イエス履歴その8 | イエスの拘束と尋問の様子 |
更新日/2024(平成31.5.1日より栄和改元/栄和6).1.24日
これより以前は、「イエス履歴その7、エルサレム神殿乗り込みから拘束されるまで」
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、「イエスの拘束と尋問の様子」を確認する。各種情報を整理すれば次のようになる。この過程でのイエスの御言葉は、どの程度まで正確なものなのかどうかは分からない。この辺りは忖度する以外にない。れんだいこ的には、もっと厳しく的確な言論が為されていたのではないかと窺っている。 |
【最高法院がイエス捕捉決定する】 | |
この時、ガリラヤ州の領主ヘロデ・アンティポスは、ガリラヤを出てエルサレムにやって来ていた。イエス派弾圧がガリラヤの暴動に至ることを恐れたためである。結局、大祭司カヤバとアンティポスは共謀して、教祖のイエスだけを逮捕する作戦を立てた。これを受けて、最高法院が、イエスを捕捉するよう決定した。ヨハネ伝は次のように記している。
最高法院とは、世俗の貴族を代表する長老、元及び現職の大祭司、大祭司を出している4家系の代表、パリサイ派律法学者ないし博士達で構成されていた。彼らは、ローマ帝国支配下で民事裁判や宗教裁判を行っていた。この時当然、最高法院が開かれ、議論の末にイエス捕捉を決定をしたと推定されるが、議論の様子は不詳である。 |
【イエス捕えられる】 | ||||||
イエスは、ゲツセマネの園で、いつものように説法していた。その途中次のように宣べられた。
見れば、十二人の一人であるユダがやって来た。祭司長たちや民の長老達が遣わした神殿派の会衆も、剣や棒を持って一緒に来た。イエスを裏切ろうとしていたユダは、「私が接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と前もって合図を決めていた。ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と宣べられた。ユダに手引きされた神殿派の会衆達が進み寄り、イエスを捕らえた。 そのとき、居合わせた人々のうちのある者が剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。イエスは宣べられた。
続いて、神殿派の会衆達に次のように宣べられた。
|
【イエスの弟子たちはイエスを捨てて逃げる】 |
この時、弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。一人の若者が、素肌に亜麻布をまとってイエスについて来ていた。人々が捕らえようとすると、亜麻布を捨てて裸で逃げてしまった。 |
【イエス尋問の様子】 | |||
会衆はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。祭司長、長老、律法学者たちが皆な集まって来た。ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで行き、事の成り行きを見ようと、中に入って、下役たちと一緒に座っていた。 大祭司は、イエスに弟子のことや教えについて尋ねた。イエスは答えられた。
イエスがこう宣べられると、そばにいた下役の一人が、「大祭司に向かって、そんな返事の仕方は無礼千万」と言ってイエスを平手で打った。イエスは答えられた。
祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。偽証人は何人も現れたが、その証言が食い違っていたので確たる証拠にはならなかった。最後に二人の者が来て、「この男は、『神の神殿を打ち倒し、三日あれば建ててみせることができる』と言うのを、私達は聞きました」と告げた。そこで、大祭司は立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか」。イエスは黙り続け何もお答えにならなかった。 大祭司は言った。概要「私達の律法では、『神の子』を名乗ることは許されない。それは死罪に当たる。生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか」。イエスは宣べられた。
イエスは、ダニエル書と詩篇109編の記述を引用し、宣べた。大祭司は服を引き裂きながら言った。「神を冒涜した。これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は今、冒涜の言葉を聞いた。どう思うか」。会衆は、「死刑にすべきだ」と答えた。そして、イエスの顔に唾を吐きかけ、こぶしで殴り、ある者は平手で打ちながら、「何か抗弁してみよ」と責め始めた。 |
|||
![]() |
|||
大祭司「私達の律法では、『神の子』を名乗ることは許されない。それは死罪に当たる。生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか」に対して、イエス「それは、あなたが言ったことです。しかし、わたしは言っておく。あなたたちはやがて、人の子が全能の神の右に座り、天の雲に乗って来るのを見る」の遣り取りは思案を要する。 まずこの遣り取りの正確さが分からない。その辺りの問題があるが、イエスの「それは、あなたが言ったことです」の真意は、イエス自身が「神の子」説を否定しているように伺うことができるのではなかろうか。イエスは、神に恩寵された存在としての「人の子」説を唱えていたのではなかろうか。イエス伝各書はこの辺りそれぞれが様々なイエス像を記しており、れんだいこはれんだいこなりのイエス像を獲得する以外にない。 |
【ペテロ、予言通りに「私は知らない」を三唱する】 | |
ペトロは外にいて中庭に座っていた。そこへ大祭司に仕える女中の一人が来て、ペトロが火にあたっているのを目にすると、じっと見つめて言った。「あなたも、あのナザレのイエスと一緒にいた」。しかし、ペトロは打ち消して、「あなたが何のことを言っているのか、私には分からないし、見当もつかない」と言った。そして、出口の方へ出て行くと、鶏が鳴いた。女中はペトロを見て、周りの人々に、「この人は、あの人たちの仲間です」とまた言いだした。ペトロは、「そんな人は知らない」と再び打ち消した。しばらくして、今度は、居合わせた人々がペトロに言った。「確かに、お前はあの連中の仲間だ。言葉遣いでそれが分かる。ガリラヤの者だ」。 すると、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、「あなたがたの言っているそんな人は知らない」と誓い始めた。するとすぐ、鶏が再び鳴いた。ペトロは、「鶏が二度鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」とイエスが言われた言葉を思い出して、いきなり泣きだした。 |
|
![]() |
|
イエスは十字架に赴く前に、ペテロに対し、「鶏がなくまでにお前は三度私を知らないと言うだろう」と予言していた。ペテロは否定していたが、予言通りに三度知らないと云ってしまう。イエス同様に捕縛されることを避けたのだが、鶏の声にイエスの言葉を思い出して号泣する。れんだいこには、この件はの真偽は分からない。 「左往来人生学院でのやり取りで、ryo氏の№4888の投稿は次のように解釈している。
|
【総督ピラトとの遣り取り、ピラトの対応】 | ||||||
祭司長、長老、律法学者からなる最高法院全体でイエスの処刑を意思統一した後、夜が明けるのを待って会衆がイエスを縛って引いて行き、総督ピラトに渡した。ローマ帝国の支配下では、ユダヤ自治は裁判で判決を出すことはできるが、罪人を処刑する権利が与えられていなかった為である。ピラトはティベリウス帝(在位・紀元14~37年)に任命された5代目のユダヤ総督で、最高法院で宣告された死刑の執行を決定する任務に就いていた。 ピラトの下へ参集した会衆は、イエスの罪をこう訴えた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分がユダヤの王たるメシアだと言っております」。ピラトが、「ユダヤ人問題のことなら、あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け」と述べた。祭司長たちは、「私達には人を死刑にする権限がありません。総督の手でお裁きをお願いします」と要請した。 ピラトは、イエスを前に立たせ、尋問を始めた。「お前はどこから来たのか」と尋ねた。イエスは、ガリレアからやって来た旨を応えたものと思われる。ピラトは次に、「お前はユダヤ人の王なのか」と尋問した。イエスは、「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者が私について、あなたにそう言ったのですか」と宣べられた。ピラトは言い返した。「お前はユダヤ人の王と云うが、そういうお前のユダヤ同胞や祭司長たちが、お前を私に引き渡したのだ。お前は一体何をしたのか」。イエスはお答えになった。
次に、ピラトは、「お前がユダヤの王ということには間違いはないのか。真理とは何か」と尋ねた。イエスはお答えになった。
ピラトは次にもう一度、ユダヤ人たちの前に出て言った。「わたしはあの男に何の罪も見いだせない」。そこで祭司長たちが、イエスの罪状をいろいろと告げ訴えた。「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。イエスは、祭司長たちや長老たちから訴えられている間、これには何もお答えにならなかった。 ピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、ヘロデ王の支配下にあることを知ると、イエスをヘロデ王アンティパスのもとに送った。 |
![]() |
「ピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、ヘロデ王の支配下にあることを知ると、イエスをヘロデ王アンティパスのもとに送った」は貴重な証言である。これによると、イエスはユダヤ人ではないガリラヤ人であるとしている。通説のイエスユダヤ人説はイエスガリラヤ人説に改められねばなるまい。 |
【ヘロデ王との遣り取り、ヘロデ王の対応】 |
ヘロデ王アンティパスは当時、過越祭の為にエルサレムに滞在していた。彼はイエスを見ると、非常な興味を示した。イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。ヘロデとピラトはそれまでは互いに何かと敵対していたが、その日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。 |
【総督ピラトの再尋問、ピラトの対応】 | |
ピラトが再び尋問した。「あのようにお前に不利な証言をしているのに、聞こえないのか。なぜ反論しないのか。私に答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、この私にあることを知らないのか」と言った。イエスは答えた。
|
これより以降は、「イエスの概要履歴その9、イエスの処刑経緯」に記す。
(私論.私見)