ロッキード事件証人喚問劇その5、大久保利春

 (最新見直し2015.06.22日)

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 2015.06.22日再編集 れんだいこ拝


○荒舩委員長/大久保証人の入室を求めます。大久保証人に対し、まず委員長から所要の事項について証言を求めます。あなたは、二月十七日の本委員会終了後、丸紅の専務を辞任されたと報道されますが、それは事実でありますか。また事実といたしますれば、その事情はいかなることによってやめられましたか。
○大久保証人/委員長のおっしゃったことは事実でございます。また私は、前のときにも証言申し上げましたとおり、一身を社長にお預けいたしておりましたので、社長の御決定による決定事項であると承知しております。
○荒舩委員長/あなたは、二月十七日の本委員会でのユニットの領収証に自分でサインしたことについて、クラッター氏から直接頼まれ、コーチャンを信用しているからサインしたと証言されております。それでは、クラッター氏から依頼されたとき、コーチャン氏の名前が出たのですか、あるいは出なかったのですか。たとえばクラッター氏は、この件はコーチャン氏の依頼であるという旨をあなたに述べられましたか。それともクラッター氏の依頼はすなわちコーチャン氏の依頼であると自分で判断されたのですか。その点、お答えを願います。
○大久保証人/ただいまの御質問に対しましては、後者に属します。すなわち、クラッターは日本の駐在員の首席でございまして、コーチャン氏の直属の指揮下に入っておりました。先ほど委員長がおっしゃいました私がコーチャンを信頼しておったということは、コーチャンの下で働いておったクラッター氏であるから信頼したということでございます。
○荒舩委員長/あなたは、仕事以外にクラッター氏とどの程度の交際がありますか、お答え願います。
○大久保証人/私は、クラッター氏とは、仕事以外にはほとんど交際はございません。ただ、新聞報道等によりますと、ホテルの食堂等で食事をしたということが報ぜられておりますが、それはございます。ただ、それは仕事に関することで食事などをしておりますが、それも頻繁ではございません。
○荒舩委員長/余り懇意のようでないようにお話がありますが、丸紅のビルの中に一緒にクラッターの会社の事務所もありますので、同じ事務所で、しかも同じロッキードの飛行機の売り込みに、あなたもクラッター氏も一緒に同じ目的で仕事をなすっておられるので、まあ大変懇意なつき合いではないかと想像できるのですが、そういうことはありませんか。
○大久保証人/懇意の程度によるかと存じますが、仕事の上ではしばしば私接触しておりましたが、懇意ということが個人的なものであるかどうかということになりますと、個人的なものはございませんでした。したがって、家族のつき合いも全くございません。また個人的に、ゴルフも私は彼のゴルフの腕前も全然承知しておりません。
○荒舩委員長/あなたは、さきに、いわゆる二月の早々に訪米されましたが、二月の七日の夜、ロサンゼルスでコーチャン氏に会ったとき、クラッター氏は同席しておらなかったですか。私はあなたがお会いになっているんだと思いますが、お会いになっていたとすればその内容をお述べください。
○大久保証人/クラッター氏は、十七日に御証言申し上げましたとおり、おりました。ただ、彼はほとんど口をききませんでした。私とコーチャン氏との会話に終始し、別れ際に彼は申しわけない、申しわけないということだけが交わした会話の内容と記憶しております。
○荒舩委員長/そこでなおお尋ねしますが、どの程度申しわけなかった――ただ申しわけない、申しわけないではわかりませんが、どの程度申しわけなかったということを、どういうことについて申しわけなかったということを、ひとつ納得できるように御説明願います。
○大久保証人/前回もこの問題で非常に何回もお答えしなくちゃならないようなことになりましたので、非常に気になる御質問なんでございますが、私は推測はきょうは申し上げませんが、彼は、ひたすらに申しわけないということだけを申しておりました。したがいまして、それ以外の会話は一切なかった、ということを証言いたします。
○荒舩委員長/コーチャン氏にあなたは抗議をした。サインのことに関して約束を違反しているというので抗議をした。こういうことの証言がこの前もあったように思いますが、もう一遍その点をお聞かせ願いたいと思います。
○大久保証人/二つの点について抗議を申し込みました。一つの点につきましては、イーザー檜山会長オア大久保がリコメンドしたということを公聴会で彼が述べたことについて私は抗議をいたしました。次のことにつきましては、用済み後破棄をするとか、あるいは丸紅にも個人にも絶対に迷惑をかけないと言ったということを、約束を守っておらぬじゃないかというこの二つを抗議いたしました。
○荒舩委員長/あなたは鬼俊良君を知っておりますか。
○大久保証人/承知いたしております。
○荒舩委員長/鬼君と同じビルにおられるので、職務上のことあるいは個人的にどういうようなおつき合いをなされ、また飛行機の売り込みについていろいろな話し合いをしておられたと思いますが、その事情をひとつつまびらかにしていただきたいと思います。
○大久保証人/鬼氏は絶えずロッキードの大手町のピルの事務所におりましたのですが、私の知る限りでは、鬼氏の主要な任務は技術説明のときの通訳並びにその他外人関係の通訳を主体とし、また恐らく手紙等の日本文等を英文へ直すようなこともやっておったのではないかと存じますので、私とは比較的縁が薄かった人でございます。
○荒舩委員長/縁が薄かったということはつき合いがないということなんですか。あるいは同じビルで飛行機の売り込み等についてはかなり密接な連絡があり、交渉があったと思うのですが、もう少し詳しく御説明願います。
○大久保証人/同じビルはまる四年になりますが、竹橋へ移ってまいりましたので、同じビルにおりましたのはそれ以前の段階でございます。委員長のおっしゃるとおり、私も同じビルにいて同じ航空機を売っているのだからもっと親しいだろうという御質問でございますが、そうあるべきではございますが、私も事実あの事務所にはそうたびたび足を踏み込んでおらなかったというのが実情でございます。また先ほど申し上げましたとおり、鬼氏と特別に私が仕事の話をしなくちゃならないという仕事上の関連はきわめて薄かったのではないかというように記憶しております。
○荒舩委員長/政府の高官あるいは政治家と、あなたが鬼氏と一緒に会われたことは一遍もありませんか。
○大久保証人/一回もございません。
○荒舩委員長/ユニット、ピーナツ、ピーシズという符号を用いた領収証に関連して、クラッター氏からこの分は丸紅に差し上げる金だというような表示は全然なかったですか。また何か受け取られましたか。その点をはっきりお答え願います。
○大久保証人/前回も同じことを、あなたは受け取ったかと、また丸紅は受け取ったかという御質問をいただいておりますが、一切ございません。
○荒舩委員長/以上で私からのお尋ねは終わります。次に、委員から発言の申し出がありますので、それぞれの持ち時間の範囲でこれを許します。山口敏夫君。
○山口(敏)委員/前回の証言であなたは、ピーナツ、ピーシズの領収証はクラッター氏から、大久保以外の丸紅の人間のサインが欲しいと頼まれて、私の部屋で、自分の部屋で秘書に領収証の文言をタイプで打たせ、それにサインするよう伊藤に頼んだ、クラッター氏もいたと記憶している、こういう御証言があったわけでございますけれども、現在でもその証言にお変わりございませんか。
○大久保証人/この点については少し御説明さしていただきたいと思いますが、十七日に楢崎先生から御質問をいただきましたとき、私は確かに秘書にタイプをさせたと申し上げました。ただ、私はあのとき非常に疲れておりましたことが一つと、もう一つは、伊藤氏にサインを依頼いたしましたときは非常に気安く、これは非常に不覚なことでございますが、気安く頼んだということで、私の記憶はいまひとつ定かでないという気持ちで会社へ帰りました。会社へ帰りまして、伊藤氏との証言に食い違いがあるということを知らされまして、私は直ちに、とりあえず国際電話をもちまして、当時の秘書に確かめました。彼女の返事は、私の仕事については一切自分で取り扱っておる、したがって、そう言われればピーナツのタイプを打ったような気もする、しかしどうも記憶は定かでないという程度の返事でございました。私はその返事を受けまして、さらに私の記憶を整理してまいって、一応の整理もできた時点で伊藤氏にただしました。その結果、クラッター氏から依頼を受けまして即日あるいは一両日後に私は伊藤のところへ参りまして、これを説明いたしました。伊藤はそれを秘書課の者にタイプをさせ、タイプをさした後にこれにサインをし、私がそのサインペーパーを持ちまして、それをクラッターに手渡したというのが私の現在の一番正確な記憶と存じます。それが以上申し上げたことでございます。
○山口(敏)委員/十年も二十年も前の記憶ではなくて、きわめて短い今日的な問題です。それから同時に、このピーナツとかピーシズというようなきわめて不可解な領収証を発行するということに対して、そういうあいまいな一つの記憶では許されないわけでございまして、もう一度この問題を私は振り返りたいのですけれども、クラッター氏に頼まれたときに、いままで御自分で書いておった、自分以外の人にサインをもらいたい、なぜ私ではいけないのか、こういう反問をいたしましたでしょうか。
○大久保証人/反問をしたかどうかの記憶は定かではございませんが、私以外の人のサインを欲しいということをクラッターから言われた記憶ははっきりしております。
○山口(敏)委員/大久保以外ならだれでもいいというのはどういうことでございますか。
○大久保証人/私以外の丸紅の役員のことでございます。
○山口(敏)委員/その大久保さん以外の役員ということは、社長にサインをしてもらいたい、こういうことでございますか。
○大久保証人/そういう意味には私はとりませんでした。
○山口(敏)委員/丸紅には三十数人の役員がいるわけですよね。そのだれでもいいということではなくて、あなたが伊藤氏に頼んだということは、クラッター氏が、社長ないしは社長に代行し得る者という限定があったのではないんですか。
○大久保証人/この前御証言申し上げましたが、これにつきましては、私は社長あるいは会長に相談するまでもないことにつきましては、いろいろと伊藤氏に相談をしておりまして、一番気安く頼める仲でございましたので、私は伊藤氏に頼んだわけでございます。
○山口(敏)委員/一番気安く頼める伊藤氏ではなくて、その領収証の背景というものを考えたときに、やはり非常にロッキードと丸紅の特異な関係の領収証だ、こういうことでこの伊藤氏に頼んだのではないですか。
○大久保証人/そういうことではございません。
○山口(敏)委員 /来こういうものは依頼された側より依頼する方がしっかり記憶に残っているわけですね。ですから、この領収証は、あなたが伊藤さんに頼んだのではなくて伊藤氏の采配のもとにあなたがこの領収証について責任を負ったということではないですか。
○大久保証人/全然そういうことではございません。
○山口(敏)委員/この伊藤氏の領収証を見ましても、きわめて通常の領収証からすると書式もそれから内容もまばらなんですね。あなたのような専門的な立場の人が依頼をするときに、こういうような素人っぽい領収証をつくらせるということは考えられないわけでありますから、私は伊藤専務の采配のもとでこの領収証の作業が行われたというふうに認識をしているのですけれども、いかがでございますか。
○大久保証人/先ほど御説明申し上げましたとおり、これは私が伊藤氏に説明をいたして、伊藤氏が秘書課の者にタイプをさしたものでございます。
○山口(敏)委員/あなたの方は記憶がくるくる変わったり、領収証のサインが軽率であったとか否かとかいうことで問題が済みますけれども、またあなた自身は専務をおやめになられるということで個人的な決着はついたかもわかりませんが、この領収証をめぐって日本の政治あるいは社会的に大きな波紋が描かれておるわけですね。私はそういう一つの中に、特に先般はあなた方の証言にもかかわらず、もう実際司直の手があなた方の会社にも、また伊藤、大久保両氏の自宅にまでこの証拠書類の押収に行っておる、こういう一連のいきさつ。告訴すると言ってしない、あるいは取引を解消すると言って解消しない。どうしても、この丸紅の首脳の方々が口裏を合わせて、そうしてこの事実関係を隠蔽しておるのではないか、国民はそうした疑問に到達せざるを得ないわけですよ。もっとそういう点をしっかりひとつ踏まえて御答弁いただきたいと思うのです。
○大久保証人/この問題が非常に大きく発展したということに対する先生の御意見に対しましては、まことに私としても何とお答え申していいかわからぬほど苦しんでおりますし、また反省もいたしております。また、先ほど先生御指摘のとおり、司直の手によりますいろいろな捜査を受けておることも事実でございます。ただ、先生の現在の御質問に対してお答えするポイントがいまのことであればと思いまして、私としてははなはだ申しわけないということを――申しわけないだけでは済まない、これはもう大変な問題になってしまったという責任は非常に痛感いたしておるわけでございます。
○山口(敏)委員/先ほどの伊藤さんと大久保さんとで、サインにおける時点が変わった。いま一つ、先般の証人喚問で福田太郎氏とシグ・片山氏との関係について御質問がありました。この両者に対して今日の大久保証人の、ひとつ知っておられるかどうか、その点伺いたいと思うのです。
○大久保証人/福田太郎氏につきましては、仕事上もそれから個人的なつき合いにつきましても、ほとんど関係はございません。ただ当人の顔はよく承知しております。また当人が同じビルにおりましたこともよく承知いたしております。竹橋時代のことで。シグ・片山の問題につきましては、これは楢崎先生から東通関係のシグ・片山ということをしばしば言われまして、私もその後東通の先輩その他にいろいろ聞いてみましたが、スクラップの関係で東通と取引があること等を知りまして、これで出入りをしているということも聞きました。したがいまして、その関係で私が全然会ってないということは、最初に奥野先生から最小限面識があるかという御質問をいただきましたときには、ID社のシグ・片山ということを私は考えておりまして、これは全く私、知らないわけでございます。ただ楢崎先生からいろいろ言われましたときに後で調べましたりしたときにいまのような関係がわかりまして、ただ言われるように私が非常に親しい、そういう関係は一切ございません。
○山口(敏)委員/東通時代、ニューヨークの支社長時代、そのシグ・片山氏とは知り合いであったということはお認めになるわけですね。 〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
○大久保証人/東通の――私がニューヨークへ参りまして知り合ったということではなくて、むしろその前でございます。
○山口(敏)委員/そうすると、このシグ・片山氏を全く知りませんということについては――シグ・片山氏を十分承知しておる、こういうことですね。
○大久保証人/面識が全くないと申すことに対して、出入りしておりましたことと、それから何回か報道で写真を見ておりました、また先輩に、何か係争問題も東通であったということも聞きまして、ああそういう人かという程度のことでございまして、いわゆる言われているような密接な関係は一切ございません。
○山口(敏)委員/児玉氏の関係者である福田氏とはどの程度の知り合いでございますか。
○大久保証人/福田氏とは私は、先ほども申し上げましたとおりこれはJPRの関係をやっている人でございますので、私と直接には何らの関係もない人でございますので、これは顔は知っております。ただ仕事の上でも関係はございませんし、あいさつするという程度の関係でございます。
○山口(敏)委員/トライスターが丸紅の関係で全日空に納入をされた。当然試験飛行といいますか、デモンストレーションをするわけですね。そのトライスターの初飛行はどちらでございましたか。
○大久保証人/トライスターの初飛行は、デモンストレーションフライトにDC10と相前後してこちらへ参りまして、最初に……(山口(敏)委員「国内飛行」と呼ぶ)はい、そうでございます。国内飛行でございます。そのときが初めてでございます。
○山口(敏)委員/どちらへ行かれましたか。
○大久保証人/私は、そのときは当然エージェントといたしまして、大阪から東京、東京から鹿児島、鹿児島から東京、このルートに同乗いたしております。これはコーチャン社長と一緒でございます。
○山口(敏)委員/このときの国内側の最高責任者は大久保さんでございますか。
○大久保証人/私は、機械第一本部長でございましたので、当然最高責任者でございます。
○山口(敏)委員/この初飛行のときに、丸紅が主催で全日空の関係者、そしてコーチャン社長あるいはクラッター氏、鬼氏、エリオット氏、そしていま大久保氏が面識程度という福田太郎氏も皆鹿児島に行かれているわけですね。このトライスターのデモ飛行の主催者は丸紅である。このデモンストレーションをする企画の一切はどちらにお願いをしたわけですか。
○大久保証/ デモンストレーションの主催者の、主たる企画はこれはロッキード側でやっております。私どもは羽田空港の航空管制並びに許可関係、そういう手続を全部とらしていただいておりました。なかんずく大阪におきましては騒音の測定を十数カ所に設けました。したがいまして、そういう用務が主体な用務でございました。
○山口(敏)委員/この初飛行はロッキードというよりも丸紅がむしろ主催して、当然のエージェントとして運営しているのですね。この鹿児島に飛行したときに、コーチャン社長と金丸知事が――ロッキードのトライスターの模型飛行機を社長から鹿児島県知事に贈呈をしておる。その中に福田太郎氏も大久保氏も入っているわけですね。私はこれ自体を疑惑の一点としていまここで申し上げておるのではないのです。要するに、このシグ・片山氏は知らないとかあるいは福田太郎氏は知らないとか、鬼氏とは関係が薄いとか、そうした当然商取引の中において関係をしなければならない方々が皆一様に知らない、関係が薄いあるいは会ったことがない、こういう形で非常に避けて通っておるのですね。そういうことが非常にこの丸紅のロッキード問題に対して大きな疑惑を国民に与えておるのです。なぜそういう隠蔽といわれるような、必要以上に隠すことに神経を使っておられるのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○大久保証人/必要以上に事実を隠していると先生は言われるのですが、非常に残念に思うわけでございます。私はコーチャン氏とは非常に親しくしておるということは申し上げております。また、クラッター氏ともしばしば会っているということも申し上げております。ただ、事実鬼氏は通訳が主体の任務だと私心得ております。したがって、私はその通訳が要らないわけでございますので、当人とは余り話をしてもおりませんし、事実そういう関係はないわけでございます。また、JPRの方は主に宣伝その他のことをやっておりますので、私の機械の方とは非常に縁が薄いわけでございます。それで、そういう関係の事実を申し上げておりますので、ただいまの片山の件につきましては、先ほど私が申し上げまして御了承をいただきたいということで御説明申し上げたとおりでございます。
○山口(敏)委員/機械の関係といっても航空本部長ですから、あらゆる運航に関する責任はあなたにあるわけですね。このロッキードのコーチャン証言でも明らかになった秘密代理人である児玉譽士夫氏と大久保前専務は本当に関係はない、こういうことでございますか。
○大久保証人/本当にございません。
○山口(敏)委員/児玉氏が病気で倒れられたその後、あなたは何らかの会で児玉氏と会ったということはございませんか。
○大久保証人/絶対にございません。
○山口(敏)委員/私は、やはりこのロッキードにおける大きな疑惑は、これは日本のもう全力、あらゆる立場を超越して乗り越えなければならない大きな問題ですね。一商社が責任をとれるような問題ではない。しかし、この丸紅を通じて政府高官あるいは政治家に疑惑の献金がなされておるというこの形は一向に解消されておらない。その大きな要因は、あなた方丸紅の関係者が何かすっきりとした姿勢をもってこの問題に対処しておらないということだと思うのです。あなた自身はこの問題に対して、いままでの証言に対して、何といいますか、さらに疑惑解明に対してどういう形で自分の態度を明らかにしていくか、その点についてひとつお伺いしておきたいと思うのです。
○大久保証人/私は、ここにおいて宣誓いたしまして証言いたしておりますので、私の申しておりますことが全部真実でございます。
○山口(敏)委員/大久保証人が御自分で真実ということでございますから、それはそれとして承りますけれども、丸紅も特定少数の方々だけが何か組織に殉じておるような、大久保さん自身が丸紅の犠牲になって、すべて自分の責任だ、そういう印象はそれはそれでいいわけでありますけれども、もっとこの問題に対して非常に事態の重要性あるいは日本の中におけるこの問題がどういう形で位置づけられておるかということをひとつ冷静にお考えをいただいて、私は証人が一層の真実を明らかにしながら疑惑解明に協力していただくことを要請して、松永議員に交代したいと思います。
○正示委員長代理/次に松永光君。
○松永委員/時間がありませんから端的に質問いたしますので、端的に答えてください。前回、あなたは伊藤君に依頼してサインをさせた場所について、これは明確に次のように答えております。「場所はどこでなさいましたか。」という質問に対して、「私のところの事務所でございます。」、私の部屋でございます。こういうふうにはっきりあなたはサインをさせた場所について証言しておるのですが、この証言は変更されるのですか。訂正されるのですか。どちらです。
○大久保証人/先ほど、冒頭申し上げましたように、私その当時非常に疲れて……(松永委員「理由はいい。変えるのか、変えないのか」と呼ぶ)変えます。
○松永委員/そうすると、自分の部屋で、あなたの部屋でサインをさせたというふうに前回は証言したが、その証言は変更して、伊藤の部屋でサインをさせたというふうにこの際変更するわけですね。そうですね。
○大久保証人/私が記憶を整理した結果、これが一番正確な私の記憶であるということで、申し上げておるとおりでございます。
○松永委員/それから、そのサインをさせたそのそばにクラッター氏はおりましたかという質問に対して、「クラッター氏はおったと記憶いたしております。」というふうに前回証言されましたが、この点はどうですか。
○大久保証人/その点につきましても、クラッター氏と伊藤氏とはおらなかった。私はその後でも、クラッター氏と私と伊藤と三人ではなくて、二人だけでございますということを十七日にも後で申し述べております。
○松永委員/もう一つお尋ねしますが、タイプをするように指示をしたのはだれなんですか。
○大久保証人/伊藤氏でございます。
○松永委員/あなたの見ている前で指示したと思われますが、口頭で指示したのですか、原稿でも渡したのですか。
○大久保証人/非常に簡単な領収証でございますので、記憶は定かではございませんが、原稿を書くほどの問題ではないと存じますので、恐らく原稿は書いてないと記憶しております。
○松永委員/だれかを呼んで、そうして口頭でその領収証の文言を伝えた、こういうことですか。
○大久保証人/私がでございますか。
○松永委員/こういうことですよ。あなたね、領収証のタイプをする原稿は書かなかった、簡単なものだから口頭だと思う、こうおっしゃったのですが、口頭ならばあなたと伊藤さんといるところにだれかを呼んで、そして口頭で領収証のタイプの言葉を伝えたのか。どうなんですか。
○大久保証人/私が一緒におる、おらないとにかかわらず、伊藤氏が呼んでだれか秘書の人にタイプをさしたというふうに了解いたしております。
○松永委員/そうすると、タイプをさせるのに原稿を書いて渡したのかあるいは口頭で言ったのかということはあなたにはわからぬのじゃないですか。どうなんです。
○大久保証人/これは、伊藤氏と帰りましていろいろ伊藤氏にただしました結果、そういうふうに私は私どもの記憶をまとめました結果を申し上げているわけでございます。
○松永委員/あなたと伊藤さんの記憶をまとめたと言いますけれども、とりようによりましてはあなたと伊藤さんとが相談して、こういうふうにしゃべろうというふうなことを証言の内容を相談して、そしてここに出てこられた。こういう印象を受けるので、これは問題だと思いますよ。あなたの記憶のままに言ってもらいたいのです。相談して、そしてこうしゃべろう、こう供述しようというふうなことで証言されることは、これは証人として正しい態度ではありません。あなたの記憶のとおり述べてください。
○大久保証人/私、私の記憶のとおりを申し述べますと……(発言する者あり)
○正示委員長代理/静かに願います。
○大久保証人/私の記憶のとおりを申し述べますと、私が伊藤氏のところへ参りまして、私は説明をいたしました。で、伊藤氏はそれを秘書の者に命じましてタイプをさしたものと承知しておりますが、私が必ずしも絶えずそのテーブルのそばに座っておるわけではございませんので、その細かいことにつきましてどうだったかということにつきましては、私もお答えするだけの記憶が現在ございません。
○松永委員/繰り返すようですが、前回の証言のときには、あなたがあの証言をしているときの記憶のままにあなたは証言されたのですね。どうです。
○大久保証人/あのときは私の記憶のとおりを私は申し上げたと存じますが、先ほども申し上げましたように、非常に疲れておったことと、楢崎氏の質問は非常に矢継ぎ早であって、ああいう返答になったということでございます。
○松永委員/もう一問だけお願いしたいのです。それは、先ほど委員長も質問された、領収証を書いて渡したのだから、何か受け取ったのじゃありませんかという質問をされた。あなたは、何も受け取っていない、こういうふうに答えられたのですけれどもね。ユニットの領収証も含めるならば、あなたは自分で二回、伊藤氏に頼んで四回、合計六回、六通領収証を書いて渡してある。しかも中身はユニットとか、ピーナツとか、ピーシズという非常に不思議な領収証を渡しておるわけですよね。で、何か受け取ってないとしても、六回もそういうことをしておれば、その領収証が何を意味するか、何に使われるかということをあなたが知らなかったということは何人が聞いても通らないです、これは。あなたは商社の、商事会社の重役です、専務さんです。したがって、この点はひとつあなたが何をしたかということを聞いているのじゃない。何か知っているでしょう。明らかにしてもらいたい。これをひとつ最後にあなたの良心に訴えて知っていることを言ってもらいたい。
○大久保証人/その金の流れとかいうことだと、先生はおっしゃっておられるのだと存じますが、そういうことにつきましては、一切存じません。
○正示委員長代理 松永君、時間が来ましたから。
○松永委員/もう一つ。金の流れというのに特定しているわけじゃないのです。ピーナツとかピーシズとかユニットとかいうわけのわからない領収証が六回。六通。何かあなたはこれについて知っているでしょう。どういうふうに使われる領収証か。この領収証が何を意味するか。全く知らなかったということでは通らないです。だから、人が納得するような説明をしてもらいたい。
○大久保証人/前回申し上げました、十七日のときに申し上げましたとおり、その内容につきましてクラッター氏にも尋ねましたが、教えてもらえませんでした。
○正示委員長代理/これにて山口君、松永君の発言は終了いたしました。次に楢崎弥之助君。
○楢崎委員/夜も遅くなりました。社会党の楢崎弥之助です。私どもは真実をあなたから聞きたいわけでありますから、気を楽にしてひとつ当時を思い出しながらあなたの判断、あなたの真実と思われることを御証言をいただきたいわけです。そこで、きょうこの私ども委員会が要求しておりました丸紅レポートなるものが鬼氏の証人喚問が済んだ後に私どもの手元に渡されたわけです。これを早くきょう朝でも渡されておったら、もう少し私どもは鬼氏に問いただすことがあったわけであります。鬼氏に関する部分がこれは含まれておるわけですから。この丸紅レポートのこれ、証人御存じですか、このレポート。
○大久保証人/おおむね四半期ごとのレポートというふうに伺っておりますが、そのレポートだと存じます。
○楢崎委員/ちょっと聞こえにくいのですが……。
○大久保証人/おおむね四半期ごとに私どもが提出申し上げておりますそのレポートだと存じます。
○楢崎委員/このレポートはどこにあるタイプで打たれましたか。
○大久保証人/たくさんあるようでございますが、それが部長あるいは課長のレポートでございますれば、それは輸送機械部のタイプでございます。
○楢崎委員/こういうやつは日付がここに書いてありますが、たとえば一九七五年六月十日、これは打った日に、大体日付の日にレポートを出すのですか。
○大久保証人/当然そのとおりであると存じます。
○楢崎委員/ところが、ここに三つ判が押してあるのですね。伴、小島、加藤という判が押してありますが、これはどういう人ですか。
○大久保証人/伴は輸送機械部長でございます。それから小池は航空機の担当でございます。それから小島というのは、恐らくその下の人だと思います。
○楢崎委員/いまこの英文で打たれた日付の日に出すのは当然だという御証言でしたが、この伴氏の印は日付が入っておるのですね。翌日になっておりますが、そうするといまの証言と違いますが、これはどういうことですか。
○大久保証人/これは新聞紙上でいわゆる大久保レポートというふうにリファーされておりまして、当初私もよくわかりませんでしたが、後ほどこれがそれに該当するものであるということを十七日以降に知ったわけでございます。これにつきましては、発送は私のところを経由しないで発送されているものと承知しております。
○楢崎委員/私の質問は、あなたが先ほど当然この日付の日にレポートされたはずだとおっしゃいましたが、実は伴氏の判は翌日の判ですよ。それじゃ違うじゃありませんか。ただそれだけ聞いているのですよ。
○大久保証人/タイプの関係上、翌日のこともあるかと存じます。
○楢崎委員/タイプライターというのはあなたの部屋にもあるし、伊藤氏の部屋にもあるのですか。
○大久保証人/私の部屋にはございません。伊藤氏の部屋にはいま現在の時点ではないと存じますが、以前常務の時代には秘書室にございます。
○楢崎委員/あなたが専務をおやめになるその直前まで、タイプはあなたの部屋にありましたか。
○大久保証人/私の部屋にはタイプは一切ございません。
○楢崎委員/その当時もなかったのですか。このピーナツ、ピーシズ等のサインを伊藤氏にさしたときにも、あなたの部屋にはなかったわけですか。
○大久保証人/ございませんでした。
○楢崎委員/そんなにはっきり記憶があるのに、せんだっての私の尋問に対して、どうしてあなたは自分の部屋で秘書に打たしたとおっしゃったのですか。いま非常に鮮明な記憶ですね。絶対になかった。どういうことなんでしょうか。
○大久保証人/それは先生、少し問題が違うと思うのでございますが、タイプは私の部屋には一切置いてないことは、私がずっと前から、私、自分でタイプは打たないという主義で通しておりますので、非常に鮮明に覚えておりますし、またタイプはタイピストもおりますし、多くの場合各部からタイプを出しておりますので、タイプは私のところにはないということは自信を持って申し上げられるわけでございます。
○楢崎委員/わかりました。私の質問の仕方が悪かったと思います。つまり、結局あなたはせんだっての私に対する証言の部分で、タイプについてはクラッターに頼まれ、私が秘書に打たせた。それを伊藤氏のところでタイプを打たせた、そうきょうは変わられたわけですね。次に、あなたの部屋でサインをした、クラッター氏もそのときおられたという証言が、本日では伊藤氏の部屋にあなたが行かれて、そして伊藤氏にサインをさせた、クラッター氏はいなかった、そういうふうに変わられたわけです。伊藤氏が――それでよろしゅうございます。結局そうすると、結果としては、ほとんどせんだっての伊藤氏の証言の方にあなたは合わせられたわけですね。
○大久保証人/私は、合わせたわけではございませんで、先生の御質問に対して次から次へ答えざるを得ない心境でございまして、その前にも申し上げたように、あのときは非常に疲れておったことと、それから伊藤氏にタイプを依頼いたしましたその時点では非常に気軽にやったということで、私自身その当時のつまびらかな状況が記憶に残っておらなかったということでございましたので、あのような証言を申し上げたわけでございます。
○楢崎委員/あなたは十七日の日の再尋問で、一番最後に私におっしゃったのです。「私は虚偽の証言をいたしておりません。」と非常に力強く答えられました。きょうもまた同僚委員の尋問に対して、「私は虚偽の証言をいたしません。」とおっしゃいました。きょう、私いまから矢継ぎ早に聞きますが、大丈夫ですか。
○大久保証人/やむを得ないと思います。
○楢崎委員/何がやむを得ないのですか。大丈夫、虚偽でないお答えをなさいますかと聞いているんですよ。きょうは後で取り消すようなことはありませんね。
○大久保証人/そのように慎重にお伺いしまして御返答いたしますから、また間違ったようなことは申さないように努力いたします。
○楢崎委員/あなたはクラッター氏から言われたとおりの言葉を、ピーナツ、ピーシズを言葉で伊藤氏に言って、伊藤氏の秘書に打たせたわけですか。
○大久保証人/そのとおりでございます。
○楢崎委員 クラッター氏から言われたとおりにあなたは言葉で伝えたわけですか。
○大久保証人/片言隻句同様とは申しません。
○楢崎委員/どういうところが違っておりますか。
○大久保証人/どういうところが違っているかという御質問でございますが、これは非常に簡単な文言でございますので、どういうところが違っているかということにつきましては、私いまちょっと申し上げられないと思います。
○楢崎委員/わからないということですか。
○大久保証人/さようでございます。
○楢崎委員/ここに領収書のコピーがある。このピーナツのところでは、「アイ レシーブド ワンハンドレッド ピーナツ」になっていますね。それからピーシズのところでは、これは一つだけはちょっと消えておりますからわからないですが、大体二つは同じようでありますけれども、一つは違うんですね。「アイ ハブ レシーブド 一二五」と数字で書かれて、わざわざ括弧して「(ワン ハンドレッド トウェンティーファイブ)ピーシズ」、こうあなたは言われたわけですか。
○大久保証人/その書式の内容については、私は何も指示いたしておりません。その書式の、そこに書いてありますような「アイハブ」とか「アイレシーブド」とか、そういうことにつきまして、特に私は何も一申しておらないと記憶しております。
○楢崎委員/それでは、伊藤氏が勝手に打たれたわけですか、あなたの言われたことを解釈して。
○大久保証人/そのように判定せざるを得ません。
○楢崎委員/あなたは、じゃ伊藤氏が打たれた、打たせられたその領収証をもう一遍手にとってごらんになったのですか。
○大久保証人/伊藤氏が打ちました領収証は、私が受け取りましてそれをクラッターに手渡しましたので、私は当然見ております。
○楢崎委員/じゃ、この領収証のこの言葉はクラッター氏の要求に合致しておるということで、クラッター氏のところに持っていかれたわけですね。
○大久保証人/クラッター氏の要求に合致しておると申しましても、クラッターと私ども、これは会話でいたしておることでございますので、合致しておる、してないということはないと存じます。
○楢崎委員/こういう非常に重要な、後でこれほど問題になる重要な領収証の確認にしては、少しお粗末じゃございませんか。たとえば、もう一つの方の、先ほど申し上げたのは一九七四年の一月の二十一日の分、今度は一九七四年二月二十八日の分ではどう言葉が変わっておるかというと、「レシーブド ワンハンドレッドトウェンティーファィブ、」、そっちが先にきて「(一二五)ピーシズ」。全く一月二十一日の分と逆になっています。これは何か意味があるのですか。
○大久保証人/別に意味があるとは存じません。
○楢崎委員/では、数字さえ合っておればいいというのがポイントですか。
○大久保証人/クラッター氏から私が説明を受けた数字のサインペーパーでございます。
○楢崎委員/したがって、この数字というのは非常に重要な意味を持つ、こういうことになります。このピーナツ、ピーシズを入れますと、四回になりますね。この伊藤氏にサインしてもらった状況というのは一回、一回違うのですか。全部同じ状況でサインをさせられたのですか。
○大久保証人/先ほど冒頭御説明申し上げましたとおり、直ちに伊藤氏に説明をした場合もございますし、翌日の場合もございました。
○楢崎委員/そうすると、この四枚についてはすべてが伊藤氏のところでタイプが打たれた。間違いないですね、四枚とも。
○大久保証人/そのように了解いたしております。
○楢崎委員/四回とも、ではクラッター氏はそばにいなかったわけですか。
○大久保証人/四回ともおりません。
○楢崎委員/四回とも伊藤氏の部屋でなさったのですか。
○大久保証人/タイプは四回とも伊藤氏の部屋で打たれたものと了解いたしております。
○楢崎委員/私がいま聞いたのは、タイプのことは先ほど聞きましたから、四回とも伊藤氏の部屋にあなたが行かれたわけですか。
○大久保証人/御説のとおりでございます。
○楢崎委員/それでは、領収証の話が出ましたから、ユニット領収証の方にまいりたいと思うのですが、このユニット領収証については、せんだっても聞きましたが、これはあなたがサインされた、それは間違いないですね。
○大久保証人/私がサインしたものと存じます。
○楢崎委員/ちょっと、思いますというのですが、自信がないわけですか。
○大久保証人/十中八、九私がやったものということで、私自信を持っております。
○楢崎委員/これはどこでサインされたのでしたかね。
○大久保証人/私の部屋か、あるいは十五階の応接室だと思います。
○楢崎委員/このときはだれがタイプを打ちましたか。
○大久保証人/十七日の証言のときに申し上げたわけでございますが、これがタイプであるか、あるいはそうでないかということは、私よく記憶にないわけでございます。したがって、それについてはお答えできないと前にも申し上げたとおりなんでございます。
○楢崎委員/このユニットの領収証の大きさは、ピーシズあるいはピーナツの領収証と比べて大きさはどんなでございましたか。
○大久保証人/大きさの比較は、はっきりいたしておりませんので、明言いたしかねます。
○楢崎委員/その辺も、その程度のことが記憶にないのかと思うのですね。タイプはだれのを打たせたかとか、どの部屋であったかというのは、十六、十七日の証人喚問が終わった段階で鮮明に思い出されたのですけれども、ユニットの紙の大きさ等については全然御記憶がないわけですか。
○大久保証人/ございません。
○楢崎委員/念のため申し添えておきますが、証言をされて重大な点で食い違いが起こる、そしてその次には一方の方に口裏を合わせる、それをわれわれは談合というのですよ。そういうことは、この証人喚問では許されないことです。少々の手違いがあればあれですけれども、記憶違いということはありましょうけれども、全部をあなたは、三点の全部を伊藤氏の方の証言に合わせられた。こういうことは、私どもとしては絶対に信用できないわけであります。あなたは、過去、外為法の違反で起訴されたことがありやしませんか。
○大久保証人/私が昭和――年号はよく覚えておりませんが、三十年、日本海外商事におりましたときに、非鉄関係の輸入問題に関連いたしまして、外為法の取り調べを受けました。
○楢崎委員/ここに判決文があるわけですが、これは昭和三十年から三十二年ごろにかけて、あなたが日本海外商事株式会社の代表取締役の時代でございますね。その後、結局朝日物産にかわられて、そしてそれから東京通商、東通、丸紅、こういうふうにあなたの経歴はなっておるわけですね。これは時間がありませんから多くを述べませんけれども、結局このときには簡単に言えば外為法の第二十七条、つまり「非居住者に対する支払又は非居住者からの支払の受領」はできない、また「非居住者のためにする居住者に対する支払又は当該支払の受領」はできない、これに触れたのですね。つまり、このときもあなたの日本海外商事株式会社、言うならば会社ぐるみの外為法違反あるいは外国貿易管理法違反を犯されたわけですね。そして昭和三十五年五月四日に内田武文裁判長から判決があって罰金が課せられておる。これを見ますとどうも、これももう一つ言っておきますと、数人でこの違法事件に連座をされておるわけですけれども、そのうちお二人の方は、本件犯行当時当該行為の違法であることを知らなかったものである旨弁護人を通じて主張している。ということは、この主張していない人はやはりこういうことをするのが違法であるということを知りながらやられたということになるわけですね。そして、いままさにあなたは、このロッキード事件に関連して外為法違反あるいは同じ貿易管理法違反容疑に問われておるわけです。だから、こういう点に対してまことに罪の意識がないのではないかという感じがいたしますが、どうでしょうか。
○大久保証人/その件につきましては、裁判所において私は無罪を主張しておりますので、いまの先生の御解釈は当たらぬと存じます。
○楢崎委員/棄却になったのでしょう。
○大久保証人/その無罪の件でございますか。無罪の主張に対しての……
○楢崎委員/控訴されたのですか。
○大久保証人/控訴はいたしておりません。
○楢崎委員/それじゃ何ですか。確定しているのでしょう。
○大久保証人/確定しております。
○楢崎委員/それで、あなたは違反に問われておるのですよ。あなたは無罪になっていないのですよ。それでもう一つ、私はお伺いをしておきたいと思うのですけれども、シグ・片山氏との関係なんですが、あなたは東通時代にも知っておったはずだ。東通時代どころかその前の朝日物産の時代、つまり昭和三十三年五月から三十六年六月までの期間、このシグ・片山氏はくず鉄屋さんとして出入りをされている。あなたが知らないはずはないということを、名前を出してもよろしゅうございますけれども、ふさわしくありませんから言いませんが、証言しておる人がずいぶん多いのです。それからまた、東京通商時代においてはさらにそのことを裏づけるいろいろな問題がある。ニューヨークに本社のありますTIC、つまり東京インターナショナル・コマース、これは東京通商の子会社であったわけでしょう。
○大久保証人/東京通商の米国法人でございますので子会社でございます。
○楢崎委員/ニューヨークにあるのですけれども、あなたがこのTICの社長をされておったときは、東京通商の常務を兼務されておったわけですね。
○大久保証人/たしか当初は取締役で後に常務を兼務しておりました。
○楢崎委員/あなたが社長をされておったこのTIC。そのときの副社長はどなたでございましたか。
○大久保証人/ウィリアム・J・モリという男でございます。
○楢崎委員/この方はシグ・片山氏とどういう関係にありますか。
○大久保証人/存じません。
○楢崎委員/それはおかしいのじゃありませんか。いとこじゃないのですか、このモリ氏と片山氏は。
○大久保証人/いとこであるかは私確認しておりません。
○楢崎委員/それもまことに不自然なんですね。あなたはハイマン・マイケル社というのを御存じですか。
○大久保証人/昨夕伺いました。
○楢崎委員/昨晩聞かれたということですね。そうですか。そうすると、よく御存じないということになるわけですかね。
○大久保証人/内容の細かい点についてはよく存じません。昨夕私が知った限りの点でございます。
○楢崎委員/くず鉄を扱っている人はハイマン・マイケル社ぐらい常識として知っておるのじゃないですか、どうなんです。あなたのところのTICも同じような商売をやっておったんでしょう。
○大久保証人/スクラップの商売は東京インターナショナルがやっておりました。
○楢崎委員 それじゃハイマン・マイケル社ぐらい知っておられるはずでしょう。東京通商あるいはTICはマイケル社と取引がありましたか。
○大久保証人/はっきりした記憶がございませんので、あるかないか返事できませんが、夕べ私が知りました限りでは、ハイマン・マイケル社というのは浅野物産の取引先であると承知しております。
○楢崎委員/それはあなたが後ほどおられた朝日物産と合併した会社でしょう。非常に近い仲ですね。東京通商は三十八年から三十九年にかけてアメリカの航空母艦などのスクラップを五十万ドルで入札されたことございますか。
○大久保証人/私はそういうことを承知しておりません。
○楢崎委員/このときの契約書のサインがあなたと片山氏になっている、これはどういうことなんですか。
○大久保証人/その内容につきましては、昨夕テレビに出ましたので私も確認いたしましたが、そのような事実はないと信じております。
○楢崎委員/私、質問の半分も済んでないのですよ。非常に残念ですが、最後にじゃ一つだけ開いておきましょう。丸紅に八木課長というのはおられますか。そしておられたら、その八木課長というのはどういう仕事をなさっておられる方ですか。
○大久保証人/私の機械第一本部の八木でありますれば、八木は輸送機械部の特機課長をやっております。
○楢崎委員/もうこれで終わりますが、この八木課長が実は鬼氏と連絡をとりながらP3Cの売り込みに非常に専念をしておった。こういうことだけ、時間がありませんから申し上げておきます。
○正示委員長代理/これにて楢崎君の発言は終了いたしました。次に正森成二君。
○正森委員/大久保証人は二月五日にアメリカへ行って、十一日の五時四十五分に羽田に帰ってこられた、こういうようになっておりますが、それに間違いございませんか。
○大久保証人/間違いございません。
○正森委員/十一日は夕方から夜にかけてどこへ泊まられましたか。
○大久保証人/たしかオータニホテルだと心得ております。オータニホテルでございます。
○正森委員/十二日の九時半から丸紅で役員会が開かれたはずでございますが、あなたは参加されましたか。
○大久保証人/私帰りまして非常に疲労しておりましたので、役員会には参画――ごく短時間だと存じますが、参画いたしまして、遺憾の意を表したと存じますが、あの当時は非常に混乱いたしておりましたので、間違いなく十二日であったかどうかは別といたしまして、役員会に、帰りましてから参画いたしまして遺憾の意を表したことは間違いございません。
○正森委員/あなたの記憶が非常に不正確なんですけれども、十一日の夕方にアメリカから帰ってきて、あなたにとっても丸紅にとっても一大事であります。その翌日に開かれたということになっている役員会に参加したかどうかが十分わからないというような、そんなことはないでしょう。
○大久保証人/参画したと記憶しております。
○正森委員/広く報道されているところでは、あなたは時差ぼけその他で疲れたので参加してなかったというように報道されておりますが、違うんですか。
○大久保証人/時差ぼけかどうかは、まあ事実時差ぼけもあったかと存じますし、非常に疲労の多い旅でございましたので、あるいはあの日は休養さしていただいたんじゃないかとも思っておりますが。
○正森委員/こういうことだから困るんですね。十一日にアメリカから帰ってきて十二日に役員会があった。みんなあなたの調査の結果がどういうことだか心配している。その十二日に参加したかどうかもわからないような、そういう記憶力でほかのことが信用できますか。何をおいてもあなたはアメリカで知り得たことを役員会、あるいは役員会は三十人余り参加したそうですか、そこで報告していなければ――檜山さんなどに即刻報告するのがあたりまえです。実は十一日の夜に檜山さんに報告したんじゃないんですか。よく思い出してください。
○大久保証人/私は十一日の夜は報道陣に非常に追い回されておりまして、そのままオータニホテルへ飛び込んだという記憶でございますので、その日には報告していないと記憶しております。
○正森委員/それじゃ十二日にも報告してないんですか。十一日のことがそれだけよく覚えているなら十二日のことは覚えているはずです。それがよくわからないというのは何か隠しているんじゃないんですか。
○大久保証人/何も隠していることはございません。
○正森委員/しかし、わからないでしょう。十二日に役員会に出たか出ないか、報告したかしないか、それすらわからないんでしょう。そんなことは常識では考えられないです。
○大久保証人/まことに申しわけございません。
○正森委員/委員長、こんなことが信用できますか。それはあらかじめ丸紅の役員と打ち合わせしてないから、打ち合わせしてないことについては確言したくない、明らかじゃないですか。
○正示委員長代理/証人に申し上げます。大変大事な問題です。記憶力を総動員してお答え願います。
○正森委員/そんなばかなことがありますか。十一日に帰ってきて、十二日に役員会があったのに出たか出なかったか、報告したかしなかったかわからない。そんなばかなことがありますか。まだ伊藤さんと打ち合わせしてないから、だから答えられないんでしょう。
○大久保証人/伊藤氏に打ち合わせをしておらないからというようなことはございません。
○正森委員/じゃあ言いなさいよ。十二日のことが言えないでしょう。委員長、大体おわかりになったと思います。もう一つ聞きますが、あなたは二月の七日にコーチャン氏にお会いになって、ピーナツというような資料を公表してしまったということを一つ抗議した。それからもう一つは、檜山かあるいは大久保がリコメンドしたということについて抗議した。なぜそれなら丸紅の役員、具体的には伊藤氏ですが、政府高官に金を渡したという実質的な内容には抗議しなかったのか、こういうように同僚の松永委員その他から聞かれて、そのときは議事録を読んでいなかったんだ、こう言われましたね。そのとおりでしょう。
○大久保証人/そのとおりでございます。
○正森委員/ところが、いいですか、伊藤という、あるいは丸紅の役員が政府高官に金を渡したと言っているのは、二月四日の日も二月六日の日も両方証言されているんです。ところが一方、檜山か大久保が政府高官に金を渡すことを勧めたと言っているのは二月六日だけしか証言されていないんです。二月六日のことに証言されたことを知っていてコーチャンに抗議するなら、二月四日も六日も言われた丸紅の役員が実際に金を渡したという実行行為については知っており、抗議するのが当然じゃないですか。どうしてそれだけは議事録で知らなかったと言うのです。そういうすぐばれるうそをついて、どうして国会で本当に証言していると言えますか。その点を抗議しないには別の理由があったのでしょうが。
○大久保証人/別な理由はございません。私が議事録を正式に手に入れましたのは、八日の日にロスを立つときでございました。
○正森委員/そういう小手先のうそをついてもだめです。それじゃ、二月六日にだけ証言された大久保かあるいは檜山が政府高官に金を渡すことを勧めたというのは、どうして知ったのですか。あなたは二月六日のコーチャン氏の証言に間に合うように急いで行って、六日の日は証言が終わるのを待ってからニューヨークへ行ったと言っているじゃないですか。あなたは公聴会を傍聴しなかったのですか。傍聴しなかったとすれば、あの日は終日テレビが報道していたはずです。あなたは英語がよくおできになる。それを見ないで、どうしてワシントンへあなたを出張させた社長の命にこたえることができますか。しかも、二月七日までには日本国内で広くその事実は報道され、電話で連絡をとっているあなたには、――――――――――――――――――――――知っていたはずです。いかがですか。
○大久保証人/当時のワシントンからの、私の方にはワシントンに駐在所が、出張所がございますのですが、その当時、出張所からの連絡は種々乱れた情報が入っておりました。たとえばIDのイトーとか、そういうような予想、いろいろな人の解釈の入った電報が東京の方に届いておりましたので、社長が、そういうことではだめであるから、それでワシントンへ行って、米国へ行ってできるだけ詳報をとってこいということを言われましたので、私はワシントンへ行ったわけでございます。したがいまして、傍聴したかという御質問に対しましては、この前も御説明申し上げたのでございますが、傍聴するような状況ではなかったので傍聴はいたしませんでした。したがいまして、ワシントンの駐在員の秘書を出席させまして、その状況をとりまして、昼、ちょうど十二時ごろでございますが、ニューヨークへ移ったわけでございます。
○正森委員/いまそういう御証言でございましたけれども、テレビでは報道されておりませんでしたか。正直に答えてください。
○大久保証人/当時の状況は、とうていテレビを落ちついて見るような状況ではございませんでした。
○正森委員/これまた実際に信用できるでしょうか。わざわざそのために飛行機に乗ってワシントンへ行かれた人であります。その人が、テレビで全部報道しているのにそれを見る状況ではなかった。それではそもそもアメリカへ出かける必要がないじゃありませんか。そういうだれが考えても信用できないようなことをおっしゃるから、あなたの証言は信憑力がなくなってくるのです。あなたのお部屋は六階でしょう。そして伊藤さんのお部屋は十五階でしょう。六階から十五階へ出かけたか、十五階から六階へ出かけたか。あのピーナツやピーシズの問題については一回ではないのです。四回もやっているのです。それについて、自分の部屋から向こうへ出かけたか、向こうが自分のところへやってきたかわからないなどというようなことは考えられません。もう一遍よく考えて答えてください。全部の国民が注目しています。ですから、あなたができるだけ本当のことを思い出して答えていただくということを心から期待したいと思います。
○大久保証人/私が冒頭委員長に申し上げたとおりでございます。
○正森委員/それでは、私は次の問題に移りますが、伊藤証人はピーナツやピーシズというのは暗号だったと思います、こう言っております。ですから、伊藤さんが暗号だと思ったことは事実であります。あなたもそうは思いませんでしたか。
○大久保証人/暗号であるかは別といたしましても、その意味は全然わかりませんでした。
○正森委員/檜山さんはああいう署名というのは異常であるというように思ったと証言しております。あなたも異例だと思いましたか。
○大久保証人/十七日に何回も申し上げましたように、あれを、署名を伊藤氏に依頼しましたのは、長年の当社の重要取引先でありますロッキード社のコーチャン、これを信じてやったことでございますので、ああいうサインペーパーにサインをすることは確かに異例でございますが、実行いたしました私は気軽にやったということは先ほど申し上げたとおりでございます。まことに気軽ということを平然と言っているようでございますが、じくじたるものがございますが、事実はそのとおりでございます。
○正森委員/あなたは、個人としても丸紅にも迷惑をかけない、用済み後はすぐ廃棄する、こういうように言われたので署名をした、してもらったんだ、こう言っておりますね。あなたのところの内規では、機密文書だけが用済み後すべて廃棄するということになっており、ほかは全部控えをとることになっておるのではありませんか。ここにあなたのところの内規集があります。そうだとすると、これは少なくとも機密文書に値するものだ、そういうぐあいにロッキードで考えており、それを信用してあなた方もつくったんだ、こういうことになるんじゃありませんか。
○大久保証人/当社の文書規程は、重要な文書は五カ年間、さほどでないものは三年間で破棄する、こういう規程になっておると存じますが、ロッキード社はその内容については存じておらないと存じます。
○正森委員/ロッキード社が内容は承知していなくても、ロッキード社はそういう扱いをする。しかも、そういう扱いはあなたの方の会社では機密文書になっておる。しかも、これは異例だとすれば、あなたの方の内規では、異例な行為についてはあなたの一つ上の上司、すなわち社長の決裁を仰がなければならないということになっているんじゃありませんか。だからこそ大久保以外の丸紅の役員に署名をしてもらうということになり、そして社長室長だけはその中に特命事項についてはいろいろのことができる、こういうように内規になっておりますから、あなたは檜山社長に頼むかわりに伊藤社長室長に署名を頼んだ、これがあなた方の会社の決まりから来る当然の帰結になるんじゃないですか。だからやったんでしょう。
○大久保証人/伊藤氏に依頼いたしましたのは先ほど申し上げた理由によるものでございまして、そのような、ただいま先生がおっしゃったような理由ではございません。
○正森委員/それでは、あなたのところには社内暗号コードというのがあるのではありませんか。
○大久保証人/主として繊維部門に社内暗号コードがあると存じますし、一般に英文等の書簡についても暗号コードがございます。
○正森委員/三六三という暗号コードがございますでしょう。
○大久保証人/あるかどうかは私はいま記憶にございません。
○正示委員長代理/正森君、時間ですから……。
○正森委員/わかりました。これは工作費を意味するものでございますが、二月十七日か十八日にこの暗号コードを全部廃棄したことはありませんか。
○大久保証人/暗号コードは私の所管の第一本部にはございませんので――前の所管の第一本部にはございませんので、その事実は存じません。
○正森委員/最後に、暗号コードを提出されるように理事会でお計らいいただくことを希望いたします。なお、社内内規についても提出をしていただくようにお願いしたいと思います。
○正示委員長代理/理事会で協議いたします。
○正森委員/私の発言中、視力障害者と聴力障害者についての発言が適当でなかったので、そのときも申し上げましたが、改めて取り消します。終わります。
○正示委員長代理/これにて正森君の発言は終了いたしました。次に新井彬之君。
○新井委員/公明党の新井でございます。遅くまで大変御苦労さまでございます。この前の証言におきまして食い違いがあるということで、きょうまた出頭していただいておるわけでございますが、二月二十六日の新聞によりますと、その食い違いについて弁明書を出しているということの記事が出ておりますが、出されておりますか。
○大久保証人/御発言がよく聞こえませんでしたが、弁明書というのは、私どもがこの委員会に出しました上申書のことかと存じますが、御提出申し上げました。
○新井委員/いや、私が申し上げておるのは、今回のこの食い違いにおきまして、大久保さんの部屋でタイプを打ったとかあるいはまた伊藤さんの部屋でやったとか、あるいはクラッターさんがいたとかいないとかという問題がございますね。そういう点については先ほどから御答弁をいただいておるわけでございますが、帰ってから国際電話で当時の秘書にも聞かれた、あるいはまた伊藤さんともいろいろその件についてはどうだったかということで記憶をたどられた、こういうぐあいに承っておるわけでございますが、その中で、そのときの証言はこうだったという弁明書という、そういうものを出されましたか。その内容について出されましたか。
○大久保証人/上申書についての弁明書でございますれば、それは委員会以外の外部に対しては出しておりません。
○新井委員/それで、きょうの証言によりますと、前回の証言を取り消された。最終的には、伊藤事務の部屋で、大久保専務が行かれて、そして口頭で言われて、そこでタイプを打った、そういうことでございますが、それでよろしいですか。
○大久保証人/口頭と断定してはおりませんが、非常に簡単なものでございますので恐らく口頭で私はやった、こういうふうに思います、ということを申し上げております。
○新井委員/この件について、伊藤さんといろいろと、どっちであったかというようなことについての話し合いをされましたか。
○大久保証人/非常に話し合いをしたごとく先ほどからとられておりますので非常に残念に存ずるわけでございますが、私わざわざ当時の秘書にも確認を確かめましたし、なお十七日の第二回の喚問時にも、私自身の記憶にどうも定かならずのものがあるということも申し上げております。また確認をいたしました後も、私の記憶をできるだけ整理いたしまして、その上に伊藤氏にただしたわけでございます。それを申し上げておりますので、決して相談をいたしたわけでは私はないという確信をしております。
○新井委員/現在、そのタイプを打たした件について本当にはっきりした記憶のもとで、本来なら、いろいろ聞かれますから、本当はわからないんだけれども大体そうではないかということで発言をされておるんではないかと私は思うのですが、本当に明確に思い起こされて間違いなく伊藤さんのところであった、こういうぐあいに確言できますか。
○大久保証人/現在の時点では確言できます。
○新井委員/それからもう一つ確認をしておきたいのでございますが、三十数名の役員の中で大久保さんが一番信頼されるというか、仲のいい方というのはどなたですか。
○大久保証人/役員の中で、非常に仕事の上でもまたいろいろな意味でも接触の多いのはやはり伊藤氏でございます。
○新井委員/先ほども話が出ましたけれども、あのチャーチ委員会の公聴会をやりましてから大分日にちがたちますが、その間に資金の流れるルートというものが新聞等でももう明確になってきております。したがってこの問題についてはよく御存じだとは思いますけれども、いまにもって丸紅としても――あなたはこの前の証言におきましても、告訴をするあるいは断固たる措置をとりますということを言われておりますけれども、その件についてはどうなっておるのですか。
○大久保証人/ロッキード問題対策委員会というものが社長を委員長といたしまして、その下に副社長それから各関係常務、関係部長を含めて、現在弁護士と鋭意検討中でございますので、ただ私が今日まで聞いておるところによりますと、これらの問題に対する外国人の名誉棄損その他の告訴については、種々の法令の障害があると承っております。これは決して取りやめておるわけではございません。
○新井委員/本来なら、もう本当に電話一本でも話ができるようなことですよね。あなたが一々アメリカへ行かなくても、実際問題として二百万ドルの金を丸紅を通じて政府高官に流したとか、あるいはまたそういう賄賂をくれとか言ったとか、そういうような問題については、事実かどうかということは、まあコーチャンが言っておるわけでございますから、そんなことはないではないかということで、明確にとれるものが全然そういうことがとれない。これはやはり幾ら何を言っても疑惑は解決されないと思います。時間がありませんので次に進みますけれども、この前の新聞によりますと、この前手入れがありましたときに貸し金庫が見つかったということでございますが、この貸し金庫について何にお使いになっておったのか、お聞きしておきたいと思います。
○大久保証人/この件につきましては、十七日のこの公聴会におきまして、私の一切の私財を公開するということを申し上げておりますので、いま御答弁のかわりに、委員長のお許しをいただきまして、ここへ持ってまいりましたので、これをどうか国民の皆さんの前に御公開いただきたいと存じますが、よろしければここですぐ御提出申し上げたいと存じます。
○正示委員長代理/これは理事会で相談をいたしますから、新井委員、しばらく本人に預けておいてください。後で理事会で相談をいたします。
○新井委員/この前、うちの坂井弘一議員の質問の中で、ID社のシグ・片山氏を知っているかということについては、知らないということでございましたが、先ほどもそういうようなことで説明はございましたけれども、当然これは知っておったのではないか。もちろんその知る度合いとかいろいろございますけれども、全然知らない、こういうような状態では絶対なかったと私は思います。そこで、この福田太郎さんについて、先ほどもこれはJPRの仕事の関係で少し知っている程度で、あとは全然知らないということでございますが、ほかに本当に御存じありませんか。
○大久保証人/最初にシグ・片山氏のことについてもう少しはっきり御説明申し上げたいと思いますが、私は昭和三十九年に米国から財務担当の常務として東京へ、東京通商へ呼び返されました。その当時は東京通商は財政逼迫の真っ最中でございまして、金融に奔走いたしまして、とうていそういう金融関係以外の人に会う暇は全然ございませんでした。引き続きまして、四十一年に合併いたしまして今日に至っておるわけでございますが、この間私は一回もシグ・片山には会ってもおりませんし、また電話もいたしておりません。したがいまして、昨日のいろいろなテレビで報道されたような事実は一切ございません。十三年間にわたって一切ございません。
○正示委員長代理/次に、石田幸四郎君。
○石田(幸)委員/大久保氏にお尋ねする問題の三分の一もまだ伺っていないわけですが、時間がありませんから、先ほどの付言をされました福田太郎氏の問題について伺っておきたいと思います。いわゆる檜山会長は天地神明に誓って知らないと言う。伊藤氏もJPR以外のことについては知らない。あなたはこの前知っているとおっしゃったんですけれども、きょうは仕事の関係はない、こういうふうにおっしゃっておるのでございますけれども、いわゆるJPRは丸紅の海外PR資料に関係があるわけでしょう。顧問料を払っていらっしゃいますね。それから、丸紅の関係会社として大手町ビルに同居さしておる。これは丸紅と三菱地所との間には、ロッキードのPR会社として同居さしておるわけでありますから、御三方に伺っても全然知らないというわけでございますけれども、一体それでは丸紅の中でこの福田太郎氏の問題についてだれが一番よく知っておるのでありますか。まずこの点が第一点。それから仕事上の関係はないとおっしゃいますけれども、私はこのJPRがロッキードのPR会社というのであれば、ロッキード製品販売担当の機械第一本部として当然仕事上の関係はあると思いますけれども、あなたはないと否定された。それから三十五年五月から四十六年の八月までに設立をされておったロッキード・モノレール会社、これはある新聞の報道によりますれば、役員の中にクラッター氏、それから大久保氏、それから福田太郎氏、この三人の名前が入っていることになっております。これでもあなたは仕事上の関係はないと言われるのか。さらにまた第三点として、例のトライスターがデモンストレーション飛行を行ったときに、コーチャン氏とあなたは同席をされておったし、福田太郎氏も同席されておられたわけでしょう。いま山口委員の質問の中にも出てまいりましたけれども、鹿児島県知事に会ったときも福田太郎氏は同席をしておった。いわゆるトライスター売り込みのために特別飛行をやっておるのであって、そのためにあなたのところも福田氏も努力をしておるわけでしょう。そういうような問題をとらえて、なぜあなたは仕事上の関係はないと言われるのか。この問題を伺っておきたいと思います。おかしいじゃないか。
○大久保証人/JPRの福田氏はだれが一番当社でよく知っているかという御質問を中心としてお答え申し上げたいと存じますが、現在JPRの福田氏を一番よく承知しておるのは総務関係の責任者だと存じます。これは先ほど御指摘のありました事務室の貸借関係であると存じます。その次に福田氏と一番関係の多いのは広報室であると存じます。これは先ほど御指摘のマンスリー・ブレティンというのを月々出しておった関係で、一番よく知っておるかと存じます。それ以外の点につきましては、同席するというようなことは確かにございますが、仕事上の関係がないと申し上げておりますのは、同席したから仕事があるということではないのでございまして、事実仕事の関係はないということを端的に申し上げているわけでございます。
○石田(幸)委員/あなたはそうおっしゃいますけれども、私が質問の第二点の中に申し上げましたロッキード・モノレール会社の問題についてはお答えがございませんでしたね。いかがですか。
○大久保証人/年月がもし違いましたら非常に申しわけないので、これも推定という前提でお聞きおきいただきたいと存じますが、四十四年の六月に私が機械第一本部長に就任いたしまして、その時点で私はロッキード・モノレールの非常勤役員になっております。このときはロッキード・モノレールはすでに清算会社に入っておりまして、事実上の清算にもうすでに入っておりましたので、確かに役員の名簿には名前は連ねてございますが、役員に仕事上の関係は一切ございませんでした。
○石田(幸)委員/時間でございますからやめますけれども、同じ会社の役員に名を連ねておって、なおかつ仕事上の関係がないというようなことは私は全く詭弁だと思います。当然この役員としていろいろな決裁事項にお互いに署名をするわけですから、そういうようなことは私は言えないと思うのです。いずれにしましても、この福田太郎氏との関係については、あなたの会社はことごとくその人間関係について隠蔽している、そういうふうに私としては断ぜざるを得ません。また後日、この問題については糾明をしたいと思います。
○正示委員長代理/これにて新井君、石田君の発言は終了いたしました。次に永末英一君。
○永末委員/大久保証人は先日の証言のときに、P3Cの販売についてはほとんど何もやっていない、こういうことを申されました。あなたの後で証言されました松尾社長は、契約上丸紅はP3Cの売り込みをやらねばならない立場であるということを証言されました。契約に忠実であるならば、あなたの方はP3Cの売り込みについて努力をしなければならぬ、こういう立場にあるはずでございますが、やっておられますか。
○大久保証人/契約上の売り込みの努力というよりも、私どもは最初に申し上げましたとおり、契約上の義務は役務契約が中心になっておるわけでございまして、セールズ契約というものよりも役務契約が中心になっているわけでございます。先般申し上げましたP3Cについては、現在売り込み努力できないということを申し上げておりますので、現在は政府ベースで行われておりまして、いろいろな翻訳文等につきましても、私どもの手元には一切入っておりません。
○永末委員/コーチャン氏はアメリカ上院の公聴会において、トライスターの売り込みについては昭和四十七年度の秋でもう終わってしまったんだ、こういうことを証言をいたしております。しかし、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド、すなわち日本におけるロッキード社の代表であるクラッター社長はその後も二年間も日本におってロッキード社の活動をいたしておる。何をしていたのでしょうね。
○大久保証人/この一〇一一が売却されました、販売に成功いたしました後は、当人は居住は確かに六本木の、私、場所もよくわからないわけでございますが、に住んでおりましたのですが、当人はほとんど香港その他インドネシア、そういう所へ飛び回っておりまして、日本に腰を落ちつけておる回数は非常に少なかったかと存じます。
○永末委員/昭和四十八年、四十九年、このクラッター氏に対するディーク社からの送金はきわめて回数が多くなっておるのでありまして、これはすべてクラッター氏受け取りでございまして、あなたには直接関係がないかもしれませんが、あなたが認識せられているように日本を外にしてインドネシア等へ飛び回っているよりは、日本国内において活動いたしておる証拠が歴然といたしております。彼が受取人でございますから。しかも、四十九年のクリスマスごろ離日いたすまで彼の主たる活動場面は東京であった。そのころ、あなたは会っておられるのでしょう。
○大久保証人/同人が東京におりますときは必ず会っております。
○永末委員/四十八年、四十九年、二年間でどの程度会っておられますか。一月に数回ですか。
○大久保証人/先ほど申し上げましたように、こちらで彼の活動状況はどの程度であったか、私もよくわからないわけでございますが、彼と月に会っておりました回数は、月に平均しますれば二、三回くらいかと存じております。
○永末委員/月に二、三回も会い、しかも、この四十八年度にはピーナツとピーシズの問題が一件ずつ、四十九年の一月、二月にピーシズの問題が一件ずつ、ここに集中しているわけですね。しかも、月に二、三回会われておりましたら、丸紅とロッキード社との間のロッキード社の製品に関する販売促進と言えば何があるのでしょう。何を話しておられますか。
○大久保証人/当時はいろいろ大型輸送機のC130の話もございましたし、また、私ども依然としてP2Jの部品の取り扱い等もやっておりますし、また、このころ契約の変更が頻繁に行われておりましたし、そういう点でいろいろ話し合いをすることはきわめて多うございました。また、私どもの口銭等につきましても、これは御提出しなければならない書類の中に入っているわけでございますが、これを十六万ドルに引き上げる等の交渉もございました。
○永末委員/昭和四十四年の一月十五日に、児玉譽士夫とロッキード社との間にはこのトライスターに関するコンサルタント契約が行われました。そうしてその後、あなたの方とロッキード社との間にはトライスターの手数料に関する約束が行われてまいりました。そのことを念頭に置きますと、四十八年の七月二十七日に児玉譽士夫とロッキード社との間におきましては、P3Cに対するコンサルタント契約は成立をいたしておる。だといたしますと、クラッター氏のもう一つの目的は、あなたとの間でP3Cの売り込みをやるための相談をいたしたというのは当然の成り行きだとわれわれは判断をいたします。そうでしょう。
○大久保証人/児玉氏に関連いたしましてP3Cの関係は一切ございません。
○永末委員/あなた方はロッキードに対して非常に弱い立場に立っておられるようでございまして、四十七年の十一月一日の代理店契約のIV項(g)項で、あなたの方はロッキード社が使用する東京都千代田区大手町ビルディング内に、家具も暖房も照明も電話も管理サービスも全部丸紅持ちで、最低二千五百平方フィートの面積の事務所を貸し与える、こう約束しておりますね。 〔正示委員長代理退席、委員長着席〕そこまでやらねばならぬのですか。
○大久保証人/先生の御指摘の点は、私が本部長に就任いたしましてから私自身も感じた点でございます。これは昭和三十三年契約時から成立いたしておった問題でございまして、その後私どもとしても、運転手の廃止その他につきましては相当強硬な交渉を続けてまいりました。また、家賃の分担等につきましても、これを口銭に含めて増加せよというようなこともいたしまして、昭和四十四年に九万二千五百ドルという一〇一一の口銭が昭和四十五年には十一万三千ドルかにたしか上がっておるかと存じます。それから、先ほど御指摘の昭和四十七年にはこれを十六万ドルに引き上げさせておるわけでございます。
○永末委員/いまあなたのおっしゃったのは、このことではないんではありませんか。それはすでにあなたの前任者の豊田常務と相手方との四十四年の手紙の約束で、四十八年の成約の最初の受け渡しのときのことが決まっておるのであって、このこととは無関係でしょう。そうでありませんか。
○大久保証人/いまのこのことと申しますのは事務所のことかと存じますが、絶えず事務所のサービスの問題につきましては契約の口銭の問題等の条件の中に入っておりました。
○永末委員/同じく四項のh項で、運転手つき自動車を無償で提供する、これはロッキード・エアクラフト・アジア社の日本居住社員が使用するためにというのでございますが、何台提供しておられましたか。
○大久保証人/一台一人と記憶しております。
○永末委員/私どもは、あなたがきわめてロッキード社に対して弱い立場で契約を結び、その契約の施行をしておられるとみなさざるを得ない。たとえば、トライスターを売り込むために一体あなたがどういう売り込みの活動をされたか、報告してください。
○大久保証人/私がトライスターの売り込みのためにどういう動きをしたかということに限って申しますれば、特に私が関心を払いましたのは大阪空港周辺十一市町村の騒音問題に対する問題でございまして、当時全日空としてはどうしても大阪乗り入れが必要であるということが重大課題になっておりましたので、ワイドボデーの乗り入れのための騒音問題のために各所にモニターを置きまして、騒音の測定をするということが一つ。もう一つは、試験飛行のときに十一市町村の代表者を乗せ、また訴訟団の代表者も乗せまして、この飛行機がいかに静かなものであり、また安全なものであるかということも、乗ってもらいまして私が積極的に説明した等が、私の主な一〇一一の販売のための協力でございました。〔委員長退席、正示委員長代理着席〕
○永末委員/いわば周辺の状況に対してあなたは努力をされたという程度ですね。契約の中心、そのものついて努力をされたのじゃございませんね。
○大久保証人/御説のとおりでございます。契約の当事者は全日空とロッキード社の間に契約が結ばれております。
○永末委員/あなたが書き、またあなたが勧められたこの怪しげな領収証について質問をいたしますが、伊藤社長室長が署名をいたしましたときに、あなたは伊藤社長室長の部屋まで上ってそれを書くことを慫慂されたと言われております。さて、伊藤社長室長がそのことのタイプを命ぜられておるときに、あなたはどこにおられたのですか。
○大久保証人/通常あそこの社長室長のところへ参りますときには、あの横に小さな応接セットがございますので、そこへ座って雑談をしているのが、通常の私のあそこへ行ったときの態度であるといいますか、そういうやり方でございます。
○永末委員/あなたが四回にわたって十五階へ上って、そうしてそのことを依頼をして、そのペーパーができ、伊藤宏氏がこれに署名をされてあなたに渡されるまで待っておったのですか。
○大久保証人/私が参りましたときは、過半数の場合、待っておったように記憶しております。
○永末委員/記憶というのはいろんなことがありますがね、大久保さん。過半数とか了解しているということは、ならぬわけであって。そうでしょう。四回もやられて、しかもその一つ一つについて記憶は定かでないと言われますが、過半数はそこにおった、と。だから、言われて、あなたは六階へ帰られて、伊藤宏氏がまたエレベーターに乗って降りてきてそれをあなたに渡されたこともあるのですね。
○大久保証人/そういうことは先ほど申し上げたとおりございませんです。 〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
○永末委員/それでは全部十五階で渡されたのですか。
○大久保証人/そのように記憶いたしております。
○永末委員/そのサインペーパーをクラッター氏にはどうやって渡されたのですか。
○大久保証人/必ずクラッターは私の方へ呼びつけて、私、手渡しました。
○永末委員/この前の証言と違うところは、最初クラッター氏の申し込みがあり、これが実行せられるまでの間に、この前は、時間的余裕がなかったということで出発をいたしました。しかしいまや、きわめて長い時間がある。こういうことは、その間にやはり共同謀議が行われておるということを国民の前にあなたは自白をされていることになりますね。私どもはそう見ざるを得ない。つくられたんだ。すなおに流れたのではなくて、これはつくられたシーンである、このように思います。後は河村議員に移します。
○河村委員/一つだけちょっと聞きます。前回の証言の際にあなたは、一九六九年のクラッター氏から豊田氏にあてた手紙によって一機当たり六万七千五百ドルの値引き。これについてあなたは四十四年の六月、六九年六月に本部長になったから、その事実はすでに成立した以後だったということをおっしゃいましたね。それでそのときに、これは開発になかなか金がかかるからそのためであろうということも言いました。そうですね。ところが、その後あなたは現実にこの内容を見られた。ところが、この手紙の一つの条件は、将来の顧客に対してより魅力的な値段をつけるために値引きをする。これは条件ですね。そうですね。実際には条件が成就していなかった。そうすると、ロッキード側のこれは条件の不履行ですね。条件の不履行であれば当然これは修正さるべきものだと思うけれども、なぜそれは修正の要求をされなかったか、私はそれを聞きます。
○大久保証人/先般先生から確かにそのようにお話がございまして、私も同感でございましたのでそのように申し上げましたが、実はよく考えてみますと、あの当時は具体的にまだロッキード社から全日空にはオファーが出ておらない時点でございましたので、あの文言がまるまるうそだとは考えられないと存じます。あれだけ引いた分だけはまだ正式のオファーが出ないうちはオファー値をそれだけ引き得るということも言えたかと存じます。
○河村委員/ちょっと一つだけ……。それならば一九七三年以降実際に払う段になって、実際に飛行機が売れて払う段階になって当然値引きを要求しなければ、これはあれでしょう、むしろ背任的な行為になるのだと思いますが、そうではありませんか。
○大久保証人/全日空に対する実際の売り込みの当事者は、全日空の当事者とロッキードの当事者、すなわち恐らくその場に当たったのはエリオット氏だと存じますが、これがダイレクトにやっておりますので、私どもはそれに対する介入の余地はございませんでした。
○河村委員/時間がないから終わります。
○荒舩委員長/これにて永末君、河村君の発言は終了いたしました。以上をもちまして大久保証人に対する尋問は一応終了いたしました。大久保証人には御苦労さまでございました。しばらく控え室でお待ちを願います。

これより以降は、【3.1日/ロッキード事件証人喚問劇その6、補足質疑】に記す





(私論.私見)