文鮮明語録 |
更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).6.22日
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が1956年から2009年に説教した言葉の発言録全615巻(各巻は約300~400ページに及ぶ)「文鮮明先生マルスム(御言=みこと)選集」(韓国の教団系出版社「成和出版社、現・天苑社が信者向けに韓国語収録発行)がインターネット上に流出している。日本の天皇や首相などに具体的に言及している箇所もある。識者は「日本語の発言集より過激」と指摘している。文氏が死去した12年までに615巻が発行されたが、既に絶版となっており入手は困難。日本語版はない。 毎日新聞は、全615巻と同内容とみられる文書を掲載し、全巻のPDFを公開しているウェブサイトの存在を把握。日本の教団広報部に対し、「文鮮明先生マルスム(御言)選集」と同一のものか確認を求めた。同広報部は取材に対し「サイトに上がっている内容は成和出版社が発行した文鮮明教祖の御言選集であることは確か」とメールで認めた。ただ、このサイトは教団と関係がなく、不法転載によって著作権を侵害しているとして、韓国の教団がサイト側に対し、法にのっとった措置を促しているという。そのうえで、この発言録の性質について「文氏が韓国で語った説教をまとめた書物で、信者の拝読用に使用される」と説明。「信者の行動指針として特別に使われることはない」とした。だが、歴代首相の氏名や日本の地名など発言は詳細で、日韓関係や天皇など敏感な話題にも具体的に触れている。 元信者で教団関連の「世界日報」記者だった金沢大の仲正昌樹教授(政治思想史)は「文氏が韓国で語っていた内容をまとめて目にしたのは初めて。日本人の信者向けの発言集に比べると過激な印象だ」と話す。全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士は「信者にとって、メシア(救世主)である文氏の発言は神の言葉に等しい重要な意味がある。文氏の発言に従って信者が考え、行動するのは当然だ」と指摘する。 |
2007年から2010年にかけて、全国に点在する教団系の霊感商法店舗が特商法違反等で摘発を受けた。中でも教団幹部に衝撃を与えたのが2009年、警視庁公安部による渋谷の印鑑販売会社『新世』の摘発だ。時を置かずして公安部は教団のお膝元である南東京教区本部事務所や地区教会である渋谷教会などへ家宅捜索に入った。そして本丸である教団の松濤本部への“ガサ入れ”があるのではと噂が立った。実際にこの時、公安部は教団の松濤本部への家宅捜索を視野に入れ動いていた。公安は統一教会を潰しにかかったのだ。この公安部の動きに対し教団松濤本部は、複数の有力な警察官僚出身の国会議員へ庇護を求めた。国際勝共連合の梶栗玄太郎会長がこれらの国会議員に懇願し、結果として教団本部への家宅捜索は実現しなかった。以降、警察が教団本部に迫った形跡はない。この時、梶栗が懇願した議員として名前が上がったのが亀井静香と小野次郎の両衆議院議員だ。新世の摘発について、日本の教団組織を統括する韓国人総会長は「政治家対策を怠った」と発言したという。新世事件の教訓から、教団は改めて政治家対策に本腰を入れ直した。しかし、その後も統一教会では内部告発や公文の外部流出が相次いだことでコンプライアンス違反が多数発覚、それに伴って警察による教団への捜査や国会での追及が再び行われるのでないかと囁かれていた。
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2012年12月、政権を奪取した安倍晋三は悲願である憲法改正を実現するために長期安定政権を目論んでいた。そのためには、組織票にとどまらず無尽蔵の人員を派遣してくれる統一教会を利用しない手はなかったのだろう。目先の国政選挙や改憲運動を巡る策動のために、安倍は最も関係を持ってはいけない相手からのアプローチを受け入れる。教団サイドと距離を置いていた筈の安倍晋三は、自身の政治的野心と引き換えに悪魔の取引を結んでしまったのだ。
翌2013年3月、都内で開かれた統一教会の政治組織・国際勝共連合の太田洪量会長の就任式に多くの自民党国会議員が出席した。7月の参院選での策動に繋がるという流れだ。 一方、教団側はこの時期、激動の中にあった。教祖・文鮮明が2012年9月に死去、後継争いは息子同士だけではなく母子の諍いに発展、後継候補だった息子たちが次々に放擲され、妻である韓鶴子総裁の独裁体制となる。当初の後継者と目された三男・文顯進は、すでに教祖存命中の2010年に追放されていたが、経済部門と宗教部門を受け継いだ四男・文國進(統一教維持財団理事長)と七男・文亨進(統一教会世界会長)も教祖の死後、相次いで教団の実権を握る実の母親・韓鶴子総裁から要職を解かれた。文顯進は2010年に教団の資産管理団体UCIを手中に収め、2017年にはFPA(世界家庭教会)を創設。文亨進は2015年に米でサンクチュアリ教会を設立、銃砲会社を文鮮明から受け継いだ文國進が経済的支援をしている。韓鶴子派とこれら息子たちの分派の間では、不動産利権や教団マークの著作権を巡って訴訟も提起された。 韓鶴子総裁が息子たちを放擲した背景には、韓鶴子の母親・洪順愛が降霊したとされ教団聖地・韓国清平での役事・先祖解怨を取り仕切っていた霊能者・金孝南の影響があったと言われている。その金自身も後に公金横領・私的流用疑惑が発覚し追放された。以降、表向きの後継者は世界会長を務める五女の文善進だが、実際には韓鶴子の秘書室長が実権を握っていると言われている。歴代の日本の会長がこれら分派となった三男派や七男派に流れるなどしたが、日本の教団組織は依然として主流派である韓鶴子派の統制下にある。 この韓鶴子体制に組み込まれる日本統一教会が、以後も安倍政権との緊密関係を構築し続けている。政局の背後で連綿と続く安倍政権と統一教会の癒着は、現在進行形の問題だ。次稿では具体的にどの政治家が統一教会に便宜を図り、関係を持ってきたのか、そしてその背景にあるものを時系列に沿って検証する。(文中敬称略) |
鈴木エイト(やや日刊カルト新聞主筆)・Twitter ID:@cult_and_fraud> すずきえいと 滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書) |
統一教会と安倍政権との裏取引疑惑。安倍晋三自身が教団サイドと緊密な関係になったのは「いつからだったのか」。というのも、1968年に同教団系の政治組織・国際勝共連合の創設を後ろ盾して以降、教団と友好関係にあった祖父の岸信介や、教会員を自民党国会議員の秘書として紹介し各議員を教団のセミナーへ勧誘していたとされる父親の安倍晋太郎とは違って、安倍晋三にはそれまで統一教会とは一定の距離を置いていた形跡があるからだ。
安倍晋三と統一教会との直接の関係が最初に浮かび上がったのは2006年のことだ。同年5月、統一教会系政治団体・天宙平和連合(UPF)が福岡で開催した合同結婚式併催イベント『祖国郷土還元日本大会』に、当時官房長官だった安倍晋三と元法務大臣で衆議院憲法審査会会長の保岡興治(2017年引退)が祝電を贈ったことが発覚した。保岡については、妻が霊感商法商品の壺を購入し熱心に統一教会の集会に出席していたと言われており、2000年には法務大臣の秘書官として統一教会信者を登用したと指摘されている。弁護士でもある保岡は、統一教会顧問弁護士を務めた稲見友之と『敬天総合法律事務所』を共同運営している。しかし、保岡とは異なり、この時期の安倍晋三は統一教会に対して現在ほどの密接な関係を構築していなかった形跡がある。
2010年の参院選前にも教団の政治組織・国際勝共連合の内部通達とされる文書が漏洩した。そこにはジャーナリストから政治家に転身し、継続して同教団の批判を続ける有田芳生参議院議員を名指しで落選させるよう指示が出されており「安倍先生、山谷先生なくして我々のみことばの成就はありません」との文言があった。(ただし、勝共連合は文書自体を「捏造されたもの」と主張している)
当該文書に名指しで「有田対策ですが、くれぐれも宜しくお願いします。相対的に有田退治になります」と書かれた有田は、安倍晋三による祝電について当時、ブログにこう記している。
「わたしは安倍晋三氏と統一教会問題で会話を交わしたことがある。安倍氏は言った。『北朝鮮と統一教会の関係はどうなっていますか』。わたしは北朝鮮の金正日体制と統一教会とが深い関係にあることを伝えた。安倍氏は『そうですよね』とうなずいた。『実は』と彼は統一教会がさかんに接触し、面会を求めてくると語った。『わたしは会わないですよ』と安倍氏は言った。北朝鮮に強硬な立場を取り、しかも有力な総裁候補である安倍氏が、自らの判断であえてこの時期に統一教会系の集会に祝電を打つことはないだろう」(出典:有田芳生の「情報の裏を読む」)。当時の報道を見ても「私人の立場で地元事務所から『官房長官』の肩書で祝電を送ったとの報告を受けている。誤解を招きかねない対応であるので、担当者によく注意した」との安倍のコメントを共同通信が伝えている。その安倍が7年の時を経て、前回書いたように、なぜ教団トップに会って組織票支援を「じきじきに」依頼するまでに変節していったのか。 公安の捜査がパタッと止まった時期 |
2013年夏の参議院議員選挙直前、ある宗教団体が全国の信者に対して以下の内部通達を出した。 「全国区の北村さんは、山口出身の政治家。天照皇大神宮教(「踊る宗教」とも)の北村サヨ教祖のお孫さんです。首相からじきじきにこの方を後援してほしいとの依頼があり、当落は上記の『踊る宗教』と当グループの組織票頼みですが、まだCランクで当選には遠い状況です。参院選後に当グループを国会で追及する運動が起こるとの情報があり、それを守ってもらうためにも、今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の『死活問題』です」
。「全国区の北村さん」は、自民党から比例全国区に立候補し当選した元産経新聞政治部長・北村経夫のこと。そして北村への「後援」つまり組織票支援を「じきじきに依頼」した「首相」は、前年12月にその座へ返り咲き、第二次安倍内閣を率いていた安倍晋三内閣総理大臣その人である。では、首相みずから「じきじきに依頼した」相手とは如何なる宗教団体なのか。組織票支援の見返りに国会での追及から「守ってもらう」必要があった「当グループ」とは、霊感商法や偽装勧誘など多くの社会問題を引き起こしてきた宗教団体・統一教会(世界基督教統一神霊協会、2015年、世界平和統一家庭連合に改称)だ。全国の教団支部や関連施設に一斉送信されたFAXには「参院選推薦候補」として各地の選挙区の候補者とともに全国区の「推し」候補として「北村」の名が記されていた。
北村は「安倍総理が自らお願いをして出馬をされた候補者」。安倍晋三の祖父・岸信介が敗戦後に戦争責任を問われ巣鴨拘置所に拘留される前に地元山口県の田布施に戻ってきた際、北村経夫の祖母・北村サヨが「3年ほど行ってこい。魂を磨いたら総理大臣として使ってやるわい」と告げ、近い将来、岸が総理大臣となることを予言したとされる。安倍晋三にとって祖父と縁が深く、恩人の孫である北村経夫は、首相肝いりの候補というわけだ。
では、この「首相じきじきの依頼」は事実なのか。実はそれを裏付ける傍証も出てきた。そこでは政権NO.2である菅官房長官の関与が取り沙汰された。北村陣営の福岡選挙事務所の手伝いをしていた若手保守運動家によると、北村候補(当時)は選挙運動期間中、秘密裏に福岡県内の統一教会の地区教会2箇所に赴き、礼拝に参加、講演を行ったという。当該地区教会である久留米教会と福岡教会の担当者から北村の福岡事務所の選対部長宛てに送信されたFAXには「お世話になります。7/10(水)の集会、宜しくお願い申し上げます。久留米教会は19:30より30分間、福岡教会は21:00より始めます。恐れ入りますが、それぞれ20分ほど前に御到着いただければ幸いです」と書かれていた。当日の遊説日程表にも、選挙カーを帰した後に久留米教会と福岡教会へ北村が単身で行くことが記されていた。
北村の選挙運動を支援していた地元の不動産会社の社長は、選挙カーの提供だけでなく自社の社員を運転手として派遣していた。北村はこの運転手に「17時以降の予定がキャンセルになった」と告げて帰した後、教団施設に向かっていた。後日、北村の秘密行動を知ったこの社長が北村事務所の選対部長を詰問したところ同部長はこう答えた。
「菅官房長官の仕切り」 。菅喜偉官房長官は第一次安倍改造内閣で自民党選挙対策総局長に就任、福田政権では選挙対策総局選挙対策副委員長を務めるなど自民党の選挙対策を担ってきた選挙戦略のスペシャリストだ。その菅官房長官が北村を統一教会へ極秘裏に派遣していたことになる。北村が極秘に講演した教会の担当者は7月10日の福岡教会の祈祷会で北村が講演したことを認めた。教団本部や自民党からではないとしながらも、北村事務所と統一教会の双方から要望があったと答えている。政治家の講演については「ウチは創価学会とか幸福実現党みたいな独自候補を出しているわけではないし政党も持っていないので」と前置きした上で「いろんな方から講演要請がある」として維新の会の候補者からも打診があったと明かした。北村の後援会名簿には教団系の政治団体である国際勝共連合・世界平和連合の全国各地の幹部の名が記されており、北村の福岡選挙事務所には世界平和連合の女性スタッフが事務員として派遣されていた。
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2013年の参院選で顕在化した安倍政権と統一教会の癒着構造。その関係は翌14年の衆院選を経て15年夏、一つの結実を迎える。統一教会が1997年以降18年間、働きかけてきた教団名の変更を所轄庁である文化庁から認証されたのだ。この不可解な認証の背後には、やはり安倍首相側近閣僚との密接なパイプがあった。
参院後の2013年10月16日、統一教会は2万人の信者をさいたまスーパーアリーナに集め『統一教会日本宣教55周年、日本教会創立54周年記念大会』を開催した。メインスピーカーは教祖・文鮮明の死後、教団の実権を握った韓鶴子総裁。この大規模信者イベントに安倍側近で参議院の運営委員長と国家安全保障特別委員会委員長を兼任していた中川雅治参議院議員が、柳本卓治参議院議員とともに出席し来賓挨拶を行った。参院選での北村経夫への組織票支援の恩返しというわけだ。教団は翌2014年9月23日、幕張メッセに信者1万人を動員し青年イベント『グローバル・ユース・フェスティバル(GYF)2014』を開く。屋内の本会場には教団の学生組織CARP(原理研究会)の本山勝道会長を始め、徳野英治会長や宋龍天総会長夫妻、教祖夫妻の五女・文善進世界会長といった教団幹部が登壇した他、自民党青年局次長だった東郷哲也衆議院議員と次世代の党の田沼たかし衆議院議員(現在は自民党に所属)が来賓として祝辞を述べた。祝電が読み上げられた政治家は鳩山邦夫衆議院議員(2016年死去)と大野功統・元防衛庁長官。祝電を贈った経緯について鳩山は当時、取材に対し「統一教会は支援をいただいている団体。統一教会というより、勝共連合の人たちという認識。お付き合いは古い。安倍政権を支持していただいています」と答えている。 第47回衆院選直前の2014年10月11日、統一教会多摩東京教区が八王子市文化芸術会館で開いた徳野英治・日本統一教会会長の特別講演会『祝福原理大復興会・世界の平和は祝福結婚から』に中川雅治と共に来賓として挨拶したのが、自由民主党筆頭副幹事長及び総裁特別補佐を兼任していた萩生田光一だ。やはり安倍の側近中の側近である。両議員の名は同講演会のパンフレットにも来賓として印字されていた。萩生田・中川両議員とも筆者からの質問書に回答していない。
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夏に参院選を控え、安倍首相が衆参同日選挙に踏み切るのではとの憶測が流れていた2016年1月、SEALDsのライバルを標榜する保守派の大学生グループが現れ、安倍政権を支持する街頭演説やデモ行進を全国各地で展開し始めた。この保守系大学生グループの活動を追う過程で、ある重大な疑惑に行き着いた。
2016年初頭の政治情勢。・2015年6月17日、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が成立。施行は一年後、翌年の参院選では新たに約240万人が選挙権を得ることになった・同年9月に成立した安保関連法案を巡って学生グループSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が台頭。「反安保」、「反安倍」を旗頭に国会周辺などで行うデモが世間の注目を浴び、多くの人の支持を受け社会現象に・共産党が夏の参院選において全一人区での野党候補一本化に協力する意向を示す。全選挙区に候補者を立てて野党を共倒れさせ、結果として自民党の独り勝ちに貢献してきた共産党が初めて自民党にとって脅威となっていた 。 そんな時勢の中で迎えた2016年1月18日、SEALDsへの対抗意識を露わにした保守系の学生グループ『国際勝共連合大学生遊説隊UNITE』が全国各地で街頭遊説活動を始めた。国を憂う大学生たちが結成したという触れ込みのUNITEは、同月末までに連日、東京~埼玉~宮城~千葉~愛知~神奈川を回り、「列島縦断演説」を行った。街宣車の上から声を張り上げていたのは結成メンバーの東大生4人。安倍政権やその政策を支持するこの保守派の大学生グループはSEALDsとは真逆の主張を展開。演説内容は「共産主義反対」、「安倍政権支持」、「安保法案賛成」、「憲法改正支持」といったもので、共産党に対する批判が主だった。その後、3月末に福岡で『UNITE FUKUOKA』が結成されたのを皮切りに『UNITE KANSAI』『UNITE HOKKAIDO』『Youth UNITE KANAZAWA』『UNITE KUMAMOTO』『UNITE IKEBUKURO』『Youth UNITE TOYAMA』『UNITE TOCHIGI』『UNITE MIE』など全国30か所で支部が結成された。名称に『国際勝共連合』と冠してはいるが「UNITEは保守派の大学生が自主的に結成した団体であり、勝共連合とは別組織」というのがUNITEの言い分だった。全国への拡大も「志を同じくする仲間」、「UNITEの活動に共鳴した大学生や青年たち」が「日本各地で結成した」としている。 UNITEのツイッターには「SEALDsにライバル登場!」などとSEALDsを意識し、自らを過大に喧伝する書き込みが頻繁になされた。UNITEは同年3月末に福岡で80人規模のデモ行進を実施、2か月後の5月末には東京・渋谷に首都圏の学生ら230人を動員し、大規模なデモ行進を行った。 「日本共産党に騙されるな」「安保法制賛成」「憲法改正支持」と書かれたプラカードを掲げ「安倍政権を支えよう!」「憲法を改正しよう!」「安保関連法制に賛成します!」と声を揃えて叫ぶデモ隊。その様子を同日、テレビ東京が夕方のニュース番組で「改憲支持 大学生が渋谷でデモ」と報じた。 |
統一教会創設の議員連合創設大会に国会議員63人が参加<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第6回 2016年、2世信者組織・UNITEを使った策動が進められる中、並行して統一教会(世界平和統一家庭連合)は世界各地に議員連合組織を創設。教団と安倍政権との取引疑惑を追う筆者は、この議員連合の日本での創設大会に、閣僚を含む63人の国会議員が出席していたことを突きとめた。
入手した内部資料から明らかとなった教団の狙いは“国家復帰”。統一教会を日本の国教にするという野望だった。
教団系議員連合創設式に国会議員ら100人超出席 2016年、統一教会はフロント団体である天宙平和連合(UPF)の主導で『世界平和国会議員連合(IAPP)』なる国会議員連合組織を世界各地の大陸別、国家別に順次立ち上げた。中心となって進めたのはUPFジャパンの梶栗正義会長。教団と国際勝共連合の会長を歴任した梶栗玄太郎(2012年死去)の長男というエリート2世だ。 IAPPは2月に韓国の大韓民国国会会館で開催した発起人大会を皮切りに、7月にキックオフとしてネパールでアジア―太平洋・オセアニア・中華圏大会、8月にブルキナファソで西アフリカ及び中央アフリカ大会、9月にイギリスの国会議事堂で欧州・中東大会、10月にはコスタリカで中米大会、パラグアイの国会議事堂で南米大会、11月上旬にはザンビアの国会議事堂で東アフリカ大会と、世界各地で創設が進められた。 日本でも同年11月17日、参議院議員会館特別会議室で同議員連合の創設大会『ILC(国際指導者会議)-JAPAN2016』が開かれた。教団内部の情報筋によると、この大会に閣僚(当時)5人を含む国会議員63名が参加。ほとんどが自民党議員で、代理出席の議員秘書を含めると総勢100人以上が出席したという。教団サイドからは文鮮明・韓鶴子夫妻の五女で宗教部門の後継者である文善進世界会長を始め教団の徳野英治会長、勝共連合の太田洪量会長、UPF-JAPANの梶栗会長ら首脳が参加した。入手した大会写真には、自民党の中川雅治、高木宏壽、御法川信英、竹本直一、そして民進党(当時)の鈴木克昌(2018年引退、現自由党顧問)ら恥ずべき日本の国会議員の姿が確認できる。 議員会館会議室は国会議員の申請がないと使用できない。ましてや特別会議室となれば尚更である。教団に便宜を図った議員がいたということだ。 前稿で記した同年6月に首相官邸で行われた安倍首相と教団首脳との密談では、この『ILC-JAPAN 2016 』への国会議員派遣も話し合われたとみられる。 12月1日、教団は米ワシントンDCの上院議員会館で北米大陸の世界平和国会議員連合創設大会を開催、米上院と下院の議員80人と全世界52か国から現職の国会議員63人が参加した。同大会では韓鶴子総裁が基調講演を行ない、トランプ政権の上位閣僚だった共和党重鎮のオリン・ハッチ上院仮議長(当時、2018.1引退)が挨拶している。 そして翌2017年2月には、韓国ソウルの大韓民国国会会館とロッテホテルにおいて韓国の現職国会議員12名を含む世界各大陸40か国の国会議員150人が参加し、IAPPの世界総会を開催した。この総会には日本の国会議員4名と元防衛庁長官が出席。4人の国会議員が現地で韓鶴子総裁から授かった“ミッション”については本記事の後半に記す。 |
2016年の参院選で顕在化した安倍政権と統一教会(世界平和統一家庭連合)による2世信者組織UNITEを使った策動疑惑。 取材の過程で得た教団の内部資料と内部情報から、疑惑解明の端緒を掴んだ。
正体判明!「外的には2つの看板」 筆者が入手したのは2016年6月12日と21日に行われたUNITEの全国一斉演説に際して、UNITEメンバーへ送信された複数の教団内部メールだ。そこには彼らの「正体」が記されていた。一斉演説3日前、6月9日に配信されたメールには「12日の動き」として教団西東京教区青年部の当日のスケジュールが指示されていた。 ※※※※※※※※※※※※※※※ 昨日は遊説の場で、反対派や迫害が来て、過去の事が色々とぶり返されたようです。ユナイト演説を聞いてからSYCに動員します 12日の動き 6月9日 お疲れ様です。坂内部長に確認しました。12日の「特別1day」と「UNITE一斉遊説」の青年部のスケジュールです。 10:30 1day参加 徳野会長23min 阿部局長35min 可知講師48min(前半) 12:30 前半終了 移動(昼食) 13:30 吉祥寺北口集合 掃除・セッティング・祈祷 13:55 BGMスタート 14:00 遊説開始 1人10分×5 記念撮影 15:00 終了 移動 16:00 1day続き 可知講師95min 18:00 解散 になります。青年部全体は基本的には、上記のような動きになります。 ※※※※※※※※※※※※※※※ 一斉演説3日前、UNITEメンバーへ配信された教団内部メール 一斉演説前日、UNITEメンバーに配信された教団内部メール。赤下線は筆者 「外的には2つの看板を背負っての活動」つまり、対外的には『国際勝共連合大学生遊説隊UNITE』と『国際勝共連合』という二つの看板を背負っているが、実態は一つということだ。筆者が入手したのはUNITEと勝共連合が紛れもなく一体であることを示す証拠だった。 |
2016年12月、韓鶴子総裁は「1万人の食口(信者)基盤」つまり「信者数1万人の達成」を果した都道府県に赴き大規模なフェスティバルを開催するとして伝道強化を発令。第一弾として開かれたのが17年5月14日母の日、東京有明コロシアムでの1万人集会『孝情文化フェスティバルin
TOKYO』。同集会では、教団2世による政治団体・勝共UNITEの小村聡士代表が2世信者の代表として「真の父母様」と崇める教祖夫妻への思慕をスピーチ、忠誠を宣言した。その他、2世信者グループのダンスや街頭で偽装勧誘を行う信者による合唱なども披露された。そして徳野栄治教団会長による主催者挨拶の後に、来賓として紹介されたのが「公務ご多忙の中、駆け付けた」自民党の宮島喜文参議院議員と山本朋広衆議院議員だ。宮島は前年の参院選において同教団の組織票の上積みで当選。山本は後援会が統一教会がらみと指摘されており、15年の教団名称変更の際に文科大臣政務官を務めていた議員。来賓挨拶で宮島は「昨年7月の参議院選挙で皆様方の応援をいただき当選させていただきました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございました」と発言。そして教祖・文鮮明の自叙伝を「何度も読み深く感動した」と付け加えた。参院選当時、筆者の取材に対し教団のとの関わりを完全否定してみせた宮島の「完全自白」だ。
次に登壇した山本の来賓挨拶の内容。山本はこう述べ、同教団との密接な関係をアピールした。重要な内容を含んでいるのでほぼ全文を掲載する。
松下政経塾出身の山本は初出馬の2005年衆院選において、京都2区で前原誠司に破れたものの比例復活。09年の衆院選は前原に惨敗し落選。11年、神奈川4区に鞍替えし出馬、選挙区では落選するも比例で復活した。14年、17年も同様に比例復活と一度も選挙区で勝っておらず党の力を借りて当選している議員だ。 17年2月に韓国で開かれた世界平和国会議員連合の総会に出席していたのはこの山本だった。山本の他に参加していたのは武田良太、柳本卓治、そして民主党(当時)の鈴木克昌。4人の国会議員は韓鶴子から直接“国家復帰”統一教会を日本の国教にするという野望)を指令され、その任務を担ったということになる。 ネパール大会に関する山本のSNSでの投稿。山本はネパールへ渡航する際、羽田空国から「はてさて、今回はどこに行かされることやら。。。」と書いている。つまり、世界平和国会議員連合アジア創設大会への参加は山本の意思ではなく誰かの指示によるものだったということだ。教団やそのフロンド組織との緊密ぶりを得意げに語り、隠そうともしない山本の発言。党を代表して述べたとも取れる山本の発言は、統一教会と自民党の関係性を「創価学会―公明党」のように同教団を支持母体として今後は自民党が公けに認めるのでないかと思わせるものだったからだ。 両国会議員に質問書を送ったところ、宮島の政策秘書からは「大変申し訳ないが鈴木エイト様の質問とかいろんなことは今回から全てお断りしようという形になりました。その理由も含めて取材拒否という形を取らせていただきたい」と返答があった。山本からは何ら回答がなかったため、山本の国会事務所に電話したところ、政策秘書は質問書を受け取った山本が内容を読んで「答える必要がない」、「特に回答する必要性はない」と発言していたと明かした。両議員の逃げの姿勢は、支持母体と政党の関係として「統一教会―自民党」という図式を認めるどころか、これまでと同様に同教団との関係が発覚した途端に「知らぬ存ぜぬを決め込む」というものだった。いくら裏では緊密な関係を築き上げても、当の政治家からは表立っての関わりを否定されるというのが教団の置かれている立場を表している。 また、この集会には宮川典子衆議院議員(自民党)と亀井静香衆議院議員(当時・無所属)も祝電を贈っていた。宮川の秘書は祝電を贈った経緯について「会員からの依頼によりお送りしました」と回答、13年に宮川のインタビュー記事が世界日報に掲載されたことについても認めたものの、教団との関係や選挙支援については否定し「教団に便宜を図る関係にはない」と答えた。しかし、宮川に関してはその後も統一教会のイベントに出席していたことをメディア関係者に目撃されている。 有明大会の夜、京王プラザホテルで開かれた『真の父母様御来日歓迎及び東京1万名大会祝勝会』に自民党の参議院議員・北村経夫と中川雅治が出席、来賓として祝辞を述べた。北村は2013年の参院選全国比例区において統一教会の組織票8万表の上積みで当選した議員だが、この時まで約4年間全く当選の見返りとなる“恩返し”を行っていなかった。そのため同教団と勝共連合の幹部からは「誰のおかげで国会議員になれたと思っているんだ」と不満の声が上がっていたが、ようやく義理を果たしたことになる。“恩知らず”を改めた北村は今夏の参院選への危機感から再び教団との距離を縮めていく。 中川と教団の関係については後述する。 また宋総会長は、徳野会長に促された山本朋広が韓鶴子に特大のカーネーションを贈呈している画像を示した他「大会に参加したマスコミの反応」として、集会を取材した朝日新聞とフジテレビの記者の発言として以下の内容を紹介した。 朝日新聞「青年から老人まで、老若男女を問わず多くの人達が並んで参加していることにとても驚きました。一昨年の幕張出帆式でも似たような光景を目にしましたが、今回はそれを凌駕する大盛況であり、壇上に立たれた韓総裁のカリスマ性を肌で感じました」。フジテレビ「完全な満席で成された長大な大会だったので本当にびっくりしました。韓総裁を通して家庭連合にもっと深く関心が湧きました」 。 |
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防衛副大臣・山本朋広(神奈川4区)。山本には統一教会との昵懇関係が次々に発覚。世界平和国会議員連合への参加、有明1万人信者集会における教団幹部や「マザームーン」韓鶴子総裁への媚び諂い、教団引率によるアメリカ外遊とその“献身”ぶりは群を抜いていた。山本の後援会『紅志会』と『山本朋広後援会』については教団の政治組織・世界平和連合の丸抱えとの情報もある。山本の選挙チラシを配る運動員の中に、統一教会の国際祝福2世(外国人信者と日本人信者の合同結婚式カップルから生まれた2世)と思しき青年を見かけた。 |
8月1日、UPF-JAPANの会長に就任した梶栗正義が韓国での特別集会で驚くべき報告を行った。同年7月13日~15日にアメリカで開かれた教団の大規模イベントや日米韓の国会議員会議に、同教団幹部の引率によって現職国会議員8名(自民党7人・民進党1人)を含む12人の議員団が参加、その成果を発表したのだ。この国会議員団が参加したのは、ワシントンDC米下院議会での『韓日米の国会議員カンファレンス』NY国連本部での『韓日米有識者懇談会』そして韓鶴子をメインスピーカーに迎えNY MSGで開かれた超宗教フェスティバル『真の父母様MSG大会』だ。 議員団に参加した人物のうち、判明しているのは以下の国会議員。 自民党衆議院議員:山本朋広、竹本直一、穴見陽一、御法川信英、武田良太 民進党衆議院議員:鈴木克昌。集合写真には他にも2名の現職国会議員が写っていたが、誰かは判然としない。現職の国会議員以外の4名のうち2人は香田洋二元自衛艦隊司令官と大野功統・元防衛庁長官だと判明した。地盤を長男の大野敬太郎衆議院議員に継がせた大野元防衛庁長官は、継続して同教団のイベントに数多く出席している人物だ。
そしてまたしても注目すべきは山本のSNSでの投稿だ。山本は渡米直前、成田空港から「これから出張です。さて、今回はどこに行くのか」と投稿している。「出張」とは「公務など職務で自分の勤務先でないところに臨時に出向くこと」という意味だ。つまり山本は「公務」として統一教会幹部とともにアメリカ外遊をしていたことになる。さらに「どこに行くのか」と、山本は自身の予定すら把握しておらず、教団任せの旅程ということだ。公務として統一教会お抱え外遊に出かける国会議員、これを見逃すことはできなかった。
『韓日米の国会議員カンファレンス』での記念写真には「徳野英治・日本家庭連合(統一教会)会長」「金起勲・家庭連合北米会長」「梶栗正義・UPF会長」「太田洪量・国際勝共連合・世界平和連合会長」「松田幸士・世界平和青年連合会長」ら統一教会関係者の顔も確認できる。竹本直一のオフィシャルブログ『たけちゃんブログ』にはワシントンDCの米下院議会をバックに、これら教団幹部と笑顔で記念写真に納まる恥知らずな代議士らの姿が掲載されている。
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2017年8月3日に発足した第3次安倍第3次改造内閣。その顔ぶれを見ると近年、統一教会と関係の深い議員が抜擢されていた。 まず環境大臣に任命され初入閣した中川雅治。元環境事務次官で自民党政調副会長、自民党総務会長代理、参議院運営委員長・参議院国家安全保障特別委員会委員長などを歴任してきたが、その裏で中川は、統一教会やその関連団体との昵懇関係を続けてきた。これまでに発覚した中川と同教団との関係を以下に列挙する。
・11年12月2日、東京蒲田の大田区民ホール・アプリコで教祖の四男・文國進をメインスピーカーに開かれた教団フロント団体主催『アジアと日本の平和と安全を守る全国大会』に来賓出席し「自民党政調副会長としてきました」と挨拶。 ・参議院運営委員長・参議院国家安全保障特別委員会委員長を兼任中の13年7月2日、参議院議員会館で開催された『日韓有識者特別懇親会 東アジアの未来と日韓協力の展望』に教団幹部と列席。主催はやはりフロント組織・平和大使協議会。議員会館会議室使用の便宜を図ったのも中川だと思われる。 ・同年10月16日、さいたまスーパーアリーナに2万人の信者を集めて開かれた教団の大規模イベント・韓鶴子講演会『統一教会日本宣教55周年、日本教会創立54周年記念大会』に柳本卓治参議院議員と来賓出席し挨拶。 ・翌14年10月11日、八王子市文化芸術会館で日本統一教会の徳野英治会長の特別講演会『祝福原理大復興会』に萩生田光一と出席し、来賓として挨拶。 ・そして16年11月17日の世界平和国会議員連動創設大会出席、17年5月14日の京王プラザホテルでの『真の父母様御来日歓迎及び東京1万名大会祝勝会』への来賓祝辞へと続く。 10年に統一教会の依頼で国会質問を行った秋元司は、国土交通副大臣に任命。13年8月、衆議院議員会館国際会議室で開かれたワシントンタイムズ財団主催の国際学術セミナーに出席し発表を行った土井亨は復興副大臣に。 そして武田良太は自民党幹事長特別補佐に任命、翌月には副幹事長も兼ねることとなった。同教団との関連が深い議員が、軒並み安倍内閣や党の要職に抜擢されたことになる。恰も同教団への貢献度の積み重ねが閣僚ポストへの登用に繋がっているかのようにも思える。 |
2017.5.7-12日、統一教会の金起勲(キムギフン)北米大陸会長が、教団系列のワシントンタイムズ財団と現役米下院議員を含む世界平和国会議員連合のVIPを引き連れて来日し『ファクトファインディングツアー』を行った。金会長一行は、7日に自民党本部を訪問し、高村正彦副総裁や田中和徳国際局長と会談。9日には、京王プラザホテルでの『日本─アメリカ国会議員有職者懇談会』に参加し、国会議員6人と歓談。そのうちの2人は長尾敬と安全保障委員会理事の中村裕之と判明した。10日、菅義偉官房長官から招待を受けて首相官邸を訪問。12日に日本を発つまでに「政府の要職者」とも会談した。同月19日、韓国で開かれた『天地人真の父母様主管 韓・日・米 希望前進大会勝利特別報告会』の場で直接、壇上の金会長から韓鶴子総裁に報告された。高村副総裁は同教団の顧問弁護士をしていた時期があり、訴訟の代理人も務めていた。田中国際局長も2016年10月、川崎駅前で駅頭活動を行った際に教団系日刊紙『世界日報』を配布している。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
2017.5月、統一教会教団が開催した第一回目の1万人集会『孝情文化フェスティバル』(東京・有明コロシアム)。1万人集会で来賓として山本朋広ら複数の自民党議員が来賓挨拶祝辞を述べる。約半年を経た同年秋、千葉、名古屋、大阪で同規模の1万人集会が連続して開かれた。・10月15日、千葉・幕張メッセ『Peace
Loving Festival KANAGAWA』。・11月16日、名古屋・愛知県体育館『2017孝情文化フェスティバルin NAGOYA 』。・11月21日、大阪・なみはやドーム『孝情ファミリーフェスティバルin
OSAKA』 これらの集会に複数の自民党国会議員が来賓として出席。大阪の1万人集会では、同党の国会議員と代理出席の秘書が12人も参加した。 幕張大会の出席者は次の通り。
名古屋大会の出席者は次の通り。
大阪大会の出席者は次の通り。
国会会期中の衆議院議員の代理出席者として以下に列挙する政治家の秘書が紹介された。
出席した議員に質問書を送ったところ、谷川とむの事務所からのみ「議員本人も秘書も出席していない」と回答があった。武村展英(滋賀3区)、山田賢司(兵庫7区)。工藤は15年に開かれた同教団の名称変更式典で祝辞を述べた議員。竹本は17年7月、教団の誘いで他の自民党国会議員らと共にアメリカを外遊し教団イベントに参加。長尾と谷川は同年4月、同教団2世組織UNITE/KANSAIの勉強会に参加し、2世信者を激励している。 参議院の憲法審査会会長を務める柳本に至っては、13年にさいたまスーパーアリーナで開かれた同教団の2万人集会で中川雅治(現環境大臣)と共に来賓として祝辞を述べた他、15年に韓国で開かれた韓国原理研究会(CARP)のイベントで来賓挨拶、17年2月には世界平和国会議員連合の総会に出席し来賓挨拶でこう述べた。
故文鮮明教祖が提唱した日韓海底トンネルや国際ハイウェイプロジェクトを称賛し忠誠ぶりをアピールする柳本。韓鶴子への忠誠を“マザームーン”山本朋広防衛副大臣と競い合っているかのような様相だ。 |
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7月、自民党議員団が教団の引率でアメリカを外遊。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
8月、組閣。これらの“行事”に協力した議員が要職に就いた。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
2017.11月、世界日報社が、動画配信サイト・YouTubeでViewpoint公式チャンネルとして『パトリオットTV』なる番組の配信を始めた。この番組でメインキャスターを務めているのが自民党政務調査会調査役(18年1月に離任)の肩書きを持つ著述家の田村重信だ。(第1回目のゲストは山本朋広らと統一教会の引率で渡米した元自衛艦隊司令官の香田洋二)これは党として同教団に関わっているという構図に他ならないのではないか。山本朋広と同じく菅官房長官の忠実な“部下”とされるのが衆院予算委員会の与党筆頭理事として最前列に陣取り、質問に立つ野党議員へ野次を飛ばしていた菅原一秀議員が、10月の衆院選で統一教会の青年信者グループを運動員として使っていた。11月3日に勝共UNITEの改憲大会での2世信者への“激励”はこの人力派遣の見返りということになる。 |
「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK247」の赤かぶ氏の2018 年 7 月 04 日付投稿「統一教会の「さいたまスーパーアリーナ2万人集会」に自民党国会議員ら6人が来賓出席 祝電を送った国会議員が47人もいた」。
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基調講演を行う清和会会長・細田博之衆議院議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) 政権与党最大派閥・清和会会長が韓鶴子詣で 10月5日、名古屋城脇に建つ高級ホテル「ホテルナゴヤキャッスル」の大宴会場・天主の間で統一教会関連政治組織UPF(天宙平和連合)が国際指導者会議『ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス(JSLC)/Japan Summit and Leadership Conference 2019 in Nagoya』を開催した。日韓の国会議員、米下院議員、教団や関連団体の幹部らが列席、日本からは安倍晋三首相の出身派閥・清和政策研究会/細田派の会長で自民党の政治倫理審査会会長と憲法改正推進本部長を務める細田博之元内閣官房長官を始め、原田義昭前環境相、奥野信亮、工藤彰三という4名の衆議院議員、そして3人の現役参議院議員、北村経夫、江島潔、島村大に加え7月に政界を引退した伊達忠一前参院議長が来賓として出席した。 登壇した日本の政治家の発言内容や関連する会議の流れを以下に抜粋する。 ◆日本の国会議員を代表して挨拶した原田前環境大臣 「ようこそわたくしどもの名古屋市に愛知県においでいただきまして心から歓迎いたします。韓鶴子総裁をお迎えして日本で国際指導者会議が開催されるのは今回が初めて。いかにわたくしどもにとって名誉なことか」「感動とともに感謝する次第であります」「韓鶴子総裁が指導される平和運動は日本においては過去に勝共運動として知られるようになりました。無神論、共産主義との闘い、救国救世に命を懸ける青年の姿に深く感動したところであります」「心からの敬意を申し上げます」 国会議員代表として挨拶する原田義昭前環境相(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) 基調講演を行う伊達忠一前参議院議長(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) 講演を終えた韓総裁に花束を贈呈する江島潔参議院議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) |
2019.10.17、統一教会と関係の深い議員が多数入閣。その一人、菅原一秀の経産相抜擢に見る、「菅政権」への布石 ハーバー・ビジネス・オンライン 政治・経済 “統一教会”の国際会議に自民党国会議員大量出席、清和会会長が来賓として講演<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第18回> 4万人大会で韓鶴子総裁を称賛する電報 その翌日、セントレア直結の愛知県国際展示場AICHI SKY EXPOでメインスピーカーに韓鶴子総裁を迎え教団が開催した4万人信者大会『孝情文化祝福フェスティバル』には自民党の工藤彰三・池田佳隆両衆議院議員と元衆議院議員の鈴木克昌と東郷哲也が来賓出席。 前日のジャパンサミットでの登壇の機会がなかった工藤は来賓祝辞で「このような盛大な場所で挨拶の機会」を得られたことに感謝の意を示し「韓鶴子総裁のご指導のもと、真の家庭運動、祝福という神聖な式典を開催されたことに心より敬意を表したい」「これだけの大勢の方の前でお話ができる。非常にわたくし工藤彰三は幸せな男だと思う。本日、皆さんととともにここに集えたことを誇りに思い、皆さんの生活をしっかりと守り抜く、政治家としてお誓い申し上げ、ご挨拶と替えさせていただきます」と教団への貢献をアピール、4万人の信者から拍手喝采を浴びた。 教団への貢献をアピールする工藤彰三議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) また大村秀章、杉本達治、鈴木英敬といった愛知・福井・三重の各県知事と6人の市長からの祝電があったことが紹介され、司会者が鶴の文様が入った金色の大村知事の祝電を代読した。 「孝情文化祝福フェスティバルの開催を祝し、心よりお喜び申し上げます。混迷する東アジア情勢の中で太平洋運命圏時代と日韓米の連携をテーマに韓鶴子総裁をこの愛知県国際展示場にお迎えし、かくも各界各層の多くの皆様がご降臨くださったことに心より歓迎申し上げます。私は公務が重なり残念ながら出席が叶いませんが、世界平和の実現に向けて地球的規模で環境を整えてくださる韓鶴子総裁の力強い信念とリーダーシップに心より敬意を表すとともに、関係各位のご尽力にも敬意を表し、会のご成功を祈念いたします」 大村秀章・愛知県知事からの金の祝電を紹介する司会者(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) 前半のメインイベントは会場の4000組8000名が受ける既成祝福。県会議員と市会議員合わせて70組の中から36組72名の夫婦が代表家庭として登壇。真の父母(教祖夫妻)の代身として日本統一教会会長・徳野英治夫妻が主礼として成婚の儀式を行い、70人の地方議員が同教団の信者となった。 壇上で既成祝福を受け、信者となった地方議員夫婦(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより) この日も主役は韓鶴子総裁。日韓両国旗を振る4万人信者による「み旨の応援歌」大合唱の中、オープンカートに乗り会場をパレードする女帝。 4億円以上を荒稼ぎも不機嫌だった最高権力者 その他にイベント献金として数十倍の献金納付がなされているはずとの情報もあり、ステージ正面には高額献金者のための特別席が設けられていた。 さぞや韓鶴子はご満悦と思いきや、会場でその表情を直接観察した人によると、この最高権力者は2世信者が“真の父母”に忠誠を誓う「無条件」ダンスの出し物の時間を除いて終始不機嫌そうだったという。韓総裁の不機嫌さの理由は、この2日に渡る教団イベントに来賓出席した政治家の少なさにあったようだ。当初、教団内では5日の国際会議について「いよいよ10月5日、名古屋でジャパンサミットが開かれます。日本から国会議員約20人、知事や多数の県会議員、市会議員が参加。国家レベルのVIPたちと共に国際会議を行います(中和新聞2019.8.30掲載の徳野英治会長メッセージ)」と喧伝していた。にもかかわらず実際に参加した国会議員は両日合わせても10人に満たず、知事に至っては来場すらせず祝電を寄越しただけだった。 弁護士団体の要望書と来賓議員からの電話回答 何故、当初教団会長が吹聴していた人数より国会議員の参加が少なかったのか。そこには弁護士団体から全国会議員に出されたある要望書が”功奏“したのではとの推測もなされている。 10月5日と6日の両イベントに来賓出席した政治家に質問書を送付した。 本稿後編では全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)による会見と国会議員への要望書の内容、そして今回の来賓国会議員から直接かかってきた電話での回答内容について記す。(文中敬称略) <取材・文/鈴木エイト> |
鈴木エイト すずきえいと
●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教と政治というテーマのほかに宗教2世問題や反ワクチン問題を取材しトークイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書) |
【統一協会系議員考】 | |||||||||||||||||||||||||
「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK266 」の赤かぶ 氏の2019 年 10 月 19 日付投稿「“統一教会”の国際会議に自民党国会議員大量出席、清和会会長が来賓として講演<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第18回>(ハーバー・ビジネス・オンライン)」。
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「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK273」のバルバロッサ氏の2020 年 7 月 04日付投稿「勝共連合が操る安倍首相、小池都知事、黒川高検長、川井法相夫婦を結ぶ醜聞に繋がっている五人組」。
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鳩山由紀夫 | 元内閣総理大臣 | 統一教会のイベントに参加。「世界平和連合」設立発起人。統一教会パーティーに出席。 | |
鳩山幸 | 元宝塚 | 鳩山由紀夫との結婚式が統一教会? | |
小沢一郎 | ワールドメイトのパーティ券購入多額。 | ||
海江田万里 | ワールドメイトでスピーチ、寄付受領など | ||
前原誠司 | 統一教会系ワシントン・タイムズに全面意見広告、ワールドメイトのパーティ券購入など。 | ||
細野豪志 | 元環境相 | 2013年に、世界日報元社長から、自身の政治団体「伊豆政策研究会」に3万円の献金があったと認めた。 | |
玉木雄一郎 | 国民民主党代表 | 2016年、世界日報元社長から後援会に3万円の献金があった。世界日報にインタビュー掲載。 | |
篠原孝 | 旧統一教会もしくは関連団体が開いた会合に祝電を送っている。 | ||
松木謙公 | ワールドメイトからの献金が多額。 | ||
中川正春 | |||
菅原喜重郎 | 自由 | 5~6年前、自民・民社の先生方と一緒に集会には出席。教義セミナーは案内だけと記憶 | |
鹿野道彦 | 民主・元農水相 | 自民党時代は選挙応援等で関係あり。セミナーに出たかもしれないが、いまは無関係(電話) | |
神田 厚 | (民主・元防衛庁長官) | 訪韓のついでに教義セミナーは受けたが、誓約書は出さず。集会は党の政策説明のため出席。 | |
月原茂皓 | (自由・元郵政政務次官) | 夫人がアジア婦人連合会員。 |
高市早苗 | UPFイベントに出席。 | ||
稲田朋美 | 衆6 | 統一教会のイベントに参加。 | |
杉田水脈 | 衆3 | ||
山谷えり子 | 衆1参4 | ||
上野通子 | 参3 | ||
吉川有美 | 参2 | ||
中川郁子 | |||
高橋はるみ | |||
小宮山泰子 | 天宙平和連合(UPF)「祖国郷土還元日本大会」に祝電。 |
大村 秀章 | 愛知県知事 | 孝情文化祝福フェスティバル祝辞披露。 | |
杉本達治 | 福井県知事 | 孝情文化祝福フェスティバル祝電。 | |
鈴木英敬 | 三重県知事 | 孝情文化祝福フェスティバル祝電。 | |
東国原英夫 | 統一教会関係者と関係。 |
(私論.私見)
source : 週刊文春 2022年9月29日号
genre : ニュース, 政治, 国際本の近代政治界において“文先生”の名前を抜けば暗黒です〉〈日本政界のトップたちはそれを知っています。「文先生の力が怖い」と〉(2003年9月24日/418巻)
「文鮮明先生말씀(マルスム)(み言葉)選集」という本がある。そこに収録されているのは統一教会(現・世界平和統一家庭連合)を創設した文鮮明氏が遺した独善的な“お言葉”の数々だ。
◆ ◆ ◆
1961年から2010年頃まで不定期に発行された選集は、全615巻。全て韓国語で編まれている。版元は韓国・ソウルにある教団傘下の出版社だ。韓国在住の元信者が解説する。
「1冊あたり300ページから400ページ。印刷部数は限られていて、入手は困難です。現在はコアな信者のみが所有しています。全巻を揃えている信者は限りなく少ないと思われます」
統一教会の日本本部によると、韓国の信者向けに作られており、日本語版はないという。筆者は今回、膨大な量の“お言葉集”を韓国で入手した。
主な内容は文氏による説法等の発言だが、その中に日本の政治家との繋がりを語っている箇所がある。韓国限定で発刊された冊子ということもあり、そこで語られているのは日本国内には漏れ伝わってこない放言のオンパレードである。
〈岸(信介)首相は霊界に行っていますが(亡くなっているの意)、その次に福田(赳夫)首相です。福田は、私が首相にさせたのです。中曽根(康弘)も私が首相にしたんです〉(98年6月10日/294巻)
まるで日本の歴代首相が自分の掌中にあったかのような口ぶりである。
文氏が日本の政界に食い込んでいく原点は、統一教会が日本で宗教法人の認可を受けた64年に遡る。同年11月、教団は本部教会を世田谷区下北沢から渋谷区南平台に移転。その場所こそ、安倍晋三元首相の祖父・岸信介氏の私邸の隣。57年から60年の岸内閣時代に首相公邸として使われた建物でもあった。
統一教会と岸氏の間を取り持ったとされるのが、戦前に右翼政治家として活動した日本船舶振興会会長の笹川良一氏。2人はA級戦犯の容疑者として収監され、親密な関係を築いていた。
68年、文氏は日本と韓国で反共産主義の政治団体「国際勝共連合」を結成。日本の名誉会長に就任したのが笹川氏だった。
旧統一協会(世界平和統一家庭連合)による反社会的活動の実体と、その歴史について、長く同協会を追及してきたジャーナリストの柿田睦夫さん(「しんぶん赤旗」元社会部記者)に寄稿してもらいました。
旧統一協会(注)は自ら「旧約・新約聖書を教典に『原理講論』を教理解説書とする」(協会刊『こころをつなぐ統一教会』)としていますが実態はそうではありません。聖書の言葉を断片的に使っているけれど、教義の本質があるのは「祝福」と「万物復帰」です。
ここでいう「祝福」とは集団結婚。信者にとって最高の救いとなる重要儀式です。誰が祝福メンバーに選ばれるのか、相手(相対者)が誰かは本人の意思ではなく組織が決めます。相手の国籍や人種がどうあろうと拒否できません。
開祖の文鮮明が青年期にかかわったのは「混淫(こんいん)派」という血分け=セックスを教えの基調にする土着宗教。1955年には韓国の梨花女子大事件で学生の不法監禁などの容疑で逮捕されましたが、新聞はこれを「私は神の子だから、私と肉体関係を持てば、あなたは救世主を生むことができる」と説教したと伝えました。これが「祝福」教義のルーツだといっても間違いありません。
『原理講論』によればアダムとエバの時代、エバの不倫により人類は原罪を負いサタンの血統になり、それがすべての不幸の原因になった。選ばれた女性が文鮮明によって清められることで血統が転換され無原罪の子を生み人類は救済される…。これが統一協会の祝福=集団結婚です。
初期には信仰と実践を評価された者だけが祝福の対象でした。その後マスプロ(大量生産)化され、参加信者に課す「祝福献金」など金集めに比重が移ったように見えますが、「祝福」の本質に変わりはありません。
信者たちは文鮮明・韓鶴子夫妻を「真(まこと)のご父母様」と仰ぎ、ひたすら「祝福」を求めて組織の「人事」で与えられた活動に励みます。それは伝道や霊感商法の部門だったり、協会の政治団体である勝共連合などの傘下組織だったりさまざま。昼は勝共連合として選挙の運動員、夜は霊感商法の霊能者役というようなこともあります。
もう一つの主要な教えが「万物復帰」。この世の人も財もすべて神のものであり、サタン(一般社会)のもとにある宝を本来の所有である神=文鮮明に「復帰」させることは善であり救いとなる。正体を隠した詐欺的伝道も霊感商法もこの教えによって合理化されます。
「霊界で苦しむ先祖を救うため」「運勢の転換のため」と多額の献金をくり返し、「神が求めているから」と不動産を担保に入れて金をつくる。「これを授からないと救われない」と印鑑やつぼを売りつけ、福祉や難民救済を装ってカンパを集め訪問販売をする…。そんな活動の総称が霊感商法です。
![]() (写真)旧統一協会系企業「新世」が客に120万円で購入させていた印鑑 |
実はこのような金集めをしているのは日本の統一協会だけ。他の国の統一協会はしていません。日本はエバ国家であり奉仕する立場というのが『原理講論』の教えです。日本の協会は毎年数百億円を韓国に送ってきたといわれます。それが文一族の生活遊興費や世界各地での資産買収などの原資。日本での政治家工作費にもなります。
霊感商法が刑事訴追された「新世」事件(2009年)で東京地裁判決(確定)は、ダミー組織である「新世」の印鑑販売は「信仰と混然一体となったマニュアル」をもとに、これを「信仰にかなったものと信じて」「信者を増やすことをも目的」としたものだと断定しています。
旧統一協会のもう一つの顔が「勝共」。『原理講論』には「第三次大戦に勝利して共産主義を壊滅させ、…理想世界を実現しなければならない」とあります。単なる「反共」ではなく共産主義の思想そのものを抹殺する。それが「勝共」思想です。
協会が韓国でつくった「国際勝共連合」の朴正煕軍事政権とKCIA(韓国中央情報部)の下での活動ぶりに注目したのが日本の反動勢力。日本の勝共連合は、文鮮明を交えた「本栖湖会談」(67年)を経て、右翼の大物笹川良一や岸信介元首相らが発起人になって68年に発足しました。「勝共」で文鮮明とつながった岸元首相はその後、文が主催した世界言論人会議で議長をつとめるなど、その活動を支援しました。
78年京都府知事選や79年東京都知事選での激烈な反共謀略の宣伝・街頭活動が評価され、勝共連合は急速に自民党内部に浸透しました。
浸透活動の一つが「マルS作戦」という選挙支援。運動員として送り込まれた信者たちはビラまきや電話作戦などで熱心に働き、他候補のポスターはがしなどダーティーな活動もいとわず重宝がられました。特定の大物議員には陣中見舞いと称する現ナマ支援も。支援の代償は、当選したあと協会の研修会に参加すること。これをくり返して事実上信者扱いされる議員も生まれています。
もう一つが秘書の送り込み。ほとんどが人件費は勝共連合持ちだから多くの議員がこれを受け入れてきました。秘書となった信者が自民党公認で総選挙に出たこともあります。自民党の支援をバックに無所属で地方議会選挙に出て当選した信者も少なくありません。
自民党議員の多くがこれに応えて、さまざまな形で協会の活動をバックアップしています。歌手や有名スポーツ選手らの参加で話題になった92年の集団結婚には中曽根康弘元首相がソウルの式典に祝辞を贈りました。実は2年前の総選挙で中曽根氏はリクルート疑惑の関連で自民党籍離脱というピンチに陥っており、協会は数十人の信者を無償で運動員として派遣していました。
同じ92年、入管法で入国資格のない文鮮明が法務大臣特別許可という超法規措置で入国を果たしました。このとき法務大臣にあっせんしたのは金丸信自民党副総裁。入国目的は「北東アジアの平和を考える国会議員の会との意見交換」とされ、同会の連絡電話は勝共連合が母体のスパイ防止法制定促進国民会議の事務所に置かれていました。
協会の集会で講演したり祝辞を贈ったりするのも信者活動家を励ますためのもの。安倍晋三元首相が世界戦略総合研究所で講演し(10年)、天宙平和連合=UPFにビデオメッセージを贈る(21年)のもその一例です。
霊感商法が社会問題化し、規制を求める声があがったとき、少なくない国会議員が衆参委員会で「信教の自由の尊重を」などと質問しました。こうした行為が行政に“しばり”をかける効果を生んでいることも、見逃せない事実です。
(一部敬称略)
(注) 正式名称は「世界基督教統一神霊協会」だから「統一協会」と略称するのが自然であり、初期にはメディアも統一協会自身もこの略称を使っていた。その後、「統一教会」とキリスト教会系の宗教を装うことに転じ、メディアもこれに追随するようになった。「集団結婚」を「合同結婚」と普通の結婚を合同で行うかのように装ったのも同じ。ここでも多くのメディアがこれに追随した。
松下政経塾と国際勝共連合
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2022/09/post-23e774.html
2022年9月19日 植草一秀の『知られざる真実』
松下政経塾と富士政治大学校は同種同根。富士政治大学校は公益財団法人富士社会教育センターが運営した
私塾。民社党・同盟系の研修機関。創設は1969年。創設者は民社党第2代委員長の西村栄一氏。民社党初代
委員長の西尾末広氏は最高顧問に就任した。富士政治大学校の第2代理事長に就任したのが松下正寿氏。松
下正寿氏は1968年から1974年まで民社党参議院議員を務めている。松下氏は1969年に旧統一協会関連の
市民大学講座学長に就任。1974年には旧統一協会が中心になって設立した世界平和教授アカデミーの会長に
就任。1975年には世界日報論説委員に就任。著作物では、1979年6月に世界日報社からフレデリック・ソンタ
ーク著『文鮮明と統一教会 その人と運動をさぐる』を監訳者として刊行。1984年には文鮮明の人物像や理念を
紹介した『文鮮明 人と思想』を刊行している。1983年5月に設立された日韓トンネル研究会の設立総会で松下
氏は呼びかけ人代表として挨拶を述べた。1985年には、「国際ハイウェイ・日韓トンネルの構想は国際文化財団
の創設者である文鮮明先生のものである。我々は先ずこの素晴らしい構想に対して感謝しよう」と書き記している
。松下氏が理事長を務めた富士政治大学校。民社党と同盟の研修機関。富士政治大学校が創設されたのが19
69年。他方、旧統一協会が国際勝共連合を創設したのが1968年である。民社党参議院議員の松下正寿氏は
旧統一協会が創設した世界平和教授アカデミー初代会長に就任している。世界平和教授アカデミーは旧統一協
会のシンクタンクの機能を担ったと見られる。『道政アトラス』ブログ様が、「世界平和教授アカデミー」と旧統一協
会との関係について詳述した、現代評論社発行月刊誌「現代の眼」1978年4月号掲載の佐藤達也氏による論文
『世界平和教授アカデミーの正体』を紹介している。
https://amba.to/3QZxSe4
「世界平和教授アカデミーの実態を紹介すると、現役員は会長松下正寿以下、別表の通り。
名高い反共親韓学者が雁首を並べているが、(中略)注目しなければならないのは、規約上なんの権限もない「参
与」に名前を連ねている人々である。現対外経済相牛場信彦、郷司浩平日本生産性本部会長、桜田武日経連会
長、CIA東京ブランチといわれるアジア財団日本代表ジェームズ・スチュアート、内閣調査室初代室長村井順等と
並べば、旧特務期間、財界、KCIA、CIA、JCIAのオンパレードである。この参与のメンバーを見れば、世界平和教
授アカデミーの性格が一目瞭然、金脈もはっきりわかる。また事務局も「財界から援助を受けている」ことを認めて
いる」。1960年の民社党創設を主導したのは米CIA。革新勢力のなかに対米隷属の反共勢力を埋め込んだ。
革新勢力が一枚岩になって社会主義政権を樹立することを阻止することが目的である。そのCIAが日本における
反共活動の拠点としたのが民社党=同盟=国際勝共連合だ。松下正寿氏は民社党参院議員で世界平和教授ア
カデミー初代会長に就任し、富士政治大学校の理事長を務めた。同盟の系譜を引く対米隷属大企業御用組合連
合が連合内の「六産別」であり、富士政治大学校と強い類似性を有するのが松下政経塾。
基調講演を行う清和会会長・細田博之衆議院議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
国会議員代表として挨拶する原田義昭前環境相(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
基調講演を行う伊達忠一前参議院議長(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
韓鶴子総裁の基調講演に総立ちで拍手する政治家や教団幹部たち(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
講演を終えた韓総裁に花束を贈呈する江島潔参議院議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
教団幹部に支援のお礼を述べる北村経夫参議院議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
名古屋宣言ボードにサインし教団幹部医らと記念撮影に納まる清和会会長(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
4万人の信者を動員して行われた『孝情文化祝福フェスティバル』(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
教団への貢献をアピールする工藤彰三議員(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
大村秀章・愛知県知事からの金の祝電を紹介する司会者(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
壇上で既成祝福を受け、信者となった地方議員夫婦(世界平和統一家庭連合のサイトPeaceTVより)
4万人の大合唱の中でのパレード後、講演する韓鶴子総裁(以上の画像はPeaceTVより)
信者が購入させられた1万円の入場チケット