2005(平成17)年都議選 |
【2005.7.3日東京都議選】 |
都議選投票率43.99%(前回01年の50.08%に比べて6.09ポイント減)となり、史上最低だった97年の40・80%を上回ったが、過去2番目の低さとなり、都市部での選挙離れがいっそう進んでいることを裏付けた。男性42.81%(01年比5.43ポイント減)、女性45.14%(同6.73ポイント減)。 |
【都議選の投票率推移】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「各種選挙における投票率」を参照する。
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政党名 | 現有数 | 新議席(女性) | 現・元・新 | 今回得票 | 率 | 前回得票 | 率 | 絶対得票率 | 相対得票率 | ||
自民党 | 51 | 48(3) | 38.0.10 | 1,339,548 | 30,7 | 1,721,603 | 35,96 | ||||
民主党 | 19 | 35(6) | 14.1.20 | 1,070,893 | 24,5 | 647,572 | 13,53 | ||||
公明党 | 21 | 23(2) | 14.0.9 | 786,292 | 18,0 | 722,464 | 15,09 | ||||
共産党 | 15 | 13(6) | 9.4.0 | 680,200 | 15,6 | 748,085 | 15,63 | ||||
無所属 | 4 | 4(2) | 2.0.2 | ||||||||
ネット党 | 6 | 3(3) | 2.0.1 | 181,020 | 4,1 | 137,489 | 2,87 | ||||
諸派 | 1 | 1(0) | 1.0.0 | ||||||||
社民党 | 0 | 0 | 0.0.0 | 10,165 | 0,22 | 68,055 | 1,42 | ||||
合計 | 117 | 127(22) | 80.5.42 | ||||||||
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【総評】 | ||||||||||||||
「2005.7月都議選」は、目立った争点なしのまま推移し、史上2番目の低投票率選挙で終わった。自民党がやや後退するも(51→48)依然として第一党を維持した。民主党が躍進し(19→35)第二党に進出し、2大政党制化を促進させた。公明党は公認23人全員を当選させた(21→23)。2001年の前回選挙で、第2党から第4党に滑り落ちた共産党は、改選議席数を2議席下回った(15→13)。東京・生活者ネットワークは、現有議席を半減させ3議席となった(6→3)。前回、旧社会党時代からの議席をすべて失った社民党は、候補者を1人に絞ったが今回も零議席となった。これにより、都議会の与野党比率は、与党71、非与党56となった。 |
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【自民党】 | ||||||||||||
自民党は、48議席を獲得。比較第一党の座を守り、第一党の座を確保した。 自民党の特段のコメントは為されておらず、「わが党48議席獲得、総得票数も1位で比較第一党堅持 東京都議選」を見るのに次のように述べている。
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【民主党】 | ||||||||||
民主党は、改選前の19議席を大きく上回る35議席を獲得し、都議会第二党に躍進した。岡田代表は「小さな勝利」と述べた。 民主党幹事長・民主党都議選対策本部事務総長・川端達夫氏は「【談話】東京都議会議員選挙結果を受けて」を発表した。
川端幹事長は、「民主党、都議選で35議席に躍進 政権交代へ大きなステップ」の中で次のように述べている。
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【公明党】 | |||||||||
公明党は、23議席を獲得し第三党の座を確保し完勝した。自民党候補を支援した結果は、16勝1敗で、ここでも成果を挙げた。
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【共産党】 | |||||||||||
2001年の前回選挙で、第2党から第4党に滑り落ちた共産党は、改選議席数を2議席下回った(15→13)。体調傾向に歯止めが掛からないが、1ケタ台への転落予想もされていたことを思えば、善戦ともみなせる。
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【東京・生活者ネットワーク】 | |||||||||
東京・生活者ネットワークは、現有議席を半減させ3議席となった(6→3)。 大河原雅子選挙対策委員長が「都議会議員選挙を終えて」を発表している。
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【社民党】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前回、旧社会党時代からの議席をすべて失った社民党は、候補者を1人に絞ったが今回も零議席となった。
2005.7.4日、又市征治幹事長は、「東京都議会選挙の結果について(談話)」を発表した。
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【諸派】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「革命的マル共連フォーラム」に、「紅民党 」氏の2005.5.18日付け投稿「1967年地方選挙戦」に次のような貴重な情報が寄せられているので転載しておく。
中核派が総力を挙げて取り組んだ杉並区(定数6、立候補者13、投票率42.26%)の結果は次の通り。
中核派の選挙結果に対するコメントは、「『つくる会』教科書採択絶対阻止を掲げ 長谷川英憲氏を先頭に健闘 7977票(定数6―立候補者13人中10位) 直ちに7月杉並大行動へ」。「都政を確信する会」のコメントは、「長谷川に7977票(10位) 健闘およばず 熱い支援ありがとうございました 挑戦をつづけよう この道を進もう 『つくる会』教科書の採択阻止」。 「週刊『前進』(2205号1面1、2005/07/11)」のコメントは、「『つくる会』教科書絶対阻止! 7月杉並大行動の高揚をかちとろう 都議選決戦の地平を発展させ国鉄先頭に4大産別で前進を 7・15全国集会(日比谷野音)に結集しよう」の見出しで、次の通り。
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![]() 社共に代わる新党派の選挙戦の取り組みそのものには意義があろうが、何故支持を増やせないのか、根本的な総括が必要ではなかろうか。「つくる会教科書採択絶対阻止」などのピンボケ運動ではなく、なぜ堂々と「石原打倒、小泉打倒」を掲げ、直接的に呼びかけ闘おうとしなかったのだろう。選挙民は、日共式ドブ板政治の真似事を期待しているのでは有るまいに。そろそろ共同戦線発想が必要かもしれない。 2005.7.4日 れんだいこ拝 |
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![]() 中核派の選挙総括は、何とも拍子抜けのすり替えでしかない。支持者に感謝とお詫びし、前々回、前回、今回の流れを分析し、次の展望への抱負を述べることが常識的な作法であろう。敗北か勝利かの分水嶺を曖昧にしたままに「画期的情勢を開いた」、「まさにこれからが正念場である」なる威勢のぶち上げは支持者を鼓舞することはできまい。中核派のコメントは基本的なスタンスで大いに問題かあるのではなかろうか。 「基本的なスタンスの問題」について、れんだいこの眼には「海老原君虐殺事件」の際の対応に似ているように思われる。この時も、事態を正視することなく言い訳を取り繕い、その後の陰惨な党派ゲバへの道を許してしまった。同党の責任のみではなかろうが、あの時の弁明に問題があった事は確かである。 苦言を呈するが、唯一果敢に選挙闘争に取り組む姿勢そのものは是とするからである。しかしながら、取り組むなら取り組むで共感を生み出すまともな作法を確立せねばなるまい。 2005.7.4日 れんだいこ拝 |
【無所属】 | ||||||||
【投票率推移】(2005.7.4日作成) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【党派別議席数推移】(2005.7.4日作成) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【都議選の位置づけ】 |
、都議選が注目されるのは、一地方選でありながらその時々の政治潮流を鮮明に映しだしてきたからで、「中間選挙」の意味合いを持ち続く国政選挙の「先行指標」といわれてきたことにある。 |
【2001.6.24日東京都議選】 |
都議選投票率 50.08%(前回選挙と比べて9.28ポイント高)となり、史上最低だった前回(40・80%)を上回った。都議選で初めて投票時間が2時間延長されたことと、不在者投票者数が前回の3倍になったことが要因と思われる。東京都選挙管理委員会は24日、都議選の不在者投票者数が、前回(1997年)の2.93倍にあたる40万4241人(速報値)になったと発表した。当日の有権者数に占める不在者投票者数の割合は4.16%で、前回の約1.47%を大幅に上回った。不在者投票者数は区市町村の窓口での投票分で、老人ホームなどからの送付分や郵便投票は含まれていない。 |
政党名 | 現有数 | 新議席 | 現・元・新 | 得票数 | 率 | 前回得票 | 率 | 絶対得票率 | 相対得票率 | ||
自民党 | 48 | 53 | 41.0.12 | 1,721,603 | 35.96 | 1,160,762 | 30.82 | 17.7% | 35・96% | ||
公明 | 23 | 23 | 17.0.6 | 722,464 | 15.09 | 705,816 | 18.74 | 15.1% | |||
民主 | 13 | 22 | 9.2.11 | 647,572 | 13.53 | 388,928 | 10.33 | 6.7% | 13.5% | ||
共産党 | 26 | 15 | 14.0.1 | 748,085 | 15.63 | 803,378 | 21.33 | 15.6% | |||
無所属 | 0 | 7 | 2.0.5 | ||||||||
ネット | 3 | 6 | 3.0.3 | 137,489 | 2.87 | 95,455 | 2.53 | ||||
諸派 | 1 | 0.0.1 | |||||||||
社民 | 1 | 0 | 0.0.0 | 68,055 | 1.42 | 70,637 | 1.88 | ||||
自由 | 0 | 0 | 0.0.0 | 132,719 | 2.77 | ||||||
合計 | 119 | 127 | 86.2.29 | ||||||||
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【総評】 | ||||||||
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【自民党】 |
勝敗ラインとしていた50議席を超え、53議席を獲得した。自民党が立てた55人は、前回当選者(54人)とほぼ同数。候補者を絞り込んだうえ、早くから選挙運動に取り組み、運動量も抜群であった。小泉首相の追い風も加わり、激戦区の世田谷、大田、足立区で出馬した3人全員が当選するなど順調に議席を増やし、各選挙区で軒並みトップ当選を果たした。都議選42選挙区のうち、自民党がトップ当選を果たしたのは35選挙区で、「一強体制」の様相となった。 |
【公明党】 |
公明党は現有23議席を守った。組織を固めて「至上命題」の全員当選23議席を死守した現状を維持したが、絶対得票率で見ても7.4%と前回衆院選と横ばいだった。 |
【民主党】 |
民主党は22議席を獲得したが、目標だった公認だけによる都議会第2党はならなかった。33人を擁立。現有が新進党などとの合流前の民主で得た議席だったこともあり、議席増は当初から見込んでいた。鳩山由紀夫代表、菅直人幹事長ら幹部が連日運動の先頭に立ち、大量の国会議員を動員して「本当の改革派」を訴えた。しかし、公明党には届かず、悲願の都議会第2党の座はならなかった。民主党は前回都議選より9議席伸ばしたものの、当選した22人のうち18人は当選者中、最下位で、参院選に不安を残す結果に終わった。 |
【共産党】 | ||
前回議席を倍増させた共産党は全選挙区で44人が立候補し、現有議席の維持を図ったが、無党派層に食い込めず、現職を落とすなどして現有を大きく割り込み11議席減らし15議席にとどまり、惨敗した。 共産党は前回の21・33%から15・63%に減らしたが、昨年の衆院選比例代表東京ブロック(14・34%)よりは微増した。共産党の絶対得票率は、衆院選の8.4%と比べると減少幅は0.7ポイントに過ぎない。最後の議席を民主党と争い、次点にとどまった選挙区が多かったことが、明暗を分けた。 「選挙結果 各党の得票数・率を見ると」として次のような分析結果を発表している。
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【東京・生活者ネットワーク】 |
東京・生活者ネットワークは、6人全員を当選させた。地域政党の東京・生活者ネットワークは、生活を大事にする視点が有権者の共感を呼び、倍増と躍進した。 |
【社民党】 |
社民党は、都議会での議席を失った。6人を擁立した社民党は、土井たか子党首が選挙戦序盤から支援に入るなど力を入れたが、党首の人気だけでは苦しい局面を打開できず、都議会での議席を失った。 |
【自由党】 |
自由党は議席獲得ならず。13人を立て都議会に初挑戦した自由党は、小沢一郎党首が選挙戦序盤から支援に入るなど力を入れたが、党首の人気だけでは苦しい局面を打開できなかった。 |
(私論.私見)