【その9、矮小政権時代考】

 (最新見直し2006.9.22日)

 この前は、その8、タカ派主流派時代の幕開け考

 中曽根首相任期切れに伴う後継総裁選び。有力候補は竹下登(田中派→竹下派)・安倍晋太郎・宮澤喜一(鈴木派→宮澤派)。「ニューリーダー」ともてはやされたが、歴代の総裁選びとは違って、明確なポリシーを掲げて争う者は誰もいなかった。

 10.20日、自民党総裁3候補(竹下、宮沢、安倍)は中曾根に調整を白紙委任で一任→中曾根総裁は後任総裁指名権を得て竹下を指名。

 中曽根が竹下を総裁に指名した理由は次の通り。「最も大きな理由は消費税の導入です。私はそれをやり損なった。これは残念でならない。政治的にもダメージを受けた訳で、何としてもこれを実現してくれる人物、これが第一条件。となると税制に詳しく、野党、特に公明、民社ともうまくやれる人物ということになった。宮沢、安倍君より竹下君の方がうまいだろうと。実績もあるしね」、「私の目は間違っていなかった」(「諸君」2002.6月号、田原総一朗「田中支配の終焉」)。

 10.31日、竹下登、中曽根康弘首相から後継総裁指名を受ける。自民党臨時大会で第12代総裁に竹下登を選出。前総裁指名、安倍幹事長、宮澤副総理に迎え、強力な挙党一致内閣が成立。

 11.6日、竹下登内閣成立。首班指名で野党は社会・公明・社民連が土井社会党委員長に投票。強力な挙党一致内閣が成立。幹事長・安倍晋太郎(安倍派)、総務会長・伊藤正義、政務調査会長・渡辺美智雄(中曽根派)、宮澤副総理の布陣。(党内融和を重視した派閥均衡内閣−−解散権行使せず)官房長官小渕恵三、官房副長官小沢一郎、幹事長代理橋本龍太郎、国対委員長渡部恒三、国家公安委員長・梶山静六。竹下派7奉行、小渕恵三・橋本龍太郎・小沢一郎・羽田孜・渡部恒三・奥田敬和・梶山静六。税制調査会長・山中貞則。金丸は竹下派会長。

 11.27日、竹下首相初の所信表明演説。「重要なことは、開かれた議論を通じ、税制改革についての国民的合意を形成していくこと」と述べ、中曽根内閣で廃案になった新型間接税の導入を再検討することを表明した。

 12.8日、ワシントンで米ソ首脳会談,中・短距離核全廃条約に調印。レーガン米大統領とゴルバチョフソ連書記長が中距離核ミサイル(INF)全廃条約に調印。


 この後は、その10、細川政権考





(私論.私見)