なぜ指導者が厳選されねばならないのか |
(最新見直し2006.4.30日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
「なぜ指導者が厳選されねばならないのか」と問う前に、なぜ指導者が必要なのかを問わねばならない。れんだいこに云わせれば、指導者論には普遍性がある。革命も一種の事業と見れば、政治、企業、団体でも指導者に要件とされる基準はさして変らない。いろんな分野に於ける指導者には相通ずるものがあり、そういう意味では「ブルジョアジー対フロレタリアート」という一枚公理では解けない。左派運動の良き指導者が、ブルジョアジーの秀逸指導者と邯鄲相照らすということは充分に有る。 2006.4.30日 れんだいこ拝 |
何から書いても良いのだけれど、恰好なネタが入ってきたのでここから踏み込んでみようと思う。2001.7.9日付け読売新聞に、「扇党首『保守党解体』発言、野田氏ら不快感」見出しの記事が載っている。これを考察してみることにする。 概要、保守党の扇党首(国土交通相)がインタビューで、「党の参院選の獲得議席がゼロだったら解体、党は瓦解(がかい)する」と発言した。野田幹事長は、「選挙前に落選を前提にした議論をするのはナンセンスだ。保守党は扇さんが1人で作った党ではない。党のあり方は党で決めることだ」と反発。若手議員の1人も「党内で1度も話し合っていないことを、勝手に言われるのは困る」と不快感をあらわにした。同党は現在、衆参両院で計14人の小所帯。昨年の衆院選で18議席から7議席に後退して以降、自民党への合流論がくすぶり続けている。参院選には当初、扇氏と星野朋市氏の現職2人を含む6人を比例選に擁立する予定だったが、先月30日、星野氏が健康上の理由で出馬を辞退し、現職が扇氏1人となったことで、選挙への不安感が漂い始めていた。こうした事情を背景に、扇氏は、今回の参院選を党の存立をかけた戦いと位置づけることで、「党内の選挙態勢を引き締めるのが狙い」と発言の真意を説明している。今回の扇発言が集票にどう影響するか、党内では懸念する声が多い、とある。 ここに見えるものは、その器でないものを組織の長に据えたらこうなるという典型である。何ら政治的影響力を持たない政党の一変事として見過ごすには惜しい教材のように見える。仮に大きな組織であっても何ら事態は変わらない。 この問題は、長一人の責任ではなく、そういう長を生み出した組織の責任とも合わせて一蓮托生的把握が必要である。とはいえ、指導者には固有の権限があり、その権限の如意棒をどう振り回すかによって、組織の盛衰が決定づけられるというのは古今東西の法則的史実であるから、指導者は求めてより厳しく責任を引き受けねばならない。 これを下部から問えば、であるが故に、指導者を選出する場合その厳選が重要であると云う事になる。万が一間違って、指導責任を取ろうとせずいつでもどこでも言い訳上手な長をトップに据えたら、悲惨を通り越して喜劇にすらなる。 今回の扇発言を例えてみれば、腹が減っては戦が出来ぬとばかりに腰掛けたのではない、この戦の勝算や如何にと不安のまなざしで周りの者に問い掛けたのでもない、背水の陣での鼓舞激励を飛ばしたと当人は言うものの、実際には戦の前に党首率先で夜逃げし始めた図ではなかろうか。本家宛てに家財道具の送り先を記帳し、宅急便を手配している図ではなかろうか。真紀子へのあてこすりを得意とする割には軽薄が過ぎる。 あぁ氷嚢がといいたいところだが、心配は要らない。興味は、野田幹事長がどちらに采配を振るのかにかかっている。自民党か自由党のどちらに戻るのか、あるいはコケの一徹で保守党にとどまったまま末期の露と消えようとするのだろうか。それにしても、見ようによっては政界学芸会は面白い。 その後日談である。2001.8.1日の朝日コムによると、参院選後の保守党の政局対応を廻って話し合いの場を設けたところが、扇党首がてんごいっているらしい。余程味をしめたのか、当選ではもの足らず、引き続き大臣にも党首にも居座り続けたいらしい。どこもここも一緒やなぁ。「やりたければやりたい人が(党首を)やればいいのであって、私が固執しているわけではない」と述べる舌の根から、「小泉首相から党首に入閣していただきたいと要請があった。首相の希望だ」と首相の宝刀を持ち出して、党首を降りようとしないらしい。選挙責任については、「責任は野田さんでしょ。選対本部長だから。私はただのこま」と述べ、「自分に責任はないと強調した」ともある。 |
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こういう論法はねぇ、子供が良くするわなぁ。(小さな声で)だから滅多に色気売り女をトップに据えたらダメあるな。昔から傾城と云われて来たことだわ。その心は万事に好き嫌いと得手勝手を優先させ、私物化しがちという古人の鋭い観察に拠っているのではないかなぁ。野田さんもほとほと手を焼いているらしい。まっ保守党がゴタゴタしようが興味半分以上のものはないが、(ついでに云っちゃおう)戦略練るのは昔から男の分担仕事だわなぁ。野田さんも、国の建て直し以前の話として手前の党の*聖域無き構造改革*ぐらいは朝飯前でやって見せてくれんとなぁ、お手並み拝見だわ。ここで扇を取り上げる理由は、こったら扇が真紀子人気に当てこすりする仕草が垣間見えるからである。この程度の器量で真紀子に挑んでもなぁ、器量とお化粧とは違うんだけどね。 |
(私論.私見)