JASRAC式料金カウントシステム考 (カラオケ、テレビ、ラジオ、有線、BGM放送に対する) |
更新日/2017(平成29).7.15日
(れんだいこのショートメッセージ) |
ここで、各種音楽利用機関に対するジャスラックの料金システムを検証しておく。 2004.9.11日 れんだいこ拝 |
【歌唱、演奏、カラオケ利用店舗に対する課金システム】 |
店舗面積割課金制に基く使用料規定による徴収を第1次とする。これに応じない店舗経営者に対しては「1曲90円制」に基く別枠使用料規定による徴収を第二次とする。 |
【ラジオ、テレビ放送局に対する課金システム】 |
「営業収入の5%制」に基く包括契約による徴収を行う。 |
【有線放送に対する課金システム】 | |
「Desafinado BBS」に於けるコマプ墨田氏の2009.1.17日付け投稿「解決は適正体制の構築以外なし、国の仕事です」の関連文を転載しておく。
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【BGM放送に対する課金システム】 | |
「JASRAC、店内BGMへの著作権料課金を開始!!――楽曲への電子透かしで4社を技術認定も発表 2001年10月20日」を参照する。 2001.10.19日、JASRACは、JASRAC本部で記者会見を開催し、店内BGMの著作権管理を2002.4.1日に開始すると発表した。著作権法附則14条の廃止によって店内BGMにも著作権が及ぶことになった。 1934年制定の旧著作権法では、レコード演奏に著作権は及ばないとされ、また1970年の同法改正の際にも放送および有線放送、店内BGMなどに対する著作権適用が制限された。しかし、1999.6.15日、著作権に関する国際条約“ベルヌ条約”に違反する可能性があるとの理由で著作権法が改正され適用されることになった。施行は2000.1.1日。 店内のBGM放送には、CDなどの録音物の再生と有線音楽放送がある。JASRACは著作権法改正にともなって、録音物の再生演奏および有線音楽放送を店内で流す“公衆送信の伝達”についての管理を2002.4.1日に開始するという。 新たに管理の対象になるのは、飲食店や一般の小売店、コンビニエンスストア、百貨店、ホテル、遊園地など約120万件。この内約90%が、有線音楽放送を利用しているという。但し、“元栓”での著作権管理を行なうこととし、有線音楽放送事業者やBGM用音源の貸し出し事業者が著作権料を支払うことになる。すでに10.2日に文化庁長官に使用料規定の届け出を行なっている。 1施設あたりの使用料金は、一般の店舗で500uまでが年額6000円、1000uで1万円、3000uで2万円など。ホテルなどの宿泊施設では、宿泊定員が100人までが年額6000円、200人までで1万円、300人で2万円などとなっている。有線音楽放送事業者が包括的利用許諾契約を結ぶ場合は、その事業者の前年度の営業収入の100分の1を支払う。但し、福祉や医療、教育機関、また従業員のみを対象とした事務所や工場などでの利用は当分の間使用料を免除する。 |
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「ネットで批判続出! JASRACはなぜ「無断BGM使用」に法的措置をとったのか?」。
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【音楽教室に対する課金システム】 |
2012.7.2日、日本音楽著作権協会(JASRAC)が、「公衆の前での演奏」に関わる「演奏権」を根拠として、ヤマハなどが手がける音楽教室での演奏についても、著作権料を徴収する方針を固めたことがわかった。全国で合計9000箇所もの教室を徴収対象に設定し、徴収額は年間10億〜20億円と推計されている。教室側の反発は避けられない状況。ネット上では批判が殺到。「生徒は不特定の公衆ではないだろ」、「いくらなんでも銭ゲバ過ぎる」、「クラシックしかやれなくなる」、「音楽が衰退するだけ」など著名人含め多くの声が寄せられてる。 |
【絵画や小説、マンガなど音楽以外の分野に対する課金システム】 |
2016.8.3日 、「美術・文芸分野にも意欲 JASRAC新理事長の浅石氏「音楽著作権の巨象」より高い公共性が課題」。8.6日、「二次創作に打撃か、JASRACの新理事長が絵画やマンガ、小説など音楽以外の著作権管理への進出に意欲」。 。 音楽著作権管理で圧倒的なシェアを持つ日本音楽著作権協会(JASRAC)の浅石道夫・新理事長(65)が7月、会見を開き、「美術も文芸もJASRACで全部(許諾を)取れちゃうとなれば、利用者には一番よい」と述べ、絵画や小説、マンガなど音楽以外の著作権管理にも進出する意欲を示した。現在JASRACは350万曲を管理し、CDだけでなくテレビ番組やカラオケなどで音楽が使われる際に著作権料を徴収している。2015年度に徴収した著作権料は1117億円に上り、その圧倒的なシェアは9割を超え「音楽著作権分野の巨象」と批判されている。現時点ではあくまで新理事長の意欲という段階で具体的な先行きは示されてはいません。しかし、JASRACによって古くはネット上のMIDI文化が壊滅に追い込まれた先例もあり、仮に多くの作家や出版社がJASRACに管理を依頼した場合、現在大いに賑わっている二次創作というジャンルが大きな打撃を受ける可能性がある。 |
(私論.私見)