パブかに子のジャスラック抗弁書1 |
(最新見直し2007.11.12日)
【「パブかに子」の歩み】 |
まず、仮称「パブかに子」(以下単に「かに子」と記す)の歩みを確認しておきます。 2002.12.12日、「かに子」を開店しました。「かに子」は、経営者がそれまで利用してきた不動産事務所を移転させたことにより空き室となったものを有効利用したものです。約10ヶ月遊ばせました。その間何をしたら良かろうかと考えた末に、界隈の新コミュニケーションの場を作ろうと思い立ちました。カラオケも必要と思い第一興商を手配しました。当時の最高級機器をリース契約したので月額約6万円になりました。かなり高いように思いましたが、性能の良い方を選んだ為やむを得ませんでした。 パブとしたのは、店舗そのものが狭く特に調理場の狭さが食事づくりに不向きな為です。食事はできませんと云う意味を込めたのと界隈の新コミュニケーションの場づくりを狙いスナックではなくパプとしました。できればセルフサービス的な店を作ろうとしたことにもよります。 立地的に目の前が居酒屋であり、食事を終えた後の流れを期待しました。ところが「かに子」という名前が異様に感覚されたのと、受け狙いで壁面に掛けた看板文句の「歌は道連れ 情け連れ 本日もお仕事ご苦労さん」、入り口前のスタンドの中村雅俊の歌曲「恋人も濡れる街角」、付け加えて「明朗会計」、別の看板に「元祖本店」等々を記したのが評判が悪く、何やら怪しい店と敬遠された気配があります。そういう何やかやの理由で当初目論んだ売上とはほど遠い赤字経営となり今日に至っています。たまたま家賃が発生しないのと、経営者である私のマスター稼業が無料奉仕により成り立っているので何とか続けることができております。これが本業なら成り立ちません。そういう経営を続けております。 お客間のトラブルも稀にあり、近所からの騒音苦情が為されたり、このたびのようなJASRAC問題が発生したり、この種の経営の難しさを知らされております。現在の心境として間もなく開店5周年になりますが、よくぞ続けてきた、そろそろ潮時かという思いがしています。 |
【「かに子」とJASRACの交渉経緯】 |
「かに子」とJASRACの交渉経緯を確認しておきます。 開店直後か1年経過頃か不明ですが、JASRACからパンフレットと音楽著作物利用許諾契約書が送付されてきました。これにどう対応したかは、別項の「私のJASRAC料不払い論」に記します。第一興商担当者に、「どうしても入らないといけないものなのか」、「みんな入っているのか」を確認すると、「だいたいの人が入っているようです」との返事でした。 これを聞いて、「ほとんどの人が入っているようだが、入っていない人もいるんだな」と思いました。「払わない店は裁判に掛けられて、結局途中で応じるか応じない場合は閉店に追い込まれているようです」とも知らされました。 契約書の条項に目を通すと内容的に他に例のない奴隷契約となっており、こういう契約には関わらない事が賢明と判断し、そのままやり過ごしました。カラオケ無料にしているので請求されるには及ばないと考えました。 その後何度か店に電話があった模様ですが、私が居ない時が多く直接話した記憶はありません。その間何度か文書が郵送されてきましたがそのままにしておきました。 1年ほど前、JASRACの社員と称する3人組がやってきて、音楽著作権料を支払うようにと催促されました。私は、「契約条項が無茶な内容である」ことを説明して、許諾契約書にサインするつもりはないと返答しました。その他、「歌を歌って金がいるとは思わない、第一興商のリース料に含まれているはずだから二重取りになる」云々と持論を述べました。 このたび馬場弁護士の送付書類で、調査員が客になり済まし、「かに子」を調査していることが判明しました。それによると、2007.2.16日に2名で訪れ、セット(2000円×2名=4000円)、ビール1本(500円)、焼酎大瓶1本キープ(4000円)、フルーツ(500円)、チョコレート(500円)で9500円の領収書が添付されています。調査員は、「北の旅人」と「赤いハンカチ」の2曲を歌っています。領収書は、当店が採算性ぎりぎりの低料金でカラオケ代金を徴収していないことを逆証明していると思います。 6.27日、最後通牒的書面が送付されてきました。8.21日、書留郵便で、一曲90円×一日10曲×1月の営業日数20日×営業期間を計算した¥1,077,300円の請求書が届けられました。9.14日、法的措置を取るとの警告書が送付されてきました。 10月頃、JASRACが「著作権侵害差止等仮処分命令」を申し立てた模様です。11.9日、裁判所が「審尋期日呼出状兼答弁書催促状」を送付してきました。出頭日時を平成19年11月21日午後2時00分、出頭場所を裁判所352号審尋室に指定しておりました。 あいにく11.21日は都合が悪く、11.12日、その旨を書記官の久世氏に連絡しました。このたびの呼び出し状にカラオケ器機を差押さえするとありましたので急遽、12.12日の開店5周年を期にカラオケ機器を撤去するよう第一興商に伝えました。 11.13日、久世氏より期日変更を了解し、相手先の都合を確認して新期日を連絡するとの電話連絡がありました。11.14日、封書が届き、11.27日午後2時00分に変更されました。 凡そ以上が、「かに子」とJASRACの交渉及び関連経緯です。 |
はじめに |
私は、5年来「かに子」を経営して参りましたが、このたび**地方裁判所(担当書記官・**)より「審尋期日呼出状兼答弁書催促状」を送付されました。音楽著作権を管理するJASRAC(代理人弁護士・馬場)の「著作権侵害差止等仮処分命令の申し立て」を受けてのもののようです。
**書記官との電話のやり取りで答弁書を強く催促されましたので提出いたします。これを機会に私の音楽著作権論を綴り、関係者の皆様に訴えご理解賜わりたいと思います。 私はこの問題で相当消耗したと思われ体調を悪化させ、先日(2007.8−10月)虫垂炎を併発し、結局二度の開腹手術となり1ヶ月の入院を余儀なくされました。元々本業が有るなかの村興し的余興でボランティア的に始めたものですが、JASRAC騒動で急速に経営意欲が醒めてしまいました。 話し合いで解決したいと思いますが、その前に本書で私の思いを告げさせていただこうと思います。この折衝を通してJASRACが本来の有るべき活動スタイルに立ち戻り、私どもの音楽愛好の支援機関として再生するよう願い、私の抗弁書がその一助になることを期待しております。 |
【私のJASRAC料不払い論その総論】 |
私が、JASRACの音楽著作権料請求に対し応じない理由を以下記しますが、要するに、1・カラオケ無料制で、2・無料歌唱が他の料金に転嫁されておらず、3・赤字経営続けていることがはっきりしていても、4・音楽を利用して儲けているとみなされ、5・音楽著作権料をJASRACに支払わなければならないのか、という問題に収斂します。 私の経営しております「かに子」の場合、上記のいずれにも該当しておりません。付け加えれば、JASRAC的音楽著作権を認めておらず、JASRACの音楽著作物利用許諾契約を締結していません。 私がJASRAC料を支払わないのは、1・音楽著作権料は元々カラオケリース料に含まれている、2・歌唱現場への音楽著作権料の支払い請求は二重取りである、3・実際の歌唱に対しての課金ではなく面積割で請求するのは違法、と考えているからです。 カラオケ完全無料のケースに対する判例は無いかさほど多くないように思われます。JASRACがどうしても取り立てるというのなら、この際法理論的にはっきりさせて貰いたいと思います。 私の知る限りの現在までの判例は、1・店側がカラオケ代金ないしは演奏料金をお客様から取っている、2・JASRAC的音楽著作権を認めている、3・JASRACの音楽著作物利用許諾契約を締結している、4・代金減額請求で争っている事例を廻ってのものが多いように思います。 私は、歌唱に対する課金制そのものをいかがわしいと感じております。業者の関わる川上段階ではともかく顧客段階での川下での、利用に纏わる著作権の名を借りた課金制は他の団体では認められていないように思います。音楽著作権だけがなぜかようなことができるのかが分かりません。この際この問題を俎上に乗せ、議論を尽くしたいと思います。 私の主張がどこまで認められるのか、門前払いされるのか、不問にされたまま問答無用にされるのか、ここに関心があります。この呼び出しの結果どうなるのか見当が付きませんが、ともかく主張だけはしておきたいと思い、以下の諸点から問題を投げかける事に致します。 |
【私のJASRAC料不払い論その1】 |
要旨(JASRACの音楽著作物利用許諾契約内容に疑義があり、この契約書に署名する意思がありません) |
私が、JASRACの音楽著作物利用許諾契約を拒否する直接的事由(以下、「私のJASRAC料不払い論」と言い換えます)その1は、同契約書の契約条項の内容が酷すぎることにあります。契約条項を適切なものに改訂しない限り署名しようとは思いません。 契約書の裏に契約条項が保険証書と同じように余りにも小さな文字で書かれておりますが、大事なものをかくも小文字で表記していること自体が問題です。これにつき、馬場弁護士の見解を承ります。これは偶然ですか、意図的ですか、なぜこのように小さく書かれているのかご説明ください。 これを拡大コピーして目を通しますと、他に例のない恭順強制契約になっており内容的にも問題です。契約書によれば、ひとたび契約すると今後は、1・JASRACが税務署以上の権限を持ち立ち入り調査権を発揮し、2・私どもは求められるままに報告書の提出を義務付けられ、3・一方的な値上げ通告されても従うしかなく、4・私が今後よそで歌唱する際にはいちいち届出が必要、という条文を列ねております。 果たしてこういう抗弁権のない条項が許されるのでしょうか。実際にこのような権限が振り回される事は無いのでしょうが契約は契約です。署名するという事はそれを認めたという事になります。署名後に抗弁しても遅いと思います。そういう判断により契約を留保しております。 私は本業が不動産業で、平素契約書を作る側です。その立場から言えば、JASRAC契約書はいわば旧時代の「お上」的特権を振りかざしている悪法条文で作られております。近時の契約書ではこういう一方通行的な恭順条項は認められません。こう気づいておりますので、容易には署名捺印できません。 こういう強権命令的な契約条項を許可している行政当局に責任があると考えます。文化庁が担当していると思いますが識見不足と云わざるを得ません。当時の誰が作り誰が許可したのか知りたいです。馬場弁護士は、これにつき説明してください。 考えて見ますのに。問題はそういう是非論ではなく、こういう契約条項を許している文科省役人とJASRACの結託関係が温床であるように思います。聞くところによりますと、JASRACに文科省役人が大勢天下りしており、その関係上文科省役人がJASRACに格別の配慮でおもね、かような得手勝手な文面を許してきているのではないかと考えております。こうなると典型的な行政癒着であり、その裏に利権構造があると考えます。 目下防衛省の構造汚職が問題にされておりますがJASRACも同種同根を抱えており、この腐敗はいずれ問題にされることになるように思われます。 |
【私のJASRAC料不払い論その2】 |
要旨(カラオケ機器リース料にカウントされているはずなので、JASRACの請求は二重取りと考えております) |
「私のJASRAC料不払い論」その2として、カラオケ機器をリースしている第一興商が毎年巨額の著作権料をJASRACに支払っており、当然その金額がカラオケリース代金に反映している筈であるからして、そのリース料を支払っている以上はそれ以上請求される覚えはない、JASRACのカラオケ店経営者への課金は二重取りの可能性が強い、こういうことが許されるのかと主張しています。 この点について、カラオケ機器取扱い業者は、JASRACに毎年幾ら支払っているのか公開する責任があると考えます。JASRACは、幾ら貰っているのか公開する責任があると考えます。私はかなりな高額が支払われていると考えております。自主的に公開しないなら国会で採り上げさせ公開を迫るべきだと考えます。まずはここをオープンにしないと始まりません。 この二重取りは、民放テレビ局が広告料で成り立っている上に更に受信者から受信料を取ろうとする企てになぞらえることができるように思います。NHKなら、受信料以外に新たに企業から広告料を取る企てになると思います。放送局では二重取りは許されておりません。この法理から類推すると、JASRACは、カラオケ機器業者から著作権料を徴収している以上それで満足すべきで、更に個別店舗へ課金することはできないとすべきではないでしょうか。 仮にJASRACが音楽著作権料を末端段階まで請求できるとしたら、法理論上は歌唱する当の本人にすべきではないかと考えます。経営者は歌唱機会の提供者に過ぎないと見なすべきで、歌唱してもいないのに支払う必要は無いと考えます。 馬場弁護士は、「本件の著作権侵害行為の主体は本件店舗の経営者である債務者です」なる判決文を紹介しておりますが、主体間違いで経営者に無理矢理責任を負わせる法理論であり杜撰な認定だと思います。著作権法の趣旨から云えば、あくまで直接当事者(権利者と歌唱者)間の問題にすべきではないでしょうか。場の提供者に課金するのは権利の乱用だと思います。 ならば、歌唱者課金制は理論上は成り立つけれども、装置が備えられない限りに於いてその間の課金は無理だと弁えるべきです。法というものを適用するには、明確な目的とその目的に合致したな何がしかの適切な方法で具体化されねばならないと考えます。その手法が開発されない場合にはアイデア段階の発想に止まり、権利課金できないと弁えるべきではないでしょうか。特許法によれば、アイデアだけでは権利が保護されないのではありませんか。 つまり、私は、カラオケ歌唱を廻って経営者に支払い義務を負わせるのは、リース料の関係に於いてもカラオケ機器との関係に於いても無理だと考えます。 |
【私のJASRAC料不払い論その3】 |
要旨(JASRACは、音楽著作権料の収入支出の情報公開を為すべきです。その義務を果たさないままの取立て優先は不正です) |
「私のJASRAC料不払い論」その3は、JASRACが取り立てに伴う対応義務として音楽著作権料の収入支出の明細を情報公開していないことを問題にしております。 |
【私のJASRAC料不払い論その4】 |
要旨(JASRACは、音楽著作権者に対する配分決算書を公開する義務が有り、これをしないままの取立て優先は不正です) |
「私のJASRAC料不払い論」その4は、JASRACの音楽著作権者に対する著作権料配分の経理公開を願うからです。JASRACは、音楽著作者の権利保護を最優先させている以上、当の権利者に対し音楽著作権料の配分決算書を公開せねばならない義務が有ると考えます。 これが十分には為されていないと聞いております。そういう状態では配分が適正に行われているのかどうか分かりません。この後で検討しますが、店舗の面積割で課金しているのですから、配分はさじ加減にならざるを得ないと思います。一体、音楽著作権料が作詞家、作曲家に何を基準にどのように配分されているのかの情報公開をお願いいたします。 推測するに、そもそもがええ加減なものであるからして売上の過半が経営経費や理事役員や社員給与に回されている筈であり、その残りが著作権者に支払われているという逆転事態に陥っているのではないでしょうか。これは俗にJASRACが音楽著作権の名を借りて音楽業界を食い物にして商売しているということになるのではないでしょうか。 もっとも、著作権者である作詞家、作曲家、あるいは権利継承者は安逸に、歌唱課金制を受け入れるべきではないと考えます。作詞家、作曲家、権利継承者がJASRAC料のおこぼれに預かろうとする態度は卑屈です。せこいと云うべきか世知辛いと云うべきか。そういう精神からは良い音曲が生まれないと思います。 創作者にとってはむしろ自作品が歌唱される事は誉れであり、課金請求するような事ではないとすべきです。人が或る歌を歌うのは作品の良さを認めているからで、創作者は歌唱されるのを喜ぶべきです。歌えば権利侵害という論法で課金するのはお門違いです。 我々が歌唱するからひいてはヒット曲になり、ひとたびヒット曲を出せば名前が売れ、レコードやCDが売れ印税収入が入り、いろんなところから声が掛かり始め、果実として著作権者の諸々の待遇が上がるのではありませんか。まさにお客様は神様なのではありませんか。 従来のこの仕組みに何ら問題ありません。この仕組みの方が合理的で辻褄と帳尻が合っていると考えます。JASRAC的手法が横行する前までの歌唱システムはそういう形で秀逸に文化伝承してきたと考えます。 まず人々が音楽を愛好する下地を醸成し、いわゆるファン層を形成し、彼らに支えられて音楽業界が維持発展されていたと考えます。最近のJASRAC的「いの一番の歌唱課金制」はこの文化的伝統に水を差しており、著作権者はむしろ抗議すべきであると考えます。 こういう声が挙がらないところに、音楽著作権者の精神の貧困を感じております。ここにも病巣があると考えております。私には、最近の音楽著作権者とその協会が変な権利病に罹っていると思われます。この辺り諸外国ではどのようになっているのか知りたいので、馬場弁護士の説明をお願いいたします。 |
【私のJASRAC料不払い論その5】 |
要旨(JASRAC的音楽著作権論の儲け理論に疑問が有ります) |
「私のJASRAC料不払い論」その5は、「かに子」のようにカラオケ歌唱無料にしている場合には課金されるべきではないと考えております。カラオケ歌唱無料でも課金されるとなると、JASRACの音楽著作権の内実が純粋に問われて参りますが、JASRACはどのような法理論を構成しているのでしょうか。 判決の多くは漠然と、カラオケで儲けているのだから店側の応分負担は当然としているようです。この場合の「儲け」とは、カラオケ歌唱有料による儲けとお客誘引による儲けのニ通りが考えられます。カラオケ歌唱無料の場合には前者は該当しない訳ですから、それでも課金されるとなると結局は、「お客誘引による儲け」という理屈こそがJASRAC料の取り立て根拠になっていることになります。 判例は、「カラオケ無料を歌い文句で営業利用しているのだから歌唱無料は免除の理由にならない」との論を為しているようです。しかし、「カラオケ無料」の場合の課金の是非は未だ議論が尽くされていないように思います。 私に言わせれば、営業的に利用しているという理由だけで課金されるのは飛躍し過ぎではないでしょうか。そういう理由付けならば、喫茶店に置く新聞、雑誌、テレビに対して、新聞協会、出版協会、放送協会は課金できるでしょう。 しかし、そのような請求が為されているとは聞いたことが有りません。新聞協会や出版協会や放送協会はこせこせした事は言わず、おおらかに目をつぶり、業界のそれぞれが目的とする文化普及の裾野の一つの形態として受け入れているのではありませんか。それともJASRACを見習い、今後は請求する事になるのでしょうか。 「お客誘引による儲け理論」は更に、カラオケ歌唱が主か従かで判別されることも必要なように思います。カラオケボックスなどは主で、スナックの場合は従とみなすべきではないでしょうか。この識別は、カラオケボックスはJASRAC料を支払っても当然と云う意味で言っているのではありません。カラオケボックス業界は団結して拒否するか、一括して低く支払うべく交渉すべきです。巨額の請求で泣かされていると聞いております。 これに対して、スナックの場合、歌も有れば雑談もあり座談もあるという按配で、カラオケはコミュニケーションの環の一つでしか有りません。全体の一つでしかないものに対して、営業的利用という理由づけでカラオケ利用だけを特出しで課金するのは不当と考えます。お客誘引について申しますと、お客誘引にはいろんな理由と方法が考えられますので、カラオケだけに原因を求め「それで稼いでいる」との理由付けで課金するのは適当でないと考えます。 何度も述べていますが、恥ずかしながら「かに子」は開業以来ボランティア精神でやっており、実態は儲けているのではなく大変な赤字経営です。家賃が要らないのと私のタダ働きで辛うじて続いている訳です。酒代のツケが溜まっており分割払いしているほどです。この種の経営は決して楽では有りません。これが実情です。こういう台所事情は「かにこうせん」のみならず他の多くも同じように思います。 それでも経営し続けているのは、ある意味で惰性です。常連となった馴染みのお客様との友好の輪を切りたくないという思いと、地域に対するささやかな文化貢献という思いから続けております。その思いももはや限界になりましたが。 以上、JASRAC式儲け理論は実情に合わずイカガワシイことを指摘しておきます。 |
【私のJASRAC料不払い論その6】 |
要旨(店舗面積別課金は著作権法に馴染まない無茶苦茶な課金制だと考えます。どうしても請求するのなら歌唱者に直接請求する装置を案出すべきです。それが出来ない間の課金は不当と考えております) |
「私のJASRAC料不払い論」その6は、JASRACのカラオケ利用店舗に対する店舗面積別課金制にイカガワシサを感じている事に有ります。実際に歌唱されようがされまいが関係なく面積割課金されるのは著作権法の趣旨違反ではないでしょうか。 考えてみればこれは、いわばショバ代的発想であり、昔よりヤクザが取り立ててきた論法です。JASRACが通りで暴力的強権的威圧的取立てをしているのも辻褄が合っているように思われおかしくなります。 重複しますが、ショバ代法理論が適用できるのは、つまりJASRACがショバ代的発想で二重取り出来るとしたら、店側が顧客の歌唱に課金している場合だと考えます。店がショバ代を払うのはショバで利益を上げているからであり、ショバで利益を上げていない無料制の場合には免除されると考えます。 「かに子」の場合は飲食料金に転嫁している訳でもありません。それははっきりしており、馬場弁護士が添付している調査員の領収証でも確認できます。該当領収書はむしろ、「かに子」のカラオケ歌唱無料の証明書にもなっています。 結論として、カラオケ歌唱無料の場合には課金できないと考えるべきではないでしょうか。有料と無料の間には天地の差が有り、違いを弁えるべきです。「それで儲けているから」という理由付けで、有料無料の別を問わず店舗面積別課金しているのは何とも粗雑な気がします。 |
【私のJASRAC料不払い論その7】 |
要旨(カラオケ店舗への課金を廻って、JASRACの音楽著作権論がさほど広報されておらず、開店してから知らされるのは不当と考えます) |
「私のJASRAC料不払い論」その7は、JASRACの音楽著作権論が広く周知徹底させられているのか疑問を覚えるからです。それが受け入れられるかどうかは別にして、JASRACはせめてNHK並みに料金請求啓蒙活動すべきです。現に私は、カラオケ店への課金制を全く知りませんでした。
第一興商とカラオケリース契約した際の記憶を辿るのに、カラオケ機器リース料を幾らに設定するのかに頭を悩ました覚えは有りますが、JASRAC料について何らかの説明があったのかどうか記憶に有りません。後日、JASRACのパンフレットと音楽著作物利用許諾契約書が送付されるに及び第一興商の担当者に問い合わせしたように思います。 今から思えば、JASRACは、それほどまでに拘る権利であるならば、カラオケ機器業者と綿密に打ち合わせし、社員の営業の際の必須伝達事項にさせるべきです。カラオケ機器業者との契約に連動させ、リース料幾ら、JASRAC料幾らと明示して、支払いを一元化セットすべきです。現在のやり方は姑息です。このことも言い添えておきます。 ところで、カラオケ機器業者数が分かりませんが、この問題に対して各社の足並みは揃っているのでしょうか。カラオケ機器業者が右代表してJASRACに相当の著作権料を支払っている以上、店側が別途に著作権料支払う義務は無い、店側への課金は自分達の販促に悪影響するとして抗議するカラオケ機器業者は居ないのでしょうか。そういう業者が居れば、私は拍手喝采します。 この問題で、カラオケ機器業者とJASRACが対立した経緯はないのでしょうか。馬場弁護士は、この辺りの実情を説明してください。私は、もしそういう業者があれば支援の意味も有り、第一興商からすぐさま切り替えていただろうと思います。 |
【私のJASRAC料不払い論その8】 |
要旨(JASRACの本来の活動は、音曲文化の擁護を基点にすべきです。現在のような取立ては、社団設立趣意及び許可基準違反ではないかと考えております) |
「私のJASRAC料不払い論」その8は、JASRACの料金徴収活動の在り方に根本的疑義を覚えるからです。その意味で、JASRACが文化庁へ提出した際の社団設立趣意及び許可基準に関する文言を知りたいと思います。 察するところ、その料金取立てに当たっては、NHKの受信料徴収方法に準じており、強制的なものであってはならず、相手を納得させた上で徴収すべしと釘を刺されているのではないでしょうか。この辺りを確かめたいのですが意図的に公開されていないようです。 JASRACの設立経緯そのものが、外国音楽の著作権を所有していると称す外国人への対抗措置から生まれたことを考えますと、そのように推測できます。馬場弁護士は、JASRACが文化庁へ提出した際の社団設立趣意及び許可基準の該当箇所の文面を開示してください。 JASRACの定款第4条には、「本会は、音楽の著作物の著作権者の権利を擁護し、あわせて音楽の著作物の利用の円滑を図り、もって音楽文化の普及発展に資することを目的とする」とあります。 これによると、JASRACは、1・音楽の著作物の著作権者の権利擁護、2・音楽の著作物の利用円滑、3・音楽文化の普及発展に資すの三目的を同時的に達成する事が求められております。1の著作権者の権利擁護の為に2の音楽の著作物の利用円滑、3の音楽文化の普及発展に資すを犠牲にしても構わないとは書いてありません。 ちなみに、著作権法第1条は、「この法律は、著作物ならびに実演、レコード、放送および有線放送に関し著作者の権利、および、これに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作権者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とする」と規定しています。 JASRACの定款第4条はこれを受けたものと思われますが、その活動が「著作権者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とする」という同時遂行法理に縛られている点は見逃せません。 裁判所司法が、法に従うべしと説くなら、まずもってここを踏まえねばならないと思います。最近のJASRACの活動が定款目的違反ではないかと監視する必要が有ります。 こうなると何やら憲法論にも通じて参ります。最高法規の憲法の諸規定が蹂躙され、下位法の規定の方が優先され過ぎているご時世でありますので、母法を持ち出しても何の効力も無いのかも知れません。しかし、法理論上はあくまで。最高法規と下位法が矛盾する場合には常に違憲審査し、「高度の政治的判断」以外は最高法規の規定に従うか下位法を抑制的に適用するよう指導すべしと考えます。法の番人はそのように裁定すべきだと考えます。 最近の社会風潮は、本来の法が説き分けていた平衡感覚を無視し、よろずを利得の対象とする権利万能社会へ傾斜しつつあります。音楽著作権の強権化はその流れのものであると考えております。しかしその流れは「悪貨が良貨を駆逐する」例えに似ており、従来の伝統と風土に馴染まないし馴染む必要がないと考えます。今我々は立ち止まり、どこかで堰止めし、請求しても良いものと請求できないものを識別し直し賢明に弁え直す事が望まれていると思います。 裁判所司法は、JASRAC見解にのみ追随し、最近の下位法を盾に遵守を一方的に判示するばかりでなく、総合的に公平に判断する必要が有ると考えます。現在の判例はなべてJASRAC見解の鵜呑みであり、司法頭脳の貧困を晒していると考えます。 ちなみに、**書記官との電話のやり取りで、書記官氏は、JASRAC見解を代弁して私に説教してくれました。書記官の有り方としては、あの時点での説教は勇み足ではないでしょうか。 |
【私のJASRAC料不払い論その9】 |
要旨(JASRACの料金徴収活動実態は余りにもえげつない。強制的であり脅迫です。私は従いたくありません) |
「私のJASRAC料不払い論」その9は、JASRACの料金徴収活動実態を批判したいと思うからです。JASRACの課金請求、裁判攻勢、逮捕要求は強まる一方ですが、「NHKの受信料徴収姿勢」と比較して考慮されるべきではないでしょうか。 NHKもこの問題で頭を悩ましておりますが、考えてみればNHKこそは社団法人JASRACよりも権限の強い国策会社であり、当然権力的行使も容易にできる筈です。その権限の強い方のNHKの請求の仕方が穏和で紳士的です。NHKの意義を説き続け、「NHK受信料拒否の会」の存在をも許容しつつ問題解決に向けて持続的に粘り強く対応しております。JASRACはこの姿勢を見習うべきで、現行の強権的暴力的取立てはお粗末杜撰極まりないとしか言いようが有りません。 JASRACの強権活動により新潟の老舗生演奏店スワンの経営者が苦悩させられていることが知られております。多くの店が閉店に追い込まれました。最近では、東京や和歌山でピアノ演奏店の経営者が逮捕されました。こうした事件なぞは恥ずかしい限りです。JASRACは表彰すべき人たちを苦しめ逮捕させて得意がっているという倒錯世界に耽っております。早くこの迷妄から醒めることを望みます。 音楽歌唱の場を提供する者は本来、JASRACからもカラオケ機器業界(第一興商等々)からも楽器製造業界からも表彰されるべき立場であり、裁判に附されたり逮捕されるなどもっての他です。 仮に囲碁を管轄する日本棋院の場合で考えれば違いがよく分かります。日本棋院は月刊誌「囲碁クラブ」を発行し、その他無料公開対局を開くなど囲碁文化の裾野を広げるべく鋭意努力しており、技芸の技術向上に向け啓蒙しており、その他ファンとの一体化を心がけております。協会の姿勢としてはこれが普通で当たり前なのではないでしょうか。 日本棋院は、碁を打つ事自体あるいはプロの真似碁をするにつき著作権料払えなどと云う野暮な事は申しません。むしろ習う事、真似る事を奨励し上達を指導しております。そうやってファンを育んでおります。この過程に著作権の入り込む余地はありません。稽古事の世界には著作権料は馴染まない、異邦人の悪知恵だと心得ているからだと思われます。 全国各地の碁会所が日本棋院に著作権料を払うなどという慣行もありません。日本棋院のこうした在り方は否定されるべきではなく、これこそ伝統に育まれ本当の智恵に裏打ちされた優れたシステムと云うべきではないでしょうか。 日本棋院の経営が仮に厳しいとしても景気の流れに即応するものですから致し方ない面が有ります。これを打開するのに著作権料で収入化を図るべきでなく、棋戦料、指導料、顧問料、講演料、寄付やその他裾野を広げることで打開すべきでしょう。いずれにせよ広大なファン層を形成する事が肝要で要諦だと思われます。 それに引き換えれば、JASRACの活動実態と取立て方はあさましいやらえげつない。他の諸団体の活動と比べ狂っていると考えます。音楽がよほど人間の本質に共鳴しており、自然と膨大なファン層が形成されるゆえの悪乗り商法のような気がしております。通ってはいけない道へ入り込み、金の猛者になっている気がしております。 一体誰がこのように変質させたのでしょうか。偶然ではなく度々の法改正を指導してきた人物やら団体が居るはずです。そういう人たちが恐らく単なる利権的発想でJASRACに参入し、法を都合の良いように歪めてきているのだと思います。音楽文化の素養の無い者がJASRACを食い物にしており、その結果が現状だと思っております。 馬場弁護士の人となりは分かりませんが、JASRACの代理人として登場している以上は最新の音楽著作権論の旗振り役を勤めているのだと思います。願うらくは、もう少し度量の広い本来の著作権論へ転換させるべく奮闘していただきたく存じます。そういう弁護士さんであれば評価を惜しみません。 |
【私のJASRAC料不払い論その10】 |
要旨(JASRACの歩合給社員を雇ってまでする取りたてはやり過ぎです。むしろ違法と考えます) |
「私のJASRAC料不払い論」その10として、JASRACが現在、歩合給社員を雇い、非契約店の成約化に努めている実態を批判します。これらの社員は、音楽の流れるところ全てを対象に「音楽著作権料を払うよう」催促して回っております。
彼らは歩合給社員であるからして強引な説得と勧誘になり易く、被害が後を絶ちません。彼らに高額な報酬を支払っている現行の徴収方法に怒りを覚えます。JASRACがそうまでして取りたてる音楽著作権料とは何なのか、根本に立ち戻って告発したく思います。 JASRACの取り立て調査員の実数と実態を明らかにして欲しいと思います。「かにっ子」に調査員が来店したとのことですが、彼らに支払いされた日当の明細を公開してください。 |
【私のJASRAC料不払い論その11】 |
要旨(JASRACの音楽著作権論そのものが歪んでおり、音楽著作権先進国を気取っておりますが下品にして野蛮丸出しではありませんか) |
「私のJASRAC料不払い論」その11は、JASRAC的「営業的に歌唱される場合には権利対価料を支払うのが当然」とする音楽著作権法理論そのものに根本的疑義を覚えるからです。果たしてそうでしょうか。ここが原点で、大きく争点にされるべきです。 既に囲碁の日本棋院の例を述べましたが、よろず稽古事の場合、それを管掌する団体は、技芸が練磨され伝播される事に向けて努力しております。その為に団体自らの費用を使って啓蒙活動しております。音楽とて同様の稽古ごとなのではありませんか。それなのにJASRACだけが何ゆえ逆対応するのか、なぜそれが許されるのかが解せません。 最近、知的所有権の価値を認める傾向が強まりつつあります。それはそれで必要な面もあるでしょう。但し、これを仔細に確認しますと、たいていの場合は発案者権利の擁護を廻るものであり、その他の多くのことはルールとマナー問題で解決できます。ところが最近はルールとマナー面にまで法網化せんとする動きが強まっており、難しく規制されつつあるような気がしております。権利の名の下に暗い時代が招かれつつあるような気がしております。 法化する必要の有る新事象が次第に多くなりつつあるのは事実でしょうが、それはそれです。その場合でも流通そのものを規制したり、流通そのものに対価請求するまでには踏み込んで行くべきではないと考えます。音楽著作権だけが何ゆえ突出できるのか不思議です。 問題は、JASRACが利用に対して対価請求できる論を振りまき、率先して他の団体にも働きかけていることにあります。先進的な文明国的権利として押し付けようとしておりますが、その姿勢はむしろ下品にして野蛮そのものではありませんか。権利行使を弁える事こそ賢明であり真に文明的と考えております。JASRAC理論は異常です。このことを指摘したいと思います。 |
【私のJASRAC料支不払い論その12】 |
要旨(JASRACは、マスコミの音楽利用に対して如何なる請求をしているのか明らかにする必要が有ります) |
「私のJASRAC料不払い論」その12は、JASRACが、ラジオ、有線、テレビ等のマスコミ媒体の歌番組に対してどのように課金請求しているのか知りたいことにあります。公平性の観点から明らかにすべきです。
確認しましたように、JASRACの音楽著作権料の根拠理論はショバ代的発想ですから、マスコミに対して如何なる課金請求しているのか、その認定金額にも関心が有ります。余り高くしますと歌番組の編成に支障をきたすでしょう。しかし、店舗面積で計算する訳ですから一体どのように判定しているのでしょうか。仮に請求していないとすると、強いものには請求せず立場の弱い者からむしり取っていることになります。 最近、かってより歌番組が減った気がしております。大衆的に歌離れが進んでおり、あるいは新曲に良い歌が出てこない等の理由で番組が減っているのかもしれませんが、案外JASRACの高額な課金請求が響いて番組編成ができにくくなっているのかも知れません。これは憶測ですが。 ところで、のど自慢大会の場合、最初にデモテープを送り、予選からたくさんの方が出場します。これにJASRACはどのように対応しているのでしょうか。JASRAC論法からいけば、NHKであろうとなかろうとデモテープを審査に利用し、人前で歌唱する場合には、主催団体に課金請求することになるはずです。していないとすればその法理を明らかにして欲しいと思います。 その他朝から晩まで一日中音楽を流し続けている有線やFMなどはどのように解決しているのでしょうか。その著作権料は莫大なものになると思われますが、メディアは何か特例で保護されているのでしょうか。 私は課金せよと云っているのではありません。メディアが免責されているのなら、カラオケ店にも免責の法理があって良いはずだ、それを見出したい、現行のカラオケ経営者への課金制が不自然であると思っている訳です。 もう一つ。歌謡教室に対してどのように対応しているのか明らかにしてもらいたいと思います。JASRAC式音楽著作権論に拠れば、歌謡教室こそは音楽を種にして飯を食い儲けにしております。歌唱レッスンしている訳ですから課金されるに値します。しかしてそれを為せば、JASRACの悪しき本質が露呈するでしょう。 しかし、JASRACがカラオケ店に対しては容赦なく課金攻めしている以上、歌謡教室への課金が逃れられる訳がないと思います。JASRACは歌謡教室への課金実態を明らかにしてください。私的には、歌謡教室は免責されるべきであり、歌謡教室が免責されるならカラオケ店も免責されるべきです。法は公平に適用されねばオカシイと考えます。 |
【おわりに】 |
凡そ以上の諸点で、私はJASRACに不信を抱いております。察するところ、JASRACは大衆文芸文化的業界の団体の中で突出して著作権を利権化させた挙句、巨大売上化しているように思われます。それは、本来抑制的に権利行使すべきところをNHKよりも税務署よりも強い権限で課金請求徴収しているゆえの結果だと思います。その巨大売上に利権が発生していると考えます。この流れをどこかで適正なものに戻さねばなりません。 私はこれまで極力平穏に市民生活して参りました。世の中に理不尽な事は多いのですが折り合いをつけて参りました。私は性格上、納得できないものをそのまま受け入れることができません。妥協も時に必要として処世して参りましたが、その平穏をJASRACに破られようとしております。 どう対応すべきか苦吟しております。いずれにせよJASRACの現行の契約条項には署名できません。もし条項が早急に世間常識並みのまともなものに改訂されるなら応ずる意思が有ります。その理由は面倒臭さを避けるためだけです。このことも申し添えておきます。 私には私なりの社会的立場があります。万一訴訟化するなら関係者の皆様に迷惑をかけないようあらかじめ身辺整理しておかねばならないと考えております。できうるならば穏やかに解決したいと思っておりますがJASRACの対応が分かりません。過去の事例からして裁判攻勢で向かってくる事も覚悟しております。 今後の経過次第ですが、私の為しえる唯一の対応として、我が身に降りかかった経緯を克明に記録し広報し世に問いたいと思っております。インターネット上で明らかにし、全国の識者、関係者に見解を打診するつもりです。私の考え違いを指摘される場合も有ろうし、支援の声が届く事も有るだろうと思います。 いずれにせよ、JASRAC問題に正面から立ち向かい、適正なJASRACに立ち戻らせるべく尽くそうと思います。既に全国あちこちで被害にあい抗議している者が居ります。これまでのところ私はそういう方たちの情報を得るだけで、連絡も取らずに過ごしております。この間、気になりますので一人音楽著作権に関する認識を深めて参りました。 |
【「**地方裁判所御中 陳述書」に対する反論】 |
「**地方裁判所御中 陳述書」は次のように述べています。これにコメントします。 |
(私のコメント) |
法改正が有った事は分かりましたが、この時の法改正でいわゆるスナックでの歌唱に伴う課金制がどのように代わったのか具体的に明らかにしてもらいたいです。 |
「ニ、債権者の演奏権管理業務について」の項目2で、次のように記しています。 「使用料の算定基礎となる使用料規定は、仲介業務法の規定により、昭和15年2月29日に主務大臣の認可を受けて以来、その後数次の変更許可を経てきましたが、平成13年9月30日をもって同法が廃止され、同年10月1日より著作権管理事業法が施行されたことに伴い、文化庁長官への届出を経て平成13年11月1日から実施されているものです」。 |
(私のコメント) |
これも然りで、この経緯で、いわゆるスナックでの歌唱に伴う課金制が具体的にどのように代わったのか明らかにしてもらいたいです。法改正が為されたことを知らされただけでは何のことかわかりません。 |
項目3で次のように記しています。 「社交場等のカラオケ管理については、昭和62年4月1日以降前記使用料規定に基づき使用料徴収業務を開始しています。この際、客席面積5坪(宴会場は10坪)までの小規模飲食店等については、その経済的負担に配慮し、当分の間、許諾契約(届出)を行ったうえで、使用料免除としました。 しかしながら、管理開始から10年を経過し、社交場等でのカラオケ利用を問わず、広く社交飲食店にカラオケが普及したこと、客席面積によって支払いが免除されるのは不公平との利用者側からの声など、現状を総合的に判断し、利用者団体等とも協議を重ね、小規模店からの使用料徴収を開始することとしました。 免除措置など使用料規定の一部変更は、平成9年8月11日、文化庁長官から認可され、債権者は平成10年2月1日以降、カラオケを利用する全ての社交飲食店から使用料を徴収することとなり、今日に至っています」。 |
(私のコメント) |
この改訂は適正だったのでしょうか。「小規模店からの使用料徴収を開始することとしました」とありますが、そもそも川下まで取り立てようとする音楽著作権料徴収システムの見直しこそ当時も今も「利用者の声」だったのではないでしょうか。この声を記さないのは片手落ちで姑息です。「客席面積によって支払いが免除されるのは不公平との利用者側からの声など」と記すのはウソっぽ過ぎます。これは詭弁です。 |
項目4で次のように記している。 「前記規定において、社交場における演奏等に関する使用料としては、@年間の包括的利用許諾契約を締結した場合の月額使用料と、A前記包括契約を締結しない場合の1曲1回の使用料を定めており、いずれも座席数(面積)・標準単位料金・使用時間などにより類型区分された料金表によって規定されています。また、スナック等におけるカラオケ伴奏における歌唱については、大量の契約業務を簡便に進めるため、年間の包括的利用許諾契約を締結する場合に限り、月額使用料を規定しています」。 |
(私のコメント) |
年間の包括的利用許諾契約を締結しない店に対して「1曲1回の使用料制」を導入したことになりますが、この時「1曲1回の使用料」を幾らと認定したのか。根拠も合わせて開示してください。消費者金融は利息制限法で規制されていますが、「かにこうせん」は今「一曲一回90円」を課されていますが限度を超えているように思います。いわゆる暴利ではありませんか。なぜ許されるのでしょうか。 |
「四、本件の経緯について」の項目5で、次のように記しています。 「債務者の如き悪質な侵害行為は、債権者の許諾を得て適法に管理著作物を利用する多数の音楽利用者との公平性を欠き、同業者間において形成された著作権遵守の意識を著しく減殺させ音楽著作権管理業務に多大な支障をきたすことになります」。 |
(私のコメント) |
私のパブ経営手法に対して「債務者の如き悪質な侵害行為」としていますが、逆ではないでしょうか。私の方こそ純粋無垢に音楽文化を愛好しているのではありませんか。元々オンチと云われた私が宴席の座持ちとして一曲ぐらいは持ち歌を持ちたいと一念発起したところから私の歌街道が始まりました。 |
「五、カラオケ伴奏による歌唱の主体が債務者であることについて」で、様々な判例を紹介しています。 |
(私のコメント) |
共通しているのは、概要「カラオケ利用で集客し、利益を上げることを意図する」ことにつき「演奏権の侵害」とみなし、JASRACへの音楽著作権料の支払いを為すよう判決した事例を挙げているだけのことです。「本件の著作権侵害行為の主体は本件店舗の経営者である債務者です」とも記しています。 パブかに子のように「カラオケ歌唱無料制」の場合はどうなのかにつき深く掘り下げて判示している訳ではありません。「本件の著作権侵害行為の主体は本件店舗の経営者である債務者です」はおかしな話で、歌唱している当人こそが該当するとすべきではないですか。そもそも無理な権利を押し付けているから、経営者にしわ寄せしているのではありませんか。 面積割課金制は禍根を残しつつあります。一体、歌唱実数ではなく店舗面積で課金するなどという方法が許されるのですか。ならば、大型店の掛け率を明らかにしてください。大型店への課金が低過ぎると小型店の課金が相対的に高過ぎる事になります。大型店への課金が高過ぎると大型店での歌唱の灯が消える事になるでしょう。どちらにしても良いことにはならないでしょう。面積割課金制の陥穽だと思います。 そもそも、川下での課金そのものがオカシイのと違いますか。カラオケ店が増えれば当然カラオケ機器が設置される訳で、川上段階でのカラオケ機器業者のJASRACへの音楽著作権料がより多く支払われることになるのですから、JASRACにとって望ましい事です。そういう弁えで良いところを強欲に川下まで取り立てようとするから顰蹙買っているのではありませんか。 それというのも、JASRACの音楽著作権論自体の変調が原因ではないですか。何でもゼニにしようとするさもしい理論が丸見えで、それは去る日の社団法人設立許可基準に違反している違法性の強いものだと考えます。 最近は原理論的なやり取りが滅法少なくなりましたが、司法が健全ならば避けて通れない関門と考えます。裁判官が既存の判例のみに依拠せず、今後の音楽業界の在るべき姿を見据え的確な判断を下され仲裁賜る事を期待します。 2007.11.27日 「かに子」経営者 |
(私論.私見)