加戸守行考その3、その後の履歴

 更新日/2017(平成29).7.24日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「加戸守行考その3、その後の履歴」をものしておく。

 2017(平成29).7.24日 れんだいこ拝


 「美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会」の実行委員長。
 日本会議の主張を反映した育鵬社教科書の支援団体「教科書改善の会」の賛同者である。

 四電原子力本部を愛媛県へ移転
 2011.6.29日、四電原子力本部を愛媛県へ移転させた。2010年の時点で、四国電力の原子力本部は香川県高松市の本店内に所在し、この伊方原発の管理・運転計画の中枢となっていた。四国唯一の原発を擁する愛媛県では、当時の加戸守行知事が2005年と2006年にそれぞれ四国電力に対して原子力部門の県内移転を要請している。しかし、原子力部門に限るといえども、ある程度の権限を持った本部を移転するということは、本社との二重構造を引き起こす可能性があるなど、四国電力にとって経営の根幹に関わる問題であることから、要請には消極的であった。ところが、2011年3月の福島第一原子力発電所事故がきっかけとなり、愛媛県知事の中村時広が改めて四国電力へ要請をしたところ、四国電力側は本店にある原子力本部を2011年6月を目処に愛媛県松山市に移転することを決定した。 移転後はすでに松山市にある愛媛原子力対策室と統合され、取締役副社長である原子力本部長以下総勢25人程度のスタッフにより業務を行う予定とされた。そして2011年6月29日をもって、原子力本部が高松市の本店から松山市へ移転した。スタッフは、原子力本部長(取締役副社長)以下30名の体制である。ただし、松山(原子力本部・愛媛原子力総合対策室)から伊方原発までは直線距離でも65km離れており、自動車で実際にかかる到達時間も高速道路を利用したとしても松山市内からは1時間30分かかる

 2011年、知事退任後、大阪国際大学客員教授を務める。
 2012年、秋の叙勲において旭日重光章を受章。

 第2次安倍政権発足
 2012.12月、第2次安倍政権発足。安倍の〈腹心の友〉加計孝太郎にチャンスが到来。再び、安倍の内閣総理大臣秘書官となって経済産業省から戻ってきた今井尚哉が、今治市、加計の獣医学部設置のスキームを練り上げ、下村文科大臣から内閣府、農水省に指示が回される。(北村直人氏・弁)

 2013.1月、教育再生実行会議の委員を務める。

 日本会議のメンバーで日本会議愛媛県本部の相談役。日本会議は、1997.5月、当時の「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が合併する形で発足した組織である。2016年時点で会員は約3万8千人。日本会議に呼応する日本会議国会議員懇談会に名を連ねる衆参両院議員は約280人を数え、組織の役職などには著名文化人、学者、財界人らが就任している。今治市長の菅良二も日本会議メンバーである。

 2013.5.5日、安倍総理の山梨県鳴沢村の別荘に、本田悦朗内閣官房参与、萩生田光一衆院議員が入る。5.6日、安倍総理 午前7時7分、昭恵夫人、自民党萩生田光一衆院議員とともに山梨県鳴沢村の別荘発。同11分、同県富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」着。本田悦朗内閣官房参与、自民党の萩生田氏、昭恵夫人らとゴルフ。この時、加計孝太郎も一緒だった。

 萩生田は2009年衆院選に落選し、千葉科学大学 危機管理学部 客員教授就任(現在も継続)2012年衆院選当選 3年ぶりに国政復帰。安倍総裁の下で自由民主党副幹事長、総裁特別補佐に任命される。2013年05月10日 萩生田ブログは、「GW最終日(5/6)は青空のもと安倍総理とゴルフをご一緒させていただきました」と記している。
 5.9日、「国家戦略特区ワーキンググループ」が発足。
 6月、特区創設が閣議決定。

 2013.10.11日、「教育再生実行会議」の場で、加戸県知事が、獣医学部新設について次のように述べている。
 「三十数年間固定されておりますけれども、総理の言葉を借りまして、固い岩盤も愛媛県という小さいドリルであかないので、実行会議の大きなドリルで穴をあけていただければ」。

 国家戦略特別区域法成立
 2013.12月、国家戦略特別区域法が成立。「国家戦略特区」とは、小泉の「構造改革特区」をモデルチェンジし、専門家による議論の場である諮問会議のメンバーを議長である総理大臣が選定することができる。これにより安倍に権限が集中する、安倍の思うがままの《アベ独裁特区》になっている。

 【加計学園が「国家戦略特区に向けての行動開始」
 2014.3.13日、加計学園理事長の加計孝太郎が「国家戦略特区に向けての行動開始」。加計孝太郎、息子の加計役、豊田三郎(加計学園理事/文科省OB、16年5月に理事)の3人が獣医師学会の北村直人氏の元に挨拶に訪れた。そして、加計ら3人は、その足で、文科省 下村文科大臣に面会している。ちなみに、下村文科大臣は、加計との面会は、〈公務〉ではなく〈政務〉として行なっており、文科大臣秘書官は、面談記録をとっておらず、公式文書は残していない。

 日本獣医師会の北村直人氏への宣戦布告のための面談と、文科大臣 下村博文への協力要請のための面談。下村文科大臣は、加計との面会は、〈公務〉ではなく〈政務〉として行なった。つまり、〈公務〉では、部局の秘書官が大臣室に入り記録として文書に残すが、〈政務〉では、部局の秘書官の秘書は入らず、個人事務所の秘書がサポートするのみなので、文書は残らない。今井秘書官のスキーム、根回し通りに物事が進行。北村直人氏がIWJインタビューで証言。

 【内閣人事局設置】
 2014.5.30日、内閣人事局が設置される。各省の幹部人事は、内閣総理大臣を中心とする内閣が一括して握り、官僚の生殺与奪権は安倍の手中に入る。

 2014.6.3日、愛媛県議・本宮勇が下村博文に獣医学部設置要望。6.4日、今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請。6.5日、特区WG(八田が奨学金で事足りると発言)。

 6.17日、東京・芝公園フランス料理店クレッセントにて、安倍、加計孝太郎、三井住友銀行副頭取高橋精一郎ら夕食談合。

 6.29日、特区諮問会議(八田が急に獣医大新設に前向きに変化)。6.30日、日本再興戦略改定2015閣議決定。

 【獣医学部誘致と加計学園のどちらが先かのニワトリ卵論争】
 「とにかく獣医不足が深刻で困ってたところに加計学園だけが手を上げてくれた」、「加計学園が、たまたま愛媛県会議員の今治選出議員と、加計学園の事務局長がお友達であったからこの話が繋がれてきて、飛びつきました」などと証言した加戸証言に疑念が浮上している。今治市選出の愛媛県会議員である自民党・本宮勇氏によると、加戸知事に相談したところ「何処の学園ですか?」との話があり、その後に「岡山県の加計学園が要望している」と伝えたのは本宮勇議員だったとのことです。これは2014年6月18日に投稿された本人のブログ記事から判明した情報。加戸氏は加計学園が手を上げてくれたと証言しているのに、本宮勇議員の方は加計学園から話が持ち込まれたとブログに書いていることになる。

 「獣医学部誘致に向け、岡山で打ち合わせ」は次のように記している。
 「岡山市内に本部を構える加計学園に到着しました。学園理事で法人事務局長を務めている高校の同級生と打ち合わせを行います。同学園グループは岡山理科大学、吉備国際大学を中心として全国で5大学を運営している他、短大、専門学校、高校など多くの学校法人も運営しています。
 加計学園一覧
 http://www.kake.ac.jp/group/index.html

 今から9年前、同級生に大学誘致の話を持ちかけたところ獣医学部であれば検討するとの返事が返ってきました。当時、加戸知事に相談したところ「何処の学園ですか?」との話があり「岡山の加計学園ですと申し上げたところ・・・」、それなればいうことで獣医学部誘致に向けた活動がスタートしました。獣医学部については約50年前に北里大学に設置されて以降は門が閉ざされていることもあり、国の構造改革特区第12次提案から申請を続けています。未だ認可をされていませんか、何年か前から国は提案実現に向けて対応をするとの回答になってきました」。

 【前愛媛県知事の加戸守行氏が、日本会議愛媛県八幡浜支部の設立総会で、「日本の魂(こころ)」と題して記念講演】
 2014.9.12日、日本会議愛媛県八幡浜支部の設立総会が八幡浜市北浜の商工会館で開かれ、前愛媛県知事の加戸守行氏が「日本の魂(こころ)」と題して記念講演を行い、日本人の感性を育んだ道徳の役割などについて話した。「日本は戦後69年間で経済は発展したが、精神構造は劣化している」などと指摘していたことが明らかにされている。同支部は県内6番目で、会員数約150人。事務局は同市の八幡神社に置く。設立総会には約60人が出席。設立の趣旨や活動方針が報告され、支部長に八幡浜商工会議所会頭の鈴木欽次郎氏(80)を選任。続いて県本部会長の中山紘治郎・愛媛銀会長が「憲法改正を目指して支部を津々浦々に増やし、国民運動を展開していこう」とあいさつした。

 2014.12.18日、東京・銀座の中国料理店「飛雁閣」にて、安倍、加計孝太郎、高橋精一郎三井住友銀行副頭取と夕食談合。

 【今治市職員幹部が「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために首相官邸訪問】
 2015.4.2日、今治市が国家戦略特区を使った獣医学部の新設を国に提案するより2カ月前、愛媛県今治市の課長クラス職員二人が「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために首相官邸を訪問している。今治市は、4/1の予定を翌日4/2に急遽変更するよう指示され、飛行機をキャンセルし、チケットを取り直し、特区提案者の今治市職員が首相官邸に行き、安倍総理と、下村文科相と、加計と仲の良い山中伸一 文科省前事務次官と 会談した。(キャンセル料の支出負担行為 決定書の変更の記録が残っている) 同じく この日、特区提案者・今治市の企画課長、課長補佐は、内閣府を訪れ、藤原審議官に会っている。

 週刊朝日7月23日速報が、このときの面会相手が経済産業省出身の柳瀬唯夫首相秘書官(当時)だったとでスクープしている。但し、ところが、柳瀬氏は、同月24、25日の国会の閉会中審査でこの事実関係を問われ、「記憶にございません」を7回以上、連発した。8.2日、愛媛県の中村時広知事が、この訪問に県職員3人が同行していたことを明かした。8月8日発売の「週刊朝日」は核心に迫る新たな証言を詳報している。「実は、問題となっている訪問には、複数の加計学園幹部が同行している。加計学園側から今治市に連絡が行き、官邸訪問が実現したようだ。当時はまだ国家戦略特区の枠組みがどうなるかもわからない段階。首相秘書官から『準備、計画はどうなのか』、『しっかりやってもらわないと困る』という趣旨の話があった。最初から『加計ありき』を疑わせるような訪問で、萩生田(光一前官房副長官)、柳瀬両氏が国会で頑なに資料、記憶がないと言い張ったのは、詳細を明かせば、それが一目瞭然でバレてしまうからではないのか」。

 この日、官邸に下村博文文部科学相(当時)もやってきて言葉を交わしている。当日の首相動静を確認すると、下村氏は15時35分から57分まで、山中伸一文科事務次官(当時)とともに官邸で安倍首相と面会している。一方、今治市の記録では職員らが官邸を訪問したのは15時から16時半までで官邸内にいた時間が重なる。下村氏は、後援会の「博友会」が13年と14年に加計学園の山中一郎秘書室長(当時)から計200万円分のパーティー券代を受け取りながら、政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑が浮上している。15年4月2日の官邸訪問について、下村氏は、事務所を通じ、「(今治市職員や加計学園幹部らと)首相官邸で会話を交わした事実はございません。また、私が今治市職員らと柳瀬唯夫首相秘書官との面談をセッティングしたという事実もございません」と回答した。

 2015.4.7日、教育再生実行会議の当日の進行を説明するため、下村文科相と山中事務次官で首相官邸に行った。4/7 総理が開催する29回教育再生実行会議が開催された。
 2015.6.4日、加計学園と今治市が、国家戦略特区に獣医学部新設を提案。

 【愛媛県と今治市職員とともに加計学園の幹部が国家戦略特区ワーキンググループ(WG、八田達夫座長)による獣医学部の新設提案についてのヒアリングに参加】
 2015.6.6日、国家戦略特区の規制改革メニューに獣医学部新設が加わる直前の政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG、八田達夫座長)による獣医学部の新設提案についてのヒアリングに、愛媛県と今治市職員とともに加計学園の幹部が同席している。しかしながら、2017.3月、ホームページ公開の7ページのWG議事要旨にはヒアリングの出席者として八田座長ら計12人が記載され、提案者側は愛媛県の地域振興局長、今治市の企画課長ら3人のみで、加計幹部出席の記載が一切ない。複数の出席者によると、吉川氏はヒアリングの場で、既存の大学の獣医学教育では、獣医師の新たなニーズを満たしていないなどと述べたという。政府側の委員からは教員確保の見通しなどの質問があり、吉川氏が答えたという。2017.8.6日の朝日新聞が、加計系列の千葉科学大教授の吉川泰弘氏(現・加計学園新学部設置準備室長)らがWGによるヒアリングに出席し、発言していると報じた。学園側の出席者や発言が議事要旨に記載されていない理由について、朝日新聞は2日以降、内閣府に重ねて質問したが、5日までに回答はなかった。加計学園は「取材への対応は控えさせていただきます」と文書で回答した。(岡崎明子、星野典久)

 これに対し、WG座長の八田達夫氏は、「国家戦略特区WGで自治体等から提案を受けるヒアリングを行う際、提案者の要望により「非公開」と扱うことは通常の取り扱いとして行っています」と述べ、愛媛県と今治市の要望で非公開前提の議事進行だったと主張し正当化した。八田氏は7月の衆院予算委で、「議事を公開している。一般の政策決定よりはるかに透明度の高いプロセス」と強調し、内閣改造後の8.3日にテレビ出演した安倍首相は「特区WGの議事録はすべてオープンになっている」と胸を張っている。「国家戦略特区の正体」の著者で立教大教授の郭洋春氏(経済学)はこう言う。「ヒアリングの出席者は会議の性格を位置づける非常に重要なポイント。問題の場に加計関係者が出席した事実を伏せていたのは、“加計ありき”の獣医学部新設をヒタ隠しにするためだったのではないのか。そう類推するのが極めて自然でしょう」。


 特区WGのヒアリングは非公開で、議事内容はまず、会合後速やかに作られる「議事要旨」で公表される。議事要旨は概要版で、すべてのやりとりが記載されたものではない。議事の詳細が分かる「議事録」の公表はヒアリングから4年後と決められている。特区WGの議事要旨をめぐっては、例えば同様に獣医学部新設を提案していた京都府と京都産業大が昨年10月にヒアリングを受けた際は、京都府の担当者とともに共同提案者である京産大の副学長と教授の出席の記載がある。

 2015年6月30日 「日本再興戦略 2015」が閣議決定され、獣医学部新設の検討が盛り込まれる。ただし、獣医学部新設を懸念する石破茂地方創生担当相は、新設の禁じ手となる《新設のための4条件》を提出。
 2015年8月6日 内閣府は、今治市で大学用地現地視察をした。藤原審議官も行った。
 2015年8月17日 山梨県富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」にて、安倍、加計孝太郎、高橋精一郎三井住友銀行副頭取、本田悦朗内閣官房参与 ゴルフ。安倍は8/15-20まで山梨県鳴沢村の別荘で夏休み。夏休みに会った人物は、上記他、大沼瑞穂自民党参院議員、大沼保昭明治大特任教授、笹川陽平日本財団会長、茂木敏充自民党選対委員長、日枝フジテレビ会長、加藤勝信官房副長官、岸信夫自民党衆院議員、萩生田光一同党総裁特別補佐、西村康稔内閣府副大臣。…山梨の別荘は…秘密の談合の巣。
 2015年12月15日 今治市が、国家戦略特区に決定。同時に、広島市も特区指定されたが、加計の為のみに行ったというイメージを隠すために、《しまなみ海道 観光 のダミー》を作って隠れ蓑にした。
 2015年12月24日、クリスマスイブ、昭恵氏のFBに「男たちの悪巧み」安倍と加計らがシャンパンで乾杯する写真がアップされた。【金貸し】×【総理】×【土建屋】×【キョー育屋】の談合。
 2016年3月18日 東京・赤坂の日本料理店「佐藤」にて、安倍、高橋精一郎三井住友銀行副頭取、加計孝太郎 理事長と会食。
 2016.9月、前川喜平文科事務次官が和泉洋人首相補佐官から呼び出され、「首相は自分の口からは言えないから私が代わって言う」と伝えられたと主張。和泉氏は「言っていない」と否定している。

 2015年11月30日、 愛媛新聞対談求める愛媛の形 熱く 国論二分の諸問題 加戸兄弟語る」。
 兄 加戸 弘二氏 (かと・ひろじ=医療法人弘友会会長、加戸守行前知事の兄)(医師・環境保護団体代表)
 33年生まれ。八幡浜高、京都大医学部卒。医療法人弘友会会長。環境保護団体グリーンコンシューマーおおず(GCO)代表。GCO は9月、大洲市議会に四国電力伊方原発再稼働に反対する請願を提出し、不採択となった。大洲市在住。2017年2月18日午前0時37分、大洲市東大洲の自宅で死去、84歳。八幡浜市出身。

 弟 加戸 守行氏 (前知事)
 かと・もりゆき 34年生まれ。八幡浜高、東京大法学部卒。文部省(現文部制科学省)に入省し文化庁次長~同省官房長などを経て99年、知事に初当選。06年、伊方原発3号機のプルサーマル計画に同意。10年11月まで3期務めた。松山市在住。

 ダム、原発、安保―。国論を二分する問題で長年、議論してきた八幡浜市出身の兄弟がいる。兄は医師の加戸弘二(82)、弟は前知事の守行(81)。兄は環境保護団体の代表を務め、三つのテーマ全てに反対の立場。一方の弟は、かつて県政を担い推進や賛成の立場で政治判断を重ねてきた。「守行、それでいいのか」「兄貴はそう言うが」。戦後70年、兄弟対談で思い描く日本や愛媛の形をぶつけ合った。
(敬称略、聞き手・中井有人)

 始まりはダム
 環境マイナス大きい 弘二氏
 洪水阻止のため必要 守行氏
―お互いの性格をどうみていますか。議論の始まりは何でしたか。
弘二 役人出身の弟と、しがらみのない立場の私では違いがありますね。
守行 子どものころは兄貴は口数が少なく、私は多かったですね。私は朝から晩まで遊び回って。兄貴は外で駆け回るタイプじゃなかったですね。
弘二 私は年を取って大学を出てから言うべきところは、はっきり言うようになりました。守行は役人の世界では天衣無縫というか、枠にとらわれないところはあります。
守行 議論の最初は山鳥坂ダム問題かな。山鳥坂ダム建設や鹿野川ダム改造を推進するという意見と、もうダムは要らないという論。私は知事として推進の立場で、なんせ兄貴は環境という点から反対していましたから。会うたびに意見対立だったですかね。
弘二 私はダムに反対で住民投票ヘ署名集めをする中心メンバーでしたね。私は最初、守行は立場上推進の考えなのだろうと思っていました。守行は(1999年に)知事になったばかりの時、「県がお金を出さないかんなるし、どちらかといえば、本当はダムができんほうがええんやけど」と言ってなかったかね。
守行 あの時は過去の材料を集めて詳しく分析したわけでもなくて。材料を集めて勉強して、どうしたらいいかを考えていました。当時は(ダム建設が)松山市の水問題を解決するのに、非常に有力な手段だから松山の水がウエートの高い要素として頭にありました。その後、中予分水案がすっ飛んでから、環境と洪水防止の問題になってきました。そこでダムをやめるかどうかという時に、鹿野川ダムの改造を私が提案したんです。国土交通省がのんでくれるという方向が見えてきたから推進しようとなった。
弘二 私もダム建設予定地を見に行きましたけど、ダムができて自然環境を破壊するというのはプラスマイナスから見ると、しない方がいいと思いましたね。
守行 中山川や矢落川の水量の方がはるかに多いから、そこにダムができるのがいいのだけれど、環境条件から地質調査をやってできないとなり、次善策として(河辺川にある)山鳥坂ダムなんですよ。兄貴が言うのは、ダムが自然環境を破壊するという論理であって、山鳥坂ダムの治水効果が低いといっても、矢落川ならいいんですかといえば反対でしょう。議論がかみ合わないですよね。要するに環境保全を重視するか洪水を阻止するかということで。
弘二 山鳥坂タムが調節するのは肱川の流域面積の5%なんですよ。環境面からいってもやはりマイナスの方が大きい。ダムを造ることにより水没集溶もできる。利益を得る業界や国交省の意向が強くて進められていると私は思う。
原発の是非
最終処分場 適地なし 弘二氏
新設と再稼働 別議論 守行氏
 ―原発に対してどう考えていますか。
弘二 東京電力福島第1原発事故前は漠然と原発反対の気持ちでしたが、事故後、原発自体に強烈に反対するようになりました。再稼働も反対。もし福島と同じ事故が伊方原発で起きたら大洲に住めなくなる。松山も同じ。デメリットがはるかに大きい。
守行 福島原発事故は、地震で起きた予想外の津波で電源が喪失し代替電源が確保されていなかったのが原因で、二重三重の代替電源を確保しさえすれば問題が起きない、というのが私の基本的考えです。兄貴は日本の原発を全て止める考えで再稼働に反対しているが、京都議定書で日本が目指していた二酸化炭素(CO2)排出抑制に逆行する政策。もともと環境保護論者だったのにCO2の問題をどうお考えなんですかと反論したいですね。
弘ニ 津波が原因だと言うが、原因はまだ分からんというのが本当。地震動が原因で配管が破損したかもしれない。原因も分からないのに十分な対策ができたなんてものではない。福島の場合は放射性物質の多くが太平洋に流れたが伊方で事故が起これば瀬戸内海から西日本に広がる。CO2削減は必要だけど、原発への固執は日本経済の再生を遅らせる。一時的に化石燃料に頼らなくてはならないが、なるべく早く脱却するためにも、再生可能エネルギー導入を進めないといけない。
守行 科学技術の粋を駆使し人知の限りを尽くしても事故を100パーセント防げることはあり得ない。飛行機は落ちないといったって落ちる。原発事故はあってはならないが、100パーセントなくせるかといったら神様しか知らない。原子力規制委員会を信じ、状況を判断すべきではないでしょうか。
弘二 規制委は「100パーセント安全」とは言ってないわけですよね。そういう状態で、なぜ原発を動かさなきゃいけないかと。現に使用済み核燃料がたまり、リサイクルする核燃料サイクルは破綻しているわけです。それより未来を見つめ、今でも原発に負けないだけのコスト競争力がある自然エネルギーを使っていけばいい。自然エネはどんどん安くなっていく。
守行 まあコストは専門家じゃないと分からず、誰の意見を信用するかだけども。それで今、再稼働が問題になっているんですよ。原発を新しく造っちゃいかんというは一つの考えだけれども、現在あって福島事故前に順調に動いており止めて様子を見ていたものをなぜ再稼働しちゃいかんのか、これは別の議論として必要だと思う。
弘二 新設なんて国民的合意は得られないだろう。伊方の再稼働に関しても愛媛新聞の調査で69%が否定的だ。堂々と(再稼働の是非をめぐる)公開討論会を開き、専門家に話してもらうべきだ。事故を起こしたら後世に責められますよ。取り返しがつきませんよ。世界で核廃棄物の最終処分場建設が進んでいるのはフィンランドしかない。(地震国の)日本に適地はないです。使用済み燃料はもう原発に保管し続けるしかしょうがないのではないかと。
守行 人間はいろんな知恵を出してものごとを解決しているので、必ず道は見つかると思いますよ。窮すれば通ずです。
弘二 中間貯蔵を10万年続けるしかなくなるのではないでレょうか。そんな使用済み燃料をこれから増やしてもいいのか。
守行  いやいや、放射性廃棄物が増えるというけど今までの放射性廃棄物が存在するわけだから五十歩百歩の話であって。これまでの50もこれからの50も解決していきましょうというのが人間じゃないですか。
弘二 やはり国民や大洲市民のためを考えたら、原発は目先の利益だと思います。原発がなくなると経済的に因る人もいると思いますが、廃炉ビジネスもあるわけだから。
守行 ベストチョイスは当分の聞は原発で将来は核融合というのが文部省時代からの感覚ですよね。原発は圧倒的にコストが安い。再生エネといっても非現実的。極論すれば、私は代替電源が見つからなければ原発を新しく造ってもいいと思っています。
弘二 大うそですよね。安全というのも、安いというのも。
安保と世界観

外交努力で緊張解消を 弘二氏
国守れぬ憲法おかしい 守行氏
ー知事時代、記者会見で県内市町から応募があれば核廃棄物の最終処分場の候補地調査を受け入れるのかという質問に「頭からノーと、かかっていく事柄ではない」と答えました。
守行 私が仮に今、知事で「愛媛に最終処分場を」と言われたら、積極的に取り組みますね。愛媛が嫌と言ったら徳島、高知、香川が引き受けてくれるんですか。少なくとも四国でとなれば愛媛が受けるべきでしょう。どっかで誰かが引き受けなきゃならない。その覚悟を持って、私は知事になりましたね。
弘二 国民投票や住民投票により、反対する住民が多ければ行政は考えなければならないと思います。イタリアは国民投票で脱原発を決めまレたよね。
守行 住民投票をやれというなら伊方町長選で原発推進、反対を公約に町長を選ぶべきですよ。私は沖縄県知事に賛成じゃないけれど、彼は少なくとも米軍基地の辺野古移設反対で当選しているから住民投票しなくても「世論、われにあり」と言える。
 安保法にしても、昨年、安倍内閣は(集団的自衛権の行使容認を)閣議決定しているじゃないですか。昨年の衆院選で自民党は声高に叫ばなかったけれども公約に安保を入れてますよ。今ごろ反対の声があるけれど、首相や政党がどんな公約をしようと、何かあればその都度、住民投票で決めるんですか。じゃあ選挙って何ですかとなる。
弘二 安保法には反対です。今まで70年間、戦争をせずに済んでいることを支持する国民も多い。戦争放棄は簡単じゃないが、世界が目指すべき理念だと思う。政権与党は民意に沿ったことをするべきだと思う。衆院選の自民の公約は、アベノミクスがでかでかと載っており安保は数行だけ。選挙結果と民意は必ずしもイコールではない。
守行 自民の候補が「安保やります」って演説で大きく言わなかったから悪いの? メディアはその前に閣議決定を大きく扱ったよね。国民はそれを知っているわけだ。安保をやるのは見え見えでしょう。
弘二 でも結果的に多くの民意を踏みにじっているよね。今でも世論調査で多くの人が反対するわけで。
―憲法への見解は。
弘二  今の憲法を守るべきだと思いますね。条文には戦力は保持しないとあり(自衛隊の存在は)実質的にそれに反していると思いますが。国際的な緊張が高まっていると首相は言うけれど、外交努力によりそういう緊張がないようにすることが大切です。
守行 よそ(米国)から頂いた憲法を金斜玉条にしているのは日本だけ。自前の憲法を持つべきだというのが第一。第二は戦力放棄というけれども、9条を解釈すると武力行使できないから反撃できないはずで、国を守れない条文そのものがおかしい。
―なぜ意見が異なるのでしょうか。
守行 私は国家公務員も知事もやり、行政感覚で最大多数の最大幸福を考え、欠点もあるがこれでいいだろろと、原発もダムも判断してきました。文部省では日教組対策をやってきましたが、反対運動は全てとは言わないが誰かが扇動し、みんなが乗っている。しかしよく見てみると中身を考えていない。戦争反対、徴兵制反対とあおられれば国民がそっちヘ流れるというのを、身に染みて見てきました。その延長線上に原発問題もあるんじゃないかというのが気持ちの底にあるのは事実ですよね。人々の気持ちが、ある方向にわあっと行くのに警戒感があるんです。
弘二  弟は役人の道を歩んできたわけですよね。エリート社会の中で、自分たちがこれがいいと思ったらそれが最高だと思っているのか。私は権力に従わなくちゃいけない世界に住んでいないので、自由にものが言えるというのはあるかもしれません。


 2016年3月24日 京都府 京都産業大学が国家戦略特区に獣医学部新設を提案。
 2016.5.3日、松山市コミュニティセンターキャメリアホールにて、美しい日本の憲法をつくる愛媛県の会と、日本会議愛媛県本部が共催で「憲法フォーラム イン 愛媛」が開催された。参加者は1000名。東京から生中継で、櫻井よしこの憲法改正提言と、安倍総理のビデオメッセージが拝聴された。加戸守行元愛媛県知事(美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会実行委員長)、山本順三参議院議員が挨拶し、現在の憲法の欠陥をわかりやすく話した。百田尚樹氏総指揮による憲法改正映画も好評。
 2016年7月21-22日 安倍は、山梨県鳴沢村の別荘で過ごし、21日、富士河口湖町の焼き肉店「鉄庵」で、安倍、渋谷耕一リッキービジネスソリューション社長、加計孝太郎は夕食を共にし、22日、山梨県山中湖村「富士ゴルフコース」で、同じく、安倍、渋谷耕一リッキービジネスソリューション社長、加計孝太郎はゴルフ。
 2016年8月3日 第3次安倍内閣 (第2次改造)発足。8/3 山本幸三 が国務大臣 内閣府特命担当大臣(地方創生担当)に就任。8/5 石破茂 国務大臣・地方創生・国家戦略特別区域担当を退任。※(元文科省事務次官 前川喜平「石破氏から山本氏に地方創生担当大臣が変わったことから話が動き出した」
 2016年8月10-11日 10日、富士河口湖町の居酒屋「漁」にて、安倍、加計孝太郎、今井尚哉秘書官ら夕食。 11日、安倍、加計孝太郎、高橋精一郎三井住友銀行副頭取らとゴルフ。
 2016年8月23日 加計孝太郎は、山本有二農水大臣に大臣就任祝いとして面談し、獣医学部設置の陳情を行なった。
 2016年秋頃 前川事務次官は、杉田和博 官房副長官から呼び出され、出会い系バーに出入りしている件で注意をうけた。
 2016年9月? 地方創生事務局 藤原豊 審議官 は、木曽功(内閣官房参与)と面談。(利害関係者=加計学園の理事 千葉科学大の学長であった木曽参与に、内閣府の事務方(藤原審議官)が特区のこと、今治獣医学部設置の最新の情報を説明し漏らした可能性がある。
 2016年9月6日 加計孝太郎は、豊田三郎元理事とともに、大臣就任の挨拶に松野 博一文科大臣を訪れた。
 2016年9月7日、8月に内閣府特命担当大臣(地方創生・規制改革)に任命された山本幸三の元へ加計孝太郎氏が挨拶に行き陳情する。(森ゆうこ議員「利害関係者の加計理事長と合っていたのは、おかしい」)
 2016年9月26日「平成30年開校を大前提で進めてほしい」「これは官邸の最高レベルが言っていること」
 2016年9月27日 安倍首相動向によると、午前中、官邸に、萩生田官房副長官、松野博一文部科学相、前川喜平文部科学事務次官が入り、話をしている。
 2016年9月28日 内閣府官舎で「今治市分科会」の初会合が内閣府で開かれ、加戸守行前愛媛県知事も民間事業者(今治商工会議所特別顧問)代表として出席し、設置構想を述べた。獣医師学会「国家戦略特区会議やその下の分科会にも一切呼ばれず、直接意見を述べる機会がなかった」
 2016年10月2日 東京・宇田川町の焼き肉店「ゆうじ」にて、安倍、昭恵夫人、加計孝太郎、高橋精一郎三井住友銀行副頭取、増岡聡一郎鉄鋼ビルディング専務らで夕食談合。
 2016年10月24日 山本幸三(内閣府特命担当大臣)が安倍と面談。(内閣府が11/9に提示する案を山本大臣が安倍に説明したのか?)
 2016年10月28日 内閣府は、今治市の担当者と会って、スケジュール、論点、イメージを、11/9(諮問会議獣医学部設置の規制制度を改正)を前にして、共有して打ち合わせた。内閣府が 文科省など各省に提示した。その後 協議があって11/9に提示する最終案に至った。
 2016年10月? 文科省に《大臣ご確認事項に対する内閣府の回答》という文書が回った。内閣府回答=内閣府 藤原審議官によるもの。最短距離での規制改革は「総理のご意向」などと書かれ、文科省に大学設置審査を前面に立って早くやるように、という内容。
 2016年11月1日-11月末 加計学園が市有地のボーリング調査を行なった。
 2016年11月9日 国家戦略特区諮問会議 において、獣医学部設置の規制制度を改正することが決定。「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り新設を認める」→京都府 京産大 が、獣医学部新設を断念。
 2016年11月28日 加計学園が建築確認の事前協議を行なった。(ボーリング調査の件も含め、段取りが良すぎる。事前に今治獣医学部設置が決まる見通しを加計や市に知らせていたのか?)
 2016年12月24日 東京・丸の内の鉄鋼ビルディング。南館内のエグゼクティブラウンジ…一年前のクリスマスイブに集まったメンバー…安倍晋三、高橋精一郎三井住友銀行副頭取、加計孝太郎学校法人加計学園理事長、昭恵夫人、一年ぶりのクリスマスディナーを囲む。
 2017年1月4日から11日のたったの8日間、内閣府・文科省は、国家戦略特区 今治市の獣医学部設置申請を告示し、加計学園 のみが申請。
 2017年1月20日 国家戦略特区諮問会議で、加計学園の獣医学部新設が認定されました。
 2017.2.2.10日、2001年2月に米ハワイ沖で宇和島水産高校の実習船えひめ丸が、招待客がかじを握って緊急浮上した米海軍の原子力潜水艦に衝突され、17歳だった実習生4人を含む計9人の命が奪われた事故から16年。十七回忌の節目となる10日(現地時間9日)、慰霊式を執り行った。松山市石手2丁目の石手寺では慰霊供養があり、信徒ら14人が犠牲者の冥福を祈り、十七回忌の節目に思いを寄せた。
 2017年2月18日午前0時37分、加戸弘二(かと・ひろじ、医療法人弘友会会長、加戸守行前知事の兄)(医師・環境保護団体代表)が大洲市東大洲の自宅で死去(享年84歳)。
 2017年3月3日 今治市議会は、評価額36億7500万円の市有地を無償譲渡、校舎建設費の補助金として最大96億(今後8年間で計64億円とも言われる)を支払うことを議決した。土地代建設費100数十億円は国からの補助金。

 2017.5.3日、日本会議の「第19回憲法フォーラム」に合わせた全国行事の一環として、美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会が「憲法施行70年 国会は憲法改正原案の提出を!」というテーマでフォーラムを行っている。加戸前知事は実行委員長として名前がクレジットされている。

【6.15日、加戸発言】
 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK227 」のJAXVN 氏の2017 年 6 月 15 日付投稿「加計学園問題 加戸守行・前愛媛県知事「民主政権があと2年続いたら設置実現していた」前川前次官は「則を超えた」(産経)」その他参照。

 学校法人「加計(かけ)学園」の新獣医学部設置計画をめぐり、愛媛県今治市への誘致を進めた加戸(かと)守行・前同県知事(82)が、6.14日までに産経新聞のインタビューに答えた。加戸氏は、自民党政権時代は「対応不可」とされてきた獣医学部設置について、鳩山由紀夫内閣時代の平成21年の提案で「速やかに検討」へと方針が転換されたことを指摘し、「民主党政権があと2年続いていたら実現していた」と語った。また、「民主党がうまくやりかけたものを、民進党がつぶしにかかっている。(安倍晋三政権は)粛々と胸を張って進めてもらいたい」と強調した。

 加戸氏は、知事時代の鳥インフルエンザや口蹄(こうてい)疫などの発生時に獣医師が足りず、志望者がなく県が公務員獣医師を採用できずにいたことを挙げた。文部科学省による新獣医学部の設置不許可などの岩盤規制については「獣医学部の定員は神奈川県以東が8割、岐阜県以西は2割。こんな規制が医学部にあったら暴動が起きる」と批判した。

 加戸氏の旧文部省時代の後輩に当たる前川喜平前文科次官が「総理のご意向」で「行政がゆがめられた」と証言したことに対しては「非常に残念だ。私も現役官僚時代は『大臣の意向』だとかはったりをかました。虎の威を借りないと役人は動かない」と述べた。 そして「役人は大臣、政治に仕えるべきだ。(前川氏は)則(のり)を超えてしまったのか。岩盤規制を取っ払って、定員規制を外すことは行政をゆがめたことにはならない」と指摘した」。
http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/print/170615/plt17061501020003-c.html

 別の記事で、「(安倍首相と加計理事長が親しい関係にあることは大学誘致の際には知らなかったとした上で、)安倍総理が加計理事長の友人だと知っていたら、『友達なら早くやって下さい』と直談判していたかもしれない。そしたら10年前には出来ていただろう」との発言がある。

コメント
4. 2017年6月15日 18:04:53 : lO1dBRsOCs : C7JHowAP_XU[352]
●新設に反対してきた日本獣医師会の境政人専務理事はこう不満を口にする。「今回の国家戦略特区会議やその下の分科会にも私たちは一切呼ばれず、直接意見を述べる機会がなかった。パブリックコメントの募集に対し、反対意見を出しただけです。非常に短い期間で決められてしまった。初めから結論ありきのようで、大変残念でした」。

 一方、同会議の今治市分科会には前愛媛県知事の加戸守行氏が出席。同氏は「日本会議」関連の行事に出席し、安倍首相が本部長の「教育再生実行会議」の有識者メンバーを八木秀次氏、曽野綾子氏らとともに務めたこともある、首相の「右派人脈」のお仲間である。
 https://dot.asahi.com/wa/2017030600021.html?page=2
 加戸の「役人は大臣、政治に仕えるべきだ」につき、「加戸前愛媛県知事がバカすぎて愛媛県民がかわいそうになった件」が為になる解析をしている。それによると、公務員が利害関係者との癒着が多発したことから(ノーパンしゃぶしゃぶとか)国家公務員倫理規程が定められた。公務員が誰に奉仕するものかを次のように明示している。
 第一条(倫理行動規準)
 職員(国家公務員倫理法 (以下「法」という。)第二条第一項 に規定する職員をいう。以下同じ。)は、国家公務員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、第一号から第三号までに掲げる法第三条 の倫理原則とともに第四号 及び第五号 に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。

 一  職員は、国民全体の奉仕者であり、国民の一部に対してのみの奉仕者ではな    いことを自覚し、職務上知り得た情報について国民の一部に対してのみ有利    な取扱いをする等国民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正    な職務の執行に当たらなければならないこと。

 二  職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自ら    の属する組織のための私的利益のために用いてはならないこと。
  職員は、法律により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の    対象となる者からの贈与等を受けること等の国民の疑惑や不信を招くような     行為をしてはならないこと。
  職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げ    てこれに取り組まなければならないこと。
  職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えるこ    とを常に認識して行動しなければならないこと。

 これによると、加戸の「役人は大臣、政治家に仕えるべき」論は国家公務員倫理法第一条(倫理行動規準)違反になる。国家公務員倫理規程では役人は国民全体に仕えるべきだと言っている。





 



(私論.私見)