日本共産党の取締強化国会質疑考

 更新日/2021(平成31.5.1栄和改元、栄和3)年.8.20日

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 2021(平成31.5.1栄和改元、栄和3)年.8.20日 れんだいこ拝


 昭和49年09月20日 参議院 決算委員会
 [259] 日本共産党 加藤進

 そこで、安嶋局長にもちょっと御認識をいただきたいのは、この日比谷における集会を主催した団体の中に中核派があるんですね。いいですか、中核派の名前でこの会場を借りておるんですよ。中核派というのは一体どういう組織ですか。これは赤軍派と関係ないですか。あるでしょう、中核派というのは。中核派は警視庁の調査によっても、ことしに入っただけで2件の殺人事件を起こしています。殺人団体ですよ。いいですか。先生をそんなところに寄りつかしていいという良心がありますか。そんな良心なんですか、あなたの良心は。また、警視庁の調査によると、ことしに入ってから中核派の殺人事件、これは2件ですが、これは指名手配済みです。これには横浜大学、沖縄琉球大学、死者が出ています。

 またわが党の調査によりますと、1968年以降、この6年間に死者30数名、重軽傷者4000数百名を数え、ことしだけでも5月時点で死者5名、重軽傷者209名を出している。これは中核、そうして革マル、こう2つのいわゆる内ゲバの起こした事件ですよ。内ゲバですよ、これは。それが中核派なんです。この中核派の機関紙「革共同通信」30号にはどう書いてあるのか。ちょっと読ましていただきますよ、これは教育上重要ですから。「わが部隊は、」――これは中核派の部隊ですよ。その集会を組織した主催者の部隊ですよ。「わが部隊は、潰走する反革命分子を徹底的に追撃して、鉄パイプの猛打をたたきこみ、せん滅した。」(笑声)笑いごとじゃないですよ。「……方余の労働者、学生、人民の眼前で、確実に血の海に沈めたのである。」と、こう言っています。誇り高く言っているのですよ。「わが部隊の攻撃の前に、さながら、日比谷一帯は、革マルの処刑場と化し、反革命分子のおびただしい血で染まったのだ。」、喜んでいるのです。「……路上に、ビルの角に、群衆のど真中に累々と横たわった光景は壮絶そのもの」であったと、こう言うのです。こういう連中ですよ。こういう連中のところへ先生が動員されて、拍手して、シュプレヒコールをやらされたのですよ。これが研修だと言うのです。いいですか、大体わかりますか。

 だから、すでにわが党林議員の質問に対して当時の後藤田警察庁長官は、これはまさに凶悪犯罪集団であると認定しているのです。このことについて研究しなくちゃならぬ、調査しなくちゃならぬ、もう少し考えさしてくれ、こんなことを文部省は言っているのですか。こういうものが参加しておる集会に、教育行政当局が研修命令として教員を参加させる、一緒になって反共演説に拍手し、共同のスローガンを叫ばせる、つまり教育行政当局、教員と中革派は凶悪な犯罪者集団と共同行動をとるまでに至っているのです、これは、客観的には。これが文部省の言い、法律に規定されておる研修の名に値するのか、こんなことを研修の名によって行なうことは絶対に許しがたい。むしろ文部大臣も、あなたも怒り心頭に発しなくちゃいかぬ問題じゃないですか、これは。冷静におれませんよ、こんな問題では。その上にこの動員のためには臨休態勢をとり、自習や授業カット、生徒を休ましています。これが教育ですか。これがほんとうに子供を愛する教育なんですか。そのための研修なんですか。

 こういうことは何もいま埼玉県の本庄市だけに初めて起こったことじゃありません。初めてじゃないのです、数年前に後藤田警察庁長官さえ答えておるのですから。いまなお彼らが蠢動をほしいままにしているのです。国内ではやれなくなったからといって外国へ行ってやっているでしょう。こういう連中ですよ。だから大阪、広島などの全国各地で解放同盟の一部による教育への不当な介入が至るところでやられています。これは私も質問しました。私たちの村上国対委員長も質問し、わが党の議員のほとんどがこの問題について質問しておるにかかわらず今日までそのような教育介入について文部省が厳格な適切な態度を一度分もとったんですか。そのつど文部省は事実を調査し、正すべきものは正します、何度も繰り返しました。これは奥野文部大臣以前の問題からどっと起こっています。
 昭和49年10月18日 衆議院 法務委員会
 [247] 日本共産党 正森成二

 それはあなた方も御承知のように、トロツキスト、中核、革マルといわれておる者がお互いに殺し合いをやり、そして声明を出すというようなことをやっておるということはあなた方は御承知のとおりですね。本年になってから東京都内で何件くらい事件が起こり、何名死者が出ておりますか。
  [248] 説明員(警察庁警備局参事官) 半田博

 手元にちょっと都内と全国の区別のある資料を持ってまいっておりませんので、全国の数字で申し上げたいと思います。10月15日現在で、全部の内ゲバでございます。これが210件発生をいたしております。483人が負傷をして10人が死亡しておる。うち365人を検挙しておる。こういうことでございます。ただいま御指摘のように、その中で、もと同じ派閥であります中核と革マルとの対立抗争事案というのが最も多うございまして、この210件の中で119件はこの両派の対立によるものであります。このうち中核派が革マルを攻撃したというのが61件、また革マルが中核を攻撃したというのが58件、ほぼ半々というふうなかっこうであります。また、これらの内ゲバで中核派が164人、うち死者4人、革マル派に112人、死者5人を出しておりますが、このほか沖縄の琉球大学の中で中核派が革マルの人と誤認をいたしまして殺してしまった、こういう事件が1件ございまして10人、こういうことに相なっております。
 [249] 日本共産党 正森成二

 そこで私は、そういうようにたいへんな数だということですが、その中でも特に見のがすことができないのは、最近ではお互いに予告をして、そして殺したり重傷を負わしたりしたあと、お互いに戦果を得々として記者会見をしているというような風潮になっております。あるいは機関紙の中でおれたちがやったということを誇示し、あるいはまたやってやるのだということを言っておる、こういう状況になっておりますね。これはあなた方が御存じのとおりであります。

 そのうちの幾つかの典型例をあげますと、たとえば9月16日の「革共同通信」というのを見ますと、これでは9月10日に中核派の労働者が革マル派に殺されたことに対して報復を宣言して、「どんな手段に訴えてでも、革命的「等価原則」にのっとった報復を、血の復讐を断固として貫徹する」というようなことを言うておるのですね。あるいは、「高橋同志虐殺は、狭山闘争にたいする反革命的介入などに破産したカクマルの断末魔のあがきである。松崎明をはじめ労働戦線に巣くうすべての反革命分子、全逓カクマルに血の報復を」こういうことを言うておるのですね。特にこの場合は、9月14日に中核の政治局員などといわれておる北小路敏が記者会見をして、そして「高橋同志の報復のためにやった」とか、今後も続けるんだということを言うておる。これに対して革マルのほうの「解放」という機関紙がありますね。それを読みますと、「わが戦士たちは難なくアジトに突入、高橋の身体に階級的怒りに燃えた鉄槌をたたきこんだ。恐怖に震えて声も出せないこの突撃隊員は右肩、右手首、右足にしたたかな鉄槌をくらって「撃沈」されたのである」。こういうことを堂々と書いておるのですね。

 そして10月3日にも御承知のように、1日に2つもお互いに殺し合い、傷つけ合うということがありましたが、それについては両方とも記者会見をして、たとえば中核派は、「これは高橋範行の報復第一弾である」。今後もやるんだということを言うておるわけですね。まことに傍若無人だといわなければならないと思うのです。あなた方は、こういうように記者会見をして、みずから認め、さらに予告をするというようなことに対して、法律上の何らかの条文を適用して、これらの記者会見をしている中心人物あるいはその他について規制をなさるおつもりはありませんか。
 [250] 説明員(警察庁警備局参事官) 半田博

 ただいま御指摘のように、いろいろ彼らの機関紙等の中にそういった予告でありますとかいうふうなものが出ておるわけでございますが、ただ、現実に捜査をしていく場合には行為者を特定しなければならないわけでございます。そういう点で行為者の特定ということになりますと、たとえば最近はそういうところに捜索をしましても、捜索場所を転々と変えておる、原稿が入手をできない。これはやっておるのでございますけれども、なかなか行為者の特定ができないというふうなことでございます。そういうふうなことでいろいろいま知恵をしぼって考えておるわけでございますけれども、そういった一般的な形では出るのですが、個々の事件を立件するという段階になると非常に困難が伴っておるというのが現状でございます。
 [251] 日本共産党 正森成二

 いろいろ刑法上の措置をとるには困難な点もあると思いますけれども、ここまで傍若無人なことをやっておる場合に、たとえば殺人の予備という条文もありますね。これは殺人の教唆ということですと、共犯従属性説の立場に立てばこれは非常に厳密な要件が要りますが、殺人の予備ということになれば、予備ですから、まだ実行されていないわけですから、これは刑も軽いかわりに構成要件も比較的ゆるやかである、こういうようになっておりますね。ですから、あなた方がおやりになるつもりであれば、あなた方が情報を得られておるのは日本共産党の情報だけではなしに、このような集団についての情報も得られておると思うから、できないことはないと思うのです。それをなさらないというのは、あなた方がこれらの人々を泳がせるという方針をかつてとられたことがあると私どもは考えております。そういう続きがまだ残っておるんじゃないかという重大な疑いを持たざるを得ないのですが、そういうことはありませんか。
 [252] 説明員(警察庁警備局参事官) 半田博

 殺人の教唆という問題につきましては、ただいま御指摘のように、従属性説に立ちますとなかなかむずかしい問題がございますということでございますが、泳がせているのではないかというおことばでございますけれども、私どもといたしましても、極左暴力集団のために多数の警察官の血を流しております。したがいまして、私どもはそのような考え方は全くございません。一生懸命やっておるつもりでございます。
 [253] 日本共産党 正森成二

 いま一生懸命やるというようなお話でしたから、そういう立場でしかるべくやっていただきたい、こう思います。ただ、私はあえてそういうことを言いましたのは、あるいは残念でお気にさわったかもしれませんが、歴史的沿革を申しますと、非常に言いにくいことですが、かつてわれわれの同僚議員の保利茂氏が、「三派全学連は泳がせておいたほうがよい」。こういうように公言されたことは公知の事実であります。また、中曽根通産相が「佐藤内閣をささえているのは、反代々木系学生の暴走だという見方もある。彼らの暴走が、反射的に市民層を反対にまわし、自民党の支持につながる作用を果している」。これは1969年5月3日付の朝日新聞であります。こういうように報道されております。

 あなた方はやはりそういう政府の統制下にあるということをわれわれとしては考慮せざるを得ない。しかも、あなた方自身、60年安保闘争の当時に、唐牛健太郎などのトロツキスト幹部があなた方の小倉警視総監らと会っておったというのは厳然たる事実であります、本人がテレビで言うているのだから。また、アナーキストの背叛社があなた方のある警部を通じて資金供与を受けていたということも同事件の裁判で明らかになっております。

 ですから、あなた方がこれほどの爆弾事件やあるいはお互いの殺し合い事件、そしてまたあなた方警察官も多数負傷されるということについて、泳がせるというようなことはないと万々信じたいけれども、しかし過去にそういういきさつがあったから、痛くもない腹を探られないようにということを言っているわけで、あなた方としても厳に、警察法にいう公正、公平な厳然たる態度をやはりとられるようにあえて注文しておきたいと思います。そして成果をあげていただきたい、こういうことを私どもは期待しておきたいと思います。
 昭和49年12月23日 参議院 予算委員会
 [290] 日本共産党 須藤五郎

 東京都は、8月30日に、台東区にある産業労働会館という地域住民を対象とした同和施設を、狭山裁判現地闘争本部として解放同盟朝田派が使用するのを同会館運営協議会の反対を押し切って許可しております。解放同盟朝田派は、この会館に長さ9メートルに及ぶ狭山現地闘争本部という看板を掲げ、宿泊設備もないところに外部からふとんを持ち込んで泊り込むなど、事務所同然に使用いたしました。この結果、地域住民の会館利用は著しく制限されました。そればかりか、この産労会館を舞台として去る9月16日、解放同盟朝田派と野合して使用していた暴力集団中核派は革マル派の襲撃を受け、いわゆる内ゲバが発生し、流血騒ぎとなり、救急車、パトカー3台、警官30人が出動するという事態となりました。解放同盟朝田派はこの事件に対する警察や館長の事情調査を拒否し、完全な無法区域と化し、周辺住民に大きな不安を与えました。公共施設の不法な使用許可、また不法な利用が内ゲバにまで発展しているのであります。自治大臣は、本来の目的に反して公共施設の使用許可が与えられていることについてどうお考えになりますか。公安委員長は、公共施設において内ゲバが行なわれていることをどう思われるか。当日の状況、警察の対応について説明をされたいと思います。また東京都は、10月11日付で同会館使用を申請した部落解放同盟正常化東京都連絡会議に対して、知事が使用を不適当と認めるという以外の何らの理由を示すことなく不許可にいたしました。一方に対しては約1カ月にわたって不法使用を認めながら、解放同盟正常化連に対しては理由もなく使用させないということを続けている。いま上田議員の質問にありました通達の立場から言って、これについての自治大臣の見解を伺いたいと思います。
 [291] 自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 福田一

 ただいまは自治大臣と国家公安委員長に対する御質問でございますので、分けて申し上げますが、自治大臣といたしましては、地方公共団体が暴力によってその自主性をゆがめられて、そうして行政をしておるとしたならば、そういうことはあってはならないとわれわれは考えておるわけでございます。暴力は、絶対にこれは否定されなければならないのでありますが、ただいま具体的な問題について御質問がありましたから、警察の立場からちょっと御答弁をさせていただきますが、警察は同和問題であるといなとを問わず、また地方自治体であると個人であるとを問わず、およそ集団暴力等によって被害を受けた事実を認知した場合においては、法の規定に基づきまして、事態に応じて警告、制止、検挙等所要の警察措置を講じてまいっているところでございます。

 お尋ねの東京都民生局の問題につきましては、本年8月下旬ごろ部落解放同盟東京都連合会が、同和予算の要求に関し東京都民生局長と交渉した事実については承知をいたしておりますが、本交渉の過程において都側から、暴力行為とか施設占拠等につき被害申告等を受けた事実はございません。なお、この産業労働会館を部落解放同盟が使用した事実は、先ほど御案内がありましたとおり事実があることは承知いたしておりますけれども、しかし同会館の使用については、お尋ねのような不正使用ではなく、部落解放同盟が管理者である東京都から正式に許可を受けて使用していたと聞いております。したがって、同会館の使用をめぐって、東京都から警視庁に対して警備要請等は全然なかったということでございます。

 労働会館の内ゲバのお話でありますが、お尋ねの件は本年9月16日に発生した事案をさしているものと考えますが、9月16日の午後1時30分ごろ、東京都営産業労働会館の管理人から、会館の玄関付近で15~16人がけんかをしているとの110番へ通報がございました。直ちに所轄浅草警察署からパトカーが現場に急行いたしましたところ、会館入口付近に20人くらいの者がいたので事情を聞きましたが、内輪げんかだから関係がないと言って事情聴取に応じませんでした。このような状況で関係者の協力が全く得られない、事態を把握するに支障を生じたのでございますが、その後、革共同の革マル派が前進派を襲撃した内ゲバ事件であったと両派が機関紙等で言っているので、この点をも含め事案の解明につとめているのが、ただいまの警察としての措置でございます。
 昭和50年02月15日 衆議院 予算委員会
 [034] 日本共産党 石母田達

 また、中核派、革マル派の内ゲバの殺し合いによって、これがまた職場の中に暴力が持ち込まれている事件も起きております。9月14日、中核派の北小路政治局員の、9月に中核派の全逓の労働者が殺されたから今度は革マル派の全逓の労働者を殺してやる、こういう宣言が堂々と朝日新聞に載ること自体が私は異常だと思う。しかもこの宣言どおりに、10月3日に革マル派の山崎洋一、東京中央郵便局の局員の人でありますけれども、これが中核派に殺されておる。続いて、10月15日、12月1日にも中核派、革マル派の労働者が一人一人殺されるという事件が起きておるわけです。また、動労の革マル派、これによる暴力事件が特に国鉄関係、青森機関区、あるいは北海道の釧路、標茶、名古屋の稲沢第二機関区、こういうようなところで起きて、安心して労働者が就労できない。中には、ノイローゼを起こしてとうとう職場をやめた人が、私どもの方の神奈川の浜川崎の機関区にも出ておるわけです。一体こういうことがどうして起きるのか。
 [049] 日本共産党 石母田達

 それでは、やはり職場の動労革マル派による暴力事件の一つの事例として、私は国鉄の青森機関区の問題を取り上げたいと思います。この問題については、わが党の梅田議員が直接現地を視察してまいりまして、そしてまた質問も発し、国鉄当局からもその回答をいただいております。私は国鉄総裁に、昭和48年4月以降、国鉄の青森機関区において発生した暴行等の事実について、どういう状況であるかお伺いしたいと思います。
 [050] 説明員(大蔵大臣官房審議官) 藤井淑男

 お答え申し上げます。国鉄に関するものは、御指摘のように、青森機関区というものを中心にしてこういう遺憾な事件が起こったということでございます。御承知のように国鉄には、動力車労働組合、動労と称しておりますが、これと、全国鉄動力車労働組合連合会、全動労、こういう2つの組織がございます。この2つの組織がいざこざを起こしまして、いわゆる管理者、監督者をも引き込んで、昨年の4月以来68回ぐらいこういうトラブルが起こったということが全貌でございます。具体的に申し上げますと、全動労の青森支部に属する職員を動労の組合員が、詰め所か何かで取り囲んで追及をやるとか、あるいは説得をやるとか、いやがらせをやるとか、こういうことをいたしまして、これをとめに入った監督者側も引き込まれたということでございます。かかることはきわめて遺憾なことでございますので、私どもとしてはあらゆる手を講じて、これがうまくおさまるように努力した結果、遺憾ながら、4月に起こりましてから68件去年起こっているのでございますけれども、6月から8月ぐらいは、大体おさまりかかっておったのでありますが、年度末になってまた少し起こってきたということでございます。職場であらゆる努力をいたしました結果、昨年の12月から1月にかけては大体おさまっておるというような状況になりました。今後とも、こういうことを起こしますと、職場の機能は麻痺するのみならず、私どもの輸送の業務というようなことも完遂できないことになりますので、厳にこういうことが再び起こらぬように努力をいたす次第であります。詳しく何月何日にいかなる事件が起こって、どういう処置を講じたかというような御質問が仮におありでしたら、労働担当の理事も参っておりますので詳しく申し上げますが、大体私としては以上申し上げます。
 [051] 日本共産党 石母田達

 あなたの国鉄の方から梅田議員に対する回答ということで、ここに回答書があります。「昨年4月以降の青森機関区における暴行等の事実について 現場管理者及び局派遣者の報告を整理すると、昭和48年4月以降の暴行等を含むいやがらせ事件は68件に及んでいる」ということで、4月には14件、5月には何件という具体的な事実がすべて書かれておる。あるいは5月に起こった事件の中では、全治3週間の傷害を車両検修掛が受けた事実も報告されておる。中には、あなたの方で、助役などの管理職の人が暴行を受けて告訴しているということでありますけれども、その告訴の事実についてはどうですか。あるいはまた同時に、この問題であなたたちがとった特別の措置があれば、その措置も含めて報告していただきたいと思います。
 [052] 説明員(日本国有鉄道常務理事) 加賀谷徳治

 青森機関区におきまして起きました暴行事件は、ただいま総裁が非常にかいつまんで申し上げましたとおりでございまして、大体、説得、追及行動という形で、しかも非常に少数の人を多数で取り囲んでやるというようなパターン、それに対して助役が、その業務に支障を与えることもございますし、そういった行動については芳しくございませんので、そこへ割って入る。したがって、多数と少数の間でございますので、ついもみ合いとなる、けが人が出るというようなパターンで、程度の差はいろいろございますけれどもあったということでございまして、ただいま申し上げましたように、4月からそういうことが少しずつ起こってきた。これは春闘というような違法なストライキなんかやられておりますときには、現場が多少エキサイトするというような関係もありまして、その辺から出てきて4月、5月とかなり起こった。それに対して現場の管理者は最善の努力をして、それを防止すべくやったということになりますが、ただいまの総裁の説明のあったとおり、6月から8月にかけましては大体小康を得た、こういったようなことについても、よくないことだという反省があったのじゃなかろうかというような傾向も出てまいりましたのですが、9月以降、合理化反対闘争、あるいは11月になりますと、例の多少政治闘争のようなものもございましたし、それからインフレ手当の闘争といったような、一連のそういった現場におきます違法なストライキが続いた時期がございますが、その辺からまた多少その問題がぶり返してまいりました。

 具体的に一つ申し上げますと、たとえば9月の18日に、修繕庫、これは車を修繕するところでございますが、そういったところにおりました休憩中の全動労組合員数名に対して、多数の動労組合員が説得、追及行動と称して取り囲んでやったわけでございまして、これを見てすぐ管理者は制止しようとした。そのときに、管理者、それから全動労組合員の間のもみ合いとなりまして、管理者4名、全動労に所属する職員6名、約10名のけが人を出したというようなこともございました。それから、11月19日、フォード来日反対、それから私鉄支援闘争といったような行動で違法なストライキが行われた日でございますが、この日にやはり、いまと大体同じようなパターンで、午前中に連続的に3回も繰り返された。いろいろ管理者、それから局の人間なんかも、あらかじめそういう時期でございますから、現場へ動員いたしまして、極力警戒に当たり、この説得をし、阻止するというような態勢をとったのでございますけれども、残念ながら最終的には警察の導入というような形でその事態が回避されたということになっております。

 以後何件か起こっておりますが、いろいろな意味で、現場の処置としましては、これはいろいろな状況判断がありますが、職場のもめ事、職場内の問題でございますし、いずれ職場の中で一緒に働いてもらわなければならぬという者でございます。もちろん職場の規律をきちんとするというためには断固たる処置をとるという方針は変わりございませんが、その実情に応じて事を処していくということをやっておったというふうに、私ども最善の努力をしておったというふうに考えておる次第でございまして、その後12月ごろからだんだん進んでまいりまして、1月に入りまして最終的にかなり厳重な行政処分を行っております。停職5名、減給10名、それから戒告2名、17名のの、これはかなりきつい処分を行っております。処分後、大体いまのところは落ちついているというようなことでございまして、多少時間がかかっておるようでございますけれども、その現場の特殊事情に応じて、こういったことを再び起こさないような状態にするということも一つの大きな目的でもございますので、大体処置としてはよくなされておるのではないかというふうに考えます。それから告訴、告発の件でございますが、管理者の4名は告発をすでにしております。それから全動労に属します職員につきましても告訴、告発しておる者もございますが、まだそういうことに至ってない者もあると聞いております。これにつきましても、事実上本人の意思あるいは組合自身の意思といったようなものを尊重して行うべきものであるというふうに私ども考えますので、そういった者の意思を尊重しながら、全体の状況を勘案して対処してまいりたいというふうに考えます。
 昭和50年02月26日 衆議院 予算委員会第二分科会
 [294] 日本共産党 山原健二郎

 最初に私どもの調査した状態をちょっと申し上げますと、全国約400の国公私立大学のうち、トロツキスト暴力集団により、程度の差はあれ、教職員、学生の教育、勉学、研究活動、自治活動あるいは政治活動の自由を侵されている大学は、20都道府県の53大学に及んでおりまして、この53大学に学んでいる学生の数は約57万人でございます。こういう状態が私どもの調査で出ておりますが、文部省としては、こういう数字をつかんでおりますか。
 [295] 政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 文部省としましても、大学の研究、教育の正常な運営が阻害されておる状態につきましては、各大学からの報告、あるいは新聞報道、あるいは各大学関係者の会合等における事情聴取等を通じまして、随時実態の把握に努めておるところでございますが、文部省の調査能力もおのずから限界がございますが、可能な限り実態把握に努めるという態度で努力をいたしておるところでございます。
 [296] 日本共産党 山原健二郎

 私の方の調査をもう少し申し上げましょう。まず第1番に、暴力集団を批判したり暴力に反対をする学生が、長期にわたって授業を受けることができず、大学構内に入ることもできない、あるいはビラの配布や学内集会などの自主的な活動が公然とできないところが、大体6つの大学、学生数にしまして16万7200名。それから2つ目の問題として、大学構内でのビラ配布など自主的な活動がテロ、リンチの危険にさらされているところが32大学ございます。この大学に学ぶ学生数は28万8200名。3番目に、状況によって学生大会や集会などが暴力集団によって襲撃されるというおそれのあるところ、これが22大学、学生数にしまして11万4000名、こういうふうになっております。

 これは前に調査をしましたときと比べますと、先ほど、1、2、3と、私、分けましたけれども、1の大学が前の調査のときには3つの大学でございました。それから2の大学が14。それから3の程度の大学が15大学。合計32大学でしたが、この間多くの学生や教職員の努力によって、15の大学では暴力支配がほぼなくなっております。けれども、新たにまた36の大学に、程度の差はありますけれども、暴力的な支配が横行しておる、こういう状態になっているわけです。そして1968年、一昨年以降、この6年間に死者30数名、重軽傷者4000数百名を数えております。これは警察庁で調査してもらったのを私どもいただいたわけですが、それによりますと、49年度じゅう、昨年度じゅうに、殺人が10件、それから傷害が261件、こういうふうになっているわけです。警察庁の方お見えになっていますか。この数字は合っておりますでしょうか。――まだですね。わかりました。こういうことです。だから、私どもの調査はかなり精密に行ったわけですが、そう間違いはないと思っています。こういう状態の中で、学校へ行けない、あるいは学校へ行くことによって危険を感ずるとかいうような学生が出ております。たとえば、いわゆる中核派と呼ばれる暴力集団の非常に全国的な、中心的な拠点と言われておるというわけですけれども、法政大学の場合、文部省の調査では、大体どれくらい学校へ行けない生徒がいるでしょうか。
 [297] 政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 私ども、法政大学の問題につきまして、大学当局の方から、必要に応じまして事情聴取もいたしておるのでございますが、通常の授業を受ける際に登校できない学生が果たして何人ぐらいおるかという学生数の把握等につきましては、大学の方もわかりかねておる。ただ、いろいろと学生団体で、ある宣伝活動をしますとか何かあります際に、現にその衝突が起こり、暴力事件にまで及ぶという事実がございます。なお、現在、各学部の教授会に、学生が平穏な形でどうも試験が受けられない、だから何とか大学当局の方で図ってくれという申し出をした学生は23人ある、こういうふうに大学当局の方から私ども聞き及んでおります。
 [298] 日本共産党 山原健二郎

 試験を受けることができない、何とか身の安全を保障してもらいたい、試験を受けられるようにしてもらいたい、こういう申請が大学当局に対して23人の学生の間から出るということ自体、これはもう大変悲しむべきことなのです。法政の例をちょっと申し上げて見ますと、一つの形態は、学生の前から隔離して目の届かぬところで身体に危害を加える。もう一つの形態は、集会の形式で糾弾、暴力を加える。さらにもう一つの形態は、その場で鉄パイプで殴る、こういう状態があります。

 ちょっと一例を申し上げますと、71年にK君というのが、図書館に連れ込まれてリンチを受けています。裸で鉄パイプで殴られ全身打撲、その打撲を受けた場所をそろばんでかきむしる、そこにまた塩をすり込む、そして黒い布に包まれて55年館前に放り出される。このK君が、血圧ゼロ、入院6カ月という状態です。

 2つ目の例を見てみますと、これは71年の6月12日のT君の場合です。彼は、「橋のない川」の上映ビラを女子学生が配っておりましたが、その女子学生を、黒いヘルメット、赤いヘルメットをかぶった、黒ヘル、赤ヘルと呼んでいるそうですか、それが、お前は差別者だと言って殴りつけた。これにとめに入ったこのT君が、学生ホールに連れ込まれて、机の上のいすに座らされ、6時間にわたって暴行、危篤状態になっています。そのときに虫ピンで刺されてもいます。これは学生がその現場を見ておりまして、約100名の学生が見守る中で行われたわけですね。この学生諸君が、やめろやめろ、こう言っておるのですけれども、この君を取り巻いておる集団は武器を持っているわけですね。どうにもならないわけです。そして同じくT君が翌年の11月に再び赤いヘルメットをかぶった連中につかまって、学生ホールに連れ込まれて――この首謀者もわかっておるわけです。第一法学部の森垣という自治会委員長を僣称しておる人物でありますが、4時間にわたって暴行を受けています。そしてこのT君の場合は、学校の正門に、ちょうど警察のやる指名手配の顔写真を張るようにして、これに対する暴力宣言、これをやっつけるんだという宣言文と一緒に顔写真が張られるというような状態ですね。

 それから昨年、74年9月19日には、Y君の場合ですが、奨学金を受け取りに学校へ行きまして、そこでつかまって4時間半暴行を受けます。55年館の前で机の上のいすに座らされて暴行を受け、あげくの果てはたばこの火をすりつけられて殴られる。このときには当局の学生課の職員もこれを目撃いたしております。このときに解放同盟の腕章を巻いた人物が、徹夜になってもよいからやれ、こういうけしかけをやっておる事実も明らかになっています。3つ目の例として、これは無数にあるわけでございますが、昨年5月17日に、S君が授業に行って、帰りにつかまって殴られる。めがねは壊され、まゆ毛の上を3針縫うという状態。同日にU君というのも、科目の登録に行って、帰りにつかまって殴られるという状態が起こっております。

 こういう暴力事件の中で、登校することができない状態、登校すれば危険であるという状態が起こっているわけです。先ほど大学局長が言われた23名というのは、その中の一部の方たちだと思うのです。こういう状態で、ちょうど学校の教授会に対して、この学校へ登校できない学生諸君が訴えの手紙を出しております。私もその写しを見せていただいたのでございますけれども、これは全くやり切れない気持ちにさせられるわけでございます。その中で、大体どういう状態かと言いますと、本校キャンパスに入れば直ちに暴力集団にねらい撃ちにされ、授業を受けることは全く不可能な者が、法政大学一部に3名、二部に9名、計12名。それから暴力集団にねらわれており、入校することが非常に困難であり、ほとんど本校へ入れぬ者、一部9名、二部42名、計51名。それから絶えず一定の危険にさらされているという者、入校するのに非常に用心が必要な学生の数は一部12名、二部8名、計20名。入校することが状況により危険である学生の数は一部26名、二部0名、計26名。以上総計しますと109という数になりますが、これはもちろんこういうふうにわかった数でございますから、そのほか多くの学生、教職員が脅威を感じながら生活をしておるというのが実情だと思います。こういう状態ですね。これはいまここでお聞きしても、きょうのところは、大学当局に聞いて調べる以外にないと思いますけれども、しかし、これは偽りの報告がなされておるなどという状態ではありません。こういう事態は法政大学だけではありません。九州大学の場合も、昨年1年間に34件の暴力事件が発生をしまして、ことしに入りましてから九州大学の場合は一層ひどくなっている、こういう状態が報告されております。私はまず第一番に、こういう事態の認識を、形式的にはちょっとわかりにくいと思うのですけれども、もう少し大学の深部の状態というものをつかんでいただく必要があるのじゃないか、こう思います。どうでしょうか。
 [299] 政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 先ほどもお答えしたところでございますが、文部省としましては、新聞報道あるいは大学当局から、私ども、より以上の注意をいたしまして、できるだけ詳細な実態を把握する努力を一層継続してまいりたい、かように存じております。
 [300] 日本共産党 山原健二郎

 法政大学当局が、武器の持ち込みとか夜間宿泊を認めないなどという6項目3原則というのを出しておられます。これは48年6月の11日に法政大学として出しておられるわけです。たとえば6項目を見ますと、「人身に対して危害を加える行為」「凶器となるべきものの所持と集積、威嚇行為など、暴力行使の準備となる行為」「大学の運営に重大な支障をおよぼす業務、授業、試験の妨害」「大学施設の不法使用・占拠・封鎖および破壊」「許可なき者の大学施設の徹夜使用・宿泊」「許可なき学外者の大学構内への立入り」、これが6項目で、また3項目という建物の使用その他について出ています。3番目には「すべての学生団体は、思想・信条の相違と対立を暴力によって決しない旨の意思表示を、大学が確認しうる方法で行なうこと」などというものがあるわけです。そしてもちろん一定の努力はいたしておるわけでございますけれども、しかしなかなか実効が上がらない。一方は武器を持っているわけですから、武器を10人が持てば、100人行ったってこれはかなわないわけですね。そういうことが公然と行われるということは大変残念なことだと思うのです。そこで、ではそういう暴力を使う連中が各大学において多数を占めておるかというと、調べてみますと全く少数なんですね。本当に少数なんです。それと同時に、この法政の場合も、いわゆる外人部隊、学外から来る、これがいるわけです。だから大学だけ責めたってちっとも問題は解決しません。

 たとえば、これは法政大学で45年8月3日に起こった事件でございますけれども、これは新聞にも出ましたのでもう御承知だと思います。これは8月3日に革マル派系の東京教育大学の学生の海老原俊夫という人物を、中核派と称する連中が池袋駅でつかまえまして、そして同人をタオルで覆面をさせてその両わきを抱えて、約30名が3列縦隊で彼を隊列の中に閉じ込めて、そして池袋から法政大学まで連れてくるわけです。そして法政大学の第二校舎の地下、全関東美術連合本部なる部屋に押し込めまして、そして彼に目隠しをし、いすに座らせロープでいすに縛りつけた上、数人で取り囲み、同人の当日の行動、東京教育大学における革マル派の組織、活動状況等について追及しながら、生きて帰ると思うななどと脅迫し、そうしてついに最後には、同人に対し、金づち、角材、ヌンチャクあるいは空ビン、手拳等で同人の両大腿部、両下腿部、両肩部、背部、両腕、胸部、腰部等を多数回殴打し、同人が気絶するとその全身に水を浴びせて意識を取り戻させ、さらに同様の暴行を繰り返し、よって同人をして全身にわたる打撲挫傷等を負わしめ、間もなく同所において右傷害に基づく失血性ショックにより死亡するに至らしめた。その死亡した死体を東京厚生年金病院の正面玄関に運搬してこれを遺棄する、こういう事態ですね。この中心人物は、中核派の中央大学生の富山保信という人物であります。殺人行為の首謀者です。ところが彼は、逮捕されておりますが、48年8月11日に60万円の保釈金を積みまして保釈になっているわけです。保釈になって、今度起こりましたところの、全逓の革マル派と呼ばれる山崎殺人事件が発生するわけです。その殺人事件にまた参加する、こういう状態ですね。まさに殺人行為の主犯が保釈になる、そしてまた殺人を繰り返す、こういう事態ですから、こういうことが許されているという、全く異常な状態なんです。これは警察庁の方おいでになりましたか。またですか。このように、法政大学といいましても、学外から来て殺人行為を行っているわけでございます。

 そして昨年の5月13日に第一次の法政大学前での大規模な衝突が発生をして、死者1名、重軽傷10数名が出るわけです。このときに警察当局が学生自治会室106号、107号、108号室に入っておりますが、これは学校当局が発表しておりますけれども、ここでは鉄パイプ88本、竹ざお44本、その他ヘルメットその他の武器が押収されるわけです。

 それから、昨年の9月に至りまして第二次衝突が行われています。これは学生会館に革マル派が乱入をするという事態ですね。
学生会館を見てみますと、これは警察当局も述べておるようですが、入り口がトーチカのようになって、人がほんのわずかのすきしか入れないようにしているわけですね。1人しか穴を通って入れない。いわば学生会館が要塞化されている。しかも、この学生会館はりっぱなものでございまして、平常ならばここで学生諸君がサークルをやり、そうしてここでお互いに討論をし、そうして勉学にいそしむ、すべての法政大学の学生諸君がそこで教育を受けたり研究したりすることのできるものです。それがまさに占拠されているという状態。警察が入りましても、窓を破って、さくを壊して、やっと3名の人物を救出しなければならないという状態なんですね。そのときの中核派の出しております新聞を私持ってきておりますけれども、それを見ますと、これは学生会館というのは学館とりでだと呼んでいるわけです。まるでとりでですね。学生会館が暴力のとりで、武器庫、宿泊所、出撃の基地、こういう状態にあるのが実情ではないかと思うわけです。一体その学生会館の中がどうなっているのか、こんなことをお聞きになったことがありますか。
 [301]  政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 ただいま法政大学の学生会館の問題につきましてお話を承ったわけですが、学生会館が建設され、これを使用し始めるときからいろいろ問題があったようでございますが、一応15人の代表者からなります学生連盟というものができて、これがこの運営をやっていくのだということでたてまえは来たようですが、学生会館の管理並びに運営につきましては、非常に多くの問題が出てまいりましたので、法政大学としては現在学生会館の使用を禁止して、ロックアウトしておる、こういうふうに聞いております。
 [302] 日本共産党 山原健二郎

 禁止しロックアウトしても、その中がどういう状態になっておるか。仮にロックアウトして中にだれもいなければ、学生会館の中がどういう状態になっておるかわかるはずなんですね。だけれども、それができないわけですね。そういう実情になっているわけです。警察庁の方、お見えになっていましたら、その実情をちょっと報告していただきたいのです。
 [303] 主査代理 山本幸雄
 ちょっと速記をとめて。
 [304] 主査代理 山本幸雄
 速記を始めて。
 [305] 政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 ただいまのお答えに補足させていただきますと、1月18日の事件で現在本校地区全体をロックアウトしておりまして、学生会館につきましても、学生が中に入れないという状況でございます。現在は法政大学の職員が会館の中を巡回し注意を払っておるというふうに報告を受けております。
 [306] 日本共産党 山原健二郎

 そういうことなら学生会館の中の実態もわかると思うのです。私の聞いたところでは、そういうふうになっていません。ロックアウトを宣言して、学生会館の中へ入ってどういう状態になっておるか調べることができるようなら、問題はとうに解決しているわけですね。いま三者自治会連盟の話が出ましたが、三者自治会連盟はどう言っておるかというと、こう言っておるのですよ。革マル分子を捕捉せん滅したと彼らの暴力を賛美しながら、「あらゆる方法、手段で、頭目黒田、朝倉から活動家、シンパにいたるまでひとりのこさず、せん滅することを宣言する」。いわば殺人の予告まで宣言しておるわけですね。せん滅することが「権利であると同時に義務でさえある」、こういう書き方をしておりますから、とてもそんななまやさしい状態ではありません。それからもうちょっと申し上げておきますと、昨年の1月14日付の中核派の機関紙「前進」というのを見ますと、こう書いてあります。「にえたぎる復讐心がバールのきっ先に集中し、うなり音をたててふりおろされたバールがにぶい音とともにのめりこんだ」「われわれは「傷の深さと血の量」をこそ、せん滅度をこそ目的意識的に追求する」。それから革マル派の方は、昨年5月24日付の機関紙「解放」というのにこう書いています。「われわれは一片の仮象存在をも許さぬ絶滅解体を一挙に完成する」。こう言って、お互いに殺人の予告をしながら殺人行為を繰り返しておる、こういう状態です。

 そこで大臣にも聞いていただきたいのですけれども、こういう中で、ほとんどの学生諸君、教職員は、暴力のない法政大学を求めていると私は思います。先ほども言いましたように、当局も6項目3原則というものを出しておられますし、それから学生の方たちからもこういう幾つものビラが出ていますけれども、その中で、大学に危険で入れない学生諸君がこう書いています。「当面、私達は次のことを要求いたします」として「(1)当局は109名の学生が安心して登校、受講できるようただちに万全の措置をとること。(2)当局は暴力を行使し、テロ宣言を出している暴力集団を処分すること。(3)鉄パイプ、チェーン等武器の搬入所持の禁止を完全実施すること。(4)当局は暴力集団の武器貯蔵、製造の場所となっている学生会館を、学生代表を含む学内民主団体代表の立会いのもとに総点検し、すべての武器を撤去し、その実態を公表すること。」幾つかの項目の中の2、3を読みましたが、私はこれは当然の要求だと思うのです。それがなぜ実行に移せないのかという点ですね。

 その点では、私は文部省に対して、法政大学に対してこうこうせよということをいま申し上げるつもりはございません。しかしながら、本当に登校できない、あるいは困難である学生だけでなく、全学生、全教職員が学内で自由に活動のできる、自由に研究、教育のできる事態をつくり出すということでは、この暴力に対して毅然たる態度をとることがいま要求されておると思うのですよ。特に、外人部隊が入りまして、ときどき学校を封鎖して検問をやるのですね。その検問の竹ざおの下を当該大学の教職員が検問を受けながら通らなければならぬなどということは、まさに大学人にとって最高の屈辱ですね。しかも、その検問をしておるのは当該大学の学生ではなくて、どこからともなくやってきた連中なんです。

 こういうことを考えましたら、これは本当に大変なことでございまして、いままで文部省はしばしば言われてきたのですけれども、セクト間の争いだとかいうようなことではないのです。暴力を使う者と、その暴力に対して反対をする者、あるいは大学を真に大学らしい大学にしようとする者との対決であるわけです。しかも暴力を使う者は、まさに反社会的な行為を行っている連中ですね。これまで擁護する必要は全くないわけです。大学の自治や学問の自由を侵している、そんな者まで大学の自治だからといって擁護したりすることは、いささかも必要でないわけですね。その点で、学生の要求や、あるいは大学当局の、暴力を排除しようとする決意に対して、文部当局としてこれを激励して、本当に日本の全大学から暴力を排除するという決意を持つことが必要だと思うのです。まず第一番に、この状態を文部省に正しく認識していただいて、本当に大学の自治を守るためにも暴力に対して毅然たる態度をとることが、いま暴力排除のために奮闘しておる教職員や学生に対して一番大きな激励になるのじゃないか。この点を文部大臣はどのようにお考えになるか、お聞きしておきたいのです。
 [307]  文部大臣 永井道雄

 先ほど三木総理の言葉を引用なさいましたが、まさにそのとおりであって、暴力というものはいついかなる場所においても絶対に許されないものであると思います。暴力があって民主的社会が成立するということは考えられません。とりわけ、民主的社会の中における学校また大学、そういう場におきまして暴力が存在すれば、大学の自治も学問の自由も成立する余地がございませんから、これは日本の学校また大学から絶対に暴力を排除しなければならないと考えております。
 [308] 日本共産党 山原健二郎

 いまのようなお答え以外にはいまのところないと思いますけれども、本当に実効の上がる適切な――大学当局として、文部省として、越権なことはできないにしても、やるべき手はきちんと打っていくということがいま必要になってきておると思うわけです。
 昭和50年03月07日 参議院 予算委員会
 [352] 日本共産党 渡辺武

 次に、私は暴力問題について伺いたいと思います。2月28日の間組爆破に見られるように、爆弾事件が引き続いておりますけれども、これと並んで、学生の集団暴力も目に余るものがあります。こうした暴力学生が大学内外で最近5カ年間に引き起こした暴力事件の件数、それから死んだ人、負傷者などがどれだけ出ているのか、まず警察庁に伺いたいと思います。
 [353] 政府委員(警察庁警備局長) 三井脩

 いわゆる極左暴力集団等が相互間において行います内ゲバ事件について申し上げます。昭和45年以降本年2月末までに、総計1208件発生して、うち死亡いたしましたのは19件、22人であります。負傷者は2554人、この間検挙いたしましたのは1793人を検挙いたしております。年次別に申し上げますと、昭和45年は175件発生し、死亡2件、2名、負傷525人、検挙584人。46年の発生は272件、死亡は4件、5人、負傷420人、検挙は216人であります。昭和47年は発生183件、死亡2件、2名、負傷338人、検挙164人。48年は発生238件、死亡1件、2名、負傷572人、検挙361人であります。昭和49年は発生286件、死亡は10件、11名、負傷607人、検挙は428人に及んでおります。50年2月末現在では、発生54件、死亡事件は2月末現在ではございません。負傷91人、検挙40人という状況でございます。
 [354] 日本共産党 渡辺武

 わずか5~6年の間に19人が殺される。2554人が大けがをする。異常な事態だと思うのですね。一体、どういう連中がこういうことをやっているのでしょうか。
 [355] 政府委員(警察庁警備局長) 三井脩

 いわゆる極左暴力集団というものでございまして、俗に言われる反日共糸の学生の各セクト、こういうものが主でございます。
 [356] 日本共産党 渡辺武

 昨年の5月13日と6月の26日に、法政大学では中核派と革マル派の大規模な衝突があって、死んだ人も出たようであります。その事件の概要をおっしゃっていただきたいと思います。
 [357] 政府委員(警察庁警備局長) 三井脩

 昨年5月13日の事案の内容でありますが、この日の午後4時過ぎ、法政大学の正門から市谷駅方向に中核派約150名が向かっておりましたが、これを革マル派約150名が待ち受けて襲いかかりました。中核派との間で乱闘となり、中核派1人が死亡しました。また、双方に合わせて18人の負傷者を出しております。警察におきましては、この犯行現場付近におきまして、革マル派11人、中核派15人、合計26名を現行犯逮捕いたしました。その後の捜査によりまして、さらに革マル派18人を検挙いたしました。この事件で合計44人を検挙して送致をいたしました。

 次に6月26日の事案でありますが、これはこの日の午前4時過ぎ発生いたしました。法政大学の中で待ち伏せをしておりました革マル派約50人、これが構内に入ってきました中核派約70人を襲撃をして、双方で合わせて54人の負傷者を出した事案であります。これにつきましては、この法政大学正門前付近、つまり犯行現場でありますが、ここで両派合わせまして98人を現行犯検挙いたした次第でございます。
 [358] 日本共産党 渡辺武

 この事件のときに法政大学の構内にある学生会館を捜査されたそうですけれども、ここでどんな凶器を押収されたか、その物件や数はどのくらいか、それもおっしゃっていただきたい。
 [359] 政府委員(警察庁警備局長) 三井脩

 まず5月13日の事件に関しまして、5月19日に法政大学の学生会館の捜索を行いました。ここで押収いたしましたのは、鉄パイプ71本、旗ざお43本、ヘルメット5個、それから金のこの、これは刃でございますが、1個等を含めまして、合計で180点を押収しております。また、6月26日の事件につきましては、事件当日現行犯逮捕いたしましたが、この犯行現場におきまして押収を行い、鉄パイプ53本、鉄棒2本、竹ざお91本など合計648点を押収し、さらに事後の捜索を6月30日に行いましたが、この際ヘルメットなど5件、6件を押収いたしました。したがいまして、6月26日の事件では、これは学生会館の中で押収したものではないということになるわけであります。
 [360] 日本共産党 渡辺武

 大学の構内にある学生会館が暴力学生の武器庫になっている。これは私は大変なことだと思うんです。一体こういう事件を引き起こしたこの学生、これは全部法政大学の学生なんでしょうか。
 [361] 政府委員(警察庁警備局長) 三井脩

 逮捕をいたしました学生等の中で、被疑者の中で身元が判明いたさない者もかなりあるわけでありますが、約90名は大学生であるということは判明いたしましたが、90名のうち法政大学の学生は5名であります。その他は他の大学の学生ということになります。
 [362] 日本共産党 渡辺武

 さっきのお話で、殺された人が出ましたけれども、この人はどこの職場にいた人ですか。何か職場にいた人だと聞いておりますが。
 [363] 政府委員(警察庁警備局長) 三井脩

 中核派の活動家でございまして、墨田区役所の職員であります。学生ではございません。
 [364] 日本共産党 渡辺武

 大学に、その大学の学生以外の大学からどんどん入り込んでいる。しかも、大学生でない者までが暴力をふるうために自由自在に出入りしている。しかも、この暴力集団が一般学生や教職員に対してしばしば検問なるものを行っているということを聞いておりますが、文部省はこういう実態をつかんでいらっしゃいますか。
 [365] 文部大臣 永井道雄

 学生の暴力というものがあることはきわめて遺憾であるということは、御指摘のとおりでございます。
検閲の問題でございますが、法政大学、1月の時点においてそういう問題があったのではないかというので私どもでも調べておりますが、教職員に対して妨害行為があったけれども、他の学生同士の検問という形はなかったというふうに報告を受けております。
 [366] 日本共産党 渡辺武

 ここに、そういう暴力学生が暴力をふるうために、法政大学の学生でありながら学校の構内に入ることができないという学生さんたちが、たまりかねて「法政大学のすべての教員のみなさんへ」ということで手紙を出しております。その手紙の一文を読んでみましょう。「また、「中核派」などはことあるたびに「検問」と称して、正門に「武装部隊」を配置し、学生、教職員の身分証明書を点検、持ち物の検査をおこない、学生や教職員は、なんの権限もない彼らのいうなりになって、彼らの手にした竹竿の下をくぐってでなければ大学へ入れないという屈辱を味あわされているのです。」、こう書いてある。恐らくこれはうそを書いていることじゃないと思うんです。一体こういうことが許されることなんでしょうか。文部大臣にもう一度伺いたいと思います。
 [367] 文部大臣 永井道雄

 大学に暴力がありますために、学生が大学に来て正常に授業を受けることができないということは許されるべきことではございません。ただいまの御指摘の問題については、どういうことが最近あったかということを申し上げますと、1月18日の学期末試験の初日に一部の学生集団が構内に侵入いたしまして、正門及び裏門を封鎖し、事務室に乱入するような行為がございました。そこで、これに対しまして大学に、これでは期末試験が受けられないから何か方法を考えてほしいと願い出た学生が23人おります。いまそういう23人の学生がいるということは、これらの学生は正常に試験を受けることができないということを申し出たものと考えられます。しかしながら、それにもかかわらず試験を行うことができませんでしたために、大学では当日の試験を終局において中止いたしまして、富士見校舎への立ち入りを禁止して、期末試験はレポート提出をもってかえるという事態になったというのが、われわれの受けている報告でございます。
 [368] 日本共産党 渡辺武

 いま文部大臣は23名と言われましたけれども、この手紙を出した学生さんたち、これは「以下登校の自由を要求する学生109名」、100名を超えているんですよ、大臣。この点をようくひとつ見ていただきたいと思うのです。大変なことですよ、試験も受けられない、授業も受けられない、親も安心して子供を大学へ送れないという事態だと思うんですね。
ところで、いまもこの法政大学ではロックアウトが行われている。学生は学内にも入れないという状態であることを御存じでしょうか。
 [369] 文部大臣 永井道雄

 現在、法政大学でロックアウトが行われているということについて承知いたしております。それは、先ほど申し上げました1月の期末試験というものを行うことができなかったとき以来の事態であります。
 [370] 日本共産党 渡辺武

 こういう事態に対して、どうお考えでしょう。
 [371] 文部大臣 永井道雄

 こういう事態につきまして、これは申し上げるまでもないことでありますが、学校というところは、正常に静かに勉学ができる場所でなければならない。当然のことでありますから、さような事態を回復しなければならない。それには先ほどから出ましたように死者、負傷者があるというような事件が起こりましたときには、これはとても文部省として対処できる問題でありませんから、警察の協力を得なければなりません。また、そのほかの問題につきまして、学校で正常の授業を行うという点につきましては、大学当局も何回か学生に呼びかけて、そして努力をしていますが、大学当局と私ども文部省が協力をいたしまして、そして1日も早く学内の状況が平常化して授業が行われるようにならなければならない、そういう考えで対処している次第でございます。
 [372] 日本共産党 渡辺武

 2月の24日に、東京法務局にこうした登校できない学生が訴えに行っているはずですけれども、どんな内容だったのでしょうか。
 [373] 政府委員(法務省人権擁護局長) 萩原直三

 お答えいたします。ただいまお話しのように、去る2月24日に、法政大学の学生2名から東京法務局人権擁護部にそれぞれ人権相談がなされました。その1人の言い分は次のとおりでございます。現在、法政大学では、鉄パイプやヘルメットで武装した中核、赤ヘル、黒ヘル等の暴力集団の暴行、脅迫等により、相談者ら109名の学生が自由に登校して安心して授業を受けるということができない異常な状態が続いています。このような状態になったきっかけはさまざまでございますが、暴力学生にクラスの学友が暴力を加えられているのをとめたり、学校の施設破壊や授業妨害を批判したりしたことが、そのきっかけになったようであります。そこで、大学当局に対し申し入れ書で善処方を訴えましたが、一片の警告書を出しただけで何ら正常化のための具体的な措置をとらない。そこで、法政大学当局に、人権擁護部から、私どもの申し入れた趣旨の実行をするように説得してもらいたい、こういう趣旨でございます。

 それから、もう1人の方の学生の相談内容と申しますのは、次のとおりでございます。私たちの大学では、黒ヘルと称する70~80名の一部暴力集団によって一般学生一部50名、二部59名が授業中に実力で教室外に引き出され暴行を受けたり検問されるなど、正常な授業を受ける権利を侵されている。そこで、大学当局に再三にわたり正常化のための具体的処置をとるよう求めているが、何ら誠意ある回答を得られない。そこで、人権擁護部において学校当局に善処方を要請してほしいという趣旨でございます。
 昭和50年03月24日 参議院 予算委員会
 [605] 日本共産党 小巻敏雄

 続いて、大学における暴力一掃の問題と学内正常化の問題について質問をいたします。渡辺委員も取り上げましたが、その後のわずかな期間に中核、革マルの間に連続殺人事件が起こされておる。彼らはますます凶暴化をしまして、公然とみずから行った殺人を誇るようになっておる。次の殺人を予告するようになっておる。そしてそれを実行するというありさまになっておる。ことしになって起こったこの種殺人事件の概況と、こういう連中に対して今後とろうとする措置、警察庁――大臣から答えてもらいましょうか、急がれるようですからね。
 [606] 自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 福田一

 民主社会におきましては、理由、場所のいかんを問わず暴力行為は絶対に容認されるべきものでないことは当然でございます。ただ、大学内の問題につきましては、大学自治のたてまえから、第一義的には大学当局が学内の秩序維持について自主的に措置すべきものであり、かねてから大学当局に管理措置の強化を申し入れているところであります。警察としては、今後とも大学当局と緊密な連絡を保持しつつ、学内の違法行為についても徹底した取り締まりを実施してまいる所存でございます。
 昭和50年03月26日 衆議院 地方行政委員会
 [100] 日本共産党 林百郎

 実はトロツキストの内ゲバ問題、革マル派と中核派のまるで殺し合いの堂々めぐりが公然と行われ、そしてしかも犯人は1人も検挙もされないような状態、それから各大学がトロツキストのために非常に荒廃して、寮がトロツキストに占拠されているとか、いろいろの問題がありますので、これについての警察のいろいろの具体的な処置も聞いたり、そしてこれに対する厳正な警察行政の行使を要求する質問をしたいと思いましたが、時間が参りましたのでこれでやめたいと思いますが、なお共産党として長官に一言申し上げておきます。
 昭和50年06月04日 衆議院 文教委員会
 [111] 日本共産党 山原健二郎

 最初に、緊急な事態もありますので、質問いたしたいのですが、先ほどのニュースを聞きますと、きょう8時に、大阪市立大学の教養学部の門前におきまして、いわゆる革マル派60名、中核派70名による乱闘が行われて、そのうち6名が病院に収容され、2名が死亡するという、そういうニュースを聞きまして、私も大学における暴力の問題についてしばしば取り上げてまいりましたので……。このニュースをお聞きになっておりますか。それからその後の事態がどういうふうになっておりますか。きょうは警察庁の公安第三課長にも出ていただいておりますので、まず、その事実を御存じでしたら報告をしていただきたいと思います。さらに、文部大臣の方から、この事件を御存じでしたら、これに対する見解を伺っておきたいのです。
 [112] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲

 けさ大阪市大の構内で、内ゲバ殺人事件と思われます事件が発生いたしておりますので、概況を御報告申し上げます。けさ、発生いたしました時間は8時10分ごろでございます。場所は大阪市立大学正門の付近、構内でございます。衝突いたしましたセクトは、革マル派と、黒ヘルをかぶっておりましたグループでございます。この黒ヘルをかぶっておりましたのは、中核派ではないかとも見られておりますが、まだ確認に至っておりません。負傷は6名でございます。そのうち2人が死亡いたし、重傷1人、軽傷3人でございます。なお、氏名等は目下調査中でございます。状況は、けさ7時半ごろでございますが、大阪の長居公園というところで革マル派30名余りが集会をいたしておりました。長居駅から阪和線に乗りまして、杉本町駅でおりまして、大阪市大の構内に向かったわけでございます。8時ちょっと前に学内に入りまして、直後に衝突いたしました。それで、いまのように6名の死傷者を出したという状況でございます。

 警察措置でございますが、110番の通報で事案発生を知りまして、大阪府警は8時15分に住吉警察署、発生署でございますが、ここ、それから隣接6署、それから阪和線の沿線7署に緊急配備をいたしました。機動隊20人を学内に投入し、さらに杉本町駅、これは大阪市大の前にある駅でございますが、ここへも40人を配置して警備警戒に当たりました。事情を聴取し、さらに犯人の逮捕に努めたわけでございますが、現在のところ6人を任意同行いたしまして調べております。この6人がどのような者であるかは、まだ不明。とりあえずの第一報でございますので、あるいは、捜査をしてまいりますと、いま申し上げた点と多少違ってくる点があるかもしれませんが、以上申し上げましたようなことが事案の概要でございます。
 [113]政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 私どもまだ詳細な報告を大学から受けておりませんが、一応大学の方からの報告によりますと、けさ特定集団が入校する際に守衛が一応制止をいたしましたが、押し切られてしまった。それで、退去をするよう学生部長等が一応説得に当たった。事件現場である正門付近は検証のため通行禁止となっておるが、南門から出入りできるので、授業は一応継続されておる。今後の措置等につきましては現在緊急部局長会議等で検討中であって、教職員の泊まり込みによる学内のチェックであるとか、あるいは学外者の集会等の即時解散であるとか、いろいろ具体問題、具体措置につきまして部局長会議で検討中であるというのが、先ほどの私どもが聞きました報告でございます。それ以上のことはまだちょっと詳細わかりかねております。
 [114] 日本共産党 山原健二郎

 国会でも暴力に対する決議が行われたわけですね。しかしこういう殺人行為に及ぶ事件が次々と発生するという事態ですから、関連して現在の法政大学の問題について少し伺っておきたいのです。それはきょうの毎日新聞を読みますと、見出しが「内ゲバで学園危険」「巻添え学生らが声明」を出しておると言う。その声明の内容も出ております。その内容を見ますと、その中には――記者会見をしているようですね。そして「警察が完全武装で隊列を組んでいる暴力集団を黙認し、大学当局もき然とした態度をとらない結果、内ゲバ暴力事件によって死人さえ出かねない危険な事態になっている」こういう新聞記者会見をしているようです。そこで、この前私どもが法政大学の問題を取り上げましたときに、春休みの間において一定の処置をするというお答えが、これは衆議院でもそうですが、参議院の方でもありまして、それを期待をいたしておったわけです。ところが、新学期に入りましてから、聞くところによりますと、また新聞報道によりましても、ほぼ2日に1遍は暴力事件が発生をいたしまして、そしてこれは日を追って続いている。聞いてみますと私は大変な事態だと思うのですが、たとえば学生諸君に対する威圧行為ですね、こういうものが行われている。この暴力を使う連中というのは、たとえば法政大学2万数千の学生諸君がおるわけですけれども、恐らくその中の30名、多くても100名程度ではなかろうかというふうに思うのですけれども、それが全学生、学内を制圧するような暴力をふるっているわけですね。しかも武装しておるという、この状態が続いているわけですね。そして、ときには生協に対する襲撃が行われておる。これは5月の段階で杉山さんという理事が、6針も縫う負傷をするという事件が起こっています。5月22日には生協労組の委員長さんが全治2週間のけがをし、食堂は壊されている。5月1日には教授会室に乱入をしている。それから5月12日には、大きな不祥事件が起こるわけですね。これは革マルと中核が衝突、襲撃事件を起こして、2名の女子学生が盾にされて負傷する。これは新聞報道されております。5月19日と5月22日と、革マルに対する襲撃が行われている。5月28日は、これは警察庁の方に主としてこの日を伺いたいんですが、朝からずっと学内は騒然たる状態が続いておるわけです。そしてさらに今日に至りましても、6月に入りましても、こういう事件がずっと続いておるわけなんですね。こういう事件、しかもこれはいつ殺害行為が行われるかわからない。公然とテロ行為というものを肯定をし、やるんだ、殺してもいいんだ、こういうことが公然と言われておる部隊が大学の中に依然として蟠踞している。全く大学の自治も何もあったものじゃない。そういう事態が続いているわけですが、特にこの5月28日を中心にして、どういう事態が発生したのか、警察庁の方から御説明をいただきたい。
 [115] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲

 5月28日の状況を申し上げます。5月28日の午後4時18分ごろのようでございますが、法政大学の62年館の4階、250号室で一般学生70名くらいが英語の授業を受けようということで集合しておりましたところ、中核派の2名が鉄パイプを持って教室へ入ってまいりまして、アジ演説を始めました。そこで一般学生と口論になったわけでございます。その直後、午後4時20分ごろでございますが、大学の職員から110番通報がございました。所轄の牛込警察署長以下、すぐ現場へ急行いたしまして、学内に入りまして、事情を聴取し、警備に従事しておりましたところが、同じ午後4時35分ごろになりまして、法政大学の本校の方から、ヘルメット、鉄パイプなどで武装いたしました中核派30名が、これは応援にかけつけたと思いますが、62年館にかけつけまして、館内に侵入いたしました。そこで、出動いたしておりました部隊は、そのうちの17名の者を凶器準備集合罪、建造物侵入罪の現行犯で逮捕いたしまして、ただいま全員勾留をいたしまして取り調べ中という状況でございます。
 [116] 日本共産党 山原健二郎
 この17名というのは法政大学の学生ですか。
 [117] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲
 17名のうち、これまで逮捕歴等がありまして氏名が判明いたしました者が12名おりますが、いずれも法政大学以外の大学生かあるいは一般の会社員という者で、法政大学の学生は氏名が判明いたしましたこの12名の中には見当たりません。
 [118] 日本共産党 山原健二郎

 ちょっとこだわるようですけれども、28日のことを経過を追って一部質問したいと思います。この28日には、朝の9時ごろより革マル派と称される者が本校にステッカーを張ったり、学生会館にも来ておる。これに対して黒ヘルといいますか、黒いヘルメットをかぶった連中でしょうが、黒ヘルが襲いかかっている。そして誠文堂というところまで追いかけているわけです。1名は血だらけになってここで倒れております。そのときに警察が現行犯逮捕のため正門を入って学生会館前まで行ったと聞いておりますが、そのときに学校側の人から学館に入ることを拒否されたというふうに聞いておるわけですけれども、そういう事実がありましたか。
 [119] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲
 ただいま御指摘の事実について調べてみましたが、よくわかりません。私どもはいままでのところそのようなことは把握をいたしておりません。
 [120] 日本共産党 山原健二郎

 学館の中に学生が、いずれの派か私もわかりませんが、恐らく革マルだろうと思います、それが連行されて、それを警察が学生会館のところまで行って、そしてそこで学館に入ることをとめられたというふうに聞いているわけですが、12時ごろになりまして中核派が学館から荷物を運んでおります。これは荷物を運び出して、4時10分ごろにいわゆる62年館の5階の250号教室、これは経済学部の1年F組のクラスだと聞いておりますが、この教室に入っております。そして、この中核派が1名教室の中でアジ演説をやっているわけでしょうね。そこへ革マル派が2名来て、そしてここで中核に襲いかかって、服の下にあった鉄パイプを取り上げるという事件が発生をしております。それから革マル派20数名と中核派10数名が乱闘を始めております。そして、そのうちの何名かが本校の方に中核派の援軍を求めに行っているわけです。そうすると、本校には中核派30名、黒ヘルが30名、赤いヘルメットが10名程度おりまして、完全武装で中核の指揮のもとに集合していて、そしてそのうち中核派30名が62年館に向かっております。そのとき110番に連絡がなされているのです。パトカーが62年館に先に着いているのです。ところが、62年館の正門前には警官もおりますし、恐らく10数名いたのではないかと言われておりますが、ここへその30名が入っているわけです。そして中で大乱闘になりました。そしてしばらくして学校当局が学内から退去せよ、こういうふうに聞いているわけです。学内から退去せよというのは、暴力で乱闘しておる連中だけでなくして、全学生の退去を学校当局は要求している。このときに機動隊が入りまして18名逮捕したと聞いているわけですが、これはいま17名という話がありましたが、18名ではなかったのですか。
 [121] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲
 逮捕いたしました者は17名でございます。全員につきまして勾留をいたしまして、現在取り調べ中でございます。なお、前段の学内におきますその日の細かい動きにつきまして、私どもも目下捜査をいたしておりますが、まだ詳細把握に至っておらない状況でございます。
 [122] 日本共産党 山原健二郎
 その17名の逮捕者の中に、法政大学の文学部自治会委員長を僣称しておる堀内日出光という人物がおりますか。
 [123] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲
 17名のうち12名の名前がわかっておることは先ほど申し上げましたが、その12名の名前がわかっております者のうちには堀内は入っておりません。
 [124] 日本共産党 山原健二郎

 目撃者の言によりますと、このときに確かに堀内日出光という人物が逮捕され、護送車といいますかあの車に乗せられたのを見ているわけです。これは中核の中心人物であり、また、指揮をとっている人物ですから、現行犯逮捕するならば当然逮捕されておる中に入っておるものと私は思うわけです。事実目撃者もいるわけです。ところが、この直後に中核派が記者会見をしております。その記者会見には堀内が同席をいたしております。こういう状態です。しかも、この連中は、私もここへ資料を持ってきておりますが、写真も持ってまいっておりますけれども、公然とテロ殺害をやる、こういうものを自治会報等を通じて行っておるグループであります。こういう状態ですが、所轄庁の方から堀内日出光のことについては警察庁の方には報告がないのでしょうか。
 [125] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲
 17名の逮捕中12名の名前はわかっておる、その中には堀内はおりません。また、堀内はこれまでに逮捕歴がありますので、もしこの中におるものであれば指紋が合うわけでございます。したがって、堀内がおればこれまでにわかっておるはずだと思いますので、17名の逮捕者の中にもいなかったということではなかろうかと思います。護送車の窓で手を振っておった者が急に釈放されて、後に記者会見をするということは、私はあり得ないことではないだろうかと思います。
 [126] 日本共産党 山原健二郎

 手を振っておるということは言っておりません。護送車に乗せられておるところを見た者がおるということです。しかし、ここで真偽を確かめる場所でもありませんから、これはぜひ調査をしていただきたいと思うのです。
それから、午後5時30分ごろになりまして、本校の中では中核や黒ヘルなどが渦巻きデモを完全武装で行っているわけです。そしてここに学生が集まってきまして、1000数百名の学生が集まっているわけです。これは革マルの学生を学生会館に連れ込んだわけですね。それを見ながら学生たちは暴力をやめろということで集まって、それとなくずっと集まってきているわけです。これに対して中核派は学生会館の前に立て看板を立て、防衛体制を組みまして、その学生の中に中核派がおるということで今度はこの一般学生諸君に突入をしてくるというような状態です。そのうち本校の方もついにロックアウトをされる、こういう状態ですね。現場に居合わせた人たちからいろいろ聞きましたこと、また新聞等の報道によりまして私がまとめたのが大体いまのような状態です。そして現在では62年館に、中核がしばしば構内に入りまして、約150名ぐらいの完全武装の集会が開かれる。これは5月30日のことであります。

 6月2日に至りまして、また朝の7時30分に62年館にあらわれて、5階に上がって、そして9時30分にはロッカーなどをトラックで運び込む。10時10分にはいす、机、看板を運び込む。パトカーは1台待機しておるわけですが、いわば法政大学の本館とそれから62年館の間をもう完全武装の部隊が行ったり来たり、しかもトラックで堂々と動き回っている、こういう状態です。こういうことがもう許されているわけですね。事態はこういうことなんですが、学校当局に話をしましても、これは吉田学生課長という方が出ておりますが、法政大学がかつて出しまして私がここで取り上げました3原則6項目ということが守られていない、けれども具体的に処置は何にもできないというようなことも言っておるわけです。そしていわば野放しにされておるという状態です。昨日も朝方ロッカーが運び込まれ、完全武装部隊がまたロッカーをトラックで運ぶ、こういう状態でございます。

 こういう経過を見まして、一体どうなっておるのか、このままで法政大学が放置されてよいのか。私は学生だとはちょっと思えないと思うのです、こういう殺人集団ですからね。自分の意見を聞かない者は鉄パイプで打ちのめして殺害しても結構だという論法、そして全大学をこの種わずかの連中が武力でもって制圧するなどということが行われているわけですね。これに対してどういう適切な手を打ったらいいのか。これは大学当局にももはや要求されておると思う。国民はこんなことをいつまでも許してはおかぬと思うのです。文部省当局も警察当局も大学当局も打つべき手は打たなければならぬ。そんなことをいつまでも放置してどうなるのかというのが国民の声ですよ。そういうことを考えましたときに、本当にどうするのかということをこれから伺いたいわけでございます。たとえば学生会館にまだ武器がある。しかもいま話しましたようにそこが出撃基地になって、この出撃基地を利用して62年館に出撃していって、ここをまた占拠する。そして凶器というものがしばしば使われるわけですね。この凶器を一掃するということはできないのですか。これが1つです。

 それから学生会館というのはサークルその他一般の学生諸君も使うところなんです。したがって、少なくとも学生諸君が、学生会館はみずからの会館ですから、ここでいろいろな集会やその他ができることと同時に、少なくとも夜間はこれはもう完全に閉鎖をして、中にある武器は全部摘発をするというぐらいのことをやらなければ大変なことだと思う。これが2つ目です。それから3番目は、外から暴力の集団がトラックで乗りつけてくる。これは大学当局が学内のことは一定の責任は持てても、外から入ってくることに対して、それまで大学の手は及ばない面があると私は思うのです。そうすればこれは凶器準備集合罪、明らかにこれはもう押さえられるわけですね。それをやらなければいかぬと思うのです。中へは武器を入れさせない。中の武器は撤去さす。そしてそれに従わない者は逮捕する。当然のことです。犯罪行為だから当然逮捕すべきです。こういうことが野放しにされてはたまらぬと思うのです。ところが大学当局は退去命令を彼らに対して出したことがいままでにありますか。これは大学局長に伺いたいのですが、大学当局がこういう連中に対して退去命令を出したことがあるかというのです。いつでもロックアウトという形で一般の学生諸君も全部追い出してしまう。こういう暴力集団に対して退去命令を出して適切な手段をとるというのは、これはもはやもうどなたが考えてもあたりまえの手段だと私は思うわけです。これらの数点についてお伺いしたいのです。どうでしょうか。
 [127] 政府委員(文部省大学局長) 井内慶次郎

 法政大学におきます学生集団間の対立抗争が絶えず、ときには暴力事件に及んでおりまして、まことに遺憾であります。新学期に入ってから、私どもの聞いておりますところでも、学生集団間の対立抗争事件が数件発生し、6人の重軽傷者も出しており、特に5月28日の62年館の教室内における中核派集団とこれと対立する学生集団との対立事件の際には、大学当局は不測の事態を回避するため夜間学部の授業を中止せざるを得なかった、こういうことでございます。

 文部省としては、さきに山原先生からも御質問をいただいたことがございますが、法政大学当局に対して学内における暴力行為の未然防止、学生会館の正常化、自治会費の徴収方法、その使用のあり方等、3点を中心としながらいろいろな助言、指導も行ってまいったところでございますが、学生会館の正常化については春休み中に具体的な改善措置に是非着手してほしい、こういうことで指導を行ってまいりました。学生会館は春休み中に一応大学当局による点検も行われまして、その当時のロックアウトは解かれたわけでございますが、先ほど来御指摘のような暴力事件が発生をいたしております。

 大学当局としては、4月4日の入学式当日及び5月29日の2回にわたり御指摘の法政大学の3原則6項目の告示を全学生に配付し、学生に対する暴力行為根絶の趣旨の周知徹底を図り、学生会館の正常化につきましては、春休み中に内部を点検し、一部施設の不正常な状態を改善した上使用を再開しておるところであり、自治会費の問題につきましても学部長会議等学内の機関でその正常化について鋭意検討中のところでありますが、さしあたり暴力行為の防止等と関連して、3原則中に明記されている思想、信条の相違と対立を暴力によって決しない旨の意思表示がなければ、自治会費の交付を行わない旨を各自治会に示し、その指導を続けてきておるというように聞いております。

 大学当局がいろいろな努力をいたしておるのでございますが、暴力行為等を学内から一掃し得ず、ただいま御指摘のような事件が起こっておりますことはまことに遺憾でございます。5月28日の事件の際に学外者が学生証を偽造して落としておった者があったようでございますが、文部省としましては法政大学関係者の来省を求め、学外者による暴力事件の発生、凶器持ち込み、こういったものを防止するための具体的な措置を何とか大学も警察当局等とも相談をしながらとにかく早急に講ずべきであるということで、その旨の検討を引き続き求めておるところでございます。法政大学の最近の状況に関しましては、おおむね以上のような状況でございます。
 [128] 日本共産党 山原健二郎

 いろいろときには文書を出したり、ロックアウトしたりするようなことは――文書もそうしばしば出しておるわけではありません。私の聞いておるところでは、1回か2回ではなかろうかと思うのです。1回かもしれません。それから、このままで放置するならば、まだ何が起こるかわかりませんね。自治会の討議資料などというものを彼らは出している。自治会費用で出しているのですよ。これも一般に配っているわけですが、いわゆる内ゲバ問題についての一問一答、これを見ますと、殺人行為をやっていいんだと公然と書いているわけです。こういう集団ですね。だから、単なる思想、信条による争いなんというものじゃないのです。考え方の違う相手は圧殺する、こういういわゆるテロリストの思想なんですね。しかも集団で、そして武器を持ち、武器を持たない大学を制圧する。そして大学当局もこれに対して適切な手を打つことができないという状態です。いろいろお考えにはなっておると思いますけれども、実際には次第にエスカレートしていくという状態ですね。これをどうするのか。また、あるいは大学の中にこういう犯人、殺人集団といいますか、そういう社会的な犯罪行為を行っておる集団に対して、まだこういう連中については警察当局を呼ぶのはいかぬのだとかいうような考え方があるのじゃないか。私は、ここら付近はやはりはっきりしていいと思うのですよ。われわれが、たとえば一般の市民の間にいろいろな問題があって、そして事件が起こるとすぐ逮捕される、あるいは官庁に行けば、退去命令が出る、警察が出る、こういう状態です。これはもうきわめて簡単に行われているようなことなんです。しかし、私たちはそういうことを奨励するなどということを言っているのじゃないのです。問題はその現場において解決すべきです。こういう明らかに殺人を志向している連中、しかもそのことによって授業がしばしば中断をされる、教育ができない、しかも殺人行為がすでに行われている、こういう状態の中で、これに対して退去命令を出し、警察を呼んで大学の自治を本当に守っていくという、当然のことです。そういう点で、いまこの暴力に対してあいまいな態度が文部当局にもあるいは大学当局にもあるのじゃないか。だから、どうしても態度があいまいになり、微温的になってくるわけですね。ますますエスカレートする。彼らは、日共が権力にわれわれを売ったと言っている。何を言うかと言いたい。殺人行為をして、たくさんの人たちにけがをさせて、第三者まで巻き込む卑劣な連中に対して断固たる態度をとらなければ、どうして大学の自由が守られるか。言論、学問の自由がどうして守られるか。ここまで問題は来ているのじゃないでしょうか。そういう点で、やはり大学当局に対しても、本当にこの暴力に対して毅然たる態度をとるということ、文部省も、大学当局あるいは学生諸君、大学の教職員の、暴力を排除しようとするこの行動に対して、これに激励を与えていく、こういうことがなければ問題は解決しないと私は思うのです。そういう点で、文部大臣の見解をぜひ伺いたいのです。
 [129] 文部大臣 永井道雄

 今日のような事態を招きましたことはきわめて遺憾であります。われわれといたしましては、暴力を用いるということ、特に人を殺傷する暴力を用いることが絶対に許されないということについて、学の内外を問わない問題であると考えております。したがいまして、法政大学を含めて、学校教育の場においてそうした問題が生じることについて私たちがとっている態度は、いま申し上げたとおり、学の内外を問わず、暴力、特に人を殺傷するような行為は絶対に許されないという立場であり、また学校にもそのようにわれわれは指導、助言をいたしております。したがって、そうした問題は、学の内外を問わず、警察の力によって暴力を排除しなければならない、それは当然のことであって、大学に対しても、また他の学校に対しても、私たちはそうした立場で臨むということを指導、助言いたしておりますし、そうした方針でなければ、人を殺傷するがごとき暴力というものを完全に排除するということはできないものと考えております。
 [130] 日本共産党 山原健二郎

 考え方としてはよくわかるわけですけれども、やっぱり実効のある手段というものがとられないといけない段階に来ておると思います。そういう意味で、この前も大臣の方で御答弁の中で申されたことは、学内の暴力を未然に防止するということ、それから学生会館の正常化を春休みには着手をしてやるということをお話しになっております。それから、自治会費の徴収方法、使用のあり方についても、学部教授会と自治会に適切な指導をしてもらいたいというようなこと、こういうことは御答弁になっているわけです。これをやはり実効あるものにしていくべきではないかというふうに私は考えます。
それからもう一つは、警察当局に伺いたいのですけれども、完全武装した部隊が横行しているわけです。行ったらわかりますよ。そうしてパトカーもおりますし、それから装甲車も行っておるときもあるわけですね。これが飯田橋から見附橋の付近、あの付近に彼ら公然と行っているわけですね。こういう武装部隊が大学の中に入っていくのを大学の先生方が入口でとめるといったってとめれるような状態ではないのです。ここに写真も持ってきておりますけれども、みな竹の棒から鉄パイプを持ってうろうろしているわけですからね。こういう状態で、学内に少なくともこういう連中を入らせないということができないのかどうか伺っておきたい。
 [131] 説明員(警察庁警備局公安第三課長) 柴田善憲

 いま御指摘のような事態につきましては、場合によりましては凶器準備集合罪等でこれを逮捕することのできる状態があろうかと思います。ただ、また場合によりましては、いわゆる危害目的の立証等で多少むずかしいというケースもあろうかと思います。その場合、ケースによる事態ではないだろうかというふうに思います。また、先ほど御指摘ございました学内に貯蔵されております凶器の問題につきましても、これは押収、捜索等で、累次これまでも押収、捜索いたしておりますし、今後もそのようにやっていきたいと思っております。警察といたしましては、いずれにいたしましても、いかなる違法事態も看過する気は毛頭ないわけでございまして、違法事態がある限り、これまでもいつも出動しておりましたし、今後ともさらに文部御当局あるいは大学当局との連絡を緊密にしながらやってまいりたい、このように考えております。





(私論.私見)