身体諺(体にまつわる諺、故事来歴その2

 更新日/2022(平成31.5.1栄和改元/栄和4)年.4.5日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、課題別諺のうち「身体諺」(体にまつわる諺)を確認しておく。人は、不満を感じたりの喜怒哀楽時に、顔の一部や身体の全体を使ってその思いを表現する。時にはわざと、時には知らず知らず。そんな変化を読み取った諺がかなりあることに気づく。「体の一部を使った慣用句、諺」その他参照。

 2012.6.29日 れんだいこ拝


【顔(かお)諺】 【面(つら)諺】
合わせる顔がない
好い顔しない
浮かぬ顔
顔が売れる
顔が利く
顔が立つ
顔がつぶれる
顔が広い
顔が物言う
顔で笑って心で泣く
顔に汗する
顔に泥を塗る
顔向けできない
顔を売る
顔を貸す
顔を曇らせる
顔をしかめる
顔を立てる
顔を繋ぐ
顔をつぶす
顔を出す
顔色をうかがう
朝に紅顔あって夕べに白骨となる
借りる時の地蔵顔済す時の閻魔顔
知らぬ顔の半兵衛
涼しい顔
何食わぬ顔をする
仏の顔も三度まで
蛙の面にしょんぺん
面の皮が厚い
面の皮を剥ぐ
泣きっ面に蜂
仏頂面(ぶっちょうづら)

【頭(あたま、おつむ、こうべ)諺】 【頭(とう)諺】 【頭(ず)諺】
頭隠して尻隠さず
頭でっかち尻つぼみ
頭が痛い
頭が固い
頭が切れる
頭が下がる
頭が古い
頭でっかち尻すぼみ
頭に来る
頭に血が上(のぼ)る
頭に湯気をたてる
頭の上の蠅を追え
頭のてっぺんからつま先まで
頭を痛める
頭を抑える
頭を抱(かか)える
頭を掻く
頭を切り替える
頭(あたま、こうべ)を下げる
頭(あたま、こうべ)を垂れる
頭を突っ込む
頭を悩ます
頭を捻(ひね)る
頭を冷やす
頭を振る
頭をほぐす
頭をもたげる
鰯(いわし)の頭も信心から
正直の頭(こうべ)に神宿る
恥と頭はかき次第
実るほど頭のさがる稲穂かな
頭角(とうかく)を現す
一頭地を抜く
心頭を滅却すれば火もまた涼し
徹頭徹尾
百尺竿頭一歩を進む
羊頭を懸けて狗肉を売る
羊頭狗肉(ようとうくにく)
竜頭蛇尾
頭寒足熱
頭(ず)が高い

頂門(ちょうもん)諺
頂門の一針(ちょうもんのいっしん)

【髪、髭、髻(かみ、はつ)諺】
髪結いの亭主
後ろ髪を引かれる
間一髪(かんいっぱつ)
間髪(かんぱつ)入れず
危機一髪
怒髪(どはつ)天を衝く
白髪三千丈

【額(ひたい)諺】 【眉間(みけん)諺】
額に汗する
額を集める
額を寄せる
猫の額

【眉(まゆ、び)諺】
眉に唾(つば)をつける
眉に唾(つば)を塗る
眉を潜(ひそ)める
眉間にしわを寄せる
焦眉の急
愁眉を開く
白眉
柳眉を逆立てる

【耳(みみ、じ)諺】
耳打ちする
耳が痛い
耳が遠い
耳が早い
耳慣れない
耳に入れる
耳に障(さわ)る
耳にする
耳にタコができる
耳につく
耳に入る
耳に挟む
耳寄りな話
耳を疑う
耳を貸す
耳を傾ける
耳をくすぐる
耳を澄ます
耳をそばだてる
耳を揃える
耳を塞ぐ
耳学問
馬の耳に念仏
耳順
壁に耳あり障子に耳あり
利く耳を持たない
賢者は長い耳と短い舌を持つ
小耳に挟む
地獄耳
忠言は耳に逆らう
寝耳に水
飛耳長目
馬耳東風
蛇に足無し魚に耳無し
右の耳から左の耳に抜ける

【こめかみ諺】

【目(め)諺】 【眼(がん、まなこ)諺】 【瞳(ひとみ)諺】
目明千人盲千人
目から鱗(うろこ)が落ちる
目から鼻に抜ける
目から火が出る
目が潤(うる)む
目が利く
目が眩(くら)む
目が肥える
目が冴(さ)える
目が据(す)わる
目が高い
目が出る
目が届く
目がない
目が早い
目が光る
目が回る
目頭が熱くなる
目くじらを立てる
目くそが鼻くそを笑う
目配(めくば)せ
目先が利く
目先を変える
目玉が飛び出る
目玉を剥(む)く
目と鼻の先
目に余る
目に浮かぶ
目に掛ける
目に角を立てる
目につく
目に留まる
目に入る
目に触れる
目に物言わす
目に物見せる
目にも止まらぬ
目の色を変える
目の上の瘤(こぶ)
目の敵にする
目の黒いうち
目の覚(さ)める
目の正月
目の付け所
目の毒
目の中に入れても痛くない
目の保養
目の前が暗くなる
目は口ほどにものをいう
目は心の鏡
目端(めはし)が利く
目鼻がつく
目星を付ける
目も当てられない
目もくれない
目を疑う
目を奪われる
目を覆う
目を掛ける
目を掠(かす)める
目を配る
目をくらます
目を凝らす
目を皿にする
目を三角にする
目を白黒させる
目を据える
目を注ぐ
目を背(そむ)ける
目を逸(そ)らす
目をつける
目を瞑(つむ)る
目を通す
目を盗む
目を離す
目を引く
目を伏せる
目を細める
目を見張る
目を丸くする
目を剥(む)く
目を養う
目を遣る
青葉は目の薬
生き馬の目を抜く
居候(いそうろう)三杯目にはそっと出し
一目(いちもく)置く
鵜の目鷹の目
裏目に出る
傍目八目
岡目八目(おかめはちもく)
鬼の目にも涙
御目に適う
親の欲目
刮目して見る
壁に耳あり障子に目あり
眼光紙背に徹する
眼中にない
聞けば気の毒見れば目の毒
口は閉じておけ目は開けておけ
碁に凝ると親の死に目に会えない
恋は盲目
三度目の正直(しょうじき)
白い目で見る
千里眼
長い目で見る
流し目
二階から目薬
睨(にら)みを利かす
抜け目がない
白眼視(はくがんし)
日の目を見る
人目に付く
人目を忍ぶ
人目を盗む
人目を憚(はば)かる
人目を引く
昼には目あり夜には耳あり
伏し目
横目を使う
夜目遠目笠の内
弱り目に祟り目
脇目も振らず
眼中にない
瞳を凝らす

【涙(なみだ、るい)諺】
鬼の目にも涙
雀の涙
血も涙もない
泣きの涙
涙に暮れる
涙に沈む
涙に咽ぶ
涙を誘う
涙を呑む

【鼻(はな)諺】
鼻息が荒い
鼻息を窺う
鼻が利く
鼻が高い
鼻が伸びる
鼻が曲がる
鼻つまみ
鼻っ柱をへし折る
鼻であしらう
鼻で笑う
鼻にかける
鼻につく
鼻の下が長い
鼻の舌が伸びる
鼻持ちならない
鼻を明かす
鼻を折る
鼻を突く
鼻を鳴らす
阿鼻叫喚
鼻歌まじり
鼻糞丸めて万金丹
お多福転けても鼻打たぬ
木で鼻を括(くく)る
小鼻をうごめかす
小鼻を膨らませる
出鼻をくじく
百石とっても手鼻かむ
目から鼻へぬける
目糞鼻糞を笑う
目鼻がつく

【人中(じんちゅう)諺】 【上唇溝(じょうしんこう)諺】

【頬(ほお)諺】 【ほっぺた諺】 【笑窪(えくぼ)諺】
頬が落ちる
頬が緩む
頬杖をつく
頬を染める
頬を膨らます
ほっぺたが落ちる
鼻を鳴らす
目鼻がつく

【口(口、こう)の諺】
大口をたたく
口から先に生まれる
口が動けば手が止まる
口が上手い
口がうるさい
口が重い
口が掛かる
口が堅い
口が軽い
口が肥える
口が滑る
口が回る
口が悪い
口に合う
口にする
口に出す
口に上る
口幅ったい
口は閉じておけ目は開けておけ
口は禍(わざわい)の元
口を開ける
口を利く
口を切る
口を酸っぱく言う
口を揃える
口を出す
口を突いて出る
口をついばむ
口を尖らせる
口を濁す
口を拭う
口を挟む
口を塞ぐ
口を閉ざす
口を割る
口裏を合わせる
口車に乗せられる
口車に乗る
口自慢の仕事下手
口火を切る
口角泡を飛ばす
開いた口が塞がらない
異口同音(いくどうおん)
鶏口となるも牛後となる勿れ
鶏口牛後(けいこうぎゅうご)
死人に口なし
人口(じんこう)に膾炙(かいしゃ)
手八丁口八丁(てはっちょうくちはっちょう)
仲人口は半分に聞け
人の口に戸は立てられぬ
一人口は食えぬが二人口は食える
減らず口を云う
負け惜しみの減らず口
目は口ほどにものをいう
病は口より入り禍は口より出づ
横から口を出す
良薬は口に苦し

【唇(くちびる)諺】
物言えば唇寒し秋の風

【舌諺】
舌打ちする
舌が肥える
舌が回る
舌先三寸
舌足らず
舌鼓を打つ
舌の根が乾かぬうちに
舌は禍(わざわい)の根
舌を出す
舌を巻く
賢者は長い耳と短い舌を持つ
二枚舌

【歯(は、し)諺】
歯が浮く
歯が立たない
歯に衣着せない
歯の抜けたよう
歯を食いしばる
歯牙にもかけない
歯切れが良い
歯止めをかける
奥歯にものがはさがる
櫛の歯が抜けたよう
ごまめの歯ぎしり
切歯扼腕
明眸皓歯
目には目を歯には歯を

【顎(あご)諺】
顎が外れる
顎で使う
顎を出す

【髭(ひげ)諺】





(私論.私見)