デジタル私的録画掣肘著作権考

 (最新見直し2008.6.18日)

 いまや著作権があらゆるところに神出鬼没しており、デジタル録画機器にも向けられている。その為、デジタル放送の電波には複製制限信号が組み込まれている。デジタル放送対応のハードディスク駆動装置(HDD)内臓型DVDレコーダーには、シードディスクに録画すると、DVDなど他の記録媒体には1回しかコピーできない仕掛けが施されている。電波に乗せた制御信号により、コピー後にハードディスク上の記録分が消えるシステムになっており、「コピーワンス」と云われる。この仕組みは、2004.4月に導入された。

 しかし、コピー作業に失敗すると取り返しがつかず、ユーザーからの使い勝手が悪いとの声が絶えない。これに対応して、メーカー側は、デジタル放送番組を録画したハードディスクから、DVDなど他の記録媒体に10回コピーできる「ダビング10」機種を販売しようとしている。

 ところが、著作権問題が発生し、文化庁の文化審議会が2年前から調整に入っている。2008.5.8日の文化審議会の著作権分科会の小委員会で、著作権保護のための「私的録音・録画補償金」を課す文化庁案を廻り、電機メーカー側代表委員が、「補償金制度が際限なく拡大していく不安がある」と強く反発した。強力に主張する著作権団体はメーカー側の難色を批判している。
 2008.6.17日、文部科学省(渡海紀三朗大臣)は、地上デジタル放送の複製回数を緩和する日時が確定できない問題に対し、新世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」に著作権料を課金し、米アップル社の「iPod」など携帯音楽プレーヤーや録画機に内臓されたハードディスク駆動装置(HDD)への課金を当面見送る方針を打ち出した。

 これに対し、「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」などに加盟する権利者団体(テレビ番組制作会社、脚本家など)は、17日、打開案について「どれだけの意味を持つのか判断できない」と文書で表明。





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