熱心に囲碁雑誌などを読んでも、なかなか三段から先に進めない人が多い。 四、五段の域に達するには、単なる「知識」の量ではなく、思考に大きな飛躍がなくてはならない。定石、手筋・・といった断片の集積を超えて、一本筋の通った碁の思想をもつことが棋力の飛躍的向上には欠かせないのです。
強くなればなるほど碁の面白さは深みを増してきます。しかし、同時に上達することが難しくなるのも事実です。アマチュアも四段以上になりますと、数年かかっても半目程度しか強くならないのが普通です。では一体、何を勉強すればさらに強くなるのか。アマはプロの目から見た場合、味とか含み、利きといったものに鈍感です。自分では全局を見ているつもりでも、味消しの悪手が頻繁に出てきます。換言すれば、全体に目がいっていない、ということになります。実は、五段前後の囲碁ファン共通の壁、共通の欠点がそこにあるのです。あなたが今後、大幅に棋力を伸ばすためには、味、含み…といった思想に代表されるプロの高次元な考え方を勉強することが欠かせません。本コースはいわば「プロから何を学ぶか」を学ぶ画期的な講座といえるでしょう。
●テキスト(1):序盤構想と定石選択
「中盤の力さえあれば何とかなる」といっていられるのは三〜四段クラスまで。強い人にかかれば、布石の段階で一本も二本も取られ、形勢不利にされてしまいます。石数の少ない布石の段階で、雄大にして柔軟な構想力により、局面をリードするよう心がけてください。定石選択では全局のバランスが肝要。碁は生き物ですから、部分の常識が局面によっては通用しないこともあります。その辺の判断の仕方、考え方をじっくりと学んでいただきます。
●テキスト(2):中盤・攻めの要諦
布石は無難に打てた。むしろ優勢なくらい…でも中盤の戦いでおかしくなってしまう。そんな経験は誰もがあるはず。碁を地の取り合いと考えるか、生存権の争いと考えるかで、中盤の戦い方は違ってきます。当然、後者の考えの方が「心構え」の差だけ強くなります。
とはいっても、「最も効果的な攻め」は難しいもの。弱い石をカラミにして攻めるのが攻めの常識ですが、「どの石が弱く」「どの石が強いのか?」「攻めの時期は?」「攻めによってどんな効果があるか?」…あるいは、攻撃は最大の防御という場合もあり、プロでも悩みます。ここでは、攻めの様々なパターンを、形勢判断や構想力との関連から13テーマに分けて解説しています。プロの鋭く多彩な攻めのテクニックが学べます。
●テキスト(3):プロに迫る思考法
プロとアマの最大の技術的な差は、「利き」「味」「含み」といったものを残すか、残さないかという点にあります。もちろん、ヨミそのものの力も雲泥の差があるわけですが、ヨミの出発点となる「思考法」が根本から違います。
この辺の違いを、アマ高段者のレベルに合わせて詳解しているのが本テキスト。プロの思考法を、「手順と含み」「狙いを見抜く」「相手の出方を見る」「プロの序盤構想」…など、全11のテーマに分けて解説しています。プロから何を学ぶか。上達のエキスがたっぷりと詰まっている全テキストの要といえるでしょう。
●テキスト(4):アマ実戦・悪手さがし
「悪手」といっても、あなたに学んでいただくのは、「読み違い」や「ポカ」、「悪形」「筋悪」といった類のものでなく、もっと高度な悪手・疑問手です。このテキストでは、アマ強豪といわれる人たちの碁18局を例にあげています。アマトップクラスの碁を並べながら、良いところを吸収し、さらに悪手について考える。まさに一石二鳥の学習法です。
解説では悪手を3つ取り上げて、なぜ悪手か、どう打てばよかったかを教えていますが、指摘されているのは「石の方向」「働き」といった質的に高いもの、「流れを大きく左右する問題」で、中には悪手というには可哀想なものも含まれます。プロとアマの差がよくわかるはずです。
●テキスト(5):プロ実戦・徹底研究
アマも高段者になると、総合的な力をつけるためには、プロの打碁を並べることが欠かせません。でも、漫然と並べるだけでは効果は期待できません。古今の名局を、その手順はもちろん、妙手や疑問手、様々な変化図にいたるまで正確に再現できるほどに何度も並べ直せば、1局の中にある奥深いエッセンスが知らず知らずのうちに、あなたの肌
に染み込んでくるでしょう。本テキストでは合計4局を詳解してあります。
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