河内家菊水丸の新聞詠み音頭と著作権考

 (最新見直し2009.2.4日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 新聞詠み(しんもんよみ)河内音頭家元として知られる河内家 菊水丸(かわちや きくすいまる )が著作権攻めしたりされたりしている。エレキギター、シンセサイザーなどを用いて、「グリコ・森永大事件」、「豊田商事事件」、「リクルート事件」、「阪神タイガース優勝物語」、「ワイは横山じゃ!」、「喜劇王・藤山寛美一代記」、「アントニオ猪木一代記」など、世相・事件を題材にした歌曲を発表しているが、妙な著作権訴訟を起しているようなので検証しておくことにする。

 2008.6.12日 れんだいこ拝


【菊水丸のテイチク訴訟】
 1、菊水丸=本名岸本起由(きしもと・きよし)氏が河内音頭に独自のリズムや旋律を加えた「明石家さんま物語」など4曲を創作。

 2、1987.7月、テイチクがレコードやカセットテープの発売を開始した。その際、会社側が「作曲者として(戦後河内音頭を広めた)故鉄砲光三郎氏以外の名前では販売できない」と言ったため、作曲者を記載しないままの販売を受け入れた。

 3、1991年頃、テイチクはレコードのCD化を計画したが、菊水丸が断ったため断念。

 4、2002.10月、テイチクが菊水丸に無断で4曲が入ったCDを発売した。


 5、2003.8.6日、菊水丸(40)が、民謡の河内音頭をアレンジした自分の作品のCDを、レコード会社が勝手に作曲者なしとして売り出したとして、「テイチクエンタテイメント」(東京都渋谷区)などを相手取り、CDの販売差し止めと著作権の確認を求める訴訟を大阪地裁に起こした。菊水丸は、「自分の曲を乗っ取られたような気持ちで残念」とコメントしている。

 6、2004.10.5日、大阪地裁(小松一雄裁判長)で和解が成立した。和解条項などによると、問題となった4曲のうち、「河内音頭で(夜を)ぶっ飛ばせ」については菊水丸さん、別の1曲は、戦後河内音頭を広めた故鉄砲光三郎氏の著作権をそれぞれ認め、残る2曲は菊水丸と鉄砲氏をともに著作権者とするとしている。和解後に会見した菊水丸は、「伝承芸能での独自性の問題の難しさを学んだ。法廷で歌わせてもらうなど貴重な体験もした。和解まで長かったが、納得している部分が多く、ほっとしている」と話した。

 2008.5.26日 れんだいこ拝

 2009.2月、河内家菊水丸(45歳)が、事件やニュースを織り込む新聞詠みの河内音頭家元としての活動を25年間続けてきたが、今年夏シーズン限りで終止符を打ち、伝統河内音頭継承者として活動して行くと発表した。


 



(私論.私見)