国会議員給与 |
更新日/2017(平成29).8.2日
2020.4.24日付け慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授/岸博幸「国民の痛みに疎い安倍政権に至急求めたい「3つの追加経済対策」 」。 |
苦境に沈む中小企業の痛みを知らない国会議員の「歳費削減」を深掘りせよ
与野党はコロナの感染拡大を受け、国会議員の歳費を2割削減することで合意しましたが、これは人を馬鹿にするなと言いたくなるくらいにひどい内容と言わざるを得ません。国会議員の懐に入る主だった収入を列挙すると、以下のようになります。・歳費(月々の給与):130万円/月、・期末手当(ボーナス):635万円/年、・文書交通費:100万円/月、・立法事務費:65万円/月と、これだけで年収4200万円になります。そして、それ以外に秘書3人分の給与も全額が支払われ、永田町の議員会館のオフィス賃料は無料、一等地の議員宿舎も格安の家賃で利用しています。加えて、政党に所属する国会議員は政党交付金からの分配も得られます。それらすべてを合計すると、国会議員が実質的に得ている収入は年間8000万円を超えます。つまり、“歳費の2割削減”と言えば聞こえは良いけれど、実際には国会議員の全収入の数パーセントしか削減されていないのです。 端的に言えば、今のままだと、日本中の中小企業や個人事業主の収入が激減し、お店を閉じるところも増え、多くの国民がこれまで経験したことのない苦境に喘いでいるというのに、国会議員だけは6月に300万円以上のボーナスをもらえるのです。もちろん、その原資は私たちが支払っている税金です。こんな理不尽はあり得ないのではないでしょうか。 それを当たり前のように受け取ろうとしている与野党の国会議員に、倒産寸前のお店や企業、収入が激減した人たちの痛みがわかるはずはないし、今のような非常時に必要な政策を迅速に立案・実行できるはずありません。したがって、“歳費2割削減”という言葉に騙されることなく、ボーナスも文書交通費も当面ゼロにする、全収入の5割を削減するといった、思い切った対応を国会としてやるべきです。ちなみに、個人的に一番情けないと思うのは、これは本来なら野党が率先して言い出すべき意見なのに、ほとんどの野党がダンマリを決め込んでいることです。「国民の生活を守る」といったことを普段は盛んに言っているにもかかわらず、実際は今のような非常時においても、自分たちの特権階級的な立場だけは維持したいというなら、そんな野党に存在価値はありません。 |
(私論.私見)