補足資料1

 (最新見直し2008.4.16日)

 (れんだいこのショートメッセージ)


【補足文書】
 以下、補足文書を添付します。

【「パブかに子」の歩み】

まず、仮称「パブかに子」(以下単に「かに子」と記す)の歩みを確認しておきます。

 2002.12.12日、「パブかに子」を開店しました。私どもがそれまで利用してきた不動産事務所を移転させたことにより空き室となったものを有効利用したものです。

約10ヶ月遊ばせました。その間何をしたら良かろうかと考えた末に、界隈の新コミュニケーションの場を作ろうと思い立ちました。カラオケも必要と思い第一興商を手配しました。当時の最高級機器をリース契約したので月額約6万円になりました。かなり高いように思いましたが、性能の良い方を選んだ為やむを得ませんでした。

 パブとしたのは、店舗そのものが狭く特に調理場の狭さが食事づくりに不向きな為です。食事はできませんと云う意味を込めたのと界隈の新コミュニケーションの場づくりを狙いスナックではなくパプとしました。できればセルフサービス的な店を作ろうとした事にもよります。

「かに子」の命名は、店舗の間口ばかりが広いという狭さが顧客にカニの横歩きを催促しており、このことをあらかじめ了承して貰おうとの思いから生まれました。まず「カニ」という名称が浮かびました。「かに子」となったのは、戦前のプロレタリア文芸作家小林多喜二の著作と「北島三郎の歌曲にちなんだからです。逡巡しましたが、「かみ風船」のゴロもあり、「看板屋が間違えて書いたのさ」という言い訳で対応しようと思いつきました。最終的に、どう受け取られようとそれも一興と判断し決定しました。

「かに子」は、経営者自身が顧客の一人として楽しみたいとの思いから立ち上げたので安く気楽に遊べる工夫をしました。一つは「セット料金1500円」です。但し、現在は「セット料金2000円」を経て「3000円」へと変化しています。一杯とつまみ付きなので高いとは思いません。あまり安くすると客質が落ち却ってトラブルが多いということに気づいたのと、余りにも採算性が悪過ぎ酒代が溜まったからです。

 もう一つは「カラオケ無料」です。通常は、店側が一曲200円を徴収するとか10枚組みチケット売りするケースが多いのですが、その都度チェック確認するのが手間なのと料金を気にせず歌い一日の疲れを癒して貰いたいとの思いから無料としました。

 立地的に目の前が居酒屋であり、食事を終えた後の流れを期待しました。ところが「かに子」という名前が異様に感覚されたのと、受け狙いで壁面に掛けた看板文句の「歌は道連れ 情け連れ 本日もお仕事ご苦労さん」、入り口前のスタンドの中村雅俊の歌曲「恋人も濡れる街角」、付け加えて「明朗会計」、別の看板に「元祖本店」等々を記したのが評判が悪く、何やら怪しい店と敬遠された気配があります。

そういう何やかやの理由で当初目論んだ売上とはほど遠い赤字経営となり今日に至っています。たまたま家賃が発生しないのと、経営者である私のマスター稼業が無料奉仕により成り立っているので何とか続けることができております。これが本業なら成り立ちません。そういう経営を続けております。

お客間のトラブルも稀に有り、近所からの騒音苦情が為されたり、このたびのようなJASRAC問題が発生したり、この種の経営の難しさを知らされております。現在の心境として間もなく開店5周年になりますが、よくぞ続けてきた、そろそろ潮時かという思いがしています。


【「かに子」とJASRACの交渉経緯】

「かに子」とJASRACの交渉経緯を確認しておきます。

開店直後か1年経過頃か不明ですが、JASRACからパンフレットと音楽著作物利用許諾契約書が送付されてきました。これにどう対応したかは、別項の「私のJASRAC料不払い論」に記します。第一興商担当者に、「どうしても入らないといけないものなのか」、「みんな入っているのか」を確認すると、「だいたいの人が入っているようです」との返事でした。

これを聞いて、「ほとんどの人が入っているようだが、入っていない人もいるんだな」と思いました。「払わない店は裁判に掛けられて、結局途中で応じるか応じない場合は閉店に追い込まれているようです」とも知らされました。

 契約書の条項に目を通すと内容的に他に例のない奴隷契約となっており、こういう契約には関わらない事が賢明と判断し、そのままやり過ごしました。カラオケ無料にしているので請求されるには及ばないと考えました。

その後何度か店に電話があった模様ですが、私が居ない時が多く直接話した記憶は有りません。その間何度か文書が郵送されてきましたがそのままにしておきました。

1年ほど前、JASRACの社員と称する3人組がやってきて、音楽著作権料を支払うようにと催促されました。私は、「契約条項が無茶な内容である」ことを説明して、許諾契約書にサインするつもりは無いと返答しました。その他、「歌を歌って金がいるとは思わない、第一興商のリース料に含まれているはずだから二重取りになる」云々と持論を述べました。

このたび馬場弁護士の送付書類で、調査員が客になり済まし、「かにこうせん」を調査していることが判明しました。それによると、2007.2.16日に2名で訪れ、セット(2000円×2名=4000円)、ビール1本(500円)、焼酎大瓶1本キープ(4000円)、フルーツ(500円)、チョコレート(500円)で9500円の領収書が添付されています。調査員は、「北の旅人」と「赤いハンカチ」の2曲を歌っています。領収書は、当店が採算性ぎりぎりの低料金でカラオケ代金を徴収していないことを逆証明していると思います。

6.27日、最後通牒的書面が送付されてきました。8.21日、書留郵便で、一曲90円×一日10曲×1月の営業日数20日×営業期間を計算した¥1,077,300円の請求書が届けられました。9.14日、法的措置を取るとの警告書が送付されてきました。

10月頃、JASRACが「著作権侵害差止等仮処分命令」を申し立てた模様です。11.9日、裁判所が「審尋期日呼出状兼答弁書催促状」を送付してきました。出頭日時を平成19年11月21日午後2時00分、出頭場所を裁判所352号審尋室に指定しておりました。

あいにく11.21日は都合が悪く、11.12日、その旨を書記官の久世氏に連絡しました。このたびの呼び出し状にカラオケ器機を差押さえするとありましたので急遽、12.12日の開店5周年を期にカラオケ機器を撤去するよう第一興商に伝えました。

11.13日、久世氏より期日変更を了解し、相手先の都合を確認して新期日を連絡するとの電話連絡がありました。11.14日、封書が届き、11.27日午後2時00分に変更されました。

 凡そ以上が、「かに子」とJASRACの交渉及び関連経緯です。


その後音沙汰が無く気にしていたところ、2008.2.5日午後2時頃、岡山地裁の安延執行官一行が突然やって来て執行されました。この時点で裁判長の決定文が届いておらず寝耳に水でした。この経緯とその後の経緯を記しておきます。


【突然の執行】

 1、2008.2.5日午後2時頃、岡山地裁の執行官(安延)が突然やって来て、「カギ屋を連れて既に店のカギを開けました。あなたが経営していたのですか。失礼しました。弁護士が来ておりますが示談されますか」と云う。私は、執行命令書を見せて欲しいと要望し、暫く書類を目に通した。裁判長がジャスラック見解と従来の判例をそのまま踏襲してカラオケ機器の使用不能命令を出していることを知った。執行官はお役目なので争ってもしょうがないと考え、事の経緯を説明した。

 2、執行官は、私どもは難しい事は分からん。仕事できているに過ぎん云々と述べ、私はラチが明かないので、かにこうせんへ出向いた。

 3、既に、7−8名が店内に立ち入っていた。後で気づいたが、腕の悪いカギ屋が来たのか鍵穴がかなり損傷されている。それにしても、当方は身元も連絡先も告知してあり、店を勝手に開けられる覚えは無いのに執行となるとこういうやり方するのだろうか、許されるのだろうか、そういう疑問が残った。

 4、私は、ジャスラック代理人の馬場弁護士を見つけ、それなりの抗弁をした。ジャスラックの音楽著作権の過剰行使を批判した。貴方の一存でこういう事をしているのか、私の質問に対して殆ど何も答えないのもあなたの一存かと尋ねたところ、ジャスラック本部の法務部と打ち合わせているとの返答がなされた。毎月第一興商にリース代を7間円近く払っているといいうのに、更に著作権料が居る仕組みが理解できない等々持論を述べた。

 5、すると、横合いから意見する者があり、あなたは誰かと尋ねたところ名刺が出され、見るとジャスラックの管轄地域支店長であった。多少の言い合いの後、事態は膠着した。執行官が「これから執行する」と述べ、約30分ほどで第一興商のリース機器が封印された。馬場弁護士の弁で、テレビは音楽以外の用途があるからということで除外され封印されなかった。私は、「テレビに配慮するのならマイクと音響ステレオも同じではないか、今後ディスカッションパブに切り替えるので封印しないよう」主張したが、馬場弁護士が認めず受け入れられなかった。

 6、後で気づいたが、総勢7名ほど居り、馬場弁護士とジャスラック支店長を除き殆どが裁判所の執行官だと思っていたが、何と執行官は一人で、後は皆ジャスラックの社員であり関係弁護士1名ということであった。執行官と私は客席イスに坐って会話していたので、封印したのはジャスラック社員と云う事になる。執行と云うのは執行官がするものと思っていたが、実際にしたのは立会いだけで執行は債権者がやるものなのだろうか。解せない事である。

 7、第一興商の担当者に事態を連絡した。社内のジャスラック担当者に連絡し、この後について追って連絡するとの返答を貰った。

 8、夕刻に開店中、見知らぬ酔客が訪れ、歌いたいとの申し出が為され、あいにく歌えない状態なので申し訳ないと伝えたところ帰ったと妻から聞かされた。

 9、常連客が三名駆けつけ、ひたすらお詫びした。以上が一日目の顛末である。


【警察へ相談に行く】

 10、翌2008.2.6日御前10時頃、私は東署へ向かった。事情と状況を説明し、現場検証するよう依頼した。係官は、執行官が介在している以上は現場検証と云う訳にはいかないと述べ、但し、私がそういう苦情を持ってきたと云う事は記録しておくとの返答だった。


【裁判所へ決定文を取りに行く】

 11、その足で地裁へ向かった。書記官を訪ね、経緯を質問した。判決が下りたので、それに基く執行をしたまででそれが普通の基本的なやり方だと返答があった。それにしても、私に判決文が届けられていないのはオカシイではないかと質問すると、今日郵送する予定だったと云う。判決文を見せるように催促したので持ってきた。

 12、読み進めると、裁判長が、全くジャスラック寄りの判を押したような内容で判決している事を知った。それにしても、決定日は1.25日である。書記官は意図的に手元に置き、執行を待って郵送する段取りにしていた事が分かる。1.25日に下されている決定文を直ぐに郵送せず、執行後郵送するというやり方はオカシイのではないかと質問すると、これが普通のやり方だとの返答が為された。裁判長も、書記官も、執行官も、これではジャスラックに飼われた番犬ではないかということが分かった。


【その後】

 13、2008.2.12日、第一興商の担当社員と打ち合わせした。1、裁判で闘う意志がある。2、今後に於いては妻の名義で営業することも検討している。3、請求額を支払わない限りカラオケ利用させないと云うのであれば、徹底的に争う。4、仲裁頼むということを伝えた。この先どうなるのかは分からない。いずれにせよもう暫く様子見しておこうと思う。

 14、2008.2.21日、どこからも何の音沙汰も無い。いずれ、ジャスラックに対する逆損害賠償請求訴訟を提訴することも検討せねばならないと思った。

 15、2008.3.12日、第一興商の担当から何の連絡も無いので、先の申し出に対するジャスラックの見解をただしたところ、確認して連絡すると返事が有り、改めての電話で、1・この店舗が今後カラオケ利用することを認めない、2・例え妻名義で今後は支払うとしても認めない、3・第三者であることが調査の上判明すれば、その時考える云々とのジャスラックの見解が告げられた。

 16、2008.3.末日頃、第一興商の担当に、店舗の営業は続けるが、カラオケは利用しない腹を括った。ついては、封印簀巻き状態にされたカラオケ機器があるのは営業妨害でしかないので、早く撤去するようにと依頼した。担当者は、その旨本社に連絡し対処すると返答した。

 17、2008.4.上旬頃、その後何の連絡も無いので再度、第一興商の担当にカラオケ機器の撤去の件で、その後どうなっているのかを質した。後1−2ヶ月掛かる云々との返答が為された。

 18、2008.4.中旬、岡山地裁より訴状が郵送されてきた。
 19、2008.4.28日、地元の山陽新聞の取材を受けた。
 20、2008.5.1日、山陽新聞に記事が出た。


【新聞記事について】

 2008.5.1日、地元新聞の35面版に「日本音楽著作権協会 カラオケ無許可利用店経営者提訴」と題する記事が掲載されました。別添付しますが、腑に落ちないことがあります。

記者は、「カラオケを無許可で利用するのは著作権法違反に当たるとして、日本音楽著作権協会が30日までに、岡山市の飲食店経営者男性に約135万円の賠償などを求める訴えを岡山地裁に起こした」云々としておりますが、日本音楽著作権協会がカラオケ利用の許可権を持っているとする観点はオカシイと考えます。記者が、記者自身の理解の仕方でそう書いたのか、日本音楽著作権協会の発言をそのまま記したのかはっきりしませんが、日本音楽著作権協会には国家権力機関的な許可権があるというのはいかがなものでしょうか

私は、日本音楽著作権協会に、食品衛生法上の保健所のような、風俗営業法上の警察のような許認可権があるとは思いません。あるとしたなら、日本音楽著作権協会は国営機関になります。日本音楽著作権協会はあくまでも民営の社団法人に過ぎません。民営の社団法人が、国家機関的な許認可権限を振り回しているところに問題があると云えます。件の記者が、何ら違和感も無く記事にしているところが問題だと考えます。

正確には、見出しは「日本音楽著作権協会 契約非締結のカラオケ利用店 岡山の経営者提訴」とすべきです。記事も、「日本音楽著作権協会と契約を結ばぬままカラオケを利用するのは著作権法違反に当たるとして」云々と書くべきです。

この報道記事に拘る理由は、私が何やら不当に無許可営業しているとする先入観で構成されていることにより私の名誉が毀損されていると考えるからです。事情を知らない読者が公平に受取る事ができるよう配慮した記事をお願いしたいと思います。

私の発言も採り入れてくださっておりますが、「協会の提示してきた契約書の中身は納得できない」云々もやや不正確です。提示の問題ではなく、「協会の作成している契約書の中身が納得できない」云々とすべきです。以上コメントしておきます。

2008.5.7日



 



(私論.私見)