日本共産党の取締強化国会質疑考その3 |
更新日/2021(平成31.5.1栄和改元、栄和3)年.8.20日
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昭和59年10月05日 衆議院 地方行政委員会 |
[212] 日本共産党 三浦久 今回のにせ左翼暴力集団、中核派による自民党本部襲撃事件は、共産党が一貫して指摘をいたしておりましたように、彼らが非常に反社会的な犯罪者集団である、そういう本質を私はまざまざと見せつけたものだというふうに考えております。 午前中の質問を聞いてみますと、何か共産党と関係があるみたいなことを言っておりますけれども、この中核派とか革マル派というのは左翼を装った反共暴力集団であります。共産党とも、また科学的な社会主義とも縁もゆかりもない集団であります。彼らは、もう公安警察自身がよく知っておりますように、日共打倒とか、または日共の永続的解体というようなことを言って、そして日本共産党の打倒ということを主な政治的な目的としている、そういう集団であります。ですから我々は、こういう暴力集団と最も厳しく対決をし、その本質を国民の前に明らかにしながら闘ってきております。 |
[214] 日本共産党 三浦久 にせ左翼暴力集団の犯罪行為というのはたくさんあるのですね。ですから、どのくらいの検挙率がというようなことを一つ一つお尋ねするのも大変だと思いまして、特に殺人事件は内ゲバで起きておりますので、私の方で内ゲバ殺人事件についての検挙率の資料をいただきました。これは45年から59年まで出ておりますが、内ゲバ殺人事件は64件あるそうですね。そしてトータルですが、死者数が81人、検挙件数20件、そういうふうに資料をいただいておりますが、これは間違いありませんか。 |
[215] 説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲 45年以降64件発生いたし、81人が亡くなっております。検挙いたしましたものはそのうち20件でございまして、検挙率といたしましては3割強ということになっております。 |
[216] 日本共産党 三浦久 ところが、これは実際の検挙率をあらわしていないのですね。例えばこれは件数でしょう。検挙率というのは犯人が何人おって何人逮捕されたかということが検挙率であって、1件で10人の犯人がいた、それに対して1人つかまえたという場合には、1件発生して検挙件数1件と出てくるわけでありますから、こういういわゆる件数で出してくるというやり方は、わずか1割のものが10割の検挙率だというふうになっているわけですね。ですから私の方は、これじゃ正確な資料じゃないから、ちゃんと犯人が何ぼおって、そして何人検挙されたのかという資料をください。それはだめだというのですね。警察の方はお出しにならない。どうしてこれは出せないのですか。ちょっとお尋ねいたします。 |
[217] 説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲 内ゲバは必ずしも1人の人間が1件の事件を起こすということではない、複数の人間が1件の事件を起こすということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、1件の事件について何人も逮捕を出しているというケースもあるわけでございます。ただ、何件のものについて1人以上を逮捕しているかということになりますと、今のような統計になってくるわけでございます。それから、資料の提出の関係でございますけれども、現在未検挙のものにつきましても、いずれも捜査継続中でございまして、その捜査の中身を申し上げることはできるだけ控えさせていただきたいと思ってあれしたわけでございます。 |
[218] 日本共産党 三浦久 捜査の中身を聞いているのじゃなくて、何人犯人がおって何人検挙されたのですかということを聞いているのです。そんなことが捜査の秘密ですか。そんなことはありませんね。私も、余りにも資料を出さないのでちょっと調べてみたのです。おたくの、いただいた資料を見てください。48年は殺人件数1件になっていますね。死者が2名、検挙件数1となっています。これはわかりやすいから、この例を見てみましょう。48年の事件というのはもう御承知ですね。これは48年9月15日の神奈川大学構内内ゲバ殺人事件です。これで49年、翌年の警察白書を見ますと「被疑者26人の割り出しに成功した。」とちゃんと書いてあるのです。警察白書ですよ。これは57年に逮捕されているのですね。だから58年の警察白書によりますと、「指名手配中の革労協最高幹部を含む7人を検挙した。」とちゃんと書いてあるじゃないですか。何で秘密ですか。そうすると、26人の割り出しに成功し、7人の被疑者を検挙した、あとの残っている人間について捜査継続でしょうけれども、ちゃんと発表しているじゃないですか。だから、何人犯人がおって何人検挙したというようなことは秘密でも何でもないのです。検挙されていない人間についてどういう捜査をやっているのかなんて聞いているわけじゃないのですからね。そんなことは、起訴されるわけですから当然はっきりわかっていることなのです。それを全然資料を出さない。どういうわけなのでしょうかね。ですから、実際にこの分でも、例えば48年の場合には発生件数1、検挙件数1だから100%の検挙率になっているわけでしょう。実際には26%の検挙率なのですよ。だから、こういうように30%強の検挙率だなんてあなたが今胸を張っていますけれども、実際は10%にも満たないだろうと私は思うのです。犯人の数が何ぼか、検挙した人数が何ぼかということになればこれは数%にしかならないだろうと私は思うのです。そういう検挙率が低いものだからこういう資料の出し方をしてくるのですね。こんなことを言っていると時間がなくなってしまうので次に移れませんけれども、本当に国民の協力を得て検挙件数を上げたい、根絶したいというのであれば、国民に本当のことを知らせなければだめじゃないですか。そういう意味で私は委員長に申し入れをしたいのですけれども、何人犯人がおって何人検挙したという資料を警察に提出していただくように委員長からもお申し出いただきたいと思います。 |
[219] 説明員(警察庁警備局長) 柴田善憲 ただいまの神大内ゲバ事件につきましては、革労協が攻めてまいりました革マルに反撃をしたという事件で ございまして、被疑者の数は捜査が最後までいってみないと幾らになるかということはわからないわけでございますが、発生の直後から捜査に入りまして、何人かの人間を割り出して、それまでにも検挙をいたしておるものでございます。犯人の数が何人かというのは秘密でも何でもないだろうというお話でございますが、実は犯人の数が何人いるかということは重大な捜査上の秘密事項になると思うわけでございます。と申しますのは、我々は、5人でやったのにまだ3人しか捕まっていない、5人と言っておる、そうすると、あと2人は捕まるなということになるわけでございます。そこで、彼らといたしましては急遽対策を講ずるということがあるわけでございまして、また、犯人の数につきましても、捜査を遂げてみませんと本当は何人でやったのかということがわからない場合が多いわけでございます。そこで、犯人の数を分母としまして、何人挙げたから何%という統計はなかなか出しにくいし、必ずしも実態に迫ったものではないだろう、このように思う次第でございます。 |
[220] 日本共産党 三浦久 それはあなたたちのへ理屈であって、では、何でここにそういうことを出しているのですか。26人の割り出しに成功した、そのうち7名逮捕した、そういうことをちゃんと堂々と発表しているから私言っているわけであって、秘密なら発表しなければいいでしょう。発表されているじゃありませんか。国民の前に真実を知らせるということをしなければ国民の協力は得られないということだけは指摘しておきたいと思います。 |
昭和59年10月23日 参議院 地方行政委員会 |
[152] 日本共産党 神谷信之助 右翼団体であろうと、にせ左翼暴力集団であろうと、我々は断じて暴力行為を容認することができない。それは当然であります。今回の自民党本部に対する放火事件、これはまさに民主主義に対する重大な挑戦であり、攻撃であり、認めるわけにいかないことは明らかだと思いますし、指摘をしていましたように、いわゆる中核派とか革マル派などのにせ左翼暴力集団というのが非人道的な殺人者集団だということを今回の事件は実証していると思うのです。 |
昭和60年12月05日 参議院 地方行政委員会 |
[133] 日本共産党 神谷信之助 先般の、11月29日の国鉄襲撃事件についてお伺いしたいと思います。時間がありませんからできるだけ簡潔にお願いしたいんですが、あの中核派の蛮行を我々断じて許すわけにはいかぬし、この問題は一貫して我が党が警察当局にも率直に批判してきたところであります。彼らはことしになってからでももう既に報道されただけでも30件近くこのような暴行、暴挙を繰り返してきています。 |
昭和60年12月06日 衆議院 運輸委員会 |
[092] 日本共産党 梅田勝 11月29日に発生いたしました、にせ左翼暴力集団中核派による鉄道妨害事件は、国民と国鉄に大きな迷惑と損害を与えました。かつ、国鉄の信用を傷つけた反社会的蛮行として絶対に許されるものではございません。私どもも早速浅草橋駅、錦糸町駅も現地調査をいたしまして、つぶさに実態を把握してきたところであります。駅とか線路とか、そうした施設の警備等の警戒態勢を早めに行ってきたところでございます。スト期間中も警察側と緊密な情報連絡をしたわけでございますが、遺憾ながら、中核派の今回のような活動は非公然組織が行っているところでございまして、事前にどこでいつどのようにするかというような具体的な内容を予知することはとてもできない状態でございました。したがいまして、それに対する的確な予防ということができず、今回のような結果になったわけでございます。今後とも、警察側の中核派の動向の把握ということについての一層の情報把握をお願いを申し上げたいと思いますが、警察と十分連絡をとりまして、万全の措置を講じていきたいというふうに思っておるところでございます。そこで、国鉄総裁にお伺いいたしますが、このようなにせ左翼の妨害行為をあらかじめどのように予測されていたのか。特に、中核派の機関紙「前進」に大変なことを書いていたのでありますが、御存じでございましたですか。 |
[093] 説明員(日本国有鉄道総裁) 杉浦喬也 今回の千葉勤労のストライキと関連いたしまして、中核派がこれを支援し、過激行動によって鉄道妨害を企てているという警察からの事前の情報は、具体的ではございませんが、全般論としてあったわけでございます。こうした情報を受けまして、国鉄側としましても、公安職員を動員しまして、その他の職員を合わせて約3000名程度の要員で、千葉局だけでなしに東京都地区全域におきまして、 |
[094] 日本共産党 梅田勝 きょうは与えられた質問時間が14分しかございませんので、駅へ行きましていろいろ詳細に聞いておりますので、疑問に感ずる点はたくさんありまして、お尋ねしたいこともございますが、先ほど私聞きましたように、私も新聞報道で知ったわけでありますが、11月18日付の中核派の機関紙「前進」で、「「首都圏・全国を革命的な一大騒乱の渦にたたき込め」「勤労千葉ストは、とうてい収拾できないような、天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだすだろう」と”11・28~29闘争”を予告していました。」こういう報道もあるわけなんですね。ところが、ストライキが29日の正午まで続けられるのに、終電が終わったら警備体制はほとんどないに等しい状態になる。そして朝方やられているわけですね。どう考えても、これだけのことを言っているわけですから、厳重な警戒というものが必要ではないか。昨日も参議院の地行で同僚議員がただしておりますが、国鉄の職員が、この辺は危険だということで巡回したところで遭遇して、未然に防止をしているということもございまして、あらかじめわかったわけですから、総裁は、先ほど私、この「前進」の予告記事を読んでおられましたかということを聞いたんですが、これは読んでおられましたですか。 |
[095] 説明員(日本国有鉄道総裁) 杉浦喬也 後からそれを入手いたしまして読んでおります。 |
昭和60年12月11日 衆議院 法務委員会 |
[217] 日本共産党 林百郎 11月29日、首都並びに関西方面を入れまして通勤者の足、600万が混乱した、交通事情の上からいってかつてない大きな混乱、事件が起きたわけですが、それについて私は質問をしたいと思います。の1月からことしの11月までに約33~34件あるのですが、ここで特徴的なのは毎月、中核派の事件があるということですね。殊に昨年の暮れからことしにかけては、ことしの1月には月に3件、9月にも3件、しかもこれは予告でやられているわけですね。それでほとんど検挙されていない。この中で検挙3件と言いますが、3件といっても、例えば自民党の本部の放火事件みたいに数人がやっているのに1人しか挙がっていないということで、検挙1件というのは本当に形式だけで実質的な1件にはなりません。これは予告をされて毎月1件ずつあって、甚だしいのは1カ月に3件もあるのに検挙が少しもできないというのは、警察ではどこに原因があると考えますか。 |
[220] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 鏡山昭典 お答えいたします。今、表を見せていただきまして御指摘のとおりでございますけれども、極左暴力集団、確かに今度の11・29につきましても、動労千葉のストライキを支持するために国鉄を全面的に阻止するというようなことは言うわけでございまして、私どももそれに基づきましていろいろ想定をやっておりますが、ゲリラ事件といいますと、予告、例えば今から成田闘争をやる、国鉄闘争を支援するためにゲリラをやる、こういうことはいろいろその都度言うわけでございますけれども、ゲリラがどこをやるか、例えばここにいろいろございますけれども、今回は新東京国際空港公団のビルにやるぞとか幹部の家をやるというようなことはもちろん全く申しません。それから、こういうようなゲリラ情報というのは彼らにとっては一番基本的な根幹をなす情報でございまして、その意味では私ども情報収集に全力を挙げているわけでございますけれども、なかなか核心に迫る情報をとれないというのが実情でございます。 しかも、極左暴力集団が事件を起こします際には、警察の動きを事前に綿密に調査いたしまして、警察の影があるとなるとそこは避けて次の日に回すとか別のところをやるというような、いわゆる現場で逮捕されないような状態のもとでやるというのがゲリラの基本的な形になっております。そのほか、極左事件というものは、非公然軍事組織と言っておりますけれども、例えば中核派の場合は革命軍などと言っておりますが、特別の実行部隊がございまして、こういうものが組織的、機動的に計画して実行している。しかも、実行するに際しては後に証拠が残らないようにやっていくとかいうようなことで、非常に私どもも検挙が難しい状態になっているわけでございます。 しかし、3件じゃないか、そのうちゲリラらしいゲリラは自民党放火事件が去年あったのをことし1人だけだという御指摘で、そのとおりでございますけれども、この事件検挙は、ゲリラの要員を検挙するということは私ども非常に苦労しておりますけれども、かなり時間がかかっております。例えば加藤三郎というのがおりましたけれども、これを逮捕するにも5年6カ月かかっておりますし、あるいは鹿島建設を爆破しました宇賀神という連続企業爆破事件の犯人を逮捕するには7年6カ月、一番長いのは陸上自衛隊朝霞駐屯地で自衛官を殺害いたしました竹本信弘という被疑者がおりましたけれども、これを逮捕するのに10年11カ月という長い期間をかけておるわけでございます。私ども、確かに今の状況のもとで御指摘のように検挙が進んでおらないことは事実でございますけれども、全面的解決に向けて日夜努力しておるような状況でございまして、今後ともこの解決に向けて全力を挙げて努力いたしたい、こう思っております。 |
[221] 日本共産党 林百郎 極左、極左と言うけれども、どういう意味で言っているか知りませんが、いかにも左翼と関係のあるようなことを言うけれども、これは暴力集団ですからね、別に左でも何でもないのです。それで、今あなたの言われた警察の影を避けてやっているというのは、要するに警察の行動が彼らに察知されているのですか。今あなたはそう言っていた、だからこういう事件がこういうように起こるのだと。そうすると、警察の方は彼らに対して察知するルートは持っていないのですか。 [222] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 鏡山昭典 私どもがゲリラを押さえるためには、やはり警察官を配置しなければなりません。その場合1人とか2人でおりますと、例えば今度の11・29に際しましても、パトロールで1人で行ったために相手にはさみで襲われたということで、緊急に救援の連絡をするというようなことで結局逮捕できなかったわけでございますけれども、そういうふうに検挙するためにはかなりの警察官を現場周辺に配置しなければなりません。そういう意味で、それが向こうに知られるという場合が出てくることがございます。もちろん、相手に知られずに私どもとしましても彼らの要員を検挙したりあるいはアジトの摘発も既にやってきております。向こうの情報がとれないのかということでございますけれども、一般的な情報というのはとれますけれども、なかなか核心に迫った情報というのはとりにくいというのが実情でございます。 |
[223] 日本共産党 林百郎 要するに、中核派と称する暴力集団は既に11月18日に彼らの機関紙の「前進」というので、「電車の運行を実力で阻止する」「国鉄線の、千葉県・首都圏的、全国的なストップ」「天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだす」こういうふうに、電車の運行を実力で阻止する、国鉄線の千葉県・首都圏、全国的なストップをやると機関紙に書いてあるのですよ。それから、彼らの今までやっていた行動を見ますと、ケーブルの切断、通信ケーブルをねらった犯行を重ねているのですね。それで社会の混乱を招いている。 「53年5月の成田空港開港時には埼玉県内で東京航空交通管制部に通じる同軸ケーブルを切断して航空機の発着をできなくさせ、57年3月には千葉や茨城で国鉄の信号ケーブルを切って28万人の足を奪った。今回も同種ゲリラの発生は必至とみられていた。このため、警備当局は都内で厳戒態勢を敷いていたが、裏をかかれた。」これは11時ごろ警備を緩めちゃっているのですから、もうやったときには緩めているんだから、当たり前のことです。これは何も赤旗が書いているんじゃないですよ。マスコミの社説が書いている。念のために言っておきますがね。マスコミの社説すらこう言っているんですよ。もう事前に18日に国鉄は麻痺する、大混乱を起こすと言っている。彼らの国鉄を麻痺させる手段としては、ケーブルを切断するということを過去にもやっている。それなのに、その裏をかかれている。こういうことに対して警察はどう思われるのか。あなた方は何か共産党を意識して、共産党が泳がしているというように思うかもしれませんが、これを警察の反省の資料に……。(資料を示す) マスコミがみんなそう言っているんですよ。これを見ますと、75年4月3日の毎日には、「相次ぐ内ゲバ事件がいっこうに解決しない現状から警察の”泳がせ論”もある」こういう意見。赤旗で言っているんじゃないですからね、よく聞いてください。それから78年1月28日の読売には「(内ゲバ事件の反復の)もう一つの疑問は、内ゲバ事件の犯人は、なせ捕まらないのか、ということである。一昨年以来、殺人内ゲバ事件はほとんど未解決である。一般に、わが国の殺人事件の検挙率は高く、過去10年間95%を下回ったことがない。「警察は、過激派を泳がせている」という声すら出ている」、こういういわゆる過激派と称する暴力団の殺人の検挙率というのは何%か、参考に聞かしてもらいたいと思う。読売の社説もこう言っている。著しく下回っている。この中から、警察は過激派を泳がせているという声すらも出ている。 それから、これは各新聞はみんな書いていますから、朝日新聞も言わないと公正を欠きますから、朝日新聞の80年の11月1日付には、「凶悪な殺人事件が繰り返され、それぞれの組織が、公然と犯行声明を出したりしている。それなのに、殺人犯人はなかなか検挙されない。一般市民が納得できない感情を抱いていることは否定できない。警察当局は内ゲバ事件の防止、検挙に全力をあげてもらいたい」、こういう記事が出ているわけですね。67年11月の朝日には、「政府、自民党内部には、三派全学連は規制するよりはむしろ適当に泳がせておいた方がよい、との意見もある」、これは朝日が書いている。もう各紙がみんなこう言っているのですよ。だから世間で不思議に思うのは当たり前ですよ。毎月毎月予告つきの事件が起きていて、1月に3回も起きていて、しかも殺人事件があったり放火があったり、勝手なことをやっていてちっとも検挙しないのですから、それは警察が特別な関係を持っていると市民の方が思うのは当たり前の感情ですよ。それで、個々の事件でなくて組織的に聞きますが。警察の方はいわゆる中核派に対して捜査のルートか何かあるのですか。向こうの方は警察の動きを全部知っている、あなたの方は何も持っていない、それじゃあなたの方は泳がしていると同じじゃないですか。それはどうなんですか。これは私も前にちゃんと警察の答弁も得ていますよ。 |
[224] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 鏡山昭典 ただいま新聞などで御指摘いただいたわけでございます。確かにマスコミ等でそういうように書いてございますけれども、マスコミも、警察が泳がしているということではなくて、そういう声があるとか意見があるというようなことでございます。政府関係者からかつてそういう発言があったということでございますけれども、警察といたしましては治安の維持という立場から、泳がしておるというようなことは決してございません。これは私どももいつも申し上げているわけでございますけれども、一線の警察官はもう命を張って極左対策をやっておるわけでございまして、昭和42年から現在まで11人の殉職者も出しておりますし、2万人近い負傷者も出しておりまして、こういう一線の苦労を考える場合に、泳がしておるということは決してないというふうに私どもは言えると思います。ただ、問題はやはり捕まえていないじゃないか、こう言われますと、確かに今のところ発生件数に比べまして逮捕というのが非常に少のうございます。その意味では、先ほど先生がお読み上げになりました朝日新聞の中で「一般市民が納得できない感情を抱いていることは否定できない。」というような主張につきましては、私ども謙虚にこれを受けとめまして、今後とも最大の努力で進んでいきたいと思います。 しかし、同時に、11月1日付の朝日新聞の最後の部分に、「内ゲバ事件の根を切るためには、社会が暴力に対する怒りを結集する必要がある。過激派は大学や労組などの内に、活動の根拠地を求めている。そうした場にかかわる人々が暴力集団の凶行を許さないという決意を明確に示すべきだろう。これは社会と反社会集団の戦いである。」というふうにこの社説でも書いてございますけれども、私どもはもちろん最大の努力をいたしますと同時に、国民の皆様方の御支援と御理解を得まして、今後とも極左対策に全力を挙げていきたい、こういうふうに考えております。 |
[227] 日本共産党 林百郎 だから私先ほど言ったでしょう。11月18日の中核派の機関紙の「前進」で「電車の運行を実力で阻止する」「国鉄線の、千葉県・首都圏的、全国的なストップ」「天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだす」、こう新聞に書いてあるのですよ。それじゃ、これは予告でわかるじゃないですか。これに対してどうでも捜査の方法、本部だってあるし何だってあるんだから、中核派には。警察の力をもってすれば幾らでも捜査できるのじゃないですか。しかもなお問題になるのは、さらに今後もやるとまで言っているのですよ。これは中核派の「軍報」という名前の機関紙ですが、「軍報」の中で中核派は、「今回のゲリラは国の民営、分割化に対する制裁で、今後、国鉄のあらゆる機能を戦場化する」こういう新聞も出ているのですよ。あなた方は警察でこういう情報をとってないのですか。これはあなた、マスコミでちゃんととっている。マスコミがちゃんと載せていますよ、毎日新聞。これをとっていますか。とっているとするならあなたは今後どうするつもりですか、こういう情報が出ているなら。 |
[233] 日本共産党 林百郎 それでは、これは大臣にもお見せしておりますけれども、歴代の自民党がこう言っているのです。例えば1967年の10月8日の羽田事件の直後に、当時の官房長官の木村俊夫君が、「羽田事件の対策には強硬な処置をとらないことにした。日共対策上そうした方がいいからだ」。それから1967年11月12日、保利茂君が、「三派全学連は泳がせておいた方がよい。そうしないと全学連は日共系一本にまとまる。その方が危険だ」。 それから1969年の5月3日、これは朝日新聞に出ているのですが、中曽根君が、「佐藤内閣をささえているのは反日共系学生だという見方もある。彼らの暴走が、反射的に市民層を反対にまわし、自民党の支持につながる作用を果たしている」。それから昨年の9月19日、自民党本部の放火事件があったときに、浜田幸一君が、「この責任はだれにあるかというと、泳がしていたわれわれにあると思いますよ。「中核派」を泳がしていた。やっぱり法律違反で破壊するものを泳がせた。そういうひとつの政策の誤りがあるんじゃないですか」。歴代の自民党の政党幹部あるいは行政の幹部が背こう言っているのですが、あなたこういうことを知りませんか。 |
[234] 法務大臣 嶋崎均 今のお話のようなことは全く存じておりません。しかし、いずれにしましても、こういう問題につきましては、この民主主義の社会というものをきちっと維持するというような意味でも断固たる処置をとらなければいけないと私は思っております。 |
昭和61年01月23日 参議院 決算委員会 |
[217] 日本共産党 佐藤昭夫 この間の1月20日に京都大学でいわゆる中核派と革マル派による内ゲバ殺人事件、これが発生をしました。この際、この問題に関係して少し聞いておきたいと思うんですけれども、とにかく白昼、つい隣の教室では授業が始まっている、こういう状況のもとで暴力学生集団の殺人事件が起こったということでまことに許すべからざる事件であります。我が党は大学を舞台にした一部学生による授業妨害や暴力行為、こういった行動についてその根絶のために関係者の毅然たる対処を早くから要求をしてきたということは、これは教育の分野でずっと仕事をされてきた海部さんもよくよく御承知のところだろうと思いますけれども、しかし現状まだ完全に根絶をされたという状況にはなっておりませんね。京都大学でも私の調べたところではこの3年間で7件の暴力事件が起こっている、昨年はかなりの負傷者も出る事件が起こりました。それから、いわゆる授業妨害行動、バリケードを築いて教員が入れないようにして授業をつぶしてしまう、あるいは何かの集会をやるということでそれを授業が予定をされている教室にわざわざぶつけて、そして事前にそこが占拠される、したがって授業ができない、こういうことが少なくとも去年の後半期2回、京都大学なんかでは起こっている。これは京大だけじゃない、全国的に大なり小なりあることじゃないかというふうに思うんですが、京大でのこういう事態については文部省御存じですか。 |
[218] 政府委員(文部省高等教育局長) 大崎仁 1月20日の午前10時30分ごろに京都大学の教養部A号館の2階におきまして暴力事件が発生をいたしまして、ついに被害者が死亡に至っだということは承知をいたしております。 [219] 日本共産党 佐藤昭夫 それはもう新聞でもテレビでも書いているから、承知しているのは当たり前。暴力事件が今回たまたま発生したということじゃない、ずっと続いている、3年間に7件も起こっている、授業妨害行動も後を絶ってない、こういうことを知っていますか、詳細、いつ、何月何日、負傷者が何人と、そこまで私は聞いておるわけじゃない。そういうことを知っていますかと。 |
[220] 政府委員(文部省高等教育局長) 大崎仁 京都大学も含めまして一両年遺憾ながら学内における学生の暴力事件ということが若干件生じておりまして、学生団体間の抗争がその主たる原因になっておるところでございます。 京都大学につきまして申し上げますと、昭和60年度に入りましても数回、いわゆる封鎖でございますとか、授業放棄といったような非正常な状態が見られておりまして、甚だ遺憾なことであるというふうに考えておる次第でございます。 |
昭和61年03月06日 衆議院 予算委員会第一分科会 |
[088] 日本共産党 梅田勝 ここに、京大教養部学生自治会が出しましたビラを持ってまいりましたが、ことしの1月20日に、授業中の京大教養部の構内におきまして、いわゆるにせ左翼暴力集団の中核派と称するものがおりますが、それに属すると言われております1人の学生が殺害されるという事件が発生をしたわけであります。これは、一般新聞が報道いたしておりますような、大学職員が「若い男性が後頭部から血を流し倒れているのを見つけ119番」したというような程度のものではございませんで、まさに朝の授業中、教室の横の廊下におきまして殴り殺されているのですね。その悲鳴に驚いた授業中の学生が飛んでいって、そしてみんなが取り囲んでいる、中にはとめに入る者もおるという状況の中で、まさに騒然たる状況のもとで殺人事件が起こっておる、全く驚くべき衝撃的な事件でございます。ですから、「こんな恐しい大学はもうがまんできない! 遂に殺人事件が! 当局は一体、何をしている!」ということを書かれ、「殺人者集団がのし歩く大学では、安心して学べない!」ということで強く善処が求められているわけでございます。ところが、この事件が起こりました直後、いわゆる革マル派というものが、その機関紙におきまして公然と犯行声明を出しているわけであります。私は、まだその犯人が逮捕されたというニュースを耳にしていないわけでございまして、まことに遺憾きわまることでございます。京都大学は言うまでもなく国立大学でございまして、毎年相当な予算がつけられているはずでありますし、会計検査院も毎年検査に入っておられると伺っております。先ほど申し上げたように、安心して勉学に精励できない、それから、大学の研究者も落ちついて研究ができないということになりますと、国費がむだにということになりかねないわけでございまして、何としても正常に戻す必要があるわけであります。 |
[090] 日本共産党 梅田勝 今申し上げたように、会計検査院の方が立入検査で入ろうとした、それが阻害されてできなかった、こういう事態は異常なんですね。それどころか、授業中に殺人事件が起こる。全く驚くべき事態だと思うのですね。第1点は、京都大学におけるこのような異常な事態についてどのように考えておるか。第2点は、昨年も後期におきまして教養部において中核派のバリケードが築かれて封鎖されて、教養部全体の授業ができなかった、こういう事態が何回か起こったようでございますが、事実かどうか。第3に、教養部におきましては教養部の部長室がないという事態が続いておるようでございますが、この3点についてどのような御認識を持っておられますか。 |
[091] 説明員(文部省高等教育局学生課長) 佐藤孝安 まず1点の、1月20日の学生の死亡事件でございます。確かに先生の指摘のとおりでございまして、1月20日に教養部の構内におきまして学生が白ヘル数名の暴行を受けて死亡した、こういう事態がございます。これにつきましては、私どもといたしましてはこのような事態は理由のいかんを問わず承服できない事件でございます。容認できない事件でございます。特に大学といいますのは要するに研究、教育にふさわしい平穏な状態に常に保たれているということが一番大切なことでございますので、こうした事件が今後二度と起こらないようにまた指導を強めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。それから2点目でございますが、京都大学で起こりました60年度の事件といいますと、教養部で封鎖が1回ございます。それから文 文学部で授業放棄それから封鎖が行われているところでございます。その報告がございます。それから第3の、部長室がないということでございますが、これも現在事実でございます。 |
[092] 日本共産党 梅田勝 ついでに聞いておきますが、この1月20日の犯人は逮捕されましたのですか。 |
[093] 説明員(文部省高等教育局学生課長) 佐藤孝安 ただいま警察当局で調査中でございまして、まだ捕まったというわけではございません。 |
平成04年05月19日 参議院 地方行政委員会 |
[275] 日本共産党 諫山博 警察白書によると、平成2年1月から12月までの極左暴力集団、私たちは、にせ左翼暴力集団と呼んでいますけれども、極左による皇室闘争関連のテロ・ゲリラ事件は127件となっています。組織ごとに、何件事件を起こしたのか、何件検挙したのか、検挙率はどうなっているのかということを説明してください。 |
[276]政府委員(警察庁警備局長) 吉野準 皇室闘争関連極左暴力集団の闘争でありますが、件数は御指摘の127件でございます。組織別では、中核派が111件、それから革労協狭間派というのがございますが、これが14件、もう一つ戦旗・荒沢というのがございますが、これが2件でございます。これらの事件の検挙でありますが、3件7名ということでございます。 |
[277] 日本共産党 諫山博 天皇問題で大変な警備体制をとったということは今説明がありました。ところが、平成2年の1月から12月までに127件テロ・リンチ事件が起きているわけです。3件しか検挙されていないということですけれども、中核派、革労協、戦旗・荒沢、これはそれぞれどのくらいの人員を擁しているのか、そしてこういうグループが事件を起こしたということがどうしてわかったんですか。 |
[278] 政府委員(警察庁警備局長) 吉野準 勢力人員でございますが、中核派の場合は約5000人、それから革労協、これは今狭間派と申しましたが、もう一つの派閥があるわけでありまして、それを合わせますと全体で約2500人、それから戦旗・荒沢、これは約700人の勢力を擁しております。どうしてわかったかというお話でございますが、これは一つには犯行声明というのを出します。それから、それだけではなくて、累積的な今までの事件の積み重ねがございますので、いろいろな手口がございます。こういうものも私どもは分析しておりますので、そういうものを総合いたしましてそれぞれの犯行というふうに決めたわけでございます。 |
[279] 日本共産党 諫山博 法務省に質問します。法務省からいただいた資料によりますと、極左暴力集団によるテロ・内ゲバ事件の発生件数と起訴件数は次のようになっています。読み上げます。 昭和58年20件発生、起訴0。 昭和59年59件発生、起訴1件、起訴率は1.7%。 昭和60年99件発生、起訴4件、起訴率は4%。 昭和61年98件発生、起訴5件、起訴率は5.1%。 昭和62年41件発生、起訴2件、起訴率は4.9%。 昭和63年42件発生、起訴2件、起訴率は4.8%。 平成元年28件発生、起訴0。 平成2年152件発生、起訴2件、起訴率は1.3%。 平成3年30件発生、起訴1件、起訴率は3.3%。合計すると、569件発生して起訴したのは17件、起訴率は3%。間違いありませんか。 |
[280] 説明員(法務省刑事局公安課長) 馬場義宣 お説のとおりでございます。 [281] 日本共産党 諫山博 もう少し警察白書のことを聞きます。警察白書を読みますと、極左暴力集団による即位の礼当日のテロ、ゲリラ発生は、6都県で40件とされています。どういう罪名で事件を起こしたのか、検挙件数は何件あったのか、説明してください。 |
[282] 政府委員(警察庁警備局長) 吉野準 罪名でございますが、迫撃弾を発射したものが9件でございまして、これはいろいろございますが、爆発物取締罰則違反ということでございました。それから金属弾を発射したものがあります。これは器物損壊等に当たると思います。それから放火、これが30件ほどございます。全部で40件でございまして、検挙につきましては現在なお捜査継続中でございまして、現在時点では検挙はございません。 |
[283] 日本共産党 諫山博 即位の礼の当日起きた事件を今なお捜査中といっても、これはなかなか捕まらぬのじゃないかと思いますけれどもね。もう一つ、大嘗祭当日の極左暴力集団によるテロ、ゲリラは、7府県11件とされています。主な罪名は爆発物取締罰則違反と放火、そして検挙なしじゃないですか。 |
[284] 政府委員(警察庁警備局長) 吉野準 数字は御指摘のとおりでありまして、事件につきましてはなお捜査継続中ということでございます。 |
[285] 日本共産党 諫山博 法務省に質問します。法務省からいろいろ資料をいただきましたけれども、この10年間に極左暴力集団のテロ・内ゲバ事件で何名死者が発生したのか、その中で起訴されたのが何名いるのか、説明してください。 |
[286] 説明員(法務省刑事局公安課長) 馬場義宣 テロ・ゲリラ事犯で死者が出た件数でございますが、昭和58年から申し上げます。58年は1件。59年、60年と死者が発生した事件はございません。61年になりまして2件。62年はございませんで、63年に1件、平成元年に3件、平成2年に3件、平成3年に1件、合計で死者が発生した事件数は11件でございます。そして、起訴の関係でございますが、死亡した事件で起訴した事件はございません。 |
[287] 日本共産党 諫山博 成田空港に関する極左暴力集団のあの妄動、あれで何人ぐらい死者が発生し、何人起訴されましたか、法務省。 |
[288] 説明員(法務省刑事局公安課長) 馬場義宣 検察において昭和58年から平成3年までの間に起訴した事件のうち、成田の関連のゲリラ事犯と認められるものは昭和59年の1件、昭和60年の1件、昭和61年の2件、昭和62年の1件、昭和63年の1件であり、被害者が死亡した事例はその中にはございません。なお、成田関連の内ゲバ事犯というものの起訴事例はございません。 |
[289] 日本共産党 諫山博 あの成田事件では、数え切れないぐらい刑事事件が発生しています。死者も非常に多いと思います。ところが、起訴された事件はほんのわずか、死者が出た事件はだれ1人起訴されていないという現状のようですけれども、警察の検挙はどうなっていますか。 |
[290] 政府委員(警察庁警備局長) 吉野準 私どもは、昭和46年以降で申し上げたいと思うのでありますけれども、死者の出た事件は6件発生しておりまして、人員でいきますと10人の方が亡くなっております。このうち検挙した者でございますが、昭和46年の9月16日に発生いたしました成田第二次代執行阻止闘争事件というのがございますが、これでは123人を検挙いたしております。その他の事件については、継続捜査中でございます。 |
[291] 日本共産党 諫山博 法務省にお聞きしますけれども、一般的に殺人事件の検挙率は95%を上回っているんじゃないですか。これは警察に答弁を求めましょうか。 |
[292] 政府委員(警察庁刑事局長) 國松孝次 そのとおりでございます。 |
[293] 日本共産党 諫山博 極左暴力集団に本気で警察は対処しているのか、泳がせているのではないかという批判が非常に強いですよ。それは当然です。彼らの犯行によって、何人も何人も死者が出ております。殺人事件の検挙率は例年95%を超しております。ところが、これほどの事件が検挙もされない、起訴もされないというのは、本気でやってないとか泳がせていると言われてもしょうがないじゃないかと私は思います。彼らの事件で一番多い罪名は、爆発物取締罰則違反、もう一つは放火事件、もう一つは殺人事件。これは、刑事事件としては非常に犯人を捕まえやすい事件なんですよ。たくさんの証拠が残るのが放火事件だし爆発物事件だし殺人事件でしょう。しかも、爆発物取締罰則違反というのは、爆発物を使用しただけではなくて、持っていてもひっかかる、情報を知っていてそれを届けなくてもひっかかる、がんじがらめに処罰できるような規定ができている、これが爆発物取締罰則違反です。ところが、この殺人事件の中には本当に気の毒な一般家庭の主婦とか、全くの巻き添えというような事件が何件もあります。そして、犯行声明までされている。警備局長、なぜこれが捕まりませんか。 |
[294] 政府委員(警察庁警備局長) 吉野準 今、泳がせているんではないかという御指摘がございましたが、これはぜひともはっきりお答えいたしておかなければいけないと思いますが、さようなことは断じてございません。そこで、なぜ捕まらないかということでございますが、確かに私ども努力不足の面もあろうかと思いますけれども、あえて申し上げますと、殺人、爆発、放火、一般の例と並べて比較されましたけれども、手口が全く違うわけです。爆弾を仕掛けるにしましても放火をするにしても、時限式発火物というものを使います。さらにまた、その装置が燃えまして、全部証拠が隠滅するようになっております。さらに申し上げますと、事前に大変綿密な調査部隊の調査がございまして、そういうことでなかなか、私ども前足、後足と言っておりますけれども、そういうものがとりにくいということで、捜査が非常に難しいという面があるのを御理解いただきたいと思います。 |
[295] 日本共産党 諫山博 私、事前にいろいろ警察の関係者と話し合いました。極左との知恵比べですよというような言い方をしているんですね。知恵比べだったら25万もいる警察が負けているじゃないですか。彼らはやりほうだいのことをやっている。私は、毅然とした態度であの極左暴力分子に鉄槌を加えていただきたいと思いますけれども、国家公安委員長の決意はどうですか。 |
[296] 自治大臣・国家公安委員長 塩川正十郎 私は、就任以来、暴力団対策と右翼、そしてさらには極左、こういう社会不安をつくっていく、暴力に訴える団体に対して断固たる処置をしてほしいということを言っておりますし、現に、先ほども警察庁長官が言っており ますように、あらゆる能力を結集してその方向に投入しておるわけでございます。今後も一層の努力をして、少しでもそういう不安を持たないように、国民がそういう不安から解放されるように、一層の強い指導に努めていきたいと思っております。 |
平成06年06月07日 衆議院 法務委員会 |
[072] 日本共産党 正森成二 3月4日の未明ですね、午前1時ごろだそうですが、浦和市にお住まいの東京高裁の部総括判事の近藤さんのところでどかんという大きな音がして金属弾と思われるものが打ち込まれたという事件があったようであります。警察庁においで願えないかと言っておりますので、この事件の概要や捜査の状況がどうなっているか伺いたいと思います。 |
[073] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 谷口宏 御指摘の事件は、平成6年3月4日金曜日でございますが、午前1時ごろ、埼玉県浦和市元町所在の、当時東京高等裁判所判事の近藤和義氏、61歳宅に対しまして金属弾が発射されました。同判事宅の外壁に着弾しまして、さらに発射弾の胴体部分が隣家の物置に落下いたしまして破損しましたという事件でございます。人的被害はございません。捜査状況でございますが、埼玉県では本件に関しまして捜査本部を設置して捜査しているところでございますが、革労協の狭間派が3月6日の日曜日に都内の報道機関に対しまして犯行声明を郵送したことから、革労協狭間派の犯行と見まして現在鋭意捜査中でございます。 |
[074] 日本共産党 正森成二 3月6日に犯行声明を出したのは、私どもの承知しているところでは革労協と名のるグループであったというように承知しておりますが、この事件は狭山事件と関係があるのではないか、こういうように言われております。といいますのは、76年の9月に、二審判決で無期懲役を言い渡した東京高裁の寺尾判事が車で出勤途中に過激派と見られる5人組にバットで襲われて負傷するという事件が起こっております。さらに90年10月には、判事として一審を担当したことのある弁護士の自宅が放火されて雨戸などが焼かれたということが報道されております。近藤さんは東京高裁の第四刑事部の裁判官となって狭山裁判の第二次再審請求の審理を裁判長として引き継いでおられたそうですが、再審請求をめぐって最近、請求の棄却が迫っているなどとしていた過激派がいるということも言われております。 そして、近藤さんは年齢が60歳くらいだそうですが、この犯行のあったその日あるいは翌日ですか、退官をせられているのですね。まだ定年までは間があったと思うのですが、これについて東京高裁の事務局長は、「事実関係は調査中だが、近藤判事の担当していた何らかの事件の処理に関係するものだとすれば、大変遺憾だ」というように言っておりますし、当時の日本弁護士連合会の阿部会長は、「裁判を妨害し、何らかの影響を及ぼす意図があったとすれば、司法に対する悪質な挑戦で、憤りを禁じえない」という趣旨の談話を発表しております。ですから、単純な犯行ではないのではないか。特に、裁判官が退官するというようなことと何らかの因果関係があれば、これは非常に問題であるというように思いますが、重ねて警察庁もしくは裁判所の御見解を承りたいと思います。 |
[075] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 谷口宏 事件後の3月6日に都内の報道機関に対しまして革労協の革命軍軍報が郵送されました。また、革労協狭間派の機関紙「解放」、平成6年の3月15日付でございますけれども、この犯行を自認する内容の記事が掲載されました。その中を見ますと、第二次再審棄却を策謀せんとすることに対しての革命的鉄槌である云々というふうな内容が書かれておりまして、狭山闘争に関連しましたゲリラ事件と見て鋭意捜査中でございます。 |
[076] 最高裁判所長官代理者(最高裁判所人事局長) 堀籠幸男 近藤判事は東京高裁の長官代行を約2年近くにわたってやっておられた方でございまして、かねてから勇退したいという意向を示しておられたわけでございまして、その発令が本年の3月4日になったという関係でございます。私どもといたしましては、狭山事件を担当していたとか金属弾が自宅に撃ち込まれたということを契機として退官したものではないのではないかというふうに考えているところでございます。 |
[077] 日本共産党 正森成二 事前にもうおやめになるということであれば、この事件があったからおやめになったということは、おっしゃるとおりないかもしれませんが、逆に言えば、犯行を行った者が、3月4日にやめるということを知っておって、それで犯行を行ったという可能性がますます強くなると思うのですね。そういう意味では、警察庁になるのか検察庁になるのかわかりませんが、やはりしかるべき捜査をしていただく必要があるというように思います。法務大臣がおられますので、警察の捜査がある程度熟せば検察庁にも上がってくるわけですが、政治家としてでも結構ですから、御感想がございましたら一言承って、時間が大体なくなりましたので、終わらせていただきたいと思います。 |
[078] 法務大臣 中井洽 御質問は承っております。先生のお話の御趣旨と違うかもしれませんが、いやしくも裁判官あるいは検察官が暴力等によっておどかされる、このようなことがあっては断じてならないと考えております。 |
(私論.私見)