第45回2009総選挙、民主政権取り王手大詰め寄せ考その2 |
(最新見直し2009.8.28日)
参考サイト「阿修羅政治版」、「宮地健一の共産党問題」、「ザ・選挙立候補予定者」、「時事コム第45回衆議院議員選挙」その他
(れんだいこのショートメッセージ) |
2009.7.14日 れんだいこ拝 |
【各党マニュフェスト比べ】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
各党のマニフェスト(政権公約)がほぼそろった。キャッチフレーズは次の通り。
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【民主党の連合戦略】 |
小選挙区(全300区)での民主党の公認候補は計269人。公認候補を立てない31選挙区のうち、24選挙区で社民、国民新などの候補を推薦する。推薦24人を含め293選挙区で候補を擁立した。05年衆院選(291選挙区で公認・推薦)とほぼ同水準となった。 |
【小泉元首相が白旗宣言】 |
8.6日、自民党の小泉元首相が、神奈川県藤沢市で開かれた総選挙候補者の集会で講演し、「仮に政権交代が起こったってそんなに心配する必要はない。選挙だから勝つ時もあれば負ける時もある。たまには野党の立場になることも、そんなに悪いことではない」、「(総選挙情勢に関し)これまでにも逆風選挙があったが、これほど自民党にとって厳しい選挙は結党以来ない」と指摘。「過去50年間、ほぼ自民党が政権を担当したが、民主主義社会では異例中の異例なことだ。公正な選挙が行われる限り、政権交代があって当然だ」と述べた。郵政民営化をはじめ構造改革を批判する民主党ついては、「私が首相だった当時、『改革が遅い、生ぬるい、中途半端だ』と言っていたが、今は『行きすぎだ、拙速だ』と言っている」と猛烈に批判した。
小泉チルドレンの運命に痛痒を感じない無責任さに対して、小泉元首相の「気楽過ぎる発言」批判が避けられそうにない。 |
【「みんなの党」(代表・渡辺喜美)結成される】 |
8.8日、自民党を離党していた渡辺喜美元行政改革担当相ら国会議員5名が「みんなの党」(代表・渡辺喜美)を結成し、2009衆院選に15名を擁立することが明らかとなった。「脱官僚」「地域主権」「生活重視」を掲げて「政権交代プラス政界再編」を目指す。また新党の位置づけについて「政権交代プラス政界再編のための起爆剤。(新党が)延々と続いていくということは念頭にない」と、理想の政党体制をつくることで役目が終わるとの認識を示した。 国会議員5名とは、自民党を離党した前職の渡辺、山内康一、広津素子、無所属前職の江田憲司、神奈川4区からの出馬を表明し民主党を除名された浅尾慶一郎参院議員。今回の衆院選では、現役5名を含む13名を公認候補とし、ほか2人を推薦する。この日発表した選挙区に加え、さらに複数選挙区での候補者擁立を検討している。 「みんなの党」立候補予定者は次の通り。(敬称略、記載なしは公認) 【東北ブロック】佐々木重人(秋田2区)、小熊慎司(福島4区)【北関東】渡辺喜美(栃木3区)【南関東】野屋敷いと子(千葉4区)、田中甲(同5区)、小平由紀(同6区)、浅尾慶一郎(神奈川4区)、江田憲司(同8区)、藤崎浩太郎(同18区)【東京】柿沢未途(東京15区)【北陸信越】柴田巧(富山3区)=推薦【東海】佐藤剛(静岡1区)【四国】桜内文城(愛媛4区)=推薦【九州】広津素子(佐賀3区)【選挙区未定】山内康一 8.8日、自民党の鳩山邦夫前総務相は、神戸市で取材に対し、渡辺喜美元行政改革担当相らの新党「みんなの党」について「頑張ってほしい」とエールを送った。同時に「(衆院選で)民主党の単独過半数は絶対にない。この選挙で政界再編が起きるから、そのときの連携を考えたい。彼(渡辺氏)も一つのカードになるだろうし、私もキーマンになりたい」と述べ、衆院選後の連携を検討していく考えを示した。 |
【民主党が、平沼氏の地元岡山3区に対抗馬擁立に踏み切る】 |
8.10日、民主党は、平沼赳夫元経済産業相(無所属)が立候補を予定する衆院選岡山3区に、第二東京弁護士会所属の西村啓聡(けいと)弁護士(33)を擁立した。小沢氏が岡山市を訪れ立候補表明記者会見に同席した。同党は保守系無所属の立候補予定者15人を率いる平沼氏との連携を視野に擁立を見送ってきたが、小沢一郎代表代行の「平沼氏の政治行動を見守ってきたが、自公に代わる政権を(共に)つくるのは困難と判断した」との意向で方針転換した。平沼グループの小泉龍司氏(埼玉11区)への対抗馬擁立をけん制した格好となった。これにより、同党の公認は270人となり、公認・推薦候補がいないのは5選挙区のみとなる。
民主党は、「みんなの党」の江田憲司前衆院議員(神奈川8区)への対抗馬擁立も決めた。江田氏に対しても、前回比例復活したベテランをわざわざ「国替え」させていたが公認候補の擁立を目指す。小沢氏は代表時代から平沼、渡辺両氏との連携に期待を掛け、選挙区での競合を避ける「不戦敗」の構えだったが、協力関係が確認できないため対決する方針に切り替えた。 民主党の新人候補は114人。小沢一郎代表代行が自民党の大物前職に差し向けた「刺客」の女性候補が話題を集めるが、実は約3分の1が前回落選の再挑戦者。 |
Re::れんだいこのカンテラ時評596 | れんだいこ | 2009/08/16 |
【第45回2009衆院選の画期的意義考】 8.18日、第45回2009衆院選が公示される。こたびの選挙が如何に画期的か、これを確認しておく。要するに、日本政治史上初の議会選挙を通じての政権交代と云う「日本版平和革命」が本当に実現しようとしているところにある。このことが如何に画期的なことであるか、歴史眼を通せば見えてくる。逆に云えば歴史眼がなければ分からない。字義通りの意味での革命とはかなり面貌が異なるが、形式的でも良い「選挙を通じた平和革命」と云う有り得べからざる政治ドラマに着目すれば良い。 まず、このことを讃辞すべきであろうが、左派圏界隈で新政権の内実を危惧して政権交代を阻止せんとする者が居るとすれば、単なる気難し屋でしかないか学んで却って馬鹿になる根っからのよほどの馬鹿であろう。口先万年体制批判で悦に入り左派ぶり続けていても、この連中はむしろ反動の側に列なっている。政治に於ける責任能力を欠いた、それを考えることのできない本質的に体制事大主義的なお調子者に過ぎない。 そういう者は知るが良い。「選挙を通じた平和革命」の内実が二大政党制論に支えられた米欧的議会主義によりもたらされていようとも、戦前戦後を通じての遠い彼岸の夢物語でしかなかった「選挙を通じた平和革命」であることには変わりがなく、日本左派運動は本来この道を執拗に手繰り寄せるべきであったところ、自らこれが難しいとして労を採ろうとしなかったし、そもそも能力がなかったことを。そういう按配であったから、社共的右派は議会内野党運動に向かい、新左翼系は体制の虚構をプロパガンダし一挙的体制転覆式暴力革命を目指して反体制運動に精励し、共に潰えた歴史が刻まれているのではなかろうか。 日本左派運動の右派も左派も、「選挙を通じた平和革命」なぞできないと仮定しての指針の下に、それぞれの指針にのめり込んで行った。今日から思えば、「できない」とする理論の方こそが虚構で、粘り強く取り組めば「できる」とすることこそが必要な観点だったのではなかろうか。日本左派運動が、これまで何故に、これを目指さなかったのか。そういう問いを迫るのが、こたびの第45回2009衆院選の画期的意義となっているのではなかろうか。 歴史的に見れば、日本左派運動が目指さなかった訳ではない。戦後直後の日本共産党を指導した徳球−伊藤律系党中央は、ロシア10月革命に続く二番手争いを中国と競い、1947年の2.1ゼネストであわば実現せんとしていた事歴がある。かの時は結果的に占領軍GHQ権力に阻まれたとは云え、その功績は燦然としている。次に、1949年の9月革命史がある。この時、徳球−伊藤律系党中央の日本共産党は、社会党をも巻き込む社共合同運動により戦後革命の最後の決戦に向かった。しかし、この闘いも、この肝腎な時に内からの分裂策動と外からの強権弾圧に挟撃され失敗する。これにより戦後革命の夢が流産する。 以来、日本左派運動が政権奪取に王手を掛けた例はない。日本左派運動は政権奪取を視野から失い、左右に分裂を深めて行く。れんだいこに云わせれば、日本左派運動の軌道外れがここから始まっている。誰が誘導したのか問われないまま今日に至っている。右派は次第に体制内の万年批判野党として、いわゆる体制修繕運動に向かい始める。左派は右派批判をバネとして暴力革命論に傾斜し、60年安保闘争、68−70年全共闘運動、71−73年暴動闘争に向かった末に逆に封殺される。その後の日本左派運動は政治的激動を生みだし得ないまま、口先批判を専らとする運動に矮小化してきた。この流れが2009年現在まで続いていると看做して差支えない。日本左派運動は、これに対する俯瞰的な総括を為し得ないままズルズルと後退し続け今日の政治状況へと至っている。かく判ずる必要があるように思われる。 ここまで述べればお分かりいただけるように、45回2009衆院選の「民主連合による選挙を通じた平和革命による政権奪取」は、日本左派運動とは別系の流れにより生み出されつつある政治ドラマである。それは、日本左派運動が遂に叶えられなかった積み残した夢の実現でもある。それは、民主連合派の能力が日本左派運動の能力に優っていることを示している。こう捉える史観が欲しい。 興趣は次に、この運動の主体は誰かの解明に移る。れんだいこは、非常に多岐な潮流を見てとる。一つは、鳩山−岡田−前原系の民主党内ネオシオニズム派とでも云うべき戦後タカ派の系流である。この流れが、自公政権的保守政治からの転換を夢見ているように思われる。共に改憲派であり、自公政治と目先を変えただけの新たな御用聞き政治に向かう可能性が強い。しかしながら安逸な批判は避けねばなるまい。ミソはリベラル性にある。これにより、ワシントン直通の自公政権的売国御用聞きベッタリ政治手法は採用し得ないと見立てたい。これが救いと云えば救いではなかろうか。 次に、小沢−羽田−渡部系の角栄チルドレン派の系流である。この流れが、戦後保守本流を形成した1960−70年代的政府自民党ハト派政治の復権を夢見ているように思われる。ミソは与党的政治責任能力にあり、自公政権的強権政治手法とは違う和的政治による政権運営に汗を流すと見立てる。これを補翼するのが、国民新党、日本新党、新党大地、郵政造反組の保守系反ネオシオニズム派である。この系譜は、自民党内に於けるタカ派によるハト派駆逐政争によりもたらされたものであり、互いに踏み止まって共同しつつあると考えることができる。 次に、管系の市民運動派の系流である。旧社民連的流れを汲む市民運動派が遂に政治権力の頂点に加わろうとしている点で興味深い。べ平連も及ばなかった長征ではなかろうか。他にも社会党系、民社党系を抱えている。これを補翼するのが、社民、共産である。共産党は建設的野党論を生みだしたことで漸く、宮顕−不破以来の治安維持法的制動から脱しつつあるように思われる。社共的民主連合政権構想が頓挫した結果の次善策として連動しようとしていると考えることができる。他にも、様々な潮流が混淆している。 してみれば、民主連合とはいわば、左を右化させ、右を左化させたところで成り立っている、良い意味で様々なイデオロギーを混淆させた共同戦線運動足り得ているのではなかろうか。この運動体による政権奪取は、日本政治史上初の人民革命と呼ばれるに相応しいのではなかろうか。人民革命の名に値しないのであれば、次に予定すれば良いのではなかろうか。この人民革命を抑止する理由は見当たらないとするべきではなかろうか。 今や日本人民大衆が意識してかせずか不明ながら8.30日に投票一揆を起こしそうな気配である。自公政治に対する苛立ちが「ここはいったん民主にやらせ、ダメなら戻せば良い。民主の能力を見てみよう」とする世論を自然発生させており、もはや如何ともし難い。この国民的合意は、日本人民大衆の政治感覚の素晴らしさを示していると了解すべきではなかろうか。 かくして、後二週間で新政権が生まれようとしている。心得るべきは、細川政権の轍を踏まない政治能力を証することであろう。呉越同舟は弱いが三本の矢は強い。かの時は、社会党のふらつきにより暗礁に乗り上げた。しかし、貴重な政治的経験になったと思えば良い。議論百出、喧々諤々。決定事項は異論異端の党内反対派を許容しつつ押し進め、適宜見直せば良い。要は、この国の在り方を廻るグランドデザインを生みだし、国家百年の計を誤らない針路の舵取りと個別政策上の賢明なる処方箋作りに掛かっている。民主連合の能力が問われている。 れんだいこは心配していない。中曽根以来足音を高め、小泉時代に満展開したネオシオニズム政策との決別にシフトすれば良い。幸い我々にはバイブルがある。その後の日本は捨てたが、むしろ世界で教本化された「田中角栄式国家改造論」を手元に戻し、バージョンアップすれば良い。このシナリオある限り操舵を誤らない。このシナリオに背を向ける限り何をしているのか分らない元の木阿弥に戻るであろう。そう考えている。日本政治は思えば、無駄な時間を費やし過ぎてきた。そろそろ知るべきであろう。 さぁ政権交代へ向けて投票一揆に向かおう。 2009.8.16日 れんだいこ拝 |
【「首長連合」が民主支持を打ち出す】 |
8.11日、「首長連合」が民主支持を打ち出す。大阪府の橋下徹知事と横浜市の中田宏市長は府庁で記者会見し、「首長連合」として衆院選で民主党を支持することを表明した。自民と民主両党のマニフェストを比較し、地方分権政策などの点で民主党の方が優れていると判断した。「首長連合」にはほかに、東京都杉並区の山田宏区長松山市の中村時広市長ら計5人が参加している。全国知事会の評価は民主より自民が上で、橋下知事は当初、「知事会の結論に従う」としていた。ところが、結論は逆になっており、政党関係者の間で波紋を呼びそうだ。
会見では冒頭、中田市長が首長連合の基本姿勢について「根本的に中央集権システムを改めることこそが、国の諸課題を解決する基本中の基本と考えている」と強調。そのうえで「民主党は政権交代というエネルギーを一気に活用して国のあり方を変えることに踏み込もうとしている」と評価した。橋下知事は「今、必要なのは政治的なリーダーシップを発揮できる政権運営の仕組みを作ること。この点を重視した結果、民主党の方が上になった」と自民との違いを強調した。 今後の民主への選挙応援について、知事選挙で自民と公明の支援を受けて当選した橋下知事は「個人単独の支持表明はしない。天下分け目の大決戦の総選挙で自民、公明の応援をしないというのが僕の精いっぱいの判断。完全な裏切りだと思う」と“背信行為”を認めた。その一方で、「民主のマイクを握ることもできない」とした。 |
【民主党の「姫の虎退治」に続く「なでし子作戦」考】 |
民主党は、2007参院選の「姫の虎退治」に続いて「なでし子作戦」を打ち出し、「自公の大物議員狩り」勝負に出ている。最近の選挙で、最も成功したキャッチフレーズといえば、2年前の参院選岡山選挙区で、民主党の姫井由美子氏が掲げた「姫の虎退治」。対立候補は、自民党大物の片山虎之助元総務相だったが、有権者の「虎退治に加わりたい」という感情を呼び起こし、見事当選を果たした。今回、このなでし子作戦が続いている。これを確認しておくと次のようになる。 東京10区の郵政選挙刺客1号にして小泉チルドレンの旗頭・小池百合子に対する江端貴子。 東京12区の公明党代表・太田昭宏に対する青木愛。 群馬県4区の元首相・福田康夫に対する三宅雪子。 茨城6区の丹羽雄哉に対する大泉博子の「ヒロコッコのニワトリ」。 京都5区の元財務相・谷垣禎一に対する小原舞。 石川県2区の元首相・森喜朗に対する田中美恵子の「森の伐採(バッサリ)」。 山口4区の元首相・安倍晋三に対する戸倉多香子。 愛媛県1区の元官房長官・塩崎恭久に対する永江孝子の「姫の潮干狩り」。 高知2区の元防衛庁長官・中谷元に対する楠本清世。 長崎2区の元防衛相・久間章生に対する福田衣里子の「エリのクマ退治」。 他にも「なでし子作戦男版」を打ち出している。 神奈川11区の小泉進次郎に対する横粂勝仁。 兵庫8区の冬柴鉄三に対する田中康夫。 |
【公明党が青森県区の自民党、自民党系無所属を推薦決定】 |
8.12日、公明党本部は、衆院選青森選挙区での同党県本部が推薦申請していた1区の無所属新人・津島淳氏を含む4名の推薦を決定した。無所属の津島氏を支援する理由として、自民党県連と選挙協力で確約がとれたことを最大の理由に挙げた。2〜4区で推薦を受けたのは、いずれも自民党公認で前職の江渡聡徳、大島理森、木村太郎の各氏。 |
【幸福実現党が全選挙区立候補を改め、一部を自民党勢力の推薦に切り替えると発表】 |
8.12日、幸福の科学を母体に5月に結成され、衆院選(18日公示、30日投票)の300小選挙区と比例代表11ブロックすべてに候補者を立てる準備をしていた幸福実現党(大川隆法総裁)が全面撤退する方針を固め、14日に記者会見し発表するという。 8.13日、幸福実現党(大川隆法総裁)が総選挙全面撤退案を撤回し、300小選挙区に全候補者を擁立する戦略の見直しであり、「民主党政権の実現を阻止するため、保守勢力と選挙協力できる所には推薦を出し、立候補しない」との方針を表明した。饗庭直道・広報本部長は、記者会見の席上、「この数日間、自民党の大敗と民主党の政権実現を阻止するために、あえて身を引くという方針を選択しの一つとして検討してきた」と説明。そのうえで、「このまま全国300小選挙区への候補者擁立を維持し、保守票が割れれば、結果として民主党を利し、民主党政権を誕生させてしまう」とし、自民党など保守勢力に推薦を出した場合には小選挙区への立候補を取りやめるとの考えを示した。選挙協力ができるのは「最大で40〜50」としている。比例選では、11ブロックすべてに擁立する方針を維持するとしている。民主党政権阻止を掲げる理由として「国防上の政策があいまいで、ばらまき政策で将来、国民に余計な負担がのしかかる恐れがある」としている。 8.15日、幸福実現党は、比例代表東京ブロックから出馬を予定していた大川隆法党総裁(「幸福の科学」総裁)が立候補を取りやめると発表した。大川氏の妻で党宣伝局長のきょう子氏も出馬を取りやめた。党広報局は「他党との選挙協力を考え、党総裁は大所高所から党を指導する方がよいと判断した」と説明した。 |
【麻生首相が、「負けっぷりを良くせにゃいかん」と語る】 |
8.11日、麻生首相は千葉県野田市で街頭演説し、「(終戦時の首相の)鈴木貫太郎先生が『(戦争は)負けっぷりは良くせにゃいかん』と(首相の祖父の)吉田茂に言っている。吉田内閣は長いこと続いたが、色々な意味で教えていただいた」と述べた。演説場所が鈴木貫太郎記念館前だったことから、鈴木元首相の発言を引き合いに出したようだ。ただ、衆院選で政権をかけた民主党との決戦を目前に、首相が敗戦時のトップの心構えという意味深長な発言を紹介したことについて、自民党内からは「負ける心境で総選挙に臨むつもりか」(関係者)とのため息も漏れている。(2009年8月12日01時31分 読売新聞) |
【小泉元首相が、自民党下野論をぶつ】 |
8.12日、小泉元首相が、川崎市で開かれた自民党候補の決起大会で、「自民党が『長年政権を担当しているから、野党になったらヤダヤダヤダ』(というのは)冗談じゃない。与党を経験したり、野党を経験したりするのも悪くない。民主党だってしょっちゅう批判ばかりしていないで、(与党になって)たまには批判にさらされるのもいい」と語った。(2009年8月12日22時10分 読売新聞) |
【読売新聞が、消費税値上げ調査報告】 |
8.12日、読売新聞社が、主な立候補予定者約1300人(10日時点)を対象に年金などの社会保障制度を維持するための消費税上げ是非のアンケートを実施したところ1223人から回答を得、自民86%、民主25%容認という結果が判明した。内訳は、自民党303人、民主党270人、公明党33人、共産党166人、社民党36人、国民新党16人、みんなの党10人、その他389人。消費税率引き上げを「やむを得ない」とする回答は立候補予定者全体では31%。このうち、具体的な引き上げ後の税率を聞くと「10%」とする意見が25%で最多だった。(2009年8月12日23時04分 読売新聞) |
【田中真紀子夫妻が揃って民主党入り】 |
8.14日、民主党が、田中真紀子元外相を公認候補として新潟5区から擁立する方向で調整を進めていることが分かった。鳩山代表が十五日、地元の新潟県長岡市に田中氏を訪ね、最終決定する見通しだ。田中氏は衆院解散前は無所属で、民主党会派に所属。父の故・田中角栄元首相の直系とされる小沢一郎代表代行と近い関係にある。民主党は、田中氏の夫で昨秋に自民党を離党した直紀参院議員にも入党を働き掛けている。真紀子氏は一九九三年に初当選後、自民党に入党。翌年に村山内閣の科学技術庁長官として初入閣。二〇〇一年には小泉内閣の外相に就任したが、翌年に更迭された。その後、秘書給与流用問題で議員辞職し、〇三年に無所属で返り咲いた。 |
【2009.8.15靖国神社公式参拝】 |
8.15日、64回目の終戦の日を迎え、靖国神社に参拝した閣僚は野田消費者行政担当相のみ、小泉純一郎、安倍晋三の両元首相をはじめとする衆参44議員の参拝となった。麻生太郎首相や民主党の鳩山由紀夫代表は参拝しなかった。
超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・島村宜伸元農水相)は15日午前、計36人が集団で参拝。政府関係者では佐藤剛男法務副大臣、岸信夫防衛政務官、萩生田光一文科政務官ら、民主党からは松原仁前衆院議員、前田武志、羽田雄一郎両参院議員ら4人が参加した。参拝後、島村氏は、首相の参拝見送りを「衆院選を目前に控え自民党にも参拝に賛同する人、反対する人がいる。色々おもんぱかって自粛したのではないか」と説明。国立追悼施設建設構想については「英霊の率直な気持ちがどこにあるかに考えの基本を置くべきだ。無意味だ」と批判した。 |
【自民党が、衆院比例区の名簿順位最終方針を確認】 |
8.15日、麻生首相は、自民党本部で細田幹事長、古賀選挙対策本部長代理らと会談し、公示前日の17日午後、全ブロックの名簿順位を発表する方針を確認し、衆院比例区の名簿順位の最終調整を進めた。2005年総選挙で郵政反対組の「刺客」として擁立し、比例順位で優遇した前職について、1・小選挙区から立候補する場合は優遇しない。2・前回比例単独で立候補し、名簿下位で当選した候補者も上位に登載しないことを確認した。焦点は、前回比例単独の「目玉候補」だった猪口邦子(比例東京)、長島忠美(比例北陸信越)、近藤三津枝(比例近畿)3氏の処遇に絞られることになった。 2005年の衆院選で東京ブロック1位に登載されていた猪口氏は、前回は小泉純一郎元首相から直接出馬を要請され、「小泉枠候補」として初当選を果たした。しかし、今回は上位での登録をはずされることが決定的になったため比例名簿登載を辞退し不出馬の選択をした。小泉元首相に不出馬を電話で伝えたところ、小泉元首相は「執行部は私の言うことも聞いてくれない。人生いろいろ総裁もいろいろだから仕方ない」と話していたという。 東京ブロック24位だった安井潤一郎氏。前回は27位で順位そのものは上がったが、「今回の名簿は小選挙区のリスクヘッジだ」と憤る。東京の小選挙区から出馬する22人の候補者が1位に名を連ねたことに対して、「党は3年10カ月の私の活動を見ていたのか」と疑問を投げかけた。東京ブロックの名簿順位を巡っては、7月の都議選での大敗を受け、都連から小選挙区候補優遇の要請があったという。 一方、近畿ブロックでは、東京ブロックとは逆に比例単独候補が1、2位の上位に名を連ねた。前職の近藤三津枝氏は2回連続で1位となる異例の厚遇に、「身の引き締まる思いです」と語った。自民への逆風が指摘される中、他の候補者からは怨嗟(えんさ)の声も聞かれるが、近藤氏は、「小選挙区で戦う皆さんのために全力を尽くす。応援に走り回ります」とだけ話した。 |
【党首討論会】 |
8.17日、6党の党首討論会が東京都内の日本記者クラブで開かれた。討論会では、まず各党が抱負を述べ、自民党麻生首相は「最も訴えたいことは責任力だ。自民党は一貫性がある公約と、実行できる力がある」、民主党の鳩山代表は「チェンジで日本をよみがえらせよう」と政権交代の必要性を訴えた。その後質問に移った。各党首の質問は、衆院選後の政権交代を見越す形で民主党の鳩山代表に集中した。与党側では、麻生首相が民主党マニフェストの財源問題を追及し、「戦略なきばらまきでは経済は成長しない」と批判した。公明党の太田代表は鳩山氏の「政治とカネ」をやり玉に挙げた。野党の共産党志位委員長、社民党福島党首が民主党との違いを力説する一方で、連携する姿勢もアピールした。綿貫民輔国民新党代表が出席した。
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【第45回衆院選公示】 |
8.18日、第45回衆院選が公示された。12日間の運動期間を経て30日に投開票が行われる。衆院選は小泉内閣当時に行われた2005年9月の郵政選挙以来4年ぶり。18日は午前8時半から午後5時まで、全国300の小選挙区への立候補と、11ブロックの比例代表(180議席)への名簿の届け出が行われる。各党党首は東京、大阪、神奈川などで第一声を上げる。「自民、公明両党の連立政権継続か、民主党中心の新たな政権への転換か」、与野党逆転の可能性を色濃くした政権の行方を懸けた政治決戦がスタートした。戦後、政権交代につながった衆院選は1947年と93年の2回ある。
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【民主党が、衆院選の比例代表11ブロックの名簿登載順位を発表】 |
8.17日、民主党は、衆院選の比例代表11ブロックの名簿登載順位について、鳩山代表、小沢代表代行、岡田幹事長ら幹部が党本部で約2時間にわたり協議したが難航。鳩山氏は同日夜、決着がつかないまま最終調整を小沢氏に一任した。
8.18日、民主党が、衆院選の比例代表11ブロックの名簿登載順位を発表した。優勢が伝えられる選挙情勢を受けて大量当選の可能性が高まり、過去最多の比例単独候補を擁立した。各ブロックとも小選挙区との重複立候補者を1位に並べ重複で並べる一方、、著名人を上位で擁立せず、比例単独候補はその下とした。比例単独候補は計59人。衆院議員引退を表明していた藤井裕久最高顧問は南関東ブロック35位、無所属で東京10区から出馬を予定していた小林興起元衆院議員は東京ブロック25位にそれぞれ登載された。マルチ商法業界から献金を受けた責任をとって離党した前田雄吉元衆院議員を、東海ブロックから出馬させようとする動きもあったが、執行部は擁立しないことを決めた。 |
【各党首第一声】 |
8.18日、各党首第一声。自民党は、東京都八王子市のJR八王子駅前ロータリー。麻生首相は、「政権ではなく、政策を選択してほしい」と声を振り絞った。「経済成長率は15カ月ぶりにプラスになった。先進国で一番の3.7%。間違いなく我々の経済政策は当たった。ただ、皆さんの気持ちの中が良くなるまで至っていない。景気対策を継続していきたい。船舶検査法は自公両党で衆院を通したが、民主党の反対で廃案になってしまった。一番喜んだのは北朝鮮でしょう。国家の安全保障という最も大事なものですら、政策の統一が取れない。こういう政党に日本の安全保障を任すことはできない。民主党のマニフェストのどこに経済成長が書いてありますか。高速道路はただにします。子ども手当を出します。聞こえはいいよ。この金、どこから持ってくるの。これが一番問題ですよ。政策を選択してください。どの政党が実行力があるか、皆さんに訴えたい」。
公明党は、横浜・二俣川駅前。太田代表は、「子供や高齢者、障害者のため、一貫して戦ってきたのは公明党。仕事をしないのが民主党だ」と訴えた。「今回の選挙戦は政権選択の選挙と言われるが、大事なことは中身です。一つは政策に一貫性、整合性があるか。第二に実行力、行動力、執念があるかが問われています。ぶれない政策とやりぬく力を持っているのは公明党です。公明党の大きな柱は医療、介護、子育て支援、若者の雇用です。「子ども手当」と民主党は言うが、いいかげんにしてもらいたい。2000年以降、児童手当拡充に全部反対したのは民主党です。民主党はまさに財源なき政策、くるくる変わるマニフェスト(政権公約)、危うき安全保障、党首2代の献金偽装、いずれの指摘もその通り。皆様の力をいただき、この選挙で生活実感の政治に変え、清潔政治実現への決定打を打とうではありませんか。生活を守りぬくのは公明党、景気経済の回復に全力をあげます」。 民主党は、大阪市中央区の難波駅前。鳩山代表は、「日本の歴史を塗り替える日がやってきた」と語りかけると、「政権取れよ」「総理!」との声が飛んだ。「日本の歴史を塗り替える日がやってきました。皆さんの力で、あなた方が主役になる新しい政治を起こそうではありませんか。子どもから夢を奪ったのは誰ですか。若者から希望を奪ったのは誰ですか。お年寄りから安心を奪ったのは誰ですか。「消えた年金」の解決、年金の一元化を果たすことを約束します。地域のことは地域で解決できる「地域主権国家」の世の中にします。マニフェスト(政権公約)は国民の皆さんとの契約です。契約を果たさなければ責任を取らないといけない。麻生首相が「責任力」というなら、皆さんの1票の力によって責任を取ってもらおうではありませんか。あなた方の未来のために政権交代して、あなたが主役になる新たな政治を届けてもらうようにお願いします」。 社民党は、沖縄・宜野湾市の米軍普天間飛行場から目と鼻の先の国道交差点。福島党首は、「沖縄から新しい政治を、平和をつくろう。政権を代えよう」と集まった支持者約500人に訴えた。「沖縄を第一声に選びました。小泉構造改革の痛みが最も表れているのは沖縄ではないでしょうか。新しい政治を作るには、沖縄から平和をしっかり再建する必要があります。命を大切にする政治を全力で政権交代の後作ります。子どもたちから夢を、若者から希望を、高齢者から安心を奪ったのは自公政権ではないでしょうか。だからこそ、何としても自公政権を退陣させたいと思います。政権を代えても、社民党がしっかり入らなければ平和の再建、生活の再建はできません。社民党は2けた台(の議席)を何としても確保したいと思っています。新しい政治の質を決め、政治の転換を本当にできるのは社民党です。みなさんの1票が平和を守る1議席、雇用を守る1議席、生活再建のための1議席に必ずなります」。 共産党は、東京・JR新宿駅西口のデパート前。志位委員長は、「いよいよ歴史的な総選挙が始まった。共産党の躍進を勝ち取るため燃えに燃えている」と声を張り上げた。「歴史的な総選挙が始まりました。日本列島津々浦々でも、共産党の躍進を勝ち取るために燃えに燃えています。17日の6党党首討論会で麻生太郎首相は「安心社会を実現する」と言ったが、よくもこんなことが言えたものです。生活保護の母子加算を廃止したり、後期高齢者医療制度という恥ずかしい制度を作ったのは、すべてが自民、公明両党の責任です。安心の実現というなら、自公両党が政権から退場することです。自公政権を終わらせる有権者の審判を下そうじゃありませんか。その後にどういう新しい政治を作るかが選挙の大きな争点になっています。共産党は二つの旗印を掲げています。第一は国民の暮らしと権利を守るルールある経済社会を作ること。第二は平和問題です。どの党が平和の守り手か見極めてほしいと思います」。 国民新党は、東京・羽村市のJR小作駅前。綿貫代表は、「郵政民営化を見直し、助け合える国家を目指していく」と訴えた。みんなの党の渡辺喜美代表は、自らが出馬する栃木3区の大田原市で最初の演説をした。「みんなの党は皆さんの党です。われわれは原点に立ち返って、国民の手に政治を取り戻します。私たちはバラマキはしない。しかし、ゆがみは正していきます。今後3年間で30兆円の官僚のへそくりを掘り起こし、国民に返す」、「郵政民営化に賛成か反対かの選挙から4年、初めての選挙になりました。この選挙では、「あらゆる改革の本丸」とされた郵政民営化で日本がどうなったかを検証しなければいけません。格差拡大が進み、地方切り捨てによって不信が渦巻き、協力よりも競争という社会になってしまったのではないでしょうか。正に共生、協力の文化の象徴だったのが郵政です。郵政民営化を検証することが、4年間の政治を見直すことになります。国民新党は、人間力の復活、共生社会の再生を掲げたい。今こそ、日本の曲がりかかった、腐りかかった政治を立て直していきます。ふるさと再生、日本復活を合言葉に、地方から日本を復活させます。喜んでみんなが働け、助け合える社会を目指す政策を打ち出したい」と官僚政治打破を強調した。 改革ク・渡辺秀央代表は大阪府堺市で、「今回の選挙は改革か革命かの選択だ。野党の考えは革命理論だ。革命とは今までのすべてを否定し、日本の民主主義や世の中の仕組みを否定する考えだ。戦後日本は米国の占領政策から脱皮し、世界のリーダーとしての地歩を固めてきた。我々は麻生政権を支持する立場から選挙をやらせてもらっている。安心して暮らすには経済的問題も重要だが、それ以前に身の安全を守ることが重要だ。野党連合に日本の将来を託していいのか」。 日本新党の田中康夫代表は兵庫県尼崎市で、「皆さん、おかしいことは一緒に変えていきましょう。明治維新から140年余り。官僚統治と中央集権で、既得権益がはびこる日本の「改国」を行わなければなりません。私が「脱ダムが脱ムダ」と言っているのも、この点にある。ダムの建設費は中央のゼネコンに流れ、地域は奈落の底に突き落とされました。私は、しがらみやなれ合いとは無縁です。信じられる日本をつくるため、「改国」を推し進めていきたい」。 みんなの党の渡辺喜美代表は栃木県大田原市で、「みんなの党は皆さんの党です。われわれは原点に立ち返って、国民の手に政治を取り戻します。私たちはバラマキはしない。しかし、ゆがみは正していきます。今後3年間で30兆円の官僚のへそくりを根こそぎ掘り起こし、皆さんにお返しすることができるんです。恐れず逃げず改革をやることで皆さんにお返しできるお金です。「脱官僚」はそんじょそこらの生半可な覚悟ではできません。また、地域が権限・財源・人間を確保し、地域のことは地域で決められる当たり前の政治を実現していきます。私たちは政権交代を目指します。本当に民主党に任せて大丈夫か、と思う方が非常に多い。政権交代プラス政界再編で新しい政治体制を作ることで、脱官僚、地域主権、生活重視が花開くのです。必ずこの国を変えます」。 |
【党派別の立候補数】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【総務省が、衆院選投開票日の当選確実報道を慎重に行うよう要請】 |
8.18日、総務省は18日、NHKと全国の民間テレビ・ラジオ局、ケーブルテレビ会社などに対し、衆院選投開票日の当選確実報道を慎重に行うよう要請した。総務省は1995年の参院選から国政選挙の度に要請書を送付してきたが、「05年衆院選で誤報が相次いだ」として、07年参院選ではNHKと民放キー局の役員を総務省に呼び、直接文書を手渡した。今回、担当局長ら職員が各局に出向いて従来と同じ内容の文書を手渡した。これに対し民放連は堀鉄蔵報道委員会委員長(名古屋テレビ放送社長)名で、要請を「極めて遺憾」とするコメントを発表した。民放連はこれまでも「報道の萎縮(いしゅく)につながる」と抗議するコメントを発表していたが、「放送局への事前の注意喚起が常態化することに重大な懸念を抱かざるを得ない」と改めて反論した。 |
【小泉元首相が早々白旗掲げる】 |
8.19日、小泉元首相は、この日の演説で、「この10年間、政権交代を何とか耐えてきた。『寄せ集め』が民主の弱みだったが、いまや、それが強みになってしまった。これだけの逆風、よほどのことがない限り、政権交代は実現する」と語り、早々と白旗を掲げた。 |
【麻生首相の最終局面談話】 |
8.27日、麻生首相(自民党総裁)は、遊説先の大阪市内のホテルで記者団の質問に答え、自民党の劣勢が伝えられる中、30日の衆院選投開票日を迎えることについて概要「きわめて責任は重たい。これまでの自民党、自公連立政権に対するいろいろな批判が |
【民主党小沢代表代行の街頭演説】 |
8.28日、民主党の小沢一郎代表代行は、高知県いの町で衆院選公示後初めて街頭演説を行い、同党への支持を訴えた。「あの白人社会の米国でさえ、黒人の大統領を選んでまで変化を求めた。いい政府をつくるのは皆さんの一票一票だ」、「小泉政権以来、改革の美名の下に国民生活を窮地に追い込む政治が行われてきた。政権交代が必要だ」、「自民党に一票を入れておいて政治に文句を言う資格はない。投票を棄権する人たちにも、政治に文句を言う資格はない」と、強い口調で民主党への投票を求めた。 小沢氏は18日の公示後、候補者の選挙事務所回りなどに徹し、これまで街頭でマイクを握ることはなかった。29日は福岡、石川両県で街頭に立つ予定だ。 |
【2009衆院選の期日前投票の結果について】 |
8.29日、総務省は、国政選挙では04年参院選から導入された期日前投票について、28日時点の集計(小選挙区)を発表した。公示翌日の19日からの10日間の全国集計で、有権者の10.49%にあたる1094万4845人が投票した。05年の前回総選挙の同じ時期の672万4889人と比べ63%増え、既に有権者の10.5%が投票したことになる。国政選挙で最多だった07年参院選の1079万8737人を上回った。期日前投票は。投票者に占める割合は04年参院選12%、05年総選挙13%、07年参院選18%と増えてきている。有権者のうち期日前投票をした人の割合が10%を超えた都道府県は28に上り、九州は全県で上回った。制度の定着とともに、今回の衆院選への有権者の関心の高さをうかがわせる。 |
【各党首の最後の訴え】 |
8.29日、政権選択が最大の焦点となっている第45回衆院選が選挙戦最終日を迎え、主要各党の党首らが最後の訴えに声をからした。これを確認しておく。党首が選挙応援のため移動した距離の総計は、麻生太郎首相(自民党総裁)が1万3049キロでトップ。選挙戦では「優勢」が伝えられる民主党の鳩山由紀夫代表が1万2633キロとなった。 民主党の鳩山代表は同日昼、大阪市などで街頭演説し、「明日を日本の歴史が大きく変わる日にしよう。官僚主導の政治をやめ、国民と議論して政策を作り上げていく、日本で初めての民主政治を作る大きな選挙だ。マニフェストでうたった子ども手当、農業の戸別所得補償制度、高速道路無料化、道路特定財源の暫定税率廃止を責任を持って果たすことを誓う」云々と述べた。 公明党の太田代表は午前、地元の東京都北区で、「生活を守り抜く。どこまでもクリーンな政治を実現する。子育て支援に全力を挙げる」とアピールした。苦戦が続く太田氏は地元に張り付き、最後は東京都足立区で次のように述べた。概要「昨年からの経済危機を受け、生活支援の定額給付金、子育て応援特別手当、エコポイントなどに取り組んだ。景気をここまで回復させたのは公明党の戦い、与党の戦いだ。民主党は二カ月間も予算審議を引き延ばし、最悪だった景気の足をさらに引っ張った。民主党政権に任せられるのか。民主党は(自公政権を)官僚主導だと言うが庶民の生活が分かり、魂、涙があって、はじめて役人主導をたたき破る力が出る。私はそれをやってきた。勝たねばならない」。 共産党の志位委員長は、横浜市の街頭で、「国内政治でも、外交でも、良いことは後押し。間違いは正す。建設的野党、共産党が伸びることが日本の政治を良くする一番の道だ」と訴えた。最後は東京都豊島区で次のように述べた。「自公政権に対する「ノー」の声が国民の圧倒的多数だ。財界、日米軍事同盟中心の政治のゆがみをただし、国民が主人公の日本にしよう。民主党政権ができれば、良いことには賛成、悪いことには反対し問題点をただす「建設的野党」として現実政治を動かしていく。民主党が公約する日米自由貿易協定(FTA)の交渉促進は国内の農業を壊す。消費増税には反対だ。軍事費を削減し、大企業や大資産家に負担を求め、福祉に優先してお金を使うべきだ」。 社民党の福島党首は、さいたま市の街頭で、「自民党には不満、民主党には不安があると思う。社民党は不安解消役をやる」と訴えた。最後は大阪市北区で次のように述べた。概要「いよいよ日本の新しい時代、歴史、政治が始まる。幕末が終わり明治維新が始まったように政治体制が変わる。自民党政治はもう終わりだ。政権交代して危ない政治になったということがないように社民党を大きくしてほしい。生活再建、命を大切にする政治を訴えてきた。働く人たちの権利や公共サービスを守り、平和を守るには社民党が必要だ。自公政治には退陣してもらわないといけないが、民主党の独り勝ちでまっとうな政治になるのか」。 国民新党の綿貫代表は、富山県滑川市で、「郵政民営化はまったくでたらめだ。民営化見直しが国民新党の魂だ」と声を張り上げた。「四年前につくった国民新党がようやく育ちかかった。それを一人前にするのが今度の選挙だ。民間にできることは民間に任せれば景気が良くなり、税金が入るなんてとんでもない。働ける人が皆働き、少しでも税金を納め、お年寄り、幼い人、体の不自由な人をかばうのが福祉国家の目標だ。一番困るのが地方の切り捨てだ。地方は国の根っこだ。根っこの水分、養分が足りない。大木を育て、生まれる富を税金としていただき配分する。こういう拡大再生産が必要だ」。 みんなの党の渡辺喜美代表は、栃木県足利市の街頭で、「国家のリストラを進める。官公労支援のしがらみから脱却できなければ真の改革は難しい」と訴えた。最後はさいたま市で次のように述べた。「官僚支配の自民党は終わり。政権交代の先を考えている。自民党は官僚依存、民主党は官公労依存。単なる政権交代では官公労依存のしがらみが残る。国家のリストラには、しがらみのない、覚悟を持った、官僚機構と真っ正面から戦ったノウハウがある、少数精鋭のみんなの党が必要だ。ばらまきをさせない。高速無料化は、高速道を使わない人にも、税負担を求めることになる。十年前の発想だ。一兆三千億円あれば、老人医療を無料化してお釣りがくる」。 改革クラブの渡辺秀央代表は、午後、堺市内で街頭演説し、「国防や教育をきっちりやる」と述べた。「私たちは今の政治に一番足りない部分と、今後の日本の在り方について真剣に訴えてきた。マニフェストでは大きな柱として、北朝鮮による拉致被害者の救出を約束した。与党にも野党にも不満を持つ方々の救いの道がここにあると考えてほしい。民主党の政策は目くらましだ。党内で議論し積み上げて出た最終結論が、一晩でひっくり返る。聞き心地のいい話だけに耳を傾けず、風に惑わされず、冷静な判断をお願いしたい。革命をやる時代じゃない」。 新党日本の田中康夫代表は、兵庫県尼崎市で、「脱なれ合い、脱しがらみ。新党日本とともに、信じられる日本をつくろう」と訴えた。「量の拡大による経済成長ではなく、社会や経済、文化の成熟を求めるべきだ。人が人をお世話して成り立つ福祉、医療、教育、介護を通じて地域に雇用と活力が生まれる。弱肉強食ではなく、良い意味で切磋琢磨(せっさたくま)する一億総中流社会をもう一度実現しよう。自公連立政権の十年で福祉は切り捨てられ、教育は荒廃し、医療は破壊され、雇用は低迷した。私は長い物に巻かれない勇気で官僚や業界の既得権益と戦ってきた。真の意味での政権交代を起こそう」。30日の衆院選投票に当たり、与野党は声明を発表した。 |
【2009衆院選に際しての総務相談話】 |
8.30日、佐藤総務相は、総選挙投票日を迎えるにあたって、「今回の総選挙は、我が国が直面する内外の諸課題について国民の皆様の判断を仰ぎ、今後の我が国の進路を方向付ける極めて重要な意義を有するものと考えます。有権者の皆様におかれましては、今回の総選挙の意義を十分ご理解のうえ、こぞって投票に参加され、貴重な一票を大切に行使されますよう切に希望します」との談話を発表した。 |
【2009衆院選の投票始まる】 |
第45回衆院選の投票が30日午前7時、全国約5100カ所の投票所で一斉に投票が始まった。衆院選は2005年9月以来、4年ぶり。衆院は7月21日に解散され、投票までの期間は憲法が規定する「40日以内」の限度いっぱいに設定されたため、1953年の36日を抜いて戦後最長となった。有権者数は在外邦人を含め、公示前日の17日現在で1億434万4170人。投票は、遠隔地など締め切りを繰り上げる地域を除き、全国約五万カ所の投票所で午前7時から午後8時まで行われ即日開票される。31日未明には大勢が判明する見通しだ。 |
【2009衆院選の投票時間】 |
総務省のまとめによれば、2009衆院選の投票時間について、全国の自治体の3割が終了時間を午後6時や午後7時に1〜2時間繰り上げていることが判明した。鹿児島や秋田ではほぼ9割が終了を早めている。投票時間を決めるのは、各市町村の選挙管理委員会で、公職選挙法では、特別な事情があれば投票終了時間を最大4時間まで繰り上げが可能となっている。繰り上げを決めた自治体は、「期日前投票が浸透してきた」とか、「投票事務に携わる職員の人件費削減」を理由としている。 8.30日、東京都選挙管理委員会は、新島村第2投票区(式根島)での投票終了時間を4時間繰り上げ、午後4時までとすると発表した。台風11号の接近に伴うもので、式根島から開票所のある新島へ投票箱を輸送できなくなる恐れがあり、有権者には防災無線などを使って連絡している。当初は投票箱を村営船で輸送する予定だったが、困難になったため自衛隊のヘリコプターで緊急輸送することにした。都選管によると、台風の影響で投票時間を繰り上げるのは初めてという。 台風11号は同日午前9時現在、東京・八丈島の南東約380キロの太平洋上を時速約30キロで西北西に進んでいる。気象庁によると、中心気圧は985ヘクトパスカルで、中心付近の最大瞬間風速は35メートル。同日夜にかけ暴風域を伴って伊豆諸島に接近し、31日午前には関東地方南部に接近するおそれがある。 |
(私論.私見)