(12月) |
明治34年12月11日 |
山名、部内清国厦門へ高室清助、山下万吉両人出張布教致したく願い。
さあさぁ尋ねる事情/\、事情は一つ。さあさぁ遠く/\遠くという処、一寸にどうこうに一つ事情は、日々の事にはどうもでけ難ない。なれど、年限の道理から見れば、同じ頼りと云う。この理心に持って通るなら/\、何時なりと思うように理を許そ。 |
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明治34年12月21日 |
教校開校式陽暦1月7日に致したく、それには県知事始め高等官及び署長招待致したき儀御許し願い。
さあさぁ尋ねる事情/\、さあさぁ何処彼処/\/\順序あらあらと言う。さあ急ぐ移す/\。まあそこえ/\できたら移す。早く/\移さにゃならん。一寸仮という、仮なら一寸仮の事にするがよい。一寸仮に大きい事してはならん。式という、心の式を行え/\。表の式は要らん。心の式を行えば何も仔細はない/\。これよう聞き分けて思案して、ほんに成る程と治まれば許しおこう。 |
押して、仮にさして頂きます、と申し上げ。
さあさぁ尋ねる処、こうという処はせにゃならん。どれだけどうという事は要らん。これも成るだけ/\。一つ許したら、十まで許したように運べば、もう指図はせん。指図せなんだら、どうなるとも分からん。皆な憎い者はない/\皆な可愛から言うのや。これ万事聞き分けにゃならん。 |
その通りさして頂きます、と申し上げ。
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明治34年12月21日 |
岡本久太郎長女ナヲ26才、山崎直吉弟熊楠29才縁談事情願い(靱支教会長岡本、日方支教会会計山崎)。
さあさぁ尋ねる事情/\、縁談一条尋ねる縁談一条尋ねる。縁談一条尋ねるが、皆なそれぞれの心という/\、それぞれという親々という、実際心運び、人々という心台、これ第一。又親々これでよい/\と尋ねる。尋ねるから一つ諭しおいたる理あろう。一度尋ねる事情は、何でも彼でも道という理という処から結ぶ/\。一日の日将来心なくばならん。もう成るも因縁成らんも因縁/\。この理聞き分け。聞き分けば縁談ほど楽な事はない。なれど心変わればどうもならん。そこで、一日の日将来の理なら、よい。その心で通るがよい。その心に縁談一つ結んでやろう。 |
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