ロシアとウクライナ史考2

 更新日/2021(平成31..5.1栄和元年/栄和3).11.18日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「ロシアとウクライナの戦争考」をものしておく。「★阿修羅♪ > 戦争b24 > 」「HIMAZIN 日時 2023 年 8 月 07 日 」「ウクライナ戦争の本当の歴史(耕助のブログ)」その他参照。

 2003.2.14日 れんだいこ拝


 只今情報貼り付け段階です。いずれれんだいこ流に纏めるつもりです。貼り付けられたサイトの皆様には今しばらくご協力申し上げます。ご自由にご意見聞かせてください。

  FB「松井 良郎」。
 日本のマスコミは相変わらずロシアの責任論ばかりの偏向報道で日本人を洗脳している。
 ウクライナ戦争はプーチンが起こしたように見えて、実は西側が起こした戦争であり、ウクライナの無辜の民の犠牲が続いているのは、西側が戦争をやめさせないからである…。こう言うと、お前はプーチン派だとして、すっかりウクライナ万歳になった日本ではまるで非国民扱いされるのですが、国際社会はそんな勧善懲悪の単純なものではありません。それでは情弱。甘い!!歴史や事実や国際社会を見る眼を持った人なら、概ね冒頭の認識で一致しています。この面でも、今やネオコンのプロパガンダ機関と化したテレビを信じる日本人には、目を覚ましてほしいものです。今回は、山下英次先生とのウクライナ対談(中)です。戦争の遠因、中因、近因のうち、中因を中心に語っていただきました。そもそもロシアは信頼できる国ではないのであり、大事なことは、そのようなロシアにあのような侵攻という行動をさせたのは何だったのかを見極めること。簡単にいえば、西側の失敗であり、そもそも不要だったイラク戦争を起こした米ネオコンが意図的に招いた事態とみるべき。あの2014年のマイダン革命も、間違いなく、ネオコンである今のヌーランド国務次官が引き起こしていた。かつて識者たちは警告していた。第一次大戦後、ケインズはドイツにあんなに賠償責任負わせるなと。結局、過重な賠償が次の大戦の遠因に。ケナンは、NATOは東方拡大するなと言っていた。結局、自国の安全保障が脅かされたプーチンは、今回、戦争へと追い詰められた。

 2022年
 2022年を迎えると情勢は一層緊迫化した。ウクライナ国境周辺地域を中心にロシア軍がさらに増強されて行った。
 1.26日、米国はロシアに対し、米国とNATOはNATO拡大の問題についてロシアと交渉しないと正式に回答し、ウクライナ戦争の拡大を回避するための交渉の道を閉ざした。米国は、「同盟への加盟国招請の決定は、すべての同盟国のコンセンサスに基づいて北大西洋理事会が行う。このような審議に第三国が口を出すことはない」というNATOの方針を持ち出した。要するに米国はウクライナへのNATO拡大はロシアには関係ないと主張したのである。
 バイデンはウクライナ戦争を回避することにではなく、ウクライナ戦争を誘発することに力を注いだ。ウクライナ問題を理解するには歴史事実を踏まえることが必要不可欠である。
 2.4日、ウクライナ戦争勃発。戦乱が拡大した。ロシア軍によるウクライナ侵攻は、「相手を軍事介入するように仕向けた」米国の「罠」だった。「ロシアの戦車部隊はウクライナ北部から首都、キーウを狙った。しかし侵攻の前年からウクライナには英米の軍事顧問が入り、対戦車兵器ジャベリンの準備をしていた。待ち構えたウクライナ軍がジャベリンで戦車を破壊した。キーウではロシアの戦車隊は数日で撃退された。その後、東部や南部で激戦が果てしなく続くことになった。
 2.19日、G7外相会合が開催され、緊張緩和に向けた外交交渉が各国間で続けられた。
 2.21日、これまで内政問題としてこの事態を静観していたプーチンは、ウクライナの攻撃に晒されていた(ロシア系住民の多い)ドンバス地方東部のドネツク州とルガンスク州の二つの共和国の自治政府が国内のロシア系住民の安全を確保するための集団的自衛権行使をロシアに求めた。ロシアは要請に従い、両国の独立を承認し、同日それぞれの共和国と友好協力条約を締結した。ロシアは、これにより国連憲章第51条を発動し、ロシア自身の自衛権と同共和国との集団的自衛権の枠組みで、二つの共和国を支援するための軍事的介入を行うことができる根拠を得て、ウクライナへの軍事侵攻が開始される。 米国はロシアが軍事行動を起こしても介入しない方針を宣言。ロシアの軍事行動を誘導した。
 2.21日、ロシアの安全保障理事会でセルゲイ・ラブロフ外相が米国の交渉拒否について詳述した。
 我々は1月下旬に彼らの回答を受け取った。この回答を評価すると、西側諸国は我々の主要な提案、主にNATOの東方不拡大に関する提案を取り上げる用意がないことがわかる。この要求は、いわゆる門戸開放政策と安全保障を確保する方法を各国が独自に選択する自由があるということから拒否された。米国も北大西洋同盟も、この重要な条項に対する代替案を提案しなかった。

 米国は、われわれが基本的に重要だと考え、これまで何度も言及してきた安全保障の不可分性の原則を回避するために、あらゆる手段を講じている。そこから同盟を選択する自由という自分たちに都合の良い要素だけを導き出し、それ以外のすべてを完全に無視しているのだ。それには同盟を選択する際にも、または同盟に関係なく、他国の安全保障を犠牲にして自国の安全保障を強化することは許されないという重要な条件も含まれている。
 2.21日、プーチン大統領はロシア国民向けの演説を行い概要次のように述べている。
 その1、歴史的にロシアとウクライナは一体不可分である。ウクライナ独立はロシア帝国以来の過去の全否定に繋がる。ウクライナはレーニンが作った人工国家であり、真の国家たり得たことは一度もない。
 その2、ウクライナで過激なナショナリズム・反ロシア主義・ネオナチ主義が高揚しており、2014年のウクライナでの政権交代はそんな過激なナショナリストとネオナチ主義者による違法な国家クーデターだった。NATOの主要国は自らの利害を達成するためにウクライナで過激なナショナリストとネオナチ主義者を支援している。NATOの主要国はウクライナの軍事要塞化を進めている。将来的なウクライナのNATO加盟の可能性もあり、ロシアに本質的な脅威を与えている。2014年にウクライナでの国家クーデターによって政権を握ったこれらの勢力は、ドンバス地域を巡る内戦の停戦・和平に関するミンスク合意を履行する積りはない。むしろ、この国家クーデターに同意しない400万人の住民が大量虐殺(ジェノサイド)の対象となっている。
 その3、この「特別軍事作戦」の目的は、2014年から8年間、キエフ・レジームから大量虐殺ジェノサイドに遭ってきた人々の救済である。その為に、ウクライナの非武装化と非ナチ化を目指す。但し、ウクライナ領土の占領が目的ではない。
 2.24日、ロシア大統領ヴラジーミル・プーチンが国民への演説でこう宣言した。ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人は単一のナロードだと主張した上で、ウクライナ政府による「ジェノサイドに晒されてきた人々の保護」、ウクライナの「非軍事化」、「非ナチ化」を追求するとして、「特別軍事作戦」の開始を発表した。ロシアの軍事介入が開始された。事実上の宣戦布告となった。
 過去30年にわたり、我々は欧州における平等かつ不可分の安全保障の原則について、NATOの主要国と辛抱強く合意に達しようとしてきた。私たちの提案に対して、私たちはいつも皮肉なごまかしや嘘、あるいは圧力や恐喝の企てに直面し、北大西洋同盟は私たちの抗議や懸念にもかかわらず拡大を続けた。北大西洋同盟の軍事マシーンは動き出し、申し上げたように、まさに我々の国境に近づいている。
 2.24日、ロシア軍が、ドンバスに対する大規模な軍事作戦を始めようとしていたウクライナ軍をミサイルで攻撃した。ドンバス周辺に集まっていた部隊を一気に叩いたほか、ウクライナ側の航空基地やレーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設を破壊した。戦乱が拡大した。その直後、イスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役とする停戦交渉が始まり、停戦はほぼ合意に達した​。
 2.28日、ベラルーシ南東部のウクライナ国境付近のゴメリ州でウクライナとロシア間の第1回協議が行われた。ロシア側はウクライナの非軍事化を前提とした中立国としての地位の確定やクリミアのロシアへの帰属の承認などを要求し、交渉の行方は予断を許さない。 2月末、ウクライナがロシアに敗北した。
 3.5日、ベネットはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領を殺害しないという約束をとりつけた。ベネットはその足でドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。ゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフがウクライナの治安機関SBUのメンバーに射殺されただ。その後、トルコを仲介役とする停戦交渉も行われ、仮調印まで漕ぎ着けている。
 3.16日、ロシアとウクライナは、トルコとイスラエルのナフタリ・ベネット首相の仲介による和平合意に向けた大きな進展を発表する。報道されたように、合意の基礎には以下が含まれていた。
「キエフが中立を宣言し、軍備の制限を受け入れれば、停戦とロシアの撤退が可能になる」。
 3.28日、ゼレンスキー大統領は、ウクライナがロシアとの和平合意の一環として、安全保障と組み合わせた中立の用意があることを公に宣言した。
「安全保障と中立、わが国の非核地位、その準備はできている。それが最も重要な点だ・・・そのために彼らは戦争を始めたのだから」。
 4.7日、ロシアのラブロフ外相が、西側諸国が和平交渉を頓挫させようとしていると非難し、ウクライナが以前に合意した提案を反故にしたと主張した。ナフタリ・ベネット・イスラエル首相はその後(2023年2月5日)、懸案となっていたロシアとウクライナの和平合意を米国が妨害したと語った。ベネット首相は、西側諸国が協定を阻止したのかと問われ、こう答えた。
「基本的にはそうである。彼らが妨害し、私は彼らは間違っていると思った」。
 ベネットは、「ある時点で、西側諸国は “交渉するよりもプーチンを潰す “と決めたのだ」と言った。
 4.9日、イギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令。
 4.21日、ウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事は「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅した。
 4.30日、ナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めたのだ。この後、ロシアの戦闘相手はアメリカ/NATOになったのだが、この戦闘もロシアが勝った。「ウクライナが勝っている」というプロパガンダを続けていた西側の有力メディアも今年に入り、ウクライナの敗北を認める報道を始めた。​ニューヨーク・タイムズ紙は今年8月、記事の中で約50万人のウクライナ兵が戦死したと書いている​。この数字はほぼ正しいと見られている。なお、ロシア側の推計戦死者はその1割、つまり5万人程度だ。​ベン・ウォレス前英国防相は今年10月1日、テレグラフ紙でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると書いている​。そのうえでウクライナ政府に対し、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。つまり学徒動員、あるいは少年兵の投入を求めている。

 2023年
 6.4日、ウクライナは大規模な反攻を開始するが、2023年7月中旬時点で大きな成果は得られていない。
 7.7日、バイデンがウクライナは155ミリ砲弾が「不足している」ことを認める。
 7.11日、ヴィリニュスで開催されたNATOサミットで、最終的な共同声明が発表され、ウクライナの将来はNATOにあることが再確認された。
「我々はウクライナが自らの安全保障の体制を選択する権利を完全に支持している。ウクライナの未来はNATOの中にある… ウクライナは同盟との相互運用性と政治的統合を深めており、改革路線を大幅に前進させている」 。
 7.13日、ロイド・オースティン米国防長官、戦争終結後、ウクライナは「間違いなく」NATOに加盟すると改めて表明する。
 7.13日、プーチン大統領が次のように述べた。
ウクライナのNATO加盟については、何度も言及してきた通り、これは明らかにロシアの安全保障に対して脅威をもたらす。実際、ウクライナがNATOに加盟する脅威こそが、特別な軍事作戦の理由、あるいはむしろその一つの理由である。これはウクライナの安全保障を何ら向上させるものではないと私は確信している。一般的に、世界をより脆弱にし、国際社会での緊張を高める結果となるだろう。したがってこれには何のメリットもない。私たちの立場はよく知られており、以前から明らかにされてきた。

 2024年
 4月、ゼレンスキーは任期を終えた。すでに大統領としての正統性を有していない。戦争を口実に大統領選を先送りして大統領の座に居座っている。

 2025年
 降伏か「総玉砕」かという状況に陥っているウクライナでの戦争継続に意味を見出せないドナルド・トランプ米大統領はウラジミル・プーチン露大統領と交渉を開始、今月下旬にはサウジアラビアで会うと言われている。ロシアとの交渉を進めたいなら、アメリカはロシアの要求を相当部分呑む必要がある。バラク・オバマ政権が2013年11月に始めたウクライナのクーデターで獲得した利権の相当部分を手放さなければならなくなるだろう。ロシアにとってウクライナの戦争は祖国防衛が目的であり、ミンスク合意や戦闘の凍結のようなことでNATO諸国に時間を稼がせるつもりはないはずで、トランプ大統領にとっては厳しい会談になると見られている。 しかし、和平へ向かうことをネオコンやその配下にあるヨーロッパ諸国の政府は焦っていることだろう。そうした状況の中、イギリスのキール・スターマー政権は2万5000人の部隊を編成、フランスと連携してウクライナへ派兵する話が流れている。日本でもこうした欧米の好戦派に同調した主張をしている政治家もいる。アメリカが楽勝すると思い込んでいたであろう人びとは慌てているはずだ。ソ連を消滅させることに成功したアメリカの好戦派は21世紀に入ってロシアが再独立した後、ロシアの再制圧を目指している。2004年から05年にかけて「オレンジ革命」や2013年11月から14年2月にかけてのキエフにおけるクーデターもその一環だ。アメリカは暴力によって縄張りを東へ移動させてきた。そうした侵略行為にロシアは耐えていたのだが、「やりすぎ」てロシアを怒らせてしまった。怒ったロシアをなだめることは至難の業だ。
 2.16日、イギリスのスターマー首相は、イギリスの新聞「テレグラフ」への寄稿で「必要に応じてウクライナに軍を派遣する用意と意思がある」と表明した。この発言は17日にパリで予定されているヨーロッパ首脳会議に向けてウクライナの安全保障に貢献するイギリスの強い意志を示すものだと語っていル。また、「プーチン大統領が再び攻撃するのを抑止できるのはアメリカだけだ」として、アメリカの協力が必要だと強調した。ウクライナの和平交渉を巡っては、アメリカのケロッグ特使が「ヨーロッパの席はない」と発言していて、ヨーロッパの国々抜きで交渉が進められるのではという懸念が広がっていル。
 2.27日、イギリスのスターマー首相はロシアとウクライナの戦争終結後の平和維持活動を念頭に「ウクライナに軍を派遣する用意がある」と明らかにした。

  ウクライナ戦争の本当の歴史
★阿修羅♪ > 戦争b24 > 」「HIMAZIN 日時 2023 年 8 月 07 日 」「ウクライナ戦争の本当の歴史(耕助のブログ)」。
 米国人はウクライナにおける戦争の真実の歴史と現在の見通しを緊急に知る必要がある。残念ながらニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポスト、MSNBC、CNNといった主要メディアは、国民に歴史を隠し、ジョー・バイデン大統領の嘘を繰り返す政府の単なる代弁者になっている。

 バイデンは、昨年「あの男(プーチン)は権力の座に留まることはできない」と宣言した後、今回もまたロシアのプーチン大統領を誹謗し、プーチンの「土地と権力に対する卑屈な欲望」を非難している。しかしバイデンこそがウクライナへのNATO拡大を推し進め続けることでウクライナを終わりのない戦争に陥れようとしている張本人なのだ。彼は米国民とウクライナ国民に真実を伝えることを恐れ、外交を拒否し、代わりに永久戦争を選択している。

 バイデンが長年推進してきたウクライナへのNATO拡大は米国の策略でありそれは失敗している。バイデンを含むネオコンたちは、1990年代後半からロシアが声高に反対してきたにもかかわらず、NATOをウクライナ(とジョージア)に拡大できると考えていた。彼らは、プーチンがNATO拡大をめぐって実際に戦争を起こすとは考えていなかった。

 しかしロシアは、ウクライナ(およびジョージア)へのNATO拡大は、ロシアの国家安全保障に対する存亡の危機とみなしている。特にロシアとウクライナの国境は2000キロに及び、ジョージアは黒海の東端に位置する戦略的な立場にある。米国の外交官たちは何十年もの間この基本的な現実を米国の政治家や将軍たちに説明してきたにもかかわらず、政治家や将軍たちは傲慢かつ粗雑にNATO拡大を推し進めてきた。

 今時点でバイデンは、ウクライナへのNATO拡大が第三次世界大戦の引き金になることを熟知している。だからこそ、バイデンは水面下でヴィリニュスのNATOサミットでNATO拡大をシフトダウンした。しかしバイデンは、ウクライナがNATOの一員になることはないという真実を認めるどころか、ごまかしてウクライナの最終的な加盟を約束した。実際には、バイデンは米国の国内政治、とりわけ政敵に弱く見られることを恐れて、ウクライナに継続的な血を流させることを約束しているのだ。(半世紀前、ジョンソン大統領とニクソン大統領は、故ダニエル・エルズバーグが見事に説明したように、本質的に同じ哀れな理由で同じ嘘をついてベトナム戦争を継続した)

 ウクライナは勝てない。戦場ではロシアが勝つ可能性の方が高い。しかしたとえウクライナが通常戦力とNATOの兵器で突破したとしても、ロシアはウクライナのNATO加盟を阻止するために必要であれば核戦争にエスカレートするだろう。

 バイデンはそのキャリア全体を通じて軍産複合体に仕えてきた。彼はNATO拡大を執拗に推進し、アフガニスタン、セルビア、イラク、シリア、リビア、そして現在のウクライナにおける米国を深く不安定化させる戦争を支持してきた。彼は、さらなる戦争と「大波」を望み、騙されやすい国民を味方につけるために目前に迫った勝利を予言する将軍たちに従う。

 さらに、バイデンと彼のチーム(アントニー・ブリンケン、ジェイク・サリバン、ビクトリア・ヌーランド)は、西側の制裁がロシア経済を締め上げる一方で、HIMARSのような奇跡の兵器がロシアを打ち負かすという自分たちのプロパガンダを信じているようだ。そしてその間ずっと、彼らは米国人にロシアの6000発の核兵器など気にするなと言ってきた。

 ウクライナの指導者たちは、理解しがたい理由から米国の欺瞞に付き合ってきた。おそらく彼らは米国を信じているのか、米国を恐れているのか、自国の過激派を恐れているのか、あるいは単に過激派で、ウクライナが戦争を存亡の危機とみなす核超大国に打ち勝つことができるという素朴な信念のために、何十万人ものウクライナ人を死傷させる覚悟ができているのだろう。あるいは、ウクライナの指導者の中には数百億ドルにのぼる西側の援助や武器からかすめ取ることで財を成している者もいるかもしれない。

 ウクライナを救う唯一の方法は交渉による和平である。交渉による解決では、米国はNATOがウクライナに拡大しないことに同意し、ロシアは軍隊の撤退に同意するだろう。クリミア、ドンバス、米国と欧州の制裁、欧州の安全保障体制の将来といった残された問題は、終わりのない戦争ではなく政治的に処理されるだろう。

 ロシアはこれまで何度も交渉を試みてきた。NATOの東方拡大を阻止しようとしたり、米国やヨーロッパとの間で適切な安全保障上の取り決めを見つけようとしたり、2014年以降のウクライナの民族間問題を解決しようとしたり(ミンスクIおよびミンスクII合意)、対弾道ミサイルの制限を維持しようとしたり、ウクライナとの直接交渉を通じて2022年にウクライナ戦争を終結させようとしたりしてきた。いずれの場合も、米国政府はこれらの試みを軽視、無視、あるいは妨害し、しばしば「米国ではなくロシアが交渉を拒否している」という大嘘をついた。JFKは1961年、まさに正しいことを言った。「恐れて交渉するのではなく、交渉することを恐れないようにしよう」。バイデンがJFKの不朽の名言に耳を傾けさえすれば。

 バイデンと主流メディアがながす単純化されたナラティブを国民が乗り越えるために、私は現在進行中の戦争につながるいくつかの重要な出来事の簡単な年表を提供する。

●ネオコン(neoconservative)の系譜
 ブッシュ・ジュニア政権時代にイラク侵攻を主導し、泥沼に導く。途方もない大失敗(わざわざイラクまで蜂の巣を突きに行ったようなもの)(クリストル一族)
アーヴィング・クリストル ネオコンの開祖。ウィリアム・クリストル(アーヴィングの息子)ネオコン系雑誌 Weekly Standard の編集長、ネオコンの重鎮、戦争研究所(ISW)の筆頭理事(ケイガン一族)。
ドナルド・ケイガン イェール大学教授、ギリシャ古代史。
ロバート・ケイガン ドナルドの息子、V. ヌーランドの夫
フレデリック・ケイガン ロバートの弟、AEIの上席研究員。
キンバリー・ケイガン
フレデリックの妻。戦争研究所(Institute for Study of War、ISW)所長。

 ISWは、米巨大軍需企業のレイセオン社とジェネラル・ダイナミックス(GD)社が出資して、2007年に設立。
NHKのニュースでは、ほとんど毎回、ISWを引用しているが、彼らは、ウクライナ戦争のほとんど当事者であることに留意する必要あり。彼らのニュース・ソースは、米政府のインテリジェンスコミュニティがリークする情報に依拠している。自前の海外特派員を多数抱えているわけではない。 ネオコンは、場合に言っては、暴力を使ってでも、アメリカ的な民主主義を世界に弘めようという考え。ISWも、ネオコン系とみてまず差し支えない。




(私論.私見)