身体諺(体にまつわる諺、故事来歴その3

 更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4)年.4.5日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、課題別諺のうち「身体諺」(体にまつわる諺)を確認しておく。人は、不満を感じたりの喜怒哀楽時に、顔の一部や身体の全体を使ってその思いを表現する。時にはわざと、時には知らず知らず。そんな変化を読み取った諺がかなりあることに気づく。「体の一部を使った慣用句、諺」その他参照。

 2012.6.29日 れんだいこ拝



【喉(のど)諺】
喉が乾く
喉が鳴る
喉から手が出る
喉元過ぎれば熱さ忘れる
美味も喉三寸

【首(くび)諺】
首が繋がる
首が飛ぶ
首が回らない
首になる
首を賭ける
首を切る
首をすげかえる
首を縦に振る
首を横に振る
首を突っ込む
首を長くする
首根っこを押える
鬼の首を取ったよう
子は三界の首枷(くびかせ)
小首を傾(かし)げる
三界の首枷
思案投げ首
寝首を掻く
猫の首に鈴をつける
真綿(まわた)で首を絞める
目には目を歯には歯を

【肩(かた)諺】
肩が軽くなる
肩が重くなる
肩で息をする
肩で風を切る
肩の荷が下りる
肩を入れる
肩を落す
肩を貸す
肩を窄(すぼ)める
肩を並べる
肩を持つ
肩透かし
肩肘(ひじ)張る
肩身が狭い

【胸(むね)諺】
胸が痛む
胸が一杯になる
胸が裂ける
胸が騒ぐ
胸が張り裂ける
胸が詰まる
胸が塞がる
胸が膨らむ
胸が焼ける
胸に一物
胸に迫る
胸に手を当てる
胸に秘める
胸を熱くする
胸を痛める
胸を打つ
胸を躍らせる
胸を貸す
胸を借りる
胸を反(そ)らす
胸をときめかす
胸を撫で下ろす
胸を弾(はず)ませる
胸襟(きょうきん)を開く
胸先三寸
取らぬ狸の胸算用
儲けぬ前の胸算用

【臓(ぞう)諺】 【腑(ふ)諺】
五臓六腑(ごぞうろっぷ)にしみわたる 腑に落ちない
肝臓
心臓
肺蔵
胃腸

【肝(きも、たん)諺】
肝が据わる
肝が太い
肝に銘じる
肝をつぶす
肝を冷やす
肝胆相照らす

【胆(たん)諺】
肝胆相照らす
臥薪嘗胆

【腸(ちょう、はらわた)諺】
腸がちぎれる
腸が煮えくり返る
断腸(だんちょう)の思い

【腹(はら、ふく)諺】
腹が減っては戦ができぬ
腹立てるより義理立てよ
腹に一物
腹の立つ事は明日言え
腹八分目に医者いらず
痛くもない腹を探られる
片腹痛い
空き腹にまずい物なし
背に腹は代えられぬ
狸の腹鼓
詰め腹を切らせる
腹心
抱腹絶倒
向かっ腹を立てる
連木で腹を切る(れんぎではらをきる)

【臍(へそ、ほぞ)諺】
臍で茶を沸かす
臍(ほぞ)を噛む
臍を曲げる

【背(せ)諺】
背に腹代えられぬ
背を向ける
背筋が寒くなる
背水の陣
眼光紙背に徹する
鴨が葱を背負ってやって来る
どん栗の背競べ
夕立(ゆうだち)は馬の背を分ける

【腰(こし)諺】
腰が軽い
腰が重い
腰が低い
腰が高い
腰が強い
腰が弱い
腰が砕ける
腰が抜ける
腰を上げる
腰を入れる
腰を浮かす
腰を折る
腰を据える
腰を割る
腰巾着
本腰を入れる

【尻(しり)諺】
尻が軽い
尻が重い
尻から抜ける
尻切れトンボ
尻に敷く
尻に火が付く
尻をまくる
尻目にかける
頭隠して尻隠さず
頭でっかち尻すぼみ
亭主を尻に敷く

【尾(お)諺】
尾を振る犬は叩かれず
犬が西向きゃ尾は東
驥尾に付す(きびにふす)
掉尾を飾る(ちょうびをかざる)
虎の尾を踏む
竜頭蛇尾(りゅうとうだび)

【腸(ちょう、はらわた)諺】
八面六臂(はちめんろっぴ)

【又(股、また)諺】
股肱の臣
韓進の股くぐり
木の股から生まれる
小股の切れ上がった
二股(ふたまた)に掛ける
欲の皮が突っ張り股が裂ける

【爪(つめ)諺】
爪に火をともす
爪を研ぐ
爪の垢を煎じて飲む
頭のてっ辺から足の爪先まで
能ある鷹は爪隠す

【手(て)諺】
手が上がる
手が空く
手が後ろに回る
手が掛かる
手が込む
手が足りない
手が付けられない
手が届く
手が出ない
手が入る
手が離せない
手が離れる
手が早い
手が回る
手に汗握る
手に余る
手に入れる
手に負えない
手に掛かる
手に手を取る
手につかない
手に取るように
手に乗る
手の内に丸め込む
手の内を明かす
手のない将棋は負け将棋
手も足も出ない
手を挙げる
手を入れる
手を打つ
手を替え品を替え
手を貸す
手を借りる
手を切る
手を下す
手を組む
手をこまねく
手を差し伸べる
手を染める
手を出す
手を束ねる
手を尽くす
手をつける
手を握る
手を抜く
手を引く
手を施す
手を回す
手を結ぶ
手を焼く
手を休める
手を緩める
手を煩わす
手垢に塗(まみ)れる
手足を伸ばす
手中に収める
手ぐすね引く
手心を加える
手塩に掛ける
手玉に取る
手取り足取り
手鍋下げても
手裏剣
赤子の手をひねる
一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)
お手上げ
得手に帆を揚げる
大手を振る
飼い犬に手を噛まれる
口も八挺手も八挺
口も八丁手も八丁(くちもはっちょうてもはっちょう)
国手
小手調べ
四十八手
上手の手から水がこぼれる
その手は桑名の焼き蛤(はまぐり)
手に取るなやはり野に置け蓮華草(れんげそう)
濡れ手に粟(あわ)
猫の手も借りたい
両手に花
六十の手習い

【手のひら諺】 【掌(たなごころ、しょう)諺】
手のひらを反(かえ)す
握れば拳(こぶし)開けば掌(てのひら)
掌中(しょうちゅう)の珠(たま)
掌を反す

【甲(こう)諺】
蟹は甲羅に似せて穴を掘る
亀の甲より年の功

【指(ゆび、し)諺】
指を折る
指をくわえる
指呼の間
指一本触れさせない
指折り数える
後ろ指をさされる
五指に入る
十指に余る
食指が動く
図星を指す
掌(たなごころ)を指す
三つ指をつく

【拳(けん、こぶし)諺】
拳を振り上げる

【肘(ひじ、ちゅう)諺】
肘鉄を食らう
掣肘を加える

【腕(うで)諺】
腕一本
腕が上がる
腕が落ちる
腕が立つ
腕が鳴る
腕に覚えがある
腕に縒(より)をかける
腕を買う
腕を買われる
腕を拱(こまね)く
腕を振るう
腕を磨く
腕自慢
腕っぷしが強い
切歯扼腕
暖簾(のれん)に腕押し

【足(あし、そく)諺】
足が奪われる
足が遠のく
足が向く
足の踏み場もない
足を洗う
足を掬(すく)う
足を取られる
足を止める
足を延ばす
足を運ぶ
足を引っ張る
足を棒にする
足音を忍ばせる
足手まとい
足下に火が付く
足下にも及ばない
足下の明るいうち
足下を見られる
一挙手一投足
頭寒足熱
蛇足
仲人は草鞋千足
二足の草鞋を履く

【くるぶし諺】

【踵(かかと、きびす)諺】
踵(かかと)を接する
踵(きびす)を反(かえ)す

【脚(あし)諺】 【肢(あし)諺】


【脛(すね)諺】
脛に傷持つ
脛を齧(かじ)られる

【膝(ひざ)諺】
膝が笑う
膝を打つ
膝を崩す
膝を屈する
膝を正す
膝を叩く
膝を突き合わせる
膝を乗り出す
膝を交える
女の堅いは膝頭だけ
七重の膝を八重に折る





(私論.私見)