来の党の期待値が低かったと云うのは眉唾であろう。実際には、維新のメッキが剥げ、みんなの党はそれなりに善戦するにしても未来の党への期待は高まりつつ最終盤へ向かったのではないのか。未来の党の票が抜き取られた可能性、維新の党その他に加算された可能性が強いと疑うべきではなかろうか。選管は、この疑いに根拠がないことを立証する責任があるように思われる。

 その二、東京12区の例であるが、自民も民主もいない公明党の太田昭宏と未来の党の青木愛の一騎打ちとなった東京12区で、結果は太田昭宏が114.052票、青木愛が56.432票と出た。ところが、無効票が1割超の10.83%となっている。選管発表によると白票だったとのことである。この選管発表を精査する術がないのでこれ以上の言及は留める。無効投票率が2番目に高かったのは17区の7・77%。この選挙区では自民の平沢勝栄、民主の早川久美子、維新の小林等の闘いとなっており、平沢勝栄が倍以上の票差で圧勝している。ちなみに小選挙区の無効投票率が東京都内全25選挙区とも2009年の前回衆院選を上回っている(2・75%)。

 こたびの総選挙では従来では考えられないミスも目立っている。長野県南牧村では、村内7カ所の投票所のうち5カ所の投票所で、投票用紙記入台に掲示した比例代表の表に日本未来の党が記載されていなかった。県選挙管理委員会によると、掲示する表の原本は県選管が各市町村に配布していたが、南牧村はこの表を使わず村の選管が作ったものを掲示していた。日本未来の党が記載されていないことに気づき16日午前10時半までにすべての投票所で新しい表に取り替えたと云う。

 鳥取県米子市選管は、衆院選の不在者投票40人分が16日午後8時までの投票時間内に届かなかったと発表した。米子郵便局の配達忘れが原因という。横浜市神奈川区選管は、区外にいる有権者に衆院選の不在者投票用紙を送り忘れ8人が投票できなかったと発表した。職員が執務室に置いたまま失念したと云う。神奈川県海老名市選管は、不在者投票施設に指定された医療施設が、入院患者3人が不在者投票した投票用紙を放置し、投開票後に裁断、廃棄していたと発表した。女性事務員が引き出しに保管したまま失念したという。こういうお粗末事例が目立っている。政治の信が失われて久しいが選挙の信まで失うとなると世も末だろう。


 jinsei/

れんだいこのカンテラ時評№1089  投稿者:れんだいこ  投稿日:2012年12月23日

 第46回2012衆院選考その8、メディア支配の恐ろしさの巻

 本稿の「メディア支配の恐ろしさの巻」をれんだいこの2012衆院選総括の最終とする。

 こたびの選挙ほど良からぬメディア支配の生態を見させられたことはなかった。偏向的な選挙報道の塊のようなものとなった。従来の派手派手しい積極的な偏向報道とは逆に報道すべきところを報道しない消極的な偏向報道もあり得ると云う意味での教訓ともなった。まずは政府公報の異常な抑制に見られる。これまで衆院選公報コマーシャルが適宜に流されていたと記憶するがこたびは聞いたことがない。れんだいこは極力テレビを見ない、見るとすれば7-8時帯のニュースの時間帯であり、これしか確認できないが、他の時間帯でも見ていない聞いていないと云う証言が為されれば裏付けられる。

 いつもならある政府公報がなかったことが投票率の低下に繫がったことは容易く理解できる話しである。一体、国政選挙に関わる政府公報が為されたり為されなかったりさじ加減することが許されることだろうか。コマーシャルにも金がかかることなのでむやみやたらも困るが適宜な公報基準を確認したい。これにつき総務省見解を質したい。

 総じてマスコミメディアの偏向報道がこれほど極まった例を知らない。特にテレビ局系のこうした偏向報道が目に余るものであった。なるほどテレビ局はNHKを除いて民営ではある。しかしながら免許が容易に下りない制度下にある以上、批判的報道の自由は認められるにせよ何がしか公益性を踏まえた公平性が担保されて然るべきではなかろうか。こたびは衆院解散以来、選挙公示前まで、異常とも云える大阪維新の会、東京太陽の党の喧伝が続き、第3極でもないのに既に第3極であるかのようなキャンペーンが連日繰り広げられた。逆に真の第3極である未来の党は考えられる限りスル―された。

 公示後は、逆に選挙報道がピタッと止んだ。朝のテレビニュースではモーニングが一切報道しなかった。これにつき、モーニング報道責任者の見解を表明させねばならない。特ダネが一部報道したものの未来の党に言及する必要のない選挙ネタ報道でしかなかった。朝ズバはまま採り上げていたが自民、民主、維新報道に特化させていた。日曜日のサンデ―モーニングでさえ選挙たけなわであるのに選挙絡みの報道をしなかった。総じて選挙報道が抑制され、申し合わせたように未来の党隠しになっていた。なぜこのようなことが起るのか。奥の院筋からの強い達しがあり各テレビ局がこれに従ったと推測する以外にない。

 これが選挙後になると一斉に転じての大選挙報道となった。各テレビ局のコメンテーターが揃いも揃って「自公、維新の大勝利。民主、未来の壊滅的敗北」をうれしそうに饒舌していた。小泉政権時の総理大臣秘書官であった飯島勲が登場し、周囲を威圧しながら選挙結果にご満悦のコメントをしていたのには驚きと云うか裏の仕掛けを見た思いがする。れんだいこツイッターに「あまりにも露骨な小沢一郎抹殺計画にまんまと騙された国民と、自民党圧勝で鼻の下伸ばしてる後藤謙次、岸井成格、寺島実郎、橋本五郎、星浩の顔見るたびにはらわた煮えくり返るわぁ」、「読売五郎が得意満面で解説して薄笑い…吐き気するわ」のツイートが届けられているが尤もな感想であろう。

 メディアのこの痴態は偶然のものではない。これを裏で取り仕切る国際金融資本ネオシオニズム勢力による支配が存在する。この連中のメディア支配によって自公、維新の大勝利、未来の党の大敗北が画策され、事実その通りになったと云っても過言ではなかろう。こういう見方を陰謀論と云うらしい。れんだいこは現に存在するから指摘している。陰謀論の必要性を認めている。ところが、こういう陰謀論を説くのは陰謀論故に邪道とされている。主にサヨ系からそういう批判が為されるのであるが連中の頭脳バーコードの方こそイカガワシイ。国際金融資本ネオシオニズム勢力による陰謀を隠蔽する役割を果たしているとしか言いようがない。

 我々は今現実に起ったこととして、毎日毎日洪水の如く一定方向からの情報が流されるとマインドコントロールが為され洗脳に至り、その結果としての2012衆院選結果であり、それほどメディアの影響力が強いと知るべきだろう。この仕掛けを知るべきである。一敗地にまみれた未来の党が、生活第一党に帰って再出発するにせよ、選挙不正管理対策と同時にメディア対策の手を打たねば徒労に終わるであろう。

 我々は転んでもただでは起きない。経験から賢く学ぶべきである。堯幸とすべきは、かくなる現実を知ることによって既成メディアに捉われない和製アルジャジーラ版放送局の創出が政治日程に上げねばならなくなったと確認すべきだろう。何としてでも和製アルジャジーラ版放送局立ち上げに向かわねばならない。既成メディアに公正性を期待するのは百年河清の愚の類でナンセンスであろう。これを申し合わせとしたい。

 もう一つ。公選法によるインターネット規制が続いているが、こたびの選挙を期に終りとしたい。選挙期間中にインターネットを規制する合理的根拠はない。この規制を是として違反を監視する風潮があるがナンセンスと云うべきだろう。これを機会に公選法の悪しき規制を全般的に見直し不合理な規制は撤廃させるべきである。せめて欧米並みの水準で選挙活動の自由性を確立させたい。これも申し合わせとしたい。

 もう一つ。選管が今のような在り方であれば、お笑いでしかないが選管を管理する監理委員会が必要なようである。選管の透明度が高まれば不要であるが現下の仕組みでは到底信頼することはできない。これも申し合わせとしたい。

 選挙不正につき、街カフェTV の主宰者にして未来の党から埼玉4区に出馬した藤島利久氏が告訴予告している。それによると、「投票率の改ざん。得票数の改ざん、マスコミの偏向報道」を争点に挙げている。これが提訴されれば支援したい。現下の選挙実態を様々な角度から明らかにさせたい。政治の信が揺らいで久しいが選挙の信まで揺らいでいるとならば世も末だろう。国政の基礎となる選挙の信が揺らげばそれは近代国家ではない。日本の自律自存の国家主権擁護の為に近代選挙の水準確保に向かいたい。


 jinsei/

れんだいこのカンテラ時評№1090  投稿者:れんだいこ 投稿日:2012年12月24日

 第46回2012衆院選考その9、不正選挙疑惑の巻その3の巻

 第46回2012衆院選考は一応打ちきったつもりだったが、不正選挙疑惑について非常に関心が強まっている。れんだいこの疑問もますます昂進しつつあり、そこで番外編として「不正選挙疑惑の巻その3の巻」を付け足すことにする。未来の党に限って何故に小選挙区票より比例票の方が少ないと云う怪奇現象が起きているのかを問うことにする。

 比例重複性を考えて見た場合、未来の党候補者に小選挙区票を入れた者は、比例票を未来の党と書くのが自然だろう。中にはへそ曲がりが居るだろうから多少のこぼれはあるかも知れない。しかし、そのこぼれを上回る比例票が出るのが自然である。よしんば減ったとしても候補者が立たない空白選挙区の比例票が加わるはずだから、結論はやはり比例票の方が小選挙区票を上回るとしたものだろう。このことを念頭に置いて以下検証する。

 舞台は広島県である。オカシイところは、比例票で未来の党がみんなの党に負けているところにある。未来の党は選挙区候補2名に対してみんなの党は0候補である。つまり、未来も2名しか候補を立てられないほどに強くない県であるが、みんなの党は候補を立てられないほど弱いエリアである。そこで未来の党の比例票が、みんなの党のそれに負けていると云うのが何とも解せない。票の不正工作のプロもどこかでぼろを出す。広島県での比例区票で、みんなの党の票を未来の党以上に設定したのはミスではなかろうか。

 ちなみに広島6区で未来から出馬した亀井候補は小選挙区で91.078票取っている。広島1区から未来から出馬したすげかわ候補は小選挙区で21.698票取っている。合計91.078+21.698=112.779票になる。全7選挙区の他の選挙区からの未来票が加算されるところ、未来の比例区票は逆に減っており66.752票しかない。つまり112.779―66.752=46.024票も減らしていることになる。率にして約40%減となっている。こういうことって有り得ることだろうか。

 小選挙区票が必ずしも比例票に結びつかないとの考えは、重複立候補制から考えると不自然である。隣の岡山県は、未来の党の候補者0で23.523票取っている。みんなの党は同じく候補者0で54.897票取っている。みんなの党の広島県票は小選挙区票0で比例区票を86.935票取っている。つまり小選挙区票と関係なく比例票が出ていることになる。これを踏まえれば、小選挙区票よりも比例票が上回るのが普通だろう。これが自然であろう。維新の会候補を見よ、候補の玉が悪くても比例票で稼いで当選している者も多くいるだろうが。

 誰か、広島県に於いて、未来の比例区票が小選挙区票より46.024票も減らしている、未来の党に限って比例票が減っている現象を怪奇なしに説明してみたまえ。

 同じような例として、宮城2区の未来の党小選挙区候補・斎藤やすのり氏に投票した数より比例区における未来の党の票が14.000近く少なく、比率にすると約40%の減少が見られることが指摘されている。新潟一区でも比例の票が内山こう候補の小選挙区票より10.938少なく、比率にすると不思議にも約40%の減少と指摘している。

 全く場所も異なる選挙区で、同じ未来の党から出馬した2人の候補が、小選挙区に比してその約60%しか比例で獲得できていない事実に鑑みるに、これは最早、偶然ではなく作為的に機械処理されたものと考えられる。かく指摘されている。そう考えないと辻褄が合わんだろう。

 こうなると、亀井、すげかわ候補は開票再審査訴訟を打つべしだろう。同様に全国それぞれの地域で同様の不審が見られるところの候補は同様の挙に打って出るべしだろう。思うに、2012衆院選は未来の党に限って何やら大がかりなパージ操作が行われた形跡が濃厚である。逆に維新の場合には水ぶくれされた可能性が強い。以上申し述べておく。

 2012.12.24日 れんだいこ拝

 jinsei/

れんだいこのカンテラ時評№1091  投稿者:れんだいこ  投稿日:2012年12月26日

  選管の不正選挙防止対策と数値発表責任考

 2012衆院戦ほど不正選挙の疑いが濃厚になったことはない。近年囁かれ始めていたが一挙に公然化した感がある。その容疑について、「第46回2012衆院選考、不正選挙疑惑の巻」と題してカンテラ時評№1087、1088、1090で示した。他の方の追及も為されており追って裁判に持ち込まれる流れにある。ぜひ徹底検証すべきだろう。それにしても立候補者の中からもう少し疑義ありの声が出ないのはどうしたものだろうか解せないことである。

 それはそれとして、今後の在るべき姿としての「れんだいこ式選管15ケ条マニュアル」を書き上げた。これ公表し、今後の投開票モデルにするよう提案申し上げることにする。何事も処方箋を示さないと生産的議論にならないからである。

 まず、選管は選挙結果発表の標準的なマニュアルを作らねばならない。現行のように各選管で仕様が違い、なかなか良くできているところもあればわざわざ不正の温床となるような杜撰な発表しかしていないところも見受けられる。各選管の仕様が違う理由が分からない。共通して無効票の内容についての発表がないのも気になるところである。本来は次のような発表にしなければならないのではなかろうか。衆議院選をモデルにして以下提案申し上げる。

 大きな流れで云えば次のように云える。投開票で一番精力的に審査、管理せねばならないのは最も末端の各投票所の数値である。この原点さえ正確に把握すれば本来は何の問題も起らない。なぜなら後は積み上げでしかないからである。

 現行は、各投票所の投票箱が選挙区センターに持ち込まれ、そこで一括集計されている。これが不正の温床となている。なぜなら第一に、投票箱の移動中の管理が心もとないからである。道中で投票箱そのものの差し替え、あるいは投票箱の中の票の入れ替え操作の疑念がもたれているからである。長年このような心配は必要なかったが小泉政権の頃から囁かれ始め今に至っている。

 第二に、選挙区センターでは束にした投票用紙を投票マシ―ンにかけて集計しているが、この束の中身の確認の杜撰さとマシーン計数のイカガワシサが問題になっている。束の中身は立会人が確認できるので不正防止可能である。問題はマシーンの方である。

 マシーンの受注先が外資系のリモコン会社に特命発注されており、操作要員も全てその会社が取り仕切るので立会人も寄り付けずいわゆるブッラックボックスになっている。実際にはムサシが利用されているが票改変工作プログラムが装填されているとの噂がある。そういうムサシによるマシーン計算が検証されたと云う話しを聞かない。こういうことを思えば、そもそも各投票所の投票箱を選挙区センターに持ち込み一括集計するシステム自体が間違いであろう。各投票所単位で投開票すべきではなかろうか。

 各投票所単位での投開票は決して無理ではない。そもそも各投票所単位での投開票であれば、その投票数もさほど多くないので数時間もあれば選管の手作業とパソコン入力の組み合わせで確定できるはずである。何も仰々しくムサシなる投票マシ―ンを投入する必要もない。銀行が使用する札束を数え、偽札を識別する金銭機程度の性能を持つ仕分けマシーンで十分だろう。

 これの導入に当たっては各社入札方式で採用し、何回か試行錯誤すればより良いものになるはずである。選管の手作業と仕分けマシーンの連携で事は解決する。これを二度ほど算定すれば確定できるはずである。速報を第一次発表とし、追検証し第二次発表で確定させれば良い。なぜそうしないのかと云うことに疑問が残る。繰り返すが、選挙区センターへの投票箱持ち込みと外資系選挙マシーンの投入こそが不正の温床である。

 投票要領については特に改めるところはない。来場者が持ち込む投票はがきと投票者名簿の照合による?確認で良い。帳面方式で確認したものをパソコン上の投票者名簿にチェックすれば自動的に来場投票者数と投票率が分かる。問題は開票要領である。これもパソコンを利用すれば容易くできる。カウントされた票数それぞれを、あらかじめ作成されている仕様書にパソコン入力すれば良いだけのことである。

 各投票所単位での投開票にすれば全てが解決する。その場で投票所受付者数と投票数が確認でき、パソコンの表計算で誤差も忽ちに判明する。これにより票の水増し、抜き取りがチェックできる。投票率も確定する。有効投票、無効投票の確認もたちまちにできる。これにより有効投票率、無効投票率が確定する。次に小選挙区票の候補者の得票数、得票率が確定する。次に比例区票の各政党の得票数、得票率が確定する。無効票の場合、白票と対象外記入と誤字の三系に仕分けしてそれぞれの数値を小選挙区、比例区ごとに算出せねばならない。期日前投票の結果も同様の方法で処理する。

 各投票所単位での投票数値が確定すれば後は積み上げでしかない。これを算定するのはパソコンで十分である。あらかじめ選管が仕様書を作成しておき、これに入力すれば良いだけのことである。まず各投票所単位での投票値、次に選挙区単位での投票値となる。ここで小選挙区の当選者が決まる。次に都道府県単位での投票値、次にエリアブロック単位での投票値。ここで比例区での各政党の議席数と当選者が決まる。比例重複議員の復活も決まる。最後に全国集計での各政党の議席数、当選者、小選挙区得票数、比例区得票数が決まる。

 この方式によれば、各投票所単位での投開票作業が基礎であり、後は全国会場での集計の二系で事足りる。別に難しくないこの積立て順序が意図的故意に反故にされ、わざわざ不正選挙に成り易い選挙区センター持ち込み仕掛けに誘導されているのではなかろうか。現行の選管の開票の仕方そのものが相当にねじ曲がっていることになる。これを糺さねばなるまい。なお、横並び表の横項目の増え過ぎを防ぐ為、無効票は別枠の表2にして公開した方が見易すかろう。表3で、それぞれの数値の前回対比も記しておけばなお良かろう。表4で期日前投票の結果を同様の方法で開示公開する。

 れんだいこが考えて見て、以上のようにすれば公正な投開票ができる筈である。以下は、そのマニュアルである。選管の投開票発表は次のような仕様にされていなければならない。発表用の簡略表と資料用の詳細表の二種を作成する必要がある。どちらも公開されねばならない。なお前回の数字との比較ができるように記されねばならない。

 (以下、15ケ条を記す。ブログ参照の事)
  http://08120715.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-43e6.html
その1  各投票所の人口数を開示する。総合と男女別数を記さねばならない。
その2  各投票所の有権者数を開示する。詳細表では総合と男女別数を記さねばならない。
その3  名簿に印を押したことで確認できる各投票所の来場有権者数を開示する。総合と男女別数を記さねばならない。これにより仮投票率が分かる。ここまでは記名確認できる。
その4  各投票所の小選挙区と比例区の投票者数を開示する。これにより小選挙区票と比例区票の票差数が確認できるのは自明である。無記名投票になるので男女別数を記すことはできない。これにより来場有権者数と実際の投票者数との差が判明するので真投票率が確定する。その差引数字を記さねばならない。投票用紙を受けとったものの棄権した者の総数が確認できるのは自明である。
 ここまでは簡略表では省くことができる。
その5  各投票所での各候補者の小選挙区票数、獲得率及び政党の比例区票数、獲得率を開示する。道中、確定前の票推移の刻々情報をリアルタイムで発表せねばならない。
その6

 各投票所での無効票数、無効投票率を開示する。その際、白紙、該当者及び政党の不在、誤字失格等の内訳に応じた票数を明らかにせねばならない。

 期日前投票の結果も同様の方法で処理し公開するべきである。

その7  選挙区(投票所票集計)に於ける各候補者の小選挙区票数、獲得率、政党の比例区票数、獲得率を開示する。ここで小選挙区当選者が確定する。
その8  都道府県毎の政党別の小選挙区票数、獲得率及び比例区票数、獲得率を開示する。ここで都道府県単位の政党別当選者議席数が判明することになるのは自明である。
その9  エリアブロック毎の政党別の小選挙区票数、獲得率及び比例区票数、獲得率を開示する。これにより比例重複候補の当選者が判明し、エリアブロック単位の政党別獲得議席数が判明することになるのは自明である。
その10  全国集計での政党別の小選挙区票数、獲得率及び比例区票数、獲得率を開示する。これにより全国レベルの政党別獲得議席数が判明することになるのは自明である。
 以上を投開票の十全システムとする。後は留意事項である。
その11  無効票数を上記の順で無効票数、無効投票率を開示する。それぞれの段階での白紙、該当者及び政党の不在、誤字失格等の内訳に応じた票数を明らかにせねばならない。期日前投票も同様に開示する。
その12  上記10作業の正確と効率を高める為の票の確認の仕方、束ね方、集計の仕方に選管要員、立会人が動員され、複数の者が票束の上から下まで目を通さねばならない。
その13  投票審査は二度集計することとする。第一次集計を速報として発表する。後刻、第二次集計し確定とする。
その14  投票用紙は投開票疑惑を廻る提訴期限までは無論のこと、最低限一年間保管しておかなければならない。
その15  選管要員、立会人が現今ではどういう基準で選ばれているのか知らないが選出の厳正さも必要であろう。

 凡そ以上のような手続きを得、正確な数値の選管発表が為されねばならない。第46回2012総選挙、福島県、東京都の結果考で確認できるように東京都選管発表方式は逆に不正選挙温床になる類のものでしかない。各選管毎の様々な仕様による発表は、より優れた仕様のものに統一して発表されるべきだろう。今後はこの「れんだいこ式選管15ケ条マニュアル」に従って発表すべきである。

 jinsei/


Re::れんだいこのカンテラ時評601 れんだいこ 2009/09/03
 【第45回2009.8.30衆院選考その4、世界がどう伝えたかの巻】

 8.31日、2009衆院選について、各国メディアがどう伝えたかを見ておくことにする。(2009.9.1日付け毎日新聞その他参照)

 米国のウォールストリート・ジャーナル紙は、「日本現代史の分水嶺(ぶんすいれい)として後世に伝わるだろう。米国などにとって、自民党政権に比べ対応が難しくなるが、より意欲的な同盟国となるかもしれない」とジャーナルしている。冷静客観的に事態を分析していることが伝わる。

 英国のフィナンシャル・タイムズ紙は、「極めて日本的な反乱。民主党に革新的な新政策が見られないのは、日本人が今もそれなりに現状に満足しているからだ。社会的な革命を求めたものではなく、これまでとは違った手法で現状を維持しようとする試みに見える」。インディペンデント紙は、「民主党の外交方針は、日本がようやく冷戦終結を確認したことを示す。アジア重視の姿勢から『地域勢力』化する可能性がある」。9.1日付けのアル・ハヤート紙(ハージム・サーギーヤ)はコラムで、「日本の政権交代について」採り上げ、「日本の革命?」との見出しで、「日本で、第二次大戦後と呼ばれた長い時期、自民党がその象徴であった時期は終了した。そのかっての盟友イタリアでキリスト教民主党が去ったのと同様に」とした上で、意訳概要「第一党となった民主党の鳩山代表は穏和系であり、革命的な動きは採らないだろう」と評した。

 イスラエルのイスラエル民放は、「鳩山氏は日本のオバマ」と報じた。8.31日付のイスラエル有力紙ハーレツは、「鳩山政権は、例えば(パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織)ハマスの承認に踏み切るなど、より親アラブ的な姿勢を取るようになりそうだ」と分析した。執筆者は知日派の大学教授で、鳩山代表が選挙戦で自らをオバマ米大統領になぞらえて変革を訴えていたことを指摘し、「対イスラエル政策について、オバマ、鳩山両氏はイスラエルが望まない形の協調を進める可能性がある」と懸念を示した。

 イタリアのメッサジェーロ紙は、「イタリアと日本は人口減、移民規制、年金問題など似た問題を抱え、右派から左派への政権交代が必要だった」と論じた。8.31日付のイタリア紙コリエレ・デラ・セラは、「東京に(政治的な)津波」との見出しで国際面の見開きで伝えた上で、鳩山代表を「日本のケネディ」に例えた。政権交代を翻訳することなくそのまま「セイケンコウタイ」と記し、歴史的な出来事として紹介した。

 欧州のベルギー紙は、概要「民主党政権が、自民党の対米追従路線から、日米同盟を維持しつつ対米依存を軽減する方向へどこまで外交方針を軌道修正するのかに注目している」とコメントした。欧州のラジオは、「民主党は米国から多少距離を置き、アジアの近隣国との和解を進めようとしている」と伝えた。民主党内に意見の相違があることを指摘した。EU筋の「政権公約が政策にどう反映されるかを見極める必要がある」との声も伝えられている。

 仏国際関係研究所(IFRI)アジアセンターのバレリー・ニケ所長は、「米軍基地の扱いなどを見直す余地はあるだろうが、米国は日本の安全保障戦略の中心であり続け、(日米関係の)激変ではない」と分析している。 

 オーストラリアのオーストラリアン紙は、「日本の近代史において、明治維新や戦後の経済復興に並ぶ大きな変革だ」と評した。

 ロシアの政府紙「ロシースカヤ・ガゼータ」は、「震度7級の出来事。米国が終戦後の日本で2大政党制を根付かせようとしたが、当時の日本は受け入れられず、巨大な自民党と政権を担えない野党による『1・5党制』が続いたが、(経済)危機に耐えられなかった」と伝えた。

 中国の京華時報は、鳩山氏のあだ名を「宇宙人」と紹介した上で、「『宇宙人』鳩山の夢かなう」と見出しに書いた。広州日報は、「吉田茂、鳩山一郎両元首相の孫同士の戦い。政権は代わっても、世襲政治は変わらない」と評した。

 韓国の朝鮮日報は、「政権交代後の日本がどこに向かうかは非常に不透明」と伝えた。北朝鮮の朝鮮中央通信は、論評なしで「自民党が大惨敗を喫した」と選挙結果だけを伝えた。

 インドのタイムズ・オブ・インディア紙は「鳩山氏は『新しい侍』」と伝えた。シンガポールのストレーツ・タイムズ紙は、「民主党のマニフェストからは、不振が続く日本経済をいかに上向かせるか、はっきりしない」とコメントした。

 中東諸国でも関心をもって取り上げられている。中東の大手紙の大半が「自民党長期政権の終焉」を大きく取り上げた記事を流した。汎アラブ衛星放送の「ジャジーラ」は、投票日当日深夜、大勢が判明するとすぐ「野党、圧勝」の一報を流した。エジプトの最大日刊紙のアルアハラム紙は、「民主党の地滑り的勝利は、国民生活重視の政策を掲げ、官僚の政治支配に反対したことが背景にあった」と解説した。汎アラブ紙で「アラブのワシントン・ポスト」とも呼ばれるインテリ日刊紙の「ハヤート」は、9月1日付けのコラムで早速、民主党の成り立ちや鳩山代表の出自にまで触れて、「実は政策的には自民党とたいした違いはない」と分析している、とある。

 もっともっと多くの情報を得たいが分らない。いずれにせよ、かなり注目されたこと自体は確かで、今後の成り行きに相当な関心が払われていることも間違いない。

 れんだいこが興味深く思うことは、「2009衆院選政変」を「革命政変」と読むのか「穏和政変」と読むのかで両論が生まれていることである。れんだいこが、海外メディアにサジェスチョンするとすれば、「日本型平和革命」として評するべきであろうということになる。

 1993年時の細川政変に比するならば、こたびは格段に重みが違う。この流れは不可逆的で、自民党の亀裂の深さから見て復権はもう有り得ないだろう、よって米英的な二大政党制による政権交代は有り得ないだろう、欧州的な多党化も有り得ないだろうということである。民主党が、かっての自民党の座に深く納まって盤石の政権与党化し、恐らくかっての自民党がそうしたように、左右両翼を抱えたまま「大同一致」で政局をこなして行くことになるだろう。そういう新たな日本型政治の始まりが予見できるということである。民主党の308議席の重みは、それほど画期的で、八百万の神々の為し給うた叡慮のように思われる。

 国際金融資本勢力が、これを無理やり突き崩すとするならばクーデター的な非合法手段に打って出るよりない。しかし、日本政治に於いてそのような方法が受け入れられるだろうか。「和をもって尊し」とし、「談じ合い」に世界一長けている日本政治には邪道が過ぎるのではなかろうか。つまり、もはや民主連合政権を突き崩す方法はないということになる。こう認識すべきだろう。

 かくて、日本の新時代がが始まったと受け止めるべきであろう。問題は、新日本政治が、どのように動き出すかである。それは恐らく、オバマ流のチェンジ、イエス・ウィ・キャンに感化されながら、日米同盟に依拠しつつも共に非軍事的な国際協調路線へと向かうことになるだろう。戦争に明け暮れる時代が食傷され、裏の仕掛けも見えてきたことでもあり決別へと向かうであろう。産業と通信技術の発展により世界はますます緊密化を深め国際化時代になる。これをこなす能力に於いて、日本的な在り方を追求する政治へと向かうであろう。

 なぜなら、この道以外に現代世界の苦悩から脱出できないからである。なぜなら、それが国際社会の中で日本が生き延びる道であるからである。それは同時に国際金融資本への隷従から遠ざかる道である。その意味で革命的な政変であったことが、これから分かるであろう。中曽根政権以来営々と敷設してきた邪悪な政治が、この政治の日本における奥の院である中曽根、ナベツネの寿命が尽きるのに応じて一掃されるであろう。なぜなら、それが歴史の法理であるからである。れんだいこにはそのように世界が見える。

 2009.9.3日 れんだいこ拝

 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK70」の「自民党売国政府たたき潰す 衆議院選挙結果 全国共通した大衆の思い(長周新聞)」を転載する。

 自民党売国政府たたき潰す 衆議院選挙結果 全国共通した大衆の思い(長周新聞)
 2009年8月31日付

 第45回衆議院選挙は、全国民の力によって、自民党売国政治が叩きつぶされる結果となった。津津浦浦の離れた国民が共通の思いを抱き、共通の行動をとって自民党に壊滅的な打撃を与えた。

 爆発した国民の怒りは、つぎに政府を握ることになる民主党をも震え上がらせ、決して勝手なことをさせぬ縛り付ける力として示された。選挙は、自民党対民主党の対決などではなく、売国・亡国政治にたいして、独立した平和で豊かな社会を建設する力であった。このなかで、真の主権者として全国民が心を1つにして、変革の力を見せつけるものとなった。

 前回67・51%だった投票率は、69・28%になった。小選挙区になってから最高で、かつてなく投票行動が盛り上がったことを示した。期日前投票は、全有権者の13・4%にあたる1398万4968人が済ませた。国政選挙のなかでは過去最多で05年総選挙の8・7%を4・7も上回っていた。

 自民党は前回選挙で296議席を得ていたが、119議席へと激減した【表参照】。民主党は前回113議席だったのが308議席へと大幅に増やした。この結果、政府は交代し、自民党が野党になることが確定した。自民党と連立与党を組んできた宗教勢力・公明党も31議席から21議席へと大幅に減らしたのも特徴となった。「日共」、社民党は議席数に変化はなかった。

 各都道府県別に小選挙区の結果を見ると、北海道で自民党は全12選挙区のうち11選挙区で敗北。自民党の最大派閥・清和会の会長である町村信孝・元官房長官、小泉政府で党幹事長をしていた武部勤、「もうろう会見」の中川昭一・元財務兼金融相が相次いで落選した。

 東北地方では25議席あるうち自民党が獲得したのは5議席にとどまった。岩手、秋田、福島の全選挙区で民主党・無所属が議席を獲得し、宮城県では6議席あるうちの5議席、山形県では3議席のうち2議席、青森県では4議席のうち1議席を民主党が獲得した。

 中部地方では、51議席あるうちの43議席を民主党・無所属などが独占し、自民党は僅か8議席にとどまった。新潟、長野、山梨、愛知の各県ではすべての議席を民主党が独占。自民党は福井県で全3議席を獲得したほかは、富山県では3議席のうち2議席、岐阜県は5議席のうち2議席、石川県では3議席のうち森喜朗元首相の1議席をかつがつ保った。

 大都市で自民党が大惨敗を喫したのも特徴となった。愛知県では全15議席を民主党候補が独占。関東地方では、東京都で25選挙区のうち21議席を民主党が獲得した。千葉県では13議席のうち11議席を民主党が独占。神奈川県では18議席のうち14議席、埼玉県では15議席すべてを民主党・無所属が独占した。茨城県は7議席のうち自民党は1議席のみ。群馬県では5議席のうち自民党は2議席。栃木県は5議席のうち自民党は1議席にとどまった。

 近畿地方でも都市部で自民党が散散だったのが特徴で大阪府では19議席のうち18議席、京都府では6議席のうち5議席、兵庫県は12議席のうち11議席、奈良県は4議席のうち3議席、三重県は5議席のうち4議席、滋賀県は4議席すべて、和歌山県は3議席のうち2議席を民主党、新党日本、国民新党などの野党が議席を独占した。

 中国地方では、広島県で7議席のうち自民党は1議席のみにとどまった。山口県では安倍晋三元首相、河村建夫官房長官、高村正彦・元外務大臣が当選したが、いずれもかつてなく民主党候補に票差を詰められる結果になった。島根、鳥取では全二議席を自民党。岡山県では5議席のうち自民党は2議席にとどまった。

 九州地方では、長崎、沖縄、大分の各県で、すべての議席を民主党、民社党、国民新党などの野党候補が独占した。福岡県では11議席のうち7議席が民主党。自民党は佐賀県で3議席のうち1議席、熊本県は5議席のうち3議席、宮崎県は3議席のうち2議席、鹿児島県は5議席のうち3議席にとどまった。四国地方では高知、徳島、愛媛、香川の全13議席のうち8議席を自民党が得た。

 「大物」議員も多数落選 清和会は壊滅的状況

 自民党では、大物といわれる議員たちが選挙区でドッサリ落選する結果になった。この間、首相ポストを独占してきた最大派閥の清和会が壊滅的な状況に直面したのも特徴。改選前に62人いた同派閥の議員は、選挙区で当選したのは安倍晋三元首相など僅か9人で壊滅状態。石川2区では森喜朗元首相が大激戦の末、冷や汗ものの当選となった。群馬4区の福田康夫元首相も票差を詰められた。広島では「多民族国家」の提唱者である中川秀直・元官房副長官らが落選。宮崎県の中山成彬・元文部科学大臣も落選した。「次の総裁候補」といって騒いできた小池百合子・元防衛大臣も落選した。

 第2派閥の津島派では船田元・元経済企画庁長官と笹川堯・党総務会長、久間章生・元防衛相ら大物が落選した。防衛庁長官、経済企画庁長官、経済財政政策担当大臣、自民党政調会長、財務大臣を歴任してきた額賀福志郎氏も落選。古賀派では安倍体制で総務会長をしていた丹羽雄哉、堀内光雄などの領袖が落選した。山崎派からは、会長である山崎拓・元党副総裁をはじめ、深谷隆司・元通産大臣、行政改革担当相の甘利明、元法相の保岡興治が落選。伊吹派は会長の伊吹文明・元党幹事長が落選。そのほか、与謝野馨・元官房長官や、首相経験者のなかでは海部俊樹氏が落選した。現役閣僚の6人が落選し、比例で復活した。小泉チルドレンは31人が落選して9人が比例復活など含めてかつがつ当選した。

 町村信孝、武部勤、中川秀直、額賀福志郎、甘利明、伊吹文明、与謝野馨、小池百合子、野田聖子、高市早苗、衛藤征士郎、谷川弥一といった顔ぶれは比例復活をはたした。安倍晋三元首相はじめ小選挙区でギリギリの当選を果たした「大物」、あるいは比例復活で生き残った「大物」たちも、今後は戦犯扱いのなかでやっていくことになる。自民党は使い古しの偉そうな「大物」ばかり残り、頭ばかりで胴体がない状態となった。

 公明党も壊滅状態進行 小選挙区軒並み落選

 また自民党と連立与党を組んできた公明党の壊滅状態も進行した。東京12区の太田昭宏・党代表をはじめ、党幹事長や国土交通大臣などしてきた兵庫8区の冬柴鉄三氏、大阪16区の北側一雄氏といった「党の顔」が小選挙区でのきなみ落選した。比例も伸びなかった。

 「抵抗勢力に対する刺客」などというバカ騒ぎで国民を愚弄した前回総選挙の決着をつける結果となった。50年にわたって続いた自民党政治に壊滅的な打撃を与えたのは、ほかならぬ国民の売国・亡国政治にたいする怒りであり、この力が最大の原動力だったことは疑いない。

 選挙は05年の郵政選挙とは違い、財界は民主党に乗りかえをはかった側面がある。とはいえ、自民党を叩きつぶした国民の力は、素人議員を山ほど抱えることになった民主党にも緊張を走らせ、縛る力として示された。

 http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/ziminntoubaikokuseifutatakitubusu%20zennkokukyoutuusitataisyuunoomoi.html  




【政党交付金】
 2009衆院選の結果に伴い、国が各党に配分する政党交付金が次のように変動することになった。政党交付金は、国民一人当たり250円として税金から支出され、2009民分の総額は319億4100万円。各政党の国会議員数や国政選挙での得票率を元に毎年4月に計算され、年4回に分けて支給される。
2009年当初 2010年見込み 増減額
民主党 11.832 17.302 +5.469
自民党 15.733 10.467 -5.266
公明党 2.725 2.403 -321
社民党 901 869 -31
みんなの党 340 340
国民新党 429 399 -29
新党日本 203 159 -44
改革クラブ 115 -115

 選挙前から193議席増えた民主党は、2009年分の当初予定額より54億円余り多い173億200万円。逆に181議席減った自民党は52億円余り少ない104億6700億円となる。10議席減った公明党は3億2100万円少ない24億300万円。社民党は、議席は変わっていないが、得票率が減ったため3100万円少ない8億6900万円となる。その他は図の通り。共産党は受け取らない。

 12.19日、政党助成金(年総額320億円)。政党助成法には、5人以上の国会議員がいることなどの政党要件を満たす必要がある。これを満たさなくなった場合でも、政党助成金を受けたいと申請すれば残額分の一部をもらえる“抜け道”規定がある。政党助成金は国民1人250円で計算される。

 総選挙で294議席を得た自民党が2013年に受け取る政党助成金の見込み額は、12年分と比べて43・7%増の145億9000万円となることが判明した。惨敗した民主党は同48・1%減の85億5800万円と半減。13年夏の参院選の結果を踏まえ、各党への助成金は再計算される。日本維新の会には27億2500万円、日本未来の党には8億6500万円がそれぞれ初めて支給される見込み。12年の助成金が1億1500万円だった新党大地は、総選挙で受給に必要な議席を得られず資格を失った。1億3600万円だった新党日本も国会議員がゼロとなり対象外となった。日本共産党は一貫して受け取りを拒否し制度の廃止を求めている。

 自民、民主、維新、未来、大地、新党日本以外の政党の受給見込み額と増減率は次の通り。公明党25億6600万円(12・6%増)▽みんなの党17億9400万円(60・5%増)▽社民党5億4200万円(29・0%減)▽国民新党2億4600万円(44・3%減)▽新党改革1億2500万円(4・5%増)。

 2012年最終分の政党助成金の交付では、新党きづな、太陽の党、新党大地、新党日本の4党が、すでに総務省に解散届を提出していながら「特定交付金」という名目で計1億5523万円を受け取っている。


【自民党の大物議員復活、民主の大物議員落選考】

 2009年衆院選では、自民党の首相経験者、党幹部、派閥領袖ら自公両党の「大物候補」が相次いで落選した。但し、麻生内閣の閣僚17名のうち、参院議員の3名を除く14名は比例の助けを借りることによって辛うじて全員当選した。小選挙区では、与謝野馨財務・金融担当相(東京1区)、野田聖子消費者行政担当相(岐阜1区)、佐藤勉総務相(栃木4区)、林幹雄国家公安委員長(千葉10区)、塩谷立文部科学相(静岡8区)、甘利明行革担当相(神奈川13区)が落選したが、全員比例代表で復活当選した。公明党の斉藤鉄夫環境相は、比例代表中国ブロックで当選した。党三役では、笹川尭総務会長(群馬2区)が落選した。現職党三役の落選は、96年衆院選の塩川正十郎総務会長(当時)以来13年ぶり。

 大物議員の帰趨は次の通り。 ×は落選、★は比例当選。

 町村信孝・前官房長官(北海道5区)は★、中川昭一・前財務・金融担当相(北海道11区)は落選。武部勤・元党幹事長は★。鈴木俊一・元環境相は×、赤城徳彦・元農相は×、額賀福志郎・元財務相は★、丹羽雄哉・元厚相は×、船田元・元経企庁長官は×、尾身幸次・元財務相は×、谷津義男・元農相は×、林幹雄・国家公安委員長は★、深谷隆司・元通産相は×、小池百合子・元防衛相(東京10区)は★、鴨下一郎・前環境相は★、島村宜伸・元文相は×、伊藤達也・元金融担当相は×、伊藤公介・元国土庁長官は×、長勢甚遠・元法相は★、堀内光雄・元通産相(山梨2区)は×、小坂憲次・元文科相は×、上川陽子・元少子化担当相は×、柳沢伯夫・前厚労相は×、斉藤斗志二・元防衛庁長官は×、海部俊樹・元首相は×、首相経験者が退任後の衆院選で落選したのは片山哲、石橋湛山の両元首相が落選した1963年の衆院選以来46年ぶりで、海部氏は政界引退の意向を表明した。杉浦正健・元法相は×、川崎二郎・元厚労相は★、伊吹文明・元財務相(京都1区)は★、中馬弘毅・元行革担当相は×、中山太郎・元外相は×、井上喜一・元防災担当相は×、渡海紀三朗・元文科相は×、高市早苗・元少子化担当相は★、中川秀直・元官房長官(広島4区)は★、山崎拓・前党副総裁(福岡2区)は×、太田誠一・ 前農相は×、久間章生・元防衛相は×、衛藤征士郎・元防衛庁長官は★、保岡興治・前法相は×。

 2012年衆院選では、2009年衆院選で落選していた自民党の大物議員が次々と復活し、逆に民主党、元民主党、国民新党の大物議員が落選している。これを確認する。

比例復活組  菅直人前首相(民主党)東京18区。海江田万里元経済産業相(民主党)東京1区。原口一博元総務相(民主党)佐賀1区。辻元清美元首相補佐官(民主党)大阪10区。横路孝弘前衆院議長(民主党)北海道1区。赤松広隆元農相(民主党)愛知5区。高木義明元文部科学相(民主党)長崎1区。松原仁・元拉致担当相(民主党)東京3区。
 落選組  田中真紀子文部科学相(民主党)新潟5区。仙谷由人党副代表(民主党)徳島1区。鹿野道彦前農相(民主党)山形1区。鉢呂吉雄党選対委員長(民主党)北海道4区。樽床伸二総務相(民主党)大阪12区。松木謙公幹事長(新党大地)北海道12区。三井辨雄厚労相(民主党)北海道2区。小平忠正国家公安委員長(民主党)北海道10区。城島光力財務相(民主党)神奈川10区。中塚一宏金融担当相(民主党)神奈川12区。平野博文前文部科学相(民主党)大阪11区。山田正彦元農相(日本未来の党)長崎3区。藤村修官房長官(民主党)大阪7区。田中慶秋前法相(民主党)神奈川5区。細川律夫元厚生労働相(民主党)埼玉3区。小宮山洋子前厚生労働相(民主党)東京6区。
 落選組  下地幹郎郵政担当相(国民新党)沖縄1区、比例の重複立候補せず。田中康夫・党代表(新党日本)兵庫8区、比例の重複立候補せず。加藤紘一・元党幹事長(自民党)山形3区、比例の重複立候補せず。
 清水宏保・元五輪金メダリスト(新党大地)北海道1区。山本太郎・俳優(無所属)東京8区。


【自民党派閥の変動】

 自民党内の派閥勢力図は次のように変動した。最大の町村派は、選挙前の15から38に強倍増した。額賀派は10→25。岸田派は14→20。山崎派は10→15。麻生派は8→14。伊吹派は7→12。大島派は3→5。無派閥その他は52→165。

【自民党派閥別勢力表】

派閥 衆院 増減 参院 合計  備考
町村派 15→38
額賀派 10→25
岸田派 14→20
山崎派 10→15
麻生派 8→14
伊吹派 7→12
大島派 3→5
無派閥その他 52→165
合計 119→294

 2009衆院選の結果、自民、公明、民主、国民新など超党派の国会議員、元議員でつくる改憲派の議員集団「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)所属の衆院議員が大量落選した。同議員同盟が2008年3月にまとめた会員名簿によると、現職の衆院議員で同盟に加わっていたのは139名。1955年に旗揚げした「自主憲法期成議員同盟」が前身で、2007年3月に名称を変更して再発足(中曽根康弘会長)。「9条の会」を名指しで敵視し、これに対抗する運動を全国で起こすという方針を掲げている。2007年6月にワシントン・ポスト紙に掲載した全面意見広告「従軍慰安婦に強制はなかった」を掲載。08年3月、民主党、国民新党の議員を新たに加えて超党派の新役員体制を発足させ、民主党の鳩山由紀夫代表が顧問に就任している。同議員同盟は今年5月、各党の幹部や財界関係者ら1200人を集めて大会を開き、「一日も早く国会における憲法審査会の活動が始められ、新しい憲法制定に向けて国会での議論が開始されることを願う」とする決議を採択している。

 今回総選挙で再選したのは53名となった。党派別にみると、自民党は122名→39(-73)(引退や市長選などへの転出者は10)。公明党は1人で変化なし。民主党は1人が引退し、10→9、国民新党は1人が落選し、2→1。新党大地は1人で変化なし。無所属議員は1人が引退し、3→2となった。

 「会長代理」の中山太郎元衆院憲法調査会長をはじめ、顧問の海部俊樹元首相、丹羽雄哉元自民党総務会長、中川昭一元財務・金融相、山崎拓元自民党副総裁、国民新党の綿貫民輔前代表、「副会長」の島村宜伸元農水相、深谷隆司元通産相、堀内光雄元自民党総務会長、幹事長の愛知和男元防衛庁長官、副会長兼常任幹事の船田元、常任幹事の亀井郁夫(国民新)など「大物」議員の落選が目立った。副会長の津島雄二、森山眞弓、玉沢徳一郎は引退した。

 「民主党極右改憲派」は残った。メンバーは次の通り。前原誠司(京都2区)、松原仁(東京3区)、笠浩史(神奈川9区)、鷲尾英一郎(新潟2区)、石関貴史(群馬2区)、北神圭朗(京都4区)、田村謙治(静岡4区)、牧義夫(愛知4区)、吉田泉(福島5区)、泉健太(京都3区)、松木謙公(北海道12区)。

 日本会議国会議員懇談会のメンバーは次の通り。小泉俊明(茨城3区)、長島昭久(東京21区)、松原仁(東京3区)、笠浩史(神奈川9区)、藤井裕久(南関東比例)、松宮勲(北信越比例)、田村謙治(静岡4区)、牧義夫(愛知4区)、小林憲司(東海比例区)、伴野豊(愛知8区)、中井洽(三重1区)、前原誠司(京都2区)、樽床伸二(大阪12区)、松野頼久(熊本1区)、川内博史(鹿児島1区)。









(私論.私見)