ジャスラックの著作権者に対する著作権料支払い分配式考

 (最新見直し2009.3.2日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「ジャスラックの著作権者に対する著作権料支払い分配式考」を書き付けておく。

 2009.2.14日 れんだいこ拝


【アーチスト生計論その1】
 共同通信社の「共同ニュース」の「JASRAC「承服できない」  会見の幹部ら不満あらわ」記事の末尾に「もっと知りたい ニュースの『言葉』」欄が設けられており次のように記されている。
 日本音楽著作権協会(2009年2月27日)

 1939年に設立された大日本音楽著作権協会が前身。2001年10月施行の著作権等管理事業法で音楽著作権の管理事業への参入が許可制から登録制に変わるまで同事業を独占していた。放送向けのほかインターネット配信、通信カラオケなどを含む07年度の使用料徴収額は約1157億円。管理手数料を除いた約1120億円を委託者の作曲家や作詞家らに分配した。

(私論.私見)

 れんだいこが気に掛かるのは、「放送向けのほかインターネット配信、通信カラオケなどを含む07年度の使用料徴収額は約1157億円。管理手数料を除いた約1120億円を委託者の作曲家や作詞家らに分配した」なる記事の信憑性である。果たしてこれは本当のことなのだろうか。

 気にかかり、共同通信社に電話で問い合わせしたところ、ジャスラック資料をそのまま転載しただけであり、詳しくはジャスラックの方に確認してくれとの物言いで突き放された。ジャスラックに問い合わせると、ホームページ「日本音楽著作権協会」上の「情報公開」の「平成19年度事業報告書」の「第1 著作権管理に関する事業」の項目に記してあるとのことだった。

 これを確認するのに、「1 徴収実績」の項に「徴収実績額は、1,156億7千万円であった。これは、徴収目標額1,103億7千万円に対して104.8%にあたり、前年度の実績に比べ、45億7千万円(4.1%)の増となった」とある。「2 分配実績」の項に「分配実績額は、1,120億円であった。これは、分配目標額1,091億3千万円に対して102.6%にあたり、前年度の実績に比べ、13億4千万円(1.2%)の増となった。この分配実績には、平成18年度に生じた収支差額金等の7億6千万円が含まれている」とある。「共同ニュース」記事が、この部分を抜書きしたことが分かった。

 しかし、どう見てもオカシイ。「徴収額約1157億円、支払額約1120億円」となると、支払い率は徴収額の96.8%に及んでいる。他方、ジャスラックの社員数は約500名ほどいると云う。理事その他役員の高給ぶりや高額退職金が取りざたされている団体である。家賃、光熱費等の建物経費や営業経費、宣伝広告費も要するところである。ジャスラックは、「徴収額約1157億円、支払額約1120億円」の差額約37億円即ち売上の差額率3.2%という仲介管理費で、これを賄っていることになる。果たして、これは正確な数字なのだろうか。

 ちなみに、「支払額約1120億円」の明細は公開されていない。作詞家、作曲家に具体的に幾ら支払われたのかの裏づけが公開されない限り、ジャスラック発表を鵜呑みにするしかできない。これにより、ジャスラック式「96.8%還元、3.2%管理収入」論の独り歩きを許すことになる。

 先だって鹿児島県阿久根市の職員給与の明細が氏名隠匿の形で公開された。ジャスラックは、かような形で公開する事により始めて「96.8%還元、3.2%管理収入」を裏付けることができるが、その気があるだろうか。作詞家、作曲家団体は、せめて5年に一度はこれを要求すべきではなかろうか。

 その他収入があるとしても「基本売上の僅か3.2%」で運営できている会社、事業体があるとしたらお目にかかりたいと思うのは、れんだいこだけだろうか。れんだいこにはとても信じられないので、マスコミ諸君誰か追求してくれないだろうか。

 2009.2.14日 れんだいこ拝




(私論.私見)