2009都議選 |
(最新見直し2009.7.4日)
(れんだいこのショートメッセージ) |
2009都議選を検証する。2009都議選の特徴は、麻生政権の政権運命と衆議院解散時期問題が絡んでおり、いつもよりも注目度が高くなっている。いずれにせよ都議選の結果が来る衆院選のそれを予兆しており、見逃せない前哨戦となっている。 2009.6.22日 れんだいこ拝 |
Re::れんだいこのカンテラ時評585 | れんだいこ | 2009/07/04 |
【2009都議選早々予想】 2009.7.3日、2009東京都議選(42選挙区、定数127)の立候補届け出が告示され、同日5時に締め切られた。前回より1人多い221名が立候補し、過去最少の220人だった前回より1人多いだけの競争率1・74倍の少数激戦となった。12日に投票、即日開票される。 党派別の立候補者は、自民58(前回より+1)、民主58(+7)(推薦も合わせると都議会過半数に届く64)、公明23(前回と同じ)、共産40(-3)、東京・生活者ネットワーク5(-5)、社民2(+2)、諸派13、無所属は22(-8)。女性候補は52と23・5%を占め過去最多となった。都選挙管理委員会によると、2日現在の選挙人名簿登録者数は1066万4249人で過去最多。 次期衆院選の前哨戦として、現有71議席の自公が過半数の64議席を維持できるか、現有35議席の民主党がどこまで躍進することができるか、少なくとも第1党となることができるか。公明党は現有23議席死守で5回連続の全員当選を狙う。共産党は現有13議席を維持できるかどうか。社民党は2001年選挙で議席を失って以来、8年ぶりの議席復活をかけて2名擁立が奏功するか。東京・生活者ネットワークは無所属1人を含む6名の女性候補を擁立したが「市民の議席」を守れるか等々が焦点となっている。 れんだいこが早々と予想しておく。資料、調査に基づいたものではなく、選挙区定員数をベースに各党の勢いを斟酌したものである。これによると、民主を最大値とした場合の予想は、自民40、公明20、民主54、共産6、社会1、ネットワーク1、無所属5となる。これは出来過ぎと思われるので訂正すると、自民48→43、公明22→20、民主34→45、共産13→10、ネットワーク4→2、社民0→1、無所属3→6のそれぞれ前後と思われる。 いずれにせよ自公は10議席以上減り、民主が10議席以上増やす公算が大である。共産党は更に減り下げ止まりの10、社民が議席を回復して1か2。ネットワークは議席を維持すれば上出来で2、無所属の予想は難しいが6としておく。これによると、野党が過半数の64議席をやや上回る可能性が強い。 2人区の場合には自、民が分け合う。3人区の場合には自、民、公が分け合う。4人区の場合には自、民、公が分け合い、残りの1議席を民と共が争う。概ね民が取るとする。5人区の場合には自、民、公、共が分け合い、残りの1議席を自と民が争う。概ね民が取るとする。6人区の場合には自2、民2、公、共が分け合う。あるいは社民、ネットワーク、無所属が1議席取る可能性がある。8人区の場合には自2、民2、公2、共が分け合う。残り1議席を民、社民、ネットワーク、無所属が争う。という方程式が成り立つようである。 判明することは、各党の議席の底は案外堅く、何回選挙をしても大きくは変わり映えしないとも云える。2009年都議選の場合、民主フォローの風がどこまで吹くかに興味がある。仮に苦戦するとした場合には議席の変動がないことになる。れんだいこは、最低35、最大54、間を取って45と予想する。食われるのは共産党で10議席辺りまで落ち込む可能性が強い。自公の食い合いもあり、この辺りが面白い。 それにしても新左翼系の立候補がないのが情けない。共同戦線可能諸党派がその気になれば、5人区以上のところで議席を取れる可能性があるのに挑まない。未だに病膏肓中と云えよう。5議席ぐらいとっておればいろんな動きができように。次回都議選では、こういうことがないようにしよう。 予想が外れると穴があったら入りたくなるな。当たっていると胸を張りたくなるな。ほんのお遊びでやってみました。 2009.7.4日 れんだいこ拝 |
Re::れんだいこのカンテラ時評587 | れんだいこ | 2009/07/14 |
【2009東京都議選総括 投票一揆始まる】 2009東京都議選を総括しておく。詳細分析概要は、「れんだいこの為になる選挙分析・都議選」(ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/senkyo_togisen.htm)に記す。 都議選は知事選と2年ごとに行われ都政の「中間審判」の意味合いが強い。2009都議選では、石原都政三大事業に対する審判が下された。一つは、都が1000億円を出資して設立した新銀行東京の経営問題。約1千億円の累積赤字を抱え、都が400億円を追加出資する等、経営再建を目指しているが失政の批判もある。一つは、中央区の築地市場移転問題。2014.12月のオープンを目指しているが、建設予定地で高濃度の土壌汚染が見つかっている。都は総事業費4316億円を見込んでいるが、そもそも移転の必要性があるのかという根本問題が議論され尽くしていない。一つは、2016年五輪の東京招致問題。招致活動に伴う乱費、収容規模10万人を想定しているメーンスタジアム建設の過大投資が指摘されている。 都議選は、一地方選でありながら首都にして最大有権者を抱える大型選挙という特性から「次期国政の前哨戦」、「国政選挙の先行指標」的役割を担っている。例えば、1989年都議選は当時の土井たか子委員長の社会党がマドンナブームで大幅に議席を増やし3倍増となり、続く参院選で与野党議席が逆転した。1993年都議選は細川護熙氏の日本新党ブームに沸き、1カ月後の衆院選で自民党が惨敗、非自民の連立政権が誕生した。政界再編渦中の1997年には共産党が過去最高の26議席を獲得した。2001年は小泉人気の絶頂期で自民党が55名の候補者中53名を当選させて勝利を収めた等々の経緯がある。 2009都議選は、石原都政に対する審判と次期衆院選の前哨戦という二重の意味を持った。野党第一党の民主党が鳩山新代表の下で政権交代を前面に掲げて押しまくった。これに対する与党の自公の防戦如何が焦点となっていた。結果はどうなったか。 2009都議選の最終投票率は、有権者数10469729人、 投票者数 5705441人で 投票率 54・75%となり、前回投票率43.99%を10・76ポイント上回った。男性**.**%(前回42.81%、*.**ポイント増)、女性**.**%%(同前回45.14%、*.**ポイント増)。 民主が54議席(前回35議席)で19議席増。前回に続いて大幅に議席を伸ばし、事前予想をも上回る歴史的勝利を収め第1党に躍進した。42選挙区のうち38選挙区で公認候補がトップ当選を果たした。1人区の7選挙区のうち島部を除く6選挙区で民主ないし推薦無所属を立て完全勝利、3人を擁立した世田谷区や練馬区では全員が当選するなど圧勝した。名古屋、埼玉、千葉の各市長選、静岡知事選に続く首都決戦でも勝利し、政権交代に大きく弾みをつけた。 自民が38議席(同48議席)で10議席減。大敗北を喫し第2党に転落した。議長選を巡る汚職事件を受け「出直し選挙」となった1965年に並ぶ過去最低の議席数で、1969年に奪還してから40年間守った第1党を明け渡すことになった。1人区では6人が落選する惨敗を喫した。複数人区でも荒川区や北多摩2区で議席を失った。ベテラン議員が次々と破れ、トップ当選は島部のみという惨憺たる結果となった。麻生首相が告示前に全候補者の事務所を回り、選挙期間中は党幹部や閣僚が選挙区入りしてテコ入れしたが実らなかった。自民の賞味期限切れ傾向を再認する結果となった。 公明が23議席(同22議席)で1議席増。支持母体の創価学会を中心に徹底的な組織戦を展開し、5回連続となる全員当選を達成した。練馬と葛飾でトップとなった。逆風下での選挙となったが、凄まじい踏ん張りを発揮したことになる。共産党の幅広擁立主義と対極的な限定立候補、全員当選方式選挙戦略で臨んでおり、科学的という名に値するとすれば公明こそが相応しいように思われる。こたびはお見事と評価されるべきであろう。 共産が8議席(同13議席)で5議席減。又もや後退させ惨敗した。「都議会野党は共産党だけ」と訴え激しい民主党批判を展開したが、政権交代を掲げる民主の波に抗せずむしろ独善主義が食傷されていることを明らかにした。 東京・生活者ネットワークが2議席(同4議席)で2議席減。辛うじて2議席を維持した。無所属が2議席(同3議席)で1議席減。ネットワークと無所属の後退は、市民党が政党間の争いに埋没する最近の傾向を改めて印象付ける結果となった。社民党は8年ぶりの議席回復を目指したが前回に続いて連続空席となった。 都議会の旧与野党比率は、127議席のうち与党61、非与党66となり、自公の与党は過半数(64議席以上)を維持できなかった。石原都政の前途に暗雲が垂れ危険信号が点灯したことになる。石原知事は告示後、5日から最終日まで毎日、与党候補の応援に入っていた。ところが、結果は、自民党都連の幹事長も務める都議会のドン(内田茂・千代田)と、都議会自民党のまとめ役だった幹事長(高島直樹・足立)の二人が揃って落選。石原にとって最悪のシナリオとなった。 ところで、我が日本共産党の言い草を確認しておこう。志位委員長は、19→14→13→26→15と推移し13議席となった2005年の都議選総括で次のように弁じた。「現有十五議席を確保できなかったものの、二人区の文京区と日野市のたたかいで勝利をかちとり、十三議席を獲得したことは、重要な成果だと考えます。また、得票率で10%台を回復したと思われることは、今後の前進への一つの足がかりとなる結果となったと思います」。 こたびは、13議席から更に8議席へと減らしたが次のように弁じている。「『自民か、民主か』を押し付ける『政権選択』論が大規模に持ち込まれたことは、わが党にとって逆風となって作用しました。これに対して、わが党は、ほんとうの政党対決の構図がどこにあるかを都政、国政で押し出し、私たちの声が届いたところではわが党への共感と支持を広げました。しかし、私たちの訴えを全都民的な規模で届けるにはいたりませんでした。こうしたもとで、江東区で議席を奪還したものの、全体として議席を減らしたことは、残念です。同時に、開票はまだ途中ですが、得票では2007年の参院選の比例票を上回り、4年前の都議選の得票をほぼ維持できたと思われます。難しい条件のもとで獲得した得票は、今後にとっての重要な足がかりとなるものと考えます」。 相変わらずの減らず口で、1・方針は正しい、2・逆風下であった、3・内容的には負けていない、4・引き続き党中央の下に団結せよなる論法で事なかれしているが、こういうのを詭弁というのではなかろうか。かって1970年代には伯仲していた公明党の持続的健闘に比しての共産党の凋落の真因を見出し適宜な処方箋を生みだすのを総括と為すべきところ、万年免責体制下で又もやおざなりの煙巻き論法を駆使していることになる。これが科学的社会主義屋による総括であるところがお笑いである。 次に、社民党に言及しておく。こたびも議席回復ができなかった。福島体制も久しいというのにこういう結果ではそろそろ責任が問われるべきではなかろうか。党是としての理論と足腰を鍛える為の指導力を発揮すべきところ、芸能人ばりのテレビ出演で糊塗しているのではなかろうか。麻生政権を批判する口があったら、手前の無能をも顧みるべきだろう。それにしても、かって自民と対抗する自社体制を構築し、その後のじり貧傾向下を消費税反対で挽回し、その社会党が消費税値上げの旗を振って人民大衆の期待を裏切って以来、この党は見向きもされなくなった。その後、何らの対応策が取れていないのは、共産党と合わせて日本左派運動の無能ぶりを示して余りあると云えよう。 次に、杉並選挙区での福士敬子(無、現、市民団体代表)の健闘が光る。他方、こたびは新左翼系の登場がなかったことを訝りたい。過去、中核派が参戦していたが、こたびは立候補していない。召還すべき理由が分からない。今こそ新左翼共同が出馬すべきではなかろうか。それも5名以上の当選を勝ち取る必要があろう。なぜできないのか解せない。 最後に付言しておけば、こたび国民新党が、民主党の歴史的勝利を裏支えしていることが評価されねばなるまい。与党は公明が自民を裏支えしているのに比して、野党は共産の独善主義により長らく分裂事態を余儀なくされてきた。ようやく与党の公明の役割に対応する野党の国民新党という裏支え政党が出現したことが頼もしい。こういう勝利の方程式を確認せねばなるまい。 もう一つ。都議選明けの7.14日、改正臓器移植法A案が参院で可決され法案成立した。選挙で浮かれている隙に通過する法案は歴史的に胡散臭い。改正臓器移植法A案は日本人民大衆の臓器売買を促す足がかりをつくってしまったが、民主党政権下での見直しとなるだろうか。 いずれにせよ選挙が面白くなった。日本人民大衆の投票一揆が始まっており、この傾向は止まらない。日本テレビ系メディアが頻りに小泉派の悪策動を提灯しているが、手前たちが天下の時には除名、刺客まで放ち、下野したならば執拗に反党中央の働きをする得手勝手さをヨイショすればするほど見透かされることになるだろう。 2009.7.14日 れんだいこ拝 |
|
【投票率推移】(2005.7. 12日作成) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
7.12日の2009都議選の最終投票率は54・75(54.49)%となり、前回投票率43.99%を10・76(10.50)ポイント上回った。
|
【党派別議席数推移】(2009.7.4日作成) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
都議選史を確認しておきたいが、以下の程度しか分からない。ネット上に出てこない。オカシナことである。
|
【2009.7.12日東京都議選新議席】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「論より数字証拠」。これを見よ。
|
現有勢力(欠員2) | ||||||
当選者数 | うち女性 | 現 | 新 | 元 | ||
自民 | 38 | 2 | 33 | 4 | 1 | 48 |
民主 | 54 | 10 | 31 | 22 | 1 | 34 |
公明 | 23 | 3 | 19 | 4 | 0 | 22 |
共産 | 8 | 5 | 6 | 2 | 0 | 13 |
生活者ネット | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 4 |
行革110番 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
社民 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
幸福実現 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
その他 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
無所属 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 3 |
合計 | 127 | 24 | 91 | 34 | 2 | 125 |
(私論.私見)