キリスト教哲学

マルクス・アウレリウス
121−180
 「人間にとって運命の指し示す役割を−その大小に関わらず−ためらうことなく遂行することよりも良い生き方は無い。私達の役割の終わることが見かけの上で早すぎたとしても、私は五幕のうち三幕だけしか演じなかったといって嘆くべきではない。人生というドラマは、しばしばたった三幕で終わることがあるのだが、生のドラマの役割を与えたり奪ったりするのは、演出家のやる仕事である。彼の脚本の筋で私達の役割が終わりにくければ、彼は引っ込むことを命ずるだけである。だから、時には、『心なごみて出て行くが良い。汝に出て行くことを命ずる者も又なごみてあるのだから』(『省察録』)。

 「人生における役割が何であるかは問題ではない。良き演技こそがそれぞれの役割から何ものかを作り出す」。





(私論.私見)