菅政権史3

 (最新見直し2010.09.03日)

 (れんだいこのショートメッセージ)

 ここで、菅政権史3を確認しておくことにする。

 2010.06.04日 れんだいこ拝



【雇われメディアの御用発言考】
 「小沢起つ」と共にメディアマスコミの第二次ロッキード事件調子の小沢叩きが始まった。今目の前で起きていることを凝視し、かってのロッキード事件における角栄パッシングの異常性をも再疑惑せねばならない。このことは、角栄パッシングに励んだ者がその後重用され、今日のメディアマスコミの上層部に出世していることを見据え、連中の処世術生態批判にまで向かわねばならない。手前さえ良ければ後は野となれ式の得手勝手売国奴として指弾せねばならない。

【民主党内シオニスタンの汚い小沢叩き考】

 8.28日、菅首相に近い民主党幹部は、小沢一郎前幹事長が2006年~09年の代表当時、「組織対策費」として特定議員に政治資金を集中的に配分していたことを問題視し、調査に入っていることを明らかにした。9月の党代表選で小沢氏の政治とカネの問題に焦点をあてることで、首相支持につなげる狙いがあるようだ。これに対し、小沢氏側近の松木謙公国会対策筆頭副委員長は28日のテレビ東京の番組で、「小沢氏は近くの人だけにお金を渡しているとされるが、とんでもない間違いだ。『選挙資金を不正に使っている』と、内々で言うのは良くない」と述べ、批判した。   

 8.29日、仙谷氏は、ロシアから帰国した鳩山由紀夫前首相に東京都内のホテルで面会を求め、「ギリギリまで妥協点を探りたい。争わずに一つにまとまる方向を追求すべきだ」との考えを伝えた。その後、記者団に「挙党一致のイメージがそれぞれ違うのかなと思っていて、それは突き合わせをやれば解決できる」と語り、小沢陣営との接点を探る姿勢をみせた。


【民主党内シオニスタン筆頭の仙谷官房長官の返り血考】
 2010.8.30日、朝日新聞が1面で、仙谷由人官房長官(64)の「政治とカネ問題」に纏わるスキャンダルを報じた。他紙も一斉に追い始め、日刊ゲンダイが詳報している。菅陣営は、小沢前幹事長の「政治とカネ」問題を攻めたて、世論を味方に引き込む作戦だったが、自分の尻に火がついた格好となった。

 仙谷官房長官は、官邸の事実上の主と云われている。「小沢排除」の旗手であり、今回の代表選でも菅陣営を引っ張っている。「小沢なんて民主党から追放すればいい。マスコミも世論もこっちの味方。離党しても、ついていくのは数人だ」と豪語しているとも伝えられる。その絶頂期の「陰の首相」スキャンダルが報ぜられたことになる。

 朝日新聞が報じたのは、仙谷が長男(36)の経営する不動産会社に、3つの政治団体から320万円を支払っていたというもの。この長男は東京・新橋のビルで司法書士事務所をやっているが、その事務所(約100平方メートル)の中に、くだんの不動産会社に加え、仙谷の弁護士事務所、仙谷の3つの政治団体も“同居”している。しかし、政治団体の専用スペースも電話もない。それなのに「人件費」や「事務所費」名目で320万円を支出したのは、「長男側の経費を政治資金で補填した疑いがある」という。

 日刊ゲンダイその他情報によると、この長男の新橋の事務所には前原グループ(凌雲会)の事務所も置かれており、代表者が仙谷、会計責任者が枝野幹事長となっている。「この前原グループの事務所費をめぐっても奇怪な話があるのです。主たる事務所にしているのに、年間5610円しか支払っていない、おかしいと週刊誌などで騒がれたものです」(政界関係者)、「新橋の事務所は、仙谷氏の献金集めのトンネル会社になっているんじゃないかという疑惑がずっとある」と指摘されている。

 この問題を追う政治ジャーナリストの藤本順一氏は次のように述べている。「仙谷官房長官は、人権派弁護士として、カネ集めに無縁のようなイメージがありますが、そうでしょうか。政治家の顔を使って、長男の司法書士事務所に何か利益を与えたことがあるのかないのか。一体どんな企業が長男の事務所に紹介されたことがあるか。それを洗っていくと、闇は深い。マスコミの動き次第では今度の代表選を左右する決定打になると思いますよ」。朝

 仙谷官房長官は急にバタバタと党内融和で動き始めた。仙谷の指令の下、枝野執行部は「小沢が代表や幹事長をやっていた時代の政党助成金や組織対策費の使い道を洗い直せ」なんて必死でやっているが、“仙谷爆弾”を不発弾にすることが先決になってきた、とある。

 2010.8.30日 れんだいこ拝

【8.30日の民主党内の動き考】

 8.30日、民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)を控え、菅首相と小沢前幹事長の全面対決回避に向けて最終的な局面に入った。「国会議員票では小沢氏が上回るのではないか」という見方が出ている中、菅、小沢両氏の全面対決を回避するための最終調整が続いた。この動きを確認しておく。但し、順序までは分からない。

 スキャンダル合戦も始まった。菅陣営は、小沢氏が代表だった2006年~09年当時、「組織対策費」として特定議員に政治資金が集中的に配分されたとして調査を進めており、小沢陣営は「小沢氏を犯罪者扱いした人間は除名だ」と激しく反発している。一方で、首相を支える仙谷官房長官の資金管理団体などが、同氏の長男側に事務所費名目などで計400万円を支出していた問題が浮上。党内には「双方のスキャンダル合戦が激しくなり、党のプラスにはならない」と嘆く声があがっている。

 午前、民主党の海江田万里衆院財務金融委員長は小沢一郎前幹事長と国会内で会談し、党代表選で小沢氏を支持する考えを伝えた。終了後、記者団に「株安、円高で国民の塗炭の苦しみを救っていただくため小沢氏に頑張っていただきたい」と語った。海江田氏は、代表選への立候補を検討し、小沢グループと折衝していたが、小沢氏の出馬表明を受けて見送った。この日は、経済政策の私案を小沢氏に渡したという。

 鳩山グループの小沢鋭仁環境相は、記者会見で、「選挙がなくて一致結束してやるぞということなら、それも良し。戦うことになったらなったで、それも良し。大事なことは(選挙後の)ノーサイドだ」(記者会見で)と語った。原口総務相は、「負けたから党を割るとか、勝ったから排除するというなら、最初からその人は代表たる資格を失っている」と語った。

 午後、輿石氏は党本部でひそかに首相と会談し、「トロイカ復活が必要だ」と首相に求めた。鳩山前首相は、輿石東参院議員会長と東京・永田町の衆院第1議員会館内で会談し、「挙党態勢とは、(菅、鳩山、小沢の3氏に輿石氏を加えた)トロイカ+1のことだ」と強調した。

 鳩山前首相は、民主党の有力支援者で小沢氏にも近い稲盛和夫・京セラ名誉会長(内閣特別顧問)と会食した。関係者によると、稲盛氏は「対決を回避すべきだ」という考えを鳩山氏に伝えたという。

 民主党の旧民社党系議員で作る議員グループが会合を持ち、代表選で首相と小沢氏の対決を避けるための努力を払うことを確認した。会長の田中慶秋衆院議員は会合終了後、記者団に対し「景気対策を最優先でやってほしいというのが(国民)大多数の声だ。禍根を残すことはやめてほしい」と語った。すでに首相と小沢氏の双方に、話し合いによる選挙戦回避を申し入れたことも明らかにした。

 主戦論にシフトしている小沢グループの山岡賢次副代表は、国会内で開いた会合で、「小沢氏と首相の話し合いがあるといううわさが流れているが、そういうことはない。明日(31日)、各グループ一斉に足並みをそろえて選対を発足させる」と述べ、小沢氏の出馬の流れは止められないという見方を強調した。TBS番組で、
「(代表として)ベストではないが、ベストに一番近いのが小沢一郎前幹事長だ。菅首相だけでの責任ではないが、参院選で国民がノーと言った。(首相は)ここは1回ひいた方がいい」と述べ、小沢氏の出馬の流れは止められないという見方を強調した。

 夕刻、小沢氏は、国会内で前参院議員らと会談した際、「現政権では経済的にも、政治の方向でも再浮揚できない。(首相を代えるのは)今しかない」と語った。小沢系議員の会合が国会内で開かれ、小沢氏の選対本部を31日に設置することを確認した。

 夜、奥村展三衆院議員は、「(小沢氏の出馬見送りは)仕方ない。挙党一致で、トロイカ体制をもう一度確認することが一番大事だ」と記者団に語り、小沢氏の不出馬もやむを得ないとの考えを示した。

 夜、菅首相と鳩山前首相会談が首相公邸で約1時間10分間、開かれた。両者は「トロイカ体制」の構築で一致した。鳩山前首相は、首相と首相公邸で会談後、記者団に対し次のように述べて「菅・小沢会談」での事態打開に期待を示した。「(鳩山、小沢、菅の3氏に輿石東参院議員会長を加えた)『トロイカ+1』で行こうではないか、という思いを首相からいただいたので、明日、私が責任を持って小沢先生に伝え、首相と会談していただく」。

 以下、次のような掛け合い漫談した。鳩山前首相「円高対策が急がれている。挙党態勢を築くことが重要だ。(菅、鳩山両氏と小沢一郎前幹事長の)トロイカ体制で今日まで来た。原点に立ち戻ることが重要だ。挙党態勢、トロイカ体制を実施していこうということであれば、明日、私が責任を持って、首相と小沢氏の会談の仲介の労を執りたいと申し上げた」。菅首相は、「今の日本の状況の中で、激しい代表選が戦われることを心配いただいた。党が政権にたどり着くことができたのは、スタートの鳩山氏と私、それに小沢氏の合流が大変大きな要素であり、トロイカ体制の原点を大事にしてやっていこうという言葉を鳩山氏からいただいた。トロイカプラス輿石東参院議員会長でしっかりやっていこうという話をいただいた。基本的な考え方については全く異存がない。鳩山氏からの提案に同意した」。鳩山「結論を私が責任を持って小沢氏に伝え、首相との会談の段取りをつけたい」。菅首相「鳩山氏から、そういった(仙谷官房長官と枝野幹事長の交代の)話は全くない。要求があって、それに応じたとか応じなかったということはない」。鳩山「(小沢氏に)ポストとか取引みたいな話をするつもりはない。小沢氏には理解いただけるものと思っている。(小沢氏が代表選に)出る出ないの話は、小沢氏と首相の会談が行われて決められる話だ」。菅首相「私が言ったこと(脱小沢の方針)を変えるとか変えないとか、そういう議論をしたわけではない。日本の経済情勢、予算編成、いろいろな外交日程もある。私自身、鳩山政権から引き継いで3か月足らずという段階にある。いよいよ本格的に政権が動き出したところだから、継続したいという思いを持っている」。記者団の質問に答え、「(小沢一郎前幹事長らのポスト処遇、仙谷由人官房長官や枝野幸男幹事長の交代の可能性について)適材適所で挙党態勢を作る」。鳩山「(小沢氏が代表選に)出る、出ないは、(31日の)会談の内容次第だ。私が今うんぬん言える話ではない」。

 夜、菅首相支持派の前原派30名は、都内のホテルに集まった。若手議員が「これでトロイカを復活させたら、自民党の密室政治と同じじゃないか」と前原氏に詰め寄った。前原氏は、「首相と小沢氏の対応を見守ろう」と呼びかけ、31日の首相と小沢氏の会談結果を見極める考えを示した。この席に仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長の姿はなかった。枝野幹事長は周辺に「譲れたとしても代表代行までだ」と語り、党の資金や公認権を預かる幹事長ポストは渡せないという考えを示している。記者会見で、「党を割るようなことをするつもりのある人が、そもそも立候補することは論理的にあり得ない」と強気な発言をした。首相の側近議員は「トロイカ体制ということは、小沢グループも含む『派閥均衡』の人事になるだろうが、了とするしかない」と語った。

 西岡参院議長は、「政権(首相)を取った小沢一郎は見たことがない。何をするのか誰も見ていない。それが何で(小沢氏の出馬を巡って党内が)こうなっているのか、不可思議だ。代表選で敗れれば論外だが、もうケリをつけないと、民主党のためだけではなくて、日本の政治のために良くない」(日本記者クラブで)と語った。

 菅・鳩山会談後の深夜、小沢氏側近は、「不出馬の可能性もある。相当高いポストでの処遇ということかもしれない」と語り、小沢氏がポスト次第では出馬を見送るという見方を示した。但し、「鳩山氏の調整には応じず、小沢氏は出馬するべきだ」とする声も根強い。


Re::れんだいこのカンテラ時評792 れんだいこ 2010/08/31
 【「何をいまさら」。サイは投げられた】

 8.26日に「小沢起つ」が決まって以降、あれほど尊大に構えて「『政治とカネ問題』で金縛りされている小沢君、出られるものなら出て見よ」と挑発していた菅首相支持派は途端に腰砕けし、鳩山前首相に泣きつくと云う醜態を見せて「8.31日歴史その時」を迎えている。この間の経緯はまさに臆病な犬ほどよく吠えるを地で行く感があった。菅故にキャンキャンカンカン鳴く訳か。その正体はカンカラカンと云う訳か。鳩山前首相の周旋もほどほどにせねばなるまい。前首相たるものは度の過ぎた干渉をすべきではなかろう。細川を見習い陶芸にでも励め。

 まもなく「菅―小沢会談」が開かれると云う。時刻は分からない。政治に関心のある人民大衆は固唾をのんで見守っている。恐らく小沢は、「何をいまさら眠い話を」と突っ張るであろう。小沢は、こうならないようどれほど自重してきたことか。赤子、子供をあやすように見守り続けてきたが、我慢にも限界がある。

 小沢が云いにくいところを、れんだいこが云ってしんぜよう。「いざ戦闘のゴングがなってへなへなとするようでは、平素から大口を叩かぬが良い。政治は遊びではないんだよ。無論パフォーマンスでもない。人民大衆の生活がかかっている真剣な祀り事なんだよ。私もひとたび起つと口にした。口にした以上、政治の信に於いて引けない。今更どうにもならない、そこのところを分かってくれ。日本の現在と未来を賭けて堂々と闘おう。挙党態勢は約束する。菅式挙党体制といかほど違うか見せつけてあげよう」。てなことが喉から手が出るほど云いたいんだが、恐らく手短かに云うであろう。

 こうして、会談は戦闘開始を告げる呼びリンとなる。つまり、「サイは投げられた」。これで良いではないか。よほどスッキリしよう。安逸なトロイカ体制は却って害である。菅派に結集したシオニスタンは今度は逆に「暫く蟄居せよ、それが日本の為にも党の為にも自身の為でもある」と云い聞かせられねばなるまい。仕返しではなく、これが正しい流れだからである。前原、岡田、仙石、枝野の顔は当分見たくない。

 マスコミ諸君が、民意と云う名を騙って情報操作し続けようが、あまり常用すると次第に利かなくなるのが法理である。恐らく、新しい時代の流れを感じ取った要領の良い者が小沢派にたなびき始めるだろう。小泉、鳩山、菅にエールシフトしてきたネオシオニズム拝跪型構造改革派は、頑迷な痴呆ぶりを見せ続けるだろう。そしてまもなくここ30年の悪の震源地の中曽根―ナベツネが世を去る。小泉―竹中では脳が貧相過ぎる。つまり人材が枯渇している。

 これに引き替え、小沢政権の下に結集した逸材は水を得た鯉になる。滝昇りも見られるようになるかも知れない。その日を待ちたい。歴史の流れはいっぺんには変わらない。但し、変われば二度と後戻りできない。これが歴史哲学の教えるところである。いわゆるエピゴーネンは屑かごに入れられる。覚悟しておけ。

 2010.8.31日 れんだいこ拝

【2010.8..31菅首相―小沢前幹事長会談】
 2010.8.31日午後5時過ぎ、菅首相と小沢前幹事長の全面対決による党の分裂が懸念されるなか、民主党本部で両者の会談が始まった。これに先立ち、菅首相は、前原国土交通大臣ら支持派の議員と議員会館で協議した。菅首相は、「あらかじめ人事を決めるといったことは、国民から見ても、とても容認できないが、小沢氏や鳩山氏、輿石氏には大先輩として協力をいただきたい。小沢氏にはいつでも会いたいと考えており、2人だけで会う方向で調整をしている」ことを明らかにし、今後の対応についての菅首相一任を取りつけた。

 会談後、小沢前幹事長は民主党本部で記者会見し、1日告示14日投開票の民主党代表選に出馬することを正式に表明した。
「小沢氏の代表選出馬表明の記者会見(全文)」は次の通り(2010年8月31日18時30分 読売新聞)。
 (http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100831-OYT1T00855.htm
 あすから始まる代表選挙については、申し上げた通りのことでございまして、不肖の身でありますが、代表選挙にみなさんからのご推挙をいただいて出させていただきたいという決意をいたしましたと申し上げたわけでございます。

 その後、皆さんご存じの通りの経過でありまして、特に鳩山前首相が、この時にやはり挙党一致の態勢を取って力を合わせて、今日の危機的な状況、特に経済の不透明な状況を乗り越えて克服して行かなくてはならない考えのもとに、再三にわたって菅首相と話をなさったわけでございます。あすに告示を控えまして今日も鳩山前首相と輿石(東参院議員)会長と私と、昨夜の菅首相との会談の経過をお聞きしました。昨晩は、鳩山前首相の提案に対して、大変自分もそのように思うということで話し合いを持つことに積極的であったということでございましたが、本日、一晩明けてから、ちょっと話し合いを持つことは、密室批判を受けかねないのでそういうことは、やめたいと、やりたくないという趣旨の話だったと(いうことだった)。

 挙党一致の全員野球をするためには、民由合併以来、私にとりましては、鳩山、菅両先生、輿石先生と力を合わせて今日まで頑張ってきて、政権も国民から負託された今日でございますので、原点に立ち返って話し合いをしましょうというのが、鳩山先生、輿石先生のご趣旨だったと思います。今日も3人の会合の場で、菅首相にこもごも鳩山先生と輿石先生から話をなさいましたが、やはり話し合いをして挙党一致の態勢を作るというような形は、取るべきではないというお感じであったようでございます。私は直接そばにいましたけども、話をしていないが、菅首相から、小沢と2人で話をしたいという、こういうことが鳩山前首相を通じて話がありました。

 そのお話に従いまして、先程来、今まで話をして参りました。
合併以来のことやら、首相としての激務についてのいろんなお話やら、私もサミットやら若いときに垣間見てきたので大変でしょうと話したが、その中でまず菅首相の方から、合併以来、お互い力を合わせてきたという話をいただいて、今後も協力してほしいということでした。もちろん私は、協力しないなどということは菅内閣が成立して以来、一度も言ったことはないし、どんなことでも協力してまいりたいし、今後もお互いが力を合わせてせっかく政権交代したんだから、協力していかないといけないという気持ちに変わりはないということを申し上げました。今回の代表選は、党規約に定められた任期満了による民主的ルールにのっとった代表選なので、正々とお互いに頑張って、また今後ともいかなる場合でも力を合わせて頑張りましょうということで今、終えてきたところです。

 いずれあす、記者会見があるということなので、その時に自分の主張やら、政策やら、申し上げるつもりでございますし、十分な時間を取ってあるようでございますので、今日は今までの経過と、先般申し上げました通り、自分自身、ずいぶん決断をするまでに自分に問いかけながら、熟慮した結果でありますけども、大勢の仲間のみなさんに支援をいただいて、代表選挙に出馬するという決意をしたところでございます。本当に非力の不肖の身だが、仲間のみなさんのお力添えをいただきながら、報道のみなさんにもご指導いただきながら、きちんと正々と選挙戦に臨んで参りたい。私の出馬の決意を改めてお伝え申し上げてごあいさつに代えたい。


 菅首相は、小沢前幹事長との会談のあと記者団に対し、民主党代表選挙への立候補を正式に表明し、次のように語った。
 「あしたから代表選が始まる前に、直接小沢氏と話ができて、たいへんよかった。わたしとしては、今の政権を日本のほんとうの改革に向けて本格稼働させるために、総理大臣の仕事を優先し、同時に代表選にも臨んでいきたい」、「小沢さんのほうから、きょうの場で、何かこう、人事とか条件とか、そういうことは一切ない」、「小沢氏に協力を要請したところ『選挙は選挙として、しっかり戦って、終わったあとは協力してやっていこう』と言っていた」。

 続く記者会見で、民主党代表選で訴える政策に関し、次のように語った。
 「日本を立て直す上で、経済成長、財政健全化、社会保障の強化を好循環になるような形で進めていくことが必要だ。社会保障の在り方と財源としての消費税の在り方については大いに議論していくことが必要だ」。

 つまり、消費税の扱いを争点とする考えを示した。また、首相は政治を志した原点がロッキード事件に対する憤りだったとした上で次のように語った。
 「政治の生い立ちという意味では、小沢一郎前幹事長とわたしとはかなり違ったところからスタートした。そういった意味で、政治とカネの問題で混乱したり左右されたりすることがないような政治をぜひつくっていきたい」。

 ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK93」の「(菅出馬会見)(下)「政治とカネで左右されぬ政治作る」(31日夕)(産経) 」を転載する。

 (菅出馬会見)(下)「政治とカネで左右されぬ政治作る」(31日夕)【産経】
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100831/stt1008312107018-n1.htm
 2010.8.31 21:05

 --代表選に向けて政策をあした発表するということだが、具体的に何を訴えるか。特に参院選の敗北の一因とされている消費税については、改めてこの代表選で訴える気持ちはあるか

 「政策について、あす、文書も含めてですね、改めてみなさんに提示をいたしますので、きょう、この段階であまり細かいことを申し上げることは差し控えたいと思っております。

 今、消費税の話を質問の中でされましたけれども、いずれにいたしましても、日本を立て直す上で、経済の成長、そして財政の健全化、そして社会保障の強化、これを好循環になるような形で進めていくことが必要でありまして、そういった意味では社会保障のあり方と、その財源としての消費税のあり方については大いに議論をしていく。このことが必要だろうと、このように思っております」

 【地には平和を】まだ、言っとるんかい!だから国民は消費税増税はダメだって言っとろうが!

 【トロイカ体制】

 --きのう鳩山首相と話をされた中で、トロイカ・プラス1ということで、以前の体制を大事にしていこうと話をされたと思うが、融和の姿勢を示していたのが、きょうになって全面対決という形になった原因はどこにあるか

 「昨日私が申し上げたことと、きょう私が、その間、鳩山さんや、あるいはお会いした小沢さんに申し上げたことは、まったく変わっておりません。

 この間、民由合併で小沢、当時の自由党党首に合併の中で参加をしていただいて、その後、ある時期には小沢代表、あるいは私が代表代行、あるいは鳩山さんが幹事長という時代もあって、そういう中から今日の政権交代にいたったわけでありまして、そういう原点を大事にしたい。

 【地には平和を】へえ~。自分も3分の1ぐらいは功績がありそうな言い方だな。

 そのことは今もその思いは変わっておりませんし、そのことは申し上げ、また、小沢さんのほうからも、自分もそう思うということを言っていただきました。

 【地には平和を】リップサービスだろう。

 そういった意味では私の姿勢は一切変わっておりませんが、そういう、昨日は小沢さんとは直接お話をしておりませんので、小沢さんのお気持ちの中でどういう形でその間の方と話をされたのか、そこまでは私も推察はいたしかねます」

 【政治とカネ】

 --首相と小沢前幹事長との政治理念の違いについてうかがいたい。特に小沢氏は政治とカネの問題でこの間、いろいろ指摘なり批判なりがあった。菅氏自身は政治に携わるようになったときはクリーンな政治の実現を掲げていたが、代表選において小沢さんの政治理念との違い、政権運営の違いをどのように訴えるか

 「まあ、私自身のことは私が自由に言えるんですけども、私は1976(昭和51)年、当時ロッキード事件というものがありまして、そのロッキード事件でいわゆる解散になった後、まあ、これ任期満了ですが、ロッキード選挙というものが行われました。私はその2年前に市川房枝さん(元参院議員)の選挙のお手伝いをして、そういうボランティアに携わっておりましたので、このロッキード事件の選挙のときに、こういう政治とカネの問題を繰り返しているような日本の政治をなんとか変えなければならない。そういう思いで、無所属で初めて立候補いたしました」

 【地には平和を】反田中角栄の立場だね。小沢と反対だ。

 「それが私にとっての、いわば2年前の市川さんの選挙と、私のロッキード事件に対しての憤りから立候補した、まさに私の原点であります。そういう意味では、政治の生い立ちという意味では、小沢さんと私とでは、かなり違ったところからスタートしたということは、客観的には申し上げることができると思います。

 そういった意味で、これからの日本の政治、もう政治とカネの問題で何かこの日本の政治が混乱をしたり、左右されるようなことがないような政治をですね、ぜひ作っていきたい。まさに私のスタートの時からの思いを今も持ち続けておりますし、これからより強くそのことの実現のために努力していきたいと、このように思っております」

 【地には平和を】検察のデッチ上げをやめさせれば混乱はなくなるよ。

 【代表選実施はルール通り】

 --先ほど首相自身、国民の中には今のような経済情勢の中で代表選をやっているべきではないということで融和を図ろうとしたということだが、それにもかかわらず融和がはかれず代表選になってしまった理由についてはどう考えるか。それにもかかわらず代表選になってしまった代表としての責任についてはどう考えているか

 「これは先ほど申し上げたつもりでありますけれども、私としては政権を担当して3カ月足らずでありますし、いま円高でこの数日間もいくつかのそれに対する対策を日銀とともに具体化し、提案をしております。また予算編成も本格化いたしております。またいろいろな外交的な案件もあります。そういう中で私としてはすべてのエネルギーを首相としての役目に、これまでも最優先といいましょうか、全力でそれに振り向けてきたつもりであります。そういったことでありましたので、できることならば、そうした私の姿勢を理解をいただいて、この政権にしっかりと取り組めることが望ましいと思って、この間行動してきたわけでありますが、そういった意味では残念といいましょうか、そういうことになってしまいました」

 【地には平和を】小沢が立候補する事になってバタバタと色々実績作りに急がしかったね。小沢が立候補しなかったらやらなかったんじゃないの?

 「しかし、一方、代表選が9月に行われるというのはわが党の基本的なルールでありますので、それに基づいて立候補される方がおられるのは、ある意味では、そういう意味では当然のことであるわけでありまして、そういったことで決まった以上は正々堂々とした戦いをしていきたいと思っております。もう1つなんか言われましたっけ? それでいいですか? はい」

 【代表選の戦い方】

 --14日間もの長きにわたる選挙戦の中で一部で国民の民主党離れ、政治離れの懸念も言われている。こうした国民の感情に対して14日間の長きにわたる選挙戦の中で、国民に対してどのように対応されて、訴えていかれるか

 【地には平和を】選挙こそが国民が政策論議をする好機ではないか。何を言ってやがんでい!

 「これも今申し上げたことにほとんど関係していると思いますが、私としてはですね、そういったことも考えた中で、党内、あるいは応援者、あるいは国民の皆さんの理解があればですね、私の政権を継続するということで、ご理解をいただければと思っておりましたが、党則に沿って立候補される方があったわけでありますから、それはそれとしてしっかりと堂々とですね、選挙戦は選挙戦としてやっていかなければならない」

 「ただ、私は現職の首相という立場でありますので、もちろんのことでありますが、閣議を含めてですね、政治日程については首相としての仕事を最優先をする中で国民の皆さんにご理解をですね、いただきたいなと、こう思っております」

 【「しばらく静かに」発言は当然】

 --菅首相は以前の代表選出馬会見のときに小沢氏に対して「しばらくは静かにしていただいたほうが民主党にとっても、日本の政治にとってもいい」と言った。そういう方が今回立候補するが、その気持ちは今も変わりはないか。また鳩山氏との会談の中で小沢氏を最高顧問で起用しようという考えを示したが、小沢氏の力をどのように使おうと考えていたのか

 「最初の言葉は確か、6月の4日ですか。4日の代表選のその日でありましたか、その前の記者会見で申し上げたと記憶をいたしております。その前日に鳩山前首相が自らの政治とカネの問題に加えて、小沢幹事長についても同じようなといいましょうか、小沢幹事長としての問題があるので、ともに責任をとって辞任をすると、そういうことで合意をしたということを6月2日のあの辞任のあいさつで言われました。そういうごあいさつがあった直後でありましたので、私としてはそういった意味で責任をとって辞められた方は、やはりある一定期間は静かにしているというのは、一般的に言って当然のことではないか」

 「私自身の例で言えば、年金未納問題、これは社会保険庁の間違いであったことが後に分かったわけですが、それで責任をとって(代表を)辞めたときには、少なくともしばらくは静かにといいましょうか、無役で静かに個人的な活動に専念をしていた。そういう意味で、一般的な常識として申し上げました。それから何かポストについていろいろ言及をされたのかもしれませんが、私はポストについて言及をしたことは一切ありません。私の今の立場は、もちろん再選されれば改めてということになりますけれども、党や内閣のある意味での人事を決める立場にありますので、そういう立場にある者が、あらかじめですね、そうした発言をすることは好ましくないと思っていますので、私として何か個別のポストを挙げてこれがどうだ、あれがどうだということを申し上げたことは一切ありません」

 (司会「これで終わります」) 

 「ありがとうございました。ありがとうございました」 

 (以上)


Re::れんだいこのカンテラ時評793 れんだいこ 2010/08/31
 【2010.8.31民主党代表選ゴング考】

 2010.8.31日、来る民主党代表選一騎討ち候補同士の菅首相と小沢前幹事長の直接二者会談が行われた。両者は、1・選挙戦を正々堂々と闘うこと、2・選挙後にしこりを残さず挙党体制を確立することの二点を確認し、「9.14民主党代表選」を申し合わせた。事前の根回しによる「トロイカ体制復活取引による小沢前幹事長の代表選出馬取り止め策動」は蜃気楼となって消えた。かくして、「9.14民主党代表選」の火蓋が切って落とされた。

 これをどう評すべきか。れんだいこは、日本政治史上久方の大型の権力闘争勃発と看做し歓迎する。現在の政党の中で、こういう活力ある党首選ができるのは民主党だけと云うことを賛辞したい。かっての自民党を除き、老舗の社民党、共産党、公明党ではこれができない。密室政治批判を得手としているが、手前らの党首選自体が似たり寄ったりだというのに。これがまず第一座標となるべきであろう。

 次に、申し合わせ1の「正々堂々選挙戦誓約」の推移を確認したい。両陣営がこれを如何に守り、如何に逸れるのかを見守りたい。次に、票数の帰趨を確認したい。国会議員票、地方議員票、党員票がどう出るのかに興味が湧く。次に、申し合わせ2の「選挙後の挙党体制確立」の出来栄えを確認したい。最後に、マスコミメディアの公正報道ぶり、或いは菅陣営に加担する言論大砲ぶりを確認したい。凡そ以上の関心を引くのが、こたびの代表選であろう。

 とはいえそれらは選挙戦の表層的な意義である。我々は、真の政治的意味を確認しなければならない。れんだいこが思うに、こたびの選挙戦は本質的にかなり重要である。と云うか、本質的にかなり重要なところを廻って闘われる可能性が強い。これを端的に云えば、時計の針が今から35年前に戻る。1970年代半ばの田中政権退陣、続くロッキード事件による田中―大平同盟への鉄拳制裁以降35年来の日本政治の変質に対して、これを是とするのか非とするのかが問われている。

 ロッキード事件そのものの解析はここでは行わない。問題は次のことにある。ロッキード事件以降の日本政治は、それまでの戦後ハト派的政治が掣肘され、代わって現代世界を牛耳る国際金融資本帝国主義の御用聞き政治へ転換させられ、その流れを加速させた。この際の歌い文句は金権政治批判であった。且つ公共事業批判であった。且つ日米同盟の軍事的同盟への加速化であった。この三基準を廻って、これを是とし、それまでの戦後ハト派的政治を非とするのがロッキード事件以降の日本政治の流れとなった。以来、35年経過している。

 昨年の2009年衆院選に於いて民主党の歴史的圧勝により政権交代がもたらされたが、その一番手政権として登場した鳩山政権、二番手政権として登場した管政権は、この抗争軸において全く無能を晒した。民主党内右派も又国際金融資本帝国主義の御用聞き派であることを歴然とさせた。鳩山政権、管政権とそれ以前の自公政権の違いは、本質的に同質政治であり、単に政治手法の違い程度のものでしかないことをはっきりさせた。

 この見立てにつき、菅首相が早速に証明してくれている。菅首相は、直接二者会談後の記者会見で、財政再建と云う名目での消費税増税路線を打ち出した後、ロッキード事件をわざわざ持ち出し次のように述べている。概要「(菅首相が)政治を志した原点がロッキード事件に対する憤りだった。政治の生い立ちという意味では、小沢一郎前幹事長とわたしとはかなり違ったところからスタートした。そういった意味で、政治とカネの問題で混乱したり左右されたりすることがないような政治をぜひつくっていきたい」。

 ここで見て取るべきは「政治とカネの問題」の方ではなく、ロッキード事件を持ちだしたことであり、これを廻って、追及した菅と首をかしげた小沢の違いであろう。菅は、ロッキード事件の被告となった田中角栄の愛弟子である小沢一郎に対する政治の原点的な敵意、対抗意識を剥き出しにしている。その言に従えば、小沢と菅は元々「水と油の関係」であり、交り合わないことを確信的に述べていることになる。

 れんだいこ史観によれば、小沢の政治上の天敵は小泉であるが、ここに新たに菅が登場していることになる。興味深いことは、敵の敵は味方と云う理屈で云えば、菅の敵は小沢、小沢の敵が小泉と云うことになるからして、菅と小泉は親しい関係にあると云うことになることである。実際、これは当たっている。であるとしたら、小泉時代の民主党の対応は芝居だったことになる。実際に口では闘っているふりをして裏では繋がっていたのではなかろうか。小泉長期政権の秘密はここにあったのではなかろうか。この時代の民主党代表が鳩山、菅、岡田、前原、小沢へと流れている。小沢代表になって初めて小泉政権と厳しい対決に向かった史実が得心できよう。

 さて、その小沢が遂に起った。小沢の最後の政治闘争となるであろう小沢派の菅派に対する真っ向勝負が始まった。この動きは、国際金融資本帝国主義の御用聞き政治からの歴史的転換を企図しているように見える。日本の国益の自律自存を求める土着政治への憧景が内在しており、日本の国威的ジリ貧、経済的破綻、精神的文化的アイデンティティの喪失を見兼ねて、止むにやまれぬ決起のように映る。かっての日米同盟下ながらも、外務省のそれは別として政治家がそれなりに自主的外交し得た、角栄時代までの政治能力を復権させ、政治家が政治家として時代を主導できる「生きた政治」を目指すことを良しとしていると思われる。小沢はこれを「普通の政治」と云いなしているが、正確には「御用聞きでない普通の政治」と窺うべきであろう。こういう「普通の政治」は難しいのだけれども。

 と云うことからすれば、「9.14民主党代表選」は、民主党代表選は当り前のこととしても、その視野にあるのは、日本政治の根本的な在り方を廻る闘いである。御用聞き派と自主独立派と云う両派による一大関ヶ原決戦と看做したい。菅派の勝利は、現代世界を支配する国際金融資本帝国主義の御用聞き政治を強める。自公政治的表からではない裏からの一層ののめり込みを意味する。恐らく日本は更に籠絡され、しゃぶり尽くされた挙句に溶解解体され、米国の一州か中国の一省に取り込まれる流れに向かうであろう。

 これに対して小沢派の勝利は、日本の新しい在り方としての自律自存を求め苦闘することになるだろう。菅の道は安逸であり、小沢の道は茨である。処世法としては菅派のそれの方が賢い。だがしかし、政治家のあるべき姿としては人民大衆を食わす為の経済がどうなるかが肝心であり、菅派政治には明日はない、小沢政治には例え茨でも希望があると考えるべきではなかろうか。

 れんだいこ予想では、小沢派が勝利する。それは、この間の政治への反作用であり、右に振れ過ぎた振り子が元へ戻ろうとする自然作用に似ている。問題は、この流れが如何にして暴力的に壊されるのかの危惧にある。小沢暗殺、小沢派要人テロ的暴挙も考えられる。だがしかし、油断はできないが衆人環視の現代社会で粗野な蛮行はやり辛いとすべきではなかろうか。当然その抑制力も働く。この緊張関係の中で、選挙戦と首相選出と組閣が行われる。組閣に興味があるが、今はそれを問う時機ではない。ましてや、小沢がそこまで御身保全し得るのかどうかも分からない局面においてをや。

 それはともかく、小沢は遂に西郷どんになった。既に先の投稿で述べたが、かの時の西郷どんは勝利の執念が薄かった。その歴史的間違いを確認して、こたびは勝利に向かわねばならない。そして、日本の政治の根本的刷新即ち回天事業に向けて出発せねばならない。日本の国内政治の諸改革、国外政治の出番は小沢政治の始まりと共に始まる。この道には、世界平和と反戦に真に貢献し、21世紀の豊かな生産力を分かち合う新しい国際秩序を創造し得る可能性がある。これこそが真の日本の生き延びる道であり、頼もしい限りの前途洋々ではなかろうか。

 そうだ、その前に、こたびの選挙戦で、誰がどのように立ち回るのか観察しておかねばならない。どうでも良いようなことだけれども、新時代を切り開く有能士を探すのが面白いからである。

 2010.8.31日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評794 れんだいこ 2010/09/01
 【「2010.8.31民主党代表選ゴングの裏話」考】

 「2010.8.31民主党代表選ゴングの裏話」を確認しておく。民主党代表選が遂に一騎討ちとなることが確定したのを見届け、この間伝書鳩としてパシリを務めた鳩山前首相が思わずつぶやいた言葉が「ボクはいったい、何だったんでしょうね」だった。一見滑稽なのだが、裏舞台が見えてくると滑稽だけでは済まされない事情があるので、これを確認する。役職は煩雑なので呼び捨てにする。

 そもそも伝書鳩パシリがいつから始まったのか。確実なのは、8.24日の小沢出馬直前の動き辺りからである。小沢は、翌8.25日の「小沢一郎政治塾」での講演後、出馬表明する予定であったと思われる。これを阻止するべく鳩山が動き、8.24日夜、都内のホテルで小沢と会談し、代表選への対応を協議している。当然、菅の要請を受けてのものである。この時、人事的配慮を媚薬にして「翌日の出馬声明」を思いとどまらせた風がある。小沢は渋々同意した。

 翌8.25日、小沢は、「小沢一郎政治塾講演」で「下世話な政局話をする場ではない」と述べ、出馬表明を見送った。この頃、菅が挙党体制論に転じ、小沢派に対するポストの冷遇をしないとする約束がアングラ情報として伝えられていた。小沢の出馬声明見送りは、これにハーモニーしている。

 「小沢の出馬表明見送り」を確認するや、その8.25日夕刻、鳩山が首相官邸を訪れ、前日の人事媚薬の裏取りを始めた。ところが、「小沢の出馬表明見送り」後の菅は強気に転じていた。いろいろ理屈を並べて渋り始めた。要請されているのは最高度の政治的密約であり、菅にはその度量がなかったとも読める。この辺りは市民運動上がりのキレイゴト云い師の限界かも知れない。こうして、鳩山周旋は「事実上の決裂」となった。

 8.26日朝、小沢は、東京都内で鳩山と会談し、話が違うではないかと事情を質した。鳩山は、前日夕の菅会談の内容を伝えた。小沢は「よし分かった」と述べ、恨み節を云うでもなく出馬の意思を伝えた。菅に頼まれて周旋したのにコケにされた鳩山は同調し、小沢支持を約束した。鳩山の顔を立てた小沢とメンツを潰した菅と云う温度差によったものと思われる。小沢は直ちに記者団に向けて不退転の出馬表明した。鳩山も、小沢支持を言明し、小沢発言を裏付けた。これにより、民主党代表選は菅首相対小沢前幹事長の対決構図が確定した。本来であれば、鳩山の伝書鳩パシリはこれでお仕舞いであった。鳩山はその後、確か息子の所用でモスクワへ向かった。

 問題はここからである。モスクワまで出向いている鳩山に度々匿電が鳴った。一体、誰が鳴らしたのか。又しても菅である。或いは菅派の別要人も鳴らしていたのかも知れない。こうして、モスクワからの帰国後、鳩山の再度の伝書鳩パシリが始まった。鳩山のこの行為は軽薄と云えば軽薄であるが宇宙人的感性の賜物であろう。なぜなら、一度コケにされた者は二度目は受けないのが普通だから。それとも、受けざるを得ない筋がらの要請もあったのだろうか。

 8.29日、鳩山が帰国する。仙谷官房長官が東京都内のホテルで面会を求め、「ギリギリまで妥協点を探りたい。争わずに一つにまとまる方向を追求すべきだ」との考えを伝えている。こうして、鳩山の伝書鳩パシリが再開した。鳩山がその後、菅と小沢の間を何往復したのか分からない。稲盛和夫・京セラ名誉会長(内閣特別顧問)とも会食している。他の誰それとも、ひっきりなしに会っただろうと思われる。

 確かなことは、8.30日夜、菅と鳩山が首相公邸で約1時間10分間にわたって会談していることである。両者は「トロイカ体制」の構築で一致した。鳩山は、会談後、記者団に対し次のように述べている。「(鳩山、小沢、菅の3氏に輿石東参院議員会長を加えた)『トロイカ+1』で行こうではないかという思いを首相からいただいたので、明日、私が責任を持って小沢先生に伝え、首相と会談していただく」。この日、小沢の意を受けた輿石が菅に「本当に受け入れる腹はあるのか」と詰め寄り、菅は「ある」と応じているともある。

 「トロイカ+1」を廻って、菅派、小沢派の派内でそれぞれ悶着した。対決回避の楽観論が広がる中、 主戦論と様子見論が二分した。菅・鳩山会談後の深夜、小沢側近は、「不出馬の可能性もある。相当高いポストでの処遇ということかもしれない」と語り、ポスト次第で小沢の出馬見送りアリ説を披歴している。但し、小沢派内では依然として「鳩山氏の調整には応じず、小沢氏は出馬するべきだ」とする声も根強かった。

 そして、運命の「歴史その時」を迎える。8.31日、鳩山のお膳立てで小沢と輿石が招かれ、菅が来るのを待ち受けた。ところが、菅が一人で行くことを嫌がった。鳩山が何度かアポしている。菅は、前原らとの相談の結果、小沢とのサシ勝負なら応ずると述べ、二者直接会談に切り替えた。菅は、如何なる話の展開になろうとも菅一任を取り付けて出向いた。夕刻、菅―小沢会談がセットされた。会談は30分に及んだが両者の人事談合はなく、代表選を闘う上での申し合わせに費やした。こうして、両者の代表選出馬表明へと雪崩れ込んだ。

 この経緯からすれば、鳩山は完全にダシにされたことになる。少なくとも、8.26日早朝の小沢の出馬声明時点で役目を終えていた筈である。それを再度引きずり出された挙句、何の効もなかったことを思えば、鳩山が、「ボクはいったい、何だったんでしょうね」と述べた言葉は滑稽であるが的を射ている。要するに、前首相ともあろう者がかくも安易に使われ、結果的にコケにされたことになる。宇宙人の鳩山ならではのトボケで済んでいるが、他の者では烈火となって怒るところであろう。れんだいこは、これが云いたかった。

 もう一つ云いたいことがある。板垣 英憲氏の「マスコミに出ない政治経済の裏話」の8.31日付けブログ「菅首相の伸子夫人が夫に与えた『潔く討ち死にしなさい』の叱咤から、小沢一郎前幹事長との一騎打ちに突入へ」が興味深い裏話を伝えている。

 それによると、「トロイカ+1」で決着せんとしていた8.30日当夜のことであろう、伸子夫人が「トロイカ+1決着」に異を唱え、談合ではなく討ち死に覚悟の決選勝負をけしかけたと云う。本文は、「これまで支持してくれた仙谷さんや前原さん、枝野さんたち仲間を裏切って、小沢さんに付いてはいけない。妥協してよいことはない。ここは格好よく討ち死にしなさい。これは、代表選なんですよ。負けて意地を通しなさい」と述べたとある。修飾句を取れば要するに談合解決を否定したことになる。「夫人の言葉に目が覚めた菅首相は、31日午前、周辺に『討ち死に覚悟で代表選を戦う。勝敗は時の運だ』と決意を披瀝した」とある。板垣ブログではその他いろいろ評しているが、「伸子夫人の一言働き」を紹介しているところに値打ちがある。

 れんだいこは、この話が本当だとして初めて、鳩山の「ボクはいったい、何だったんでしょうね」が得心できた。要は、菅が盟友の鳩山よりも夫人の言を採り入れたと云うことである。こういうもので歴史が作られるのかどうかは分からないが、滑稽でもある。これによれば、「鳩山よ、あきらめろ。妻は強かった」と云うことになる。まさに歴史は夜つくられるを地で行く話である。この逸話は後世に残るであろう。これを伝えた板垣ブログの価値も高い。

 れんだいこは、「伸子夫人の一言働き」を喝采する。伸子夫人よ、あなたはやはり偉かった。サスガと褒めたい。なぜなら、小沢が鳩山周旋に乗ったとすると、それは釣り針付きの疑似餌だったのであり危なかったと思うからである。恐らく、「トロイカ+1決着」は、民主党選に小沢を起たさない為の鳩山、菅をも操る政治マジシャンのシナリオであり姦計であった。そう気がつかせないよう、いろんな役者を使って政界を催眠術にかけながら用意周到に事が運ばれていた。結果的に、「伸子夫人の一言働き」が、これを突き崩したことになる。その言に従った菅は、政治的能力のない政局男でしかないが、憎めない奴と云うことになる。これが、れんだいこが初めて菅を好意的に評する言である。伸子夫人は、主人である菅も、その政敵である小沢も救った。

 確認すべきは、「小沢起つ」がそれほど嫌がられていると云うことであろう。小沢を嫌がる勢力は、これまで検察を使って小沢を金縛りにし、マスコミメディアの言論大砲を使ってパッシング大包囲網をつくり、何が何でも小沢を起たさないよう、あの手この手で策動してきた。しかし、その手が利かなかった。9.1日、両者の民主党代表選の立候補届け出が粛々と行われ、夕刻、共同記者会見が催された。今後も菅の口からは否応なく日本政界をワシ掴みにしている黒い魔手の囁きが聞かされることになるだろう。小沢の口からは否応なく日本の在るべき別の道が説かれることになるだろう。これと共に日本政治を蝕んでいる催眠術が解け始めるであろう。これが「9.14民主党代表選の裏意味」である。

 2010.9.1日 れんだいこ拝

【民主党代表選推薦人考】

 民主党代表選に立候補した小沢一郎前幹事長、菅直人首相の推薦人は次の通り。(敬称略、氏名記載順は陣営の届け出通り)

 ■小沢氏推薦人

 赤松広隆、岩本司、大久保勉、太田和美、海江田万里、川内博史、川崎稔、岸本周平、小泉俊明、武内則男、田中直紀、田中美絵子、谷亮子、外山斎、中山義活、那谷屋正義、野田国義、前田武志、松野頼久、三井辨雄、皆吉稲生、村上史好、伴野豊、米長晴信、笠浩史。

 ■菅氏推薦人

 井戸正枝、岡田克也、岡本充功、金森正、菊田真紀子、玄葉光一郎、土肥隆一、中川正春、長妻昭、野田佳彦、鉢呂吉雄、藤田一枝、藤村修、前原誠司、牧野聖修、山尾志桜里、渡部恒三、石井一、江田五月、大河原雅子、岡崎トミ子、北沢俊美、白真勲、林久美子、蓮舫。


 9.1日、民主党代表選で両派が国会内で決起集会を開いた。菅派は、国会議員114人、代理約60人の計約170人が参加した。同じ会場で開かれた小沢派は、国会議員125人、代理約50人の計約180人が結集した。「互角」となり、接戦といわれる情勢を反映した。党所属議員412人のうち、4割強の約180人はどちらの決起集会にも顔を見せなかった。双方に重複して出席した議員も数人いた。

 菅陣営の集会には、蓮舫行政刷新担当相のほか、江田五月前参院議長や仙谷由人官房長官、岡田克也外相、玄葉光一郎政調会長らが駆け付けた。菅首相は、「国民の信頼がなくては何もできない。古い政治か、新しい政治か、時代を選ぶ戦いだ」と支持を訴えた。小沢陣営の集会には、山岡賢次副代表のほか、海江田万里衆院財務金融委員長や平野博文前官房長官、中山義活前首相補佐官、赤松広隆前農相らが参加した。小沢前幹事長は、「国民への最後のご奉公という決意で全力でやっていく」と気勢をあげた。

 菅首相、小沢前幹事長の両陣営の総決起集会に出席した民主党国会議員はそれぞれ上の通り。(敬称略、双方に出席した議員がいる)

 ■菅陣営(出席者114人中、判明分105人)

 【衆院】川越孝洋、井戸正枝、岡田康裕、金森正、中川正春、藤田一枝、笹木竜三、斉木武志、高橋昭一、本多平直、泉健太、長島昭久、藤田憲彦、篠原孝、神山洋介、工藤仁美、竹田光明、阿知波吉信、加藤公一、末松義規、花咲宏基、山崎誠、高井崇志、前原誠司、湯原俊二、山田良司、牧野聖修、城井崇、菊田真紀子、安住淳、小川淳也、三谷光男、橋本博明、後藤祐一、田村謙治、小山展弘、近藤洋介、稲富修二、小原舞、柿沼正明、藤田大助、細川律夫、玄葉光一郎、阿久津幸彦、大西健介、石毛●(=金へんに英)子、高井美穂、仁木博文、手塚仁雄、黒岩宇洋、山尾志桜里、生方幸夫、玉木朝子、高邑勉、松本大輔、平山泰朗、柴橋正直、中川治、稲見哲男、谷田川元、小宮山洋子、村越祐民、三村和也、鉢呂吉雄、渡部恒三、池田元久、荒井聡、柚木道義、矢崎公二、斎藤勁、郡和子、長妻昭、阪口直人、仙谷由人、津村啓介、田嶋要、土肥隆一、岡田克也、寺田学、若井康彦、菅直人、吉川政重

 【参院】相原久美子、金子恵美、松浦大悟、中谷智司、蓮舫、風間直樹、岡崎トミ子、大河原雅子、石井一、難波奨二、徳永久志、白真勲、林久美子、藤末健三、江田五月、小川勝也、小川敏夫、芝博一、今野東、田城郁、前川清成、石橋通宏、福山哲郎

 ■小沢陣営(出席者125人中、判明分117人)

 【衆院】村上史好、鈴木克昌、渡辺義彦、小泉俊明、仲野博子、萩原仁、橋本清仁、岡本英子、辻恵、玉城デニー、菊池長右エ門、畑浩治、山岡賢次、黄川田徹、川島智太郎、田中真紀子、福嶋健一郎、石原洋三郎、三輪信昭、石井章、渡辺浩一郎、古賀敬章、空本誠喜、笠原多見子、木村剛司、高野守、田中美絵子、相原史乃、岸本周平、東祥三、吉田公一、川口浩、高橋英行、羽田孜、石森久嗣、熊谷貞俊、山口壮、高松和夫、滝実、階猛、小野塚勝俊、石田三示、三宅雪子、若泉征三、金子健一、水野智彦、松宮勲、野田国義、中後淳、高山智司、佐藤夕子、梶原康弘、中野渡詔子、海江田万里、松野頼久、黒田雄、宮島大典、平野博文、小林正枝、福田昭夫、松岡広隆、大谷啓、加藤学、中津川博郷、笠浩史、三井弁雄、松木謙公、豊田潤多郎、橘秀徳、奥村展三、大山昌宏、中山義活、伴野豊、柳田和己、松崎哲久、坂口岳洋、矢崎公二、太田和美、石関貴史、市村浩一郎、菅川洋、中塚一宏、岡島一正、樋高剛、小沢一郎、内山晃、神風英男、青木愛、皆吉稲生、小林興起、川内博史

 【参院】輿石東、森裕子、佐藤公治、主浜了、平山幸司、中村哲治、室井邦彦、牧山弘恵、外山斎、田中直紀、谷亮子、広野允士、前田武志、川崎稔、藤田幸久、安井美沙子、平野達男、米長晴信、相原久美子、一川保夫、大久保潔重、行田邦子、姫井由美子、小見山幸治、武内則男、田城郁

 
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100902/plt1009021159002-n2.htm  

我々は菅直人総理を積極的に支持することといたしました衆議院議員一期生有志名です

菅直人内閣総理大臣 殿

我々は、闘うリーダーを望む

国民は怒っている。大いに失望している。裏切られたと思っている。もはや政治には何も期待できないとさえ思っている。民主党政権は、官僚に取り込まれてしまったのではないか、これが昨年民主党政権に未来を託した日本国民の今の率直な気持ちである。民主党は危機のただなかにある。「マニフェスト7割は着手した」などいくら言っても強弁にしか聞こえない。議員定数削減や企業団体献金禁止など、財源に関係なく議員の覚悟だけでできる公約を実行しないのだから、当然のことだ。参議院選挙で惨敗したのも当然。ぜひとも国民の気持ち、我が国のおかれた危機的状況を真正面から受け止めていただきたい。

 この難局を乗り越える方法はただ一つ。政局ではなく政策で国民の信頼を回復し、その支持を背に受けてねじれ国会を乗り越えること。国民の冷え切った心に火をつける方法は、総理が情熱を持って「これだけは必ずやる」という政策に絞り、集中突破すること。リーダー自らが率先して既得権と闘う。これしか方法はないと確信している。今必要な政策は現下の円高対策と政治行政の刷新にある。以下我々が提言する政策は、最優先に取り組むべき公約だ。我々は日本に新しい政治を創ろうと全てをなげうって民主党の旗のもとに集まった。閣法で駄目なら議員立法ででも国民の声にこたえていく覚悟だ。この公約実現には内外に多くの反対が予想される。しかしそれでも総理におかれては、即刻着手し闘う姿を国民に見せて頂きたい。我々も全力で闘う覚悟である。常に目線は国民にある、闘うリーダーを我々は望んでいる。

 平成22年8月26日

 衆議院議員一期生有志

 阿知波吉信 井戸まさえ 稲富修二 大西健介 岡田康裕 柿沼正明 金森正ろ、神山洋介 櫛渕万里 後藤祐一 近藤和也 斉木武志 柴橋正直 高邑勉、高橋昭一 竹田光明 玉木雄一郎 橋本博明 花咲宏基 藤田大助 三村和也(神奈川2区)、山崎誠 山尾志桜里 湯原俊二  

小沢氏、野党との連携に自信 新人議員と懇談
民主党の小沢一郎前幹事長は6日、国会議員会館の会議室で、態度未定の横粂勝仁氏ら新人議員約15人と懇談した。出席者によると、小沢氏は参院で与党が過半数割れした国会の運営について「野党の方々と旧来からつながりがあり、国会運営に関して少なからず経験がある。自信がある」と表明した。

会合では新人議員側が、検察審査会が起訴議決の是非を検討していることへの対応をただした。小沢氏は「国会で説明しろと言われれば、堂々と説明する。逃げるつもりはない」と説明。党代表の任期が2年間であることに新人議員が疑問を投げかけると「今後考えていかなければならない」と応じた。

横粂氏は会合後、記者団に「小沢氏のイメージは変わってきているが、まだ迷っている」と述べた。会合は小沢陣営が設定した。新人議員中心の態度未定者への両陣営の働きかけが活発になりつつある。

小沢氏の陣営では党所属国会議員にファクスで「いっちゃんニュース」の配信も開始。5日に発刊した第1号では4日の東京・JR新宿駅西口での菅直人首相との立会演説会や、同池袋駅西口での陣営の党員・サポーター集会の様子を伝えた。小沢氏を「首相としての風格に満ち、力強い演説に観衆の興奮も最高潮」と絶賛。菅氏を「動員がかけられているであろうにもかかわらず、拍手もまばらで大変寂しいものであった」と評した。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E4E2E09E8DE2E4E2EBE0E2E3E28297EAE2E2E2;at=ALL

横粂よお前菅氏に入れるんで無かったのか(爆笑)  


【れんだいこ式旗幟鮮明国会議員色分け考】
 詳細は「2010.9.14民主党代表選考」に記す。
菅派 乾杯音頭
党職  仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政調会長、寺田学総理補佐官
閣僚  前原国土交通大臣、岡田克也外相、野田佳彦財務大臣、長妻昭厚生労働相、蓮舫行政刷新担当相、馬淵澄夫国土交通副大臣、荒井聡国家戦略担当相(衆院道3区)
元閣僚  藤井裕久元財務相
委員長  鉢呂吉雄衆院厚生労働委員長、菅首相の選対事務総長。
衆議員  小宮山洋子、渡部恒三、生方幸夫(千葉6区)、中川治(大阪18)、津村啓介(岡山1区)、柚木道義(岡山4区)、高井崇志(岡山1区)、花咲 宏基(岡山5区)、手塚仁雄、逢坂誠二(北海道8区)、山尾志桜里(愛知7区)、後藤祐一(神奈川16区)、藤田憲彦(東京4区)、稲富修二(福岡2区)
湯原俊二(比例中国)、斎木武志(比例東海)、
参議員  江田五月、石井一、小川敏夫(北海道)、
旧民社  グループとして管派支持を打ち出す気配。
旧社会
他党
首長
知識人
評論家
芸能人
小沢派 乾杯音頭
党職  山岡賢次副代表、輿石東参院議員会長、細野豪志幹事長代理鳩山由紀夫前首相、平野博文前幹事長、樽床国会対策委員長、中山義活前総理補佐官、
閣僚  原口総務大臣(推定)、山田農相、
元閣僚  赤松広隆前農相、羽田孜元首相、
委員長  海江田万里衆院財務金融委員長
衆議員  松木謙公(道12区)、田中真紀子(新潟区)、高嶋良充前参院幹事長、小林興起、川内博史、三宅雪子、太田和美、三井辨雄道連代表(衆院道2区)、石原洋三郎(福島1区)、石森久嗣(栃木1区)、黒田雄(千葉2区)。岡本英子(神奈川3区)、橘秀俊(神奈川3区)、森本和義(愛知5区)、稲見哲男(大阪5)、空本誠喜(広島4区)、福田衣里子(長崎2区)。高松和夫
 田中美絵子(比例北陸信越)、野田国義(比例九州)、
参議員  田中直紀、森ゆうこ、姫井由美子、谷亮子、中村哲治
旧民社
旧社会  佐々木隆博農水政務官(衆院道6区)
他党  新党大地の鈴木宗男代表、国民新党の亀井静香、日本新党の田中康夫、
首長  達増拓也岩手県知事
知識人  脳科学者・茂木健一郎
評論家  魚住昭
芸能人  菅原文太デヴィ夫人

 横路孝弘衆院議長(道1区)は、議長の立場に加え、自らの旧社会党系グループ内で支持が分かれており、態度表明は難しいとみられる。旧民社党系グループの小平忠正衆院議員(道10区)は、選管委員長を務めるため「回答できない」としている。山崎摩耶衆院議員(比例道ブロック)は小沢氏に近いとみられる。7月に当選したばかりの徳永エリ参院議員(道選挙区)は「今は白紙です」と話している。


Re::れんだいこのカンテラ時評795 れんだいこ 2010/09/02
 【2010.9.14民主党代表選の争点考その1、「菅派のネガティブキャンペーン」の卑劣考】

 9.1日、民主党代表選のゴングが鳴り、明けて9.2日、公開討論会が行われた。菅首相は早くも激烈なネガティブキャンペーンを開始している。菅自身が如何に金権と無縁なのか、自身の政治資金収支報告書を明らかにして記載漏れのないこと、記載内容が「天の声献金」とも無縁なことを比較的に論ずるのならともかく、マスコミの小沢パッシングに悪乗りする形で小沢前幹事長の政治とカネ問題を取り上げ誹謗し、「お金にまみれた政治、政治文化を変えなければならない。クリーンでオープンな政治を目指していきたい」と吠え続けようとしている。

 小沢前幹事長は、ロッキード裁判を欠かすことなく傍聴し、こういう時に備えて収支報告書に落ち度のないよう、むしろ手本の如くにガラス張りにしている。そういう小沢に対して菅が一方的に攻撃を続けるのなら、自身の政治資金収支報告書を公開して比較的に論ずるのが公平正義と云うものだろう。まともな報道機関なら、そこを問うべきなのだが、それを期待するのは野暮と云うものだろうか。

 「菅式ネガティブキャンペーン」はまもなく食傷されよう。なぜなら、政治的抱負や実績を述べて政治能力を競うのではなく、相手の弱点を激しく突く手法は国際金融資本帝国主義者の常用するネオシオニズム政治の特徴であり日本的感性に馴染まないからである。。菅が平気でこれを繰り出していることは、菅が身も心も脳も籠絡されているネオシオニストの徒党であることを物語っていよう。我々は、その惨めさを見て取るベきではなかろうか。小沢は政治信条において「百術は一誠に如かず」を座右の銘にしている。菅は、煎じ薬にして味わうべきではなかろうか。

 以上が結論であり、以下、「ネガティブ・キャンペーンとは何か」につき確認しておく。「ウィキペディアのネガティブ・キャンペーン(Negative campaigning)」その他を参照する。

 「ネガティブ・キャンペーン」とは、要するに次のようなものである。「選挙戦術の一つで、相手の政策上の欠点や人格上の問題点を批判して信頼を失わせる弁舌手法を云う。マスコミの広告媒体を使っての、人物や組織のウィークポイントを集中的に攻撃する手法もネガティブ・キャンペーンと呼ばれる。根拠のなない中傷である場合もあるが、事実に基づいた批判もネガティブ・キャンペーンの範疇に含まれる。いずれにせよ、相手の信用を失わせることで、自分を相対的に高めることを目的としている。この他、あえて自分にとって不利になる話題を取り上げて、自分への注目を集める行為もネガティブ・キャンペーンと呼ばれることがある」。

 れんだいこが思うに、この手法は一般的なものではない。日本政治史上に於いては、厳しく戒められていた外道政治手法である。特に、徳治主義を旨とし、切腹と云う責任の取り方を課せられていたサムライ政治の倫理に於いては内省なき他者批判はご法度であった。こうした政治手法は、国際金融資本帝国主義の影響下にあるところで多用されている。特に米国で常用されていることが、これを証左する。

 政治学上、ナチスのゲッペルス宣伝相の「ウソも百万篇費やせば真実になる」弁が引用されるが、濡れ衣に近い。正しくは、こういう政治手法の本家本元はネオシオニズムであり、ゲッペルス宣伝相が同様の言を述べたとしたら、対抗上の失弁であったと思われる。ネオシオニズムのネガティブ・キャンペーン術磨きの歴史は古い。つまり筋金入りのものである。イエスがパリサイ派との論争で反駁したのも、このパリサイ派の思考回路であった。その選民主義、金貨蓄財主義、報復主義的論理と共に激しく弁難したものである。

 最近の政治家は、ネオシオニズム・テキストで学習するせいか、こういうネガティブ・キャンペーンを習熟するのが政治能力の向上と勘違いしている風がある。本来の政治能力を磨くより、この邪道スキルの習熟に励む傾向がある。政局男として名をなす菅式弁舌は、この典型であろう。菅の政治歴三十年は、これを習得しただけのように思われる。

 日本政治の能力は、この種の政治家の跋扈と共に歪められ、政治課題に向けての真摯な取り組み、事態打開と云う本来の能力を磨かず、政治を商売にする口先政治家、政治家の身分を現代貴族にさせた上での貴族主義的な遊び人風政治家を増産しつつある。こたびの民主党代表選はくどいほど菅の口からネガティブキャンペーンを聞かされることになろう。番外編の楽しみとすべきかも知れない。これぐらいの説明で良かろうか。

 2010.9.2日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評796 れんだいこ 2010/09/02
 【2010.9.14民主党代表選の争点考その2、「菅派の角栄的なるもの政治弾劾」の愚見考】

 民主党代表選は二週間の日程で争われる。この選挙戦で何が争点なのか。マスコミメディアの解説は「為にする小沢批判の見地からの菅続投プロパガンダ報道」に流されると思われるので、我々の目線で確認しておく。れんだいこが、菅式論理論法の詭弁を俎上に乗せ、逐一晒して見ようと思う。

 第一に確認すべきは、既に先の投稿で明らかにしたように、菅首相自身が持ちだしたことでも分かるように、ロッキード事件を廻り、これを契機として始まった「角栄的なるもの政治」を政治訴追し、その政治の後継者である小沢政治批判に結び付けて行くのか、「角栄的なるもの政治」の是の面を再検証し、歴史見直しして行くのかの争点である。

 多くの人民大衆の意識は既にロッキード事件を風化させている。故に、菅首相が出馬声明に於いて敢えてロッキード事件を持ちだし「私の政治の原点」と強調したことの意味が分からないであろう。しかし、れんだいこ史観によれば、これこそまさしく真の政治闘争軸であり、その限りで菅首相がロッキード事件を持ちだしたことの意義は大きい。もっとも、菅首相は、政治とカネ問題に纏わる政治糾弾の原点としてのみロッキード事件を捉え、ネガティブキャンペーンに利用しようとしているようで、同事件の持つ複合的な政治的意味を矮小化させている。つまり、菅の意図に反して菅の政治能力のお粗末さを晒している。とはいえ、ロッキード事件自体を持ちだしたことの意義の方を評価すべきであろう。

 れんだいこに云わせれば、ロッキード事件は、戦後日本政治を廻る在地土着派による自主自律政治を掣肘し、現代世界を牛耳る国際金融資本の御用聞き政治へ水路を開いた一大政治謀略事件であり国策捜査事件であった。現在50代以上の者は記憶しているであろうが、当時、現在の小沢パッシングなぞ比ではない、けたたましい角栄パッシングが連日続けられた。それも、御用評論家は云わずもがなとして与党自民党のみならず野党諸党をも巻き込んで、否それどころではない右翼から左翼、労組まで、否それどころではない検察から裁判所の最高機関まで巻き込んで角栄包囲の政治訴追運動が展開された。日共の宮顕、不破、上耕の異常な出張り、こともあろうに社共、労組が御用提灯を提げて目白邸を包囲すると云うバカ騒ぎが演ぜられた。一体、この狂気を誰が画策したのだろうか。

 こうして、日頃は政治的ポジションが大きく異なるにも拘わらず、「角栄の政治訴追、政界追放」と云う一点で野合した醜悪な共同戦線運動が繰り広げられた。当時は、今日のようにインターネットがなかったので、これを不快に思う人民大衆の声は公にされず、故に一方的な角栄パッシングとなった。これに対して新左翼系がさほど動かなかったのは僥倖の見識であった。れんだいこは、そのように理解している。

 菅首相はこたび、この時の喧争を是として、「私の政治の原点」とのたまわった。結構、結構。ならば、これを逆手に取り、ロッキード事件とは一体何だったのか、「角栄的なるもの政治」の本質とは一体どのように捉えられるべきものであったのか、「政治とカネ問題」とは如何なる政治制度の宿アなのか、今後如何に合理的なものにすべきなのか、これを問う絶好の機会にしたいと思う。但し、これを述べればかなりの紙数を費やすので、この概要を知りたければ、自薦ながられんだいこサイトの「角栄論」で確認すれば良かろう。角栄政治の何たるか、ロッキード事件の闇についてそれなりに言及している。

 (ttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/)

 菅首相に問いたいのだが、菅がロッキード事件を「私の政治の原点」として、角栄の政治訴追、政界追放を是認するのは勝手だとしても、「角栄的なるもの」を政界追放した結果として、その後の日本政治は果たして良くなったのか逆なのか、これに応えねばなるまい。

 れんだいこの見立てによれば、「角栄的なるもの」が機能していた日本政治は国内的には世界が羨む史上未曽有の経済成長を遂げ、対外的にも日米安保同盟下の制限を受けつつも戦後憲法の掲げる国際協調と平和創造に向けて大きな役割を果たしていた。何より政治の裏表がはっきりしていた。政権奪取前に掲げた政策課題は政権発足後直ちに着手され実行に移された。「政治とカネ問題」では今日的基準では色々不首尾な面があったが、大きく見れば必要経費のようなものであった。何より、そういう面を埋め合わせても政治の実効による成果の方が大きかった。これを評価すべきではなかろうか。現下の政治尺度は、この仕事の功績を見ずに、「政治とカネ問題」に対する異常執着している気がしてならない。

 特徴的なことは、国債が発行されていない善政であったことであろう。それまでは、憲法憲法第7章の諸規定、戦後財政法のいわゆる健全財政主義原則の諸規定に従い、国債発行禁止を遵守していた。1960年代末までの田中蔵相時代まではこの原則を守り、高度経済成長路線を稼働させ歯車が噛み合っていた。この原則を破り禁じ手の国債発行に踏み切ったのが佐藤政権下の福田蔵相であり、大量発行に向かったのか三木政権であり中曽根政権であり、以降の歴代政権の慣わしとなった。今日の天文学的な異常累積債務はこうして積み上げられたのは衆知の通りである。

 菅は、これをどう考えるのだろうか。国債発行をせずして高度経済成長していた良き時代が有るのであるが、これを是とするべきではないのか。逆に云うと、国債発行してなお且つ低成長にあえいでいるのはどういう訳なのか。菅が角栄批判に酔うのは勝手だが、角栄批判に興じるのなら、この辺りを政治責任に於いて説明せねばなるまい。

 角栄時代までの政治に特徴的なその二は、消費税が導入されていないことである。それまでは、全国的に法人活動を活性化させ、その営業利益から法人税を取ると云う直接税方式を基調にしていた。景気下支えとしての公共事業振興により法人活動を活性化させ、その好循環の中で雇用が確保され、社員の正規雇用が当然視され、各々が受け取る給与から相応の所得税を支払った。この方式で国庫収入が増えて行った。今にして思えば、この直接税徴税手法こそ正当で範とすべきではなかろうか。

 間接税式の消費税導入はこの経済循環をズタズタにさせた。企業は、利益が上がろうが上がるまいが売上に対して一定料率の消費税が課税されることにより、途端に経営を苦しくさせられることになった。その他その他経営環境を圧迫させるばかりの諸施策が講ぜられることになった。企業は、それらの対応策として正規雇用を打ち切り、臨時雇用社員に切り替えるなどして利益の確保に努めざるを得ないことになった。大企業は無理難題を下請企業に皺寄せすることになった。そのようにして生みだされた利益がハゲタカファンドにさらわれると云うケッタイなことになった。

 こうした下手くそな政治のツケが廻り回って社会保障費の異常増大を促すと云う悪循環に陥っているのではないのか。その備縫策として補助金制、補償金制等々で対応しているが、これでは財源が幾らあっても足りなくなるであろう。その他方で、軍事防衛費が増大し、思いやり予算が計上され、今や至れり尽くせり予算化へと向かいつつある。普天間基地移転問題でも、グアム移転費、辺野古移設費がどれほど計上されようとしているのか、菅政権はこれを明らかにせねばならない。あれこれ思えば、消費税がない時代の政治の方を是とすべきではないのか。逆に云うと、消費税を導入してなお財政が逼塞し、消費税増税中毒に陥っているのはどういう訳なのか。菅が角栄批判に酔うのは勝手だが、この辺りを説明せねばなるまい。

 時代は、消費税増税を要請しているのではなく、消費税廃止を促しているのではなかろうか。この地平に立って財政のムダを省き、真に景気浮揚に功のある諸施策を手当てし、もって税収の自然増へと導くべきではないのか。ここに政治家の能力が期待されているのではなかろうか。この点で、菅政治の対応は全く逆走している。こういう政治をやる為に命を賭けるなどと云われると、小泉政治の再来ではないかと危惧するのは、れんだいこだけだろうか。迷惑な意気がりでしかない。

 その他云いたいことは山ほどあるが省略する。結論は、菅がロッキード事件を政治の原点として政界に入り今日に至っていることを勝手であり、愛想上は慶祝するにしても、その政治活動を通して日本が一体良くなったのか良くなりつつあるのか逆なのか、これを説明せねばなるまい。国債と消費税について云えば、これに依拠することなく経済発展を指導した「角栄的なるもの政治」と、これに依拠しつつ経済失速し続け、それどころか日本経済破綻へと指導する「反角栄的なるもの政治」のどちらが望ましいのか説明せねばなるまい。軍配は自明ではなかろうか。

 菅は、小沢の政治履歴上の親角栄性をもって弾劾するネガティブキャンペーンに乗り出しつつあるがエエ加減にするべきではなかろうか。無知と恥の上塗りなのではなかろうか。反角栄プロパガンダには何の根拠もない。むしろデタラメであり、今こそ角栄政治の有能性を検証するべきである。これが云いたかった。菅派が繰り広げ始めている「角栄筋の小沢批判キャンペーン」に対して、それがどしたと反撃しておきたかった。今や長い迷妄から醒める時である。これが本稿の意義である。

 2010.9.2日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評797 れんだいこ 2010/09/02
 【2010.9.14民主党代表選の争点考その3、「菅の西郷論、歴史観」のお粗末考】

 れんだいこは、「小沢起つ」を西南の役の「西郷起つ」になぞらえて賛辞している。興味深いことに、菅が同じく「小沢起つ」を西南の役の「西郷起つ」に例えているようなので確認しておく。サイト「ライジング・サン」の2010.9.2日付けブログ「菅直人とはこういう男である」によれば、菅首相は、公式に出馬声明した9.1日の夜、野田財務相グループの会合に出席し、次のように述べたと云う。「明治維新には西郷隆盛の力が必要だったが、西郷さんはああいう(西南戦争で敗れて自決する)末路をたどった。西南戦争があって、本格的な明治政府ができた」。

 れんだいこは、菅のこの発言は、由々しき悪しき歴史観、処世観を披歴しており、菅の首相職失格を証左して余りあると考える。これをコメントしておく。

 これによれば、「西南戦争があって、本格的な明治政府ができた」として、西郷なき後の明治政府を好評価していることが分かる。れんだいこは、聞き捨てならない歴史観だと思う。今日、幕末ブームであり坂本竜馬の歴史的偉業が見直されつつあるが、西郷隆盛はその坂本竜馬の盟友であり、幕末維新の立役者であった。内戦回避の江戸城無血開城の英断が高く評価されている。明治維新後の奉公もその無私の精神ゆえに未だに慕われている。

 通説では征韓論を唱えていたとして論断されているが、本当の史実では西郷式征韓論は成立しない。西郷は、西欧列強の世界の植民地化に抗する為に日本、朝鮮、中国(当時の清国)との友那的アジア主義を唱え、その説得に出向こうとして権限を与えるよう談判し、これが聞き入れられず、その他その他新政府の政治的手法を廻って幕末維新永続革命派が一斉に下野した。これが、征韓論争の真実である。下野した側にこそ有能な士が見て取れる。

 彼らは各地で「士族の反乱」を起したが、個別分散的な抵抗であった為に鎮圧された。その最期の大戦争となったのが西南の役である。「政府に訊問の筋あり」とのノボリを翻して鹿児島を起った。この反乱は、西欧列強のテコ入れもあり奮戦むなしく鎮圧された。菅の弁によると、こうした履歴を持つ西郷が何の惜しみもなく否定され、用済みとされている。してみれば、彼の歴史観では、坂本竜馬も同様に用済み末路を辿っただけのことになるのではなかろうか。

 菅は、前段で、「明治維新には西郷隆盛の力が必要だったが、西郷さんはああいう(西南戦争で敗れて自決する)末路をたどった」と述べている。あたかも「政権交代には小沢一郎の力が必要だったが、小沢さんはああいう末路をたどった」と言いたげではなかろうか。ここに、菅のゲスな処世観が見て取れないだろうか。人を駒として使い捨てにすることを何ら意に介しない冷利な機会主義者の臭いを嗅ぐことができるのではなかろうか。こうなると政治の信以前の人間的な信の問題になる。

 菅は、9.1日の共同記者会見の席上でも、小沢の首相資質、能力問題を問うた。一言一句は再現できないが、「俺は今現に首相である。お前にその能力が有るのか。『成りたい』のなら能力を実証せよ」と云う意味合いの傲慢な問いかけだったように思う。その後で、予算委員会に座り続ける小沢が想像できないと揶揄していたと記憶する。小沢は苦笑しながら、「私は二十年前に閣僚経験がある。あなたにそういう心配をお掛けするには及ばない」と返答していた。小沢は大人しく述べていたが、「失礼な質し」そのものであった。「暫く蟄居しておれ、それが国家の為にも党の為にも自身の為でもある」に続く尊大非礼な云い方ではなかろうか。

 こうして見ると、菅は、小泉とハーモニーしており、小泉に続く人格的に何か大きな欠陥を持つ権力パラノイアではなかろうか。且つ西郷論、明治維新論に見られるように低俗な歴史観、歴史眼の持主であることが判明した。こういう人格、能力者に日本丸の舵取りを任せては危ない、一刻も早く政界から退場させるべきであるとすべきではなかろうか。

 至らないながらも至ろうとするのならまだしも、先の参院選指揮の如く「あらぬ采配」を平気で振るう御仁であり、その責任を取る意思も能力もない御仁であることが判明している。菅には唯一、愛嬌が有ることで辛うじて許せるが、断じて首相職に就けさせるような人物ではない。現に首相であることは由々しき国家的一大事である。鳩山以下である。こう確認すべきではなかろうか。これが云いたかった。

  2010.9.2日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評798 れんだいこ 2010/09/03
 【民主党代表選の序盤考】

 9.1日の民主党代表選の幕が開くや、早速に菅のネガティブキャンペーンが始まった。それが却って顰蹙を買いつつある。マスコミは、「国民の声を聞け」をうたい文句にして、菅続投をエールしまくって来たが、「ここは一つ小沢にやらせた方が却ってすっきりする」と云う最新の国民の声を報ずることができるのだろうか。公正報道を旨とするマスコミメディアの報道責任が問われるが、今度はどういう詭弁に転じるのだろう。

 ところで、朝日新聞の例の社説士の口は塞がっただろうか。依然として空いたままだろうかと考えると可笑しい。そろそろテレビに出てきて、書いたのは私だが「それが何か」と、とぼけた顔を見せるべきだろう。れんだいこは、今現在の口のあき具合を見たいと思う。まだ「開いた口がふさがらない」のかどうか確かめたい。

 それはともかく、民主党代表選のお陰で、菅が西郷隆盛を嘲笑し、その後の明治政府を高く評価すると云う歴史観を持っていることが分かった。西郷、大久保亡きあとの政府を指導した伊藤博文派以来の政治を是認していることになるが、こういう観点でどうやって官僚制批判ができるのだろう。れんだいこには解せない。菅の西郷論、明治維新論をもっと聞いてみたい気がする。菅は、政権取るまでは官僚批判で飯を食い、政権取った今は官僚のイエスマンぶりを発揮している。どちらの菅が本当の菅なのだろう。いずれにせよ菅が予想以上に右派系思考の持主であることが判明した。社民連系市民運動上がり故に多少左派的な面が有るかと思ってきたが、トンだ期待外れだった。

 そう云えば、菅の出自である岡山民主党系の江田が菅派の選対本部長を務め、子飼いの津村と柚木がサブで走り回っている。岡山民主党系では姫井だけが反旗を翻し小沢派に陣取っているようである。それもその筈で、津村はゴリゴリの改憲派であり、江田、菅はいつの間にか改憲派に転じている。姫井は護憲派である。護憲派が小沢を押し、改憲派が菅を押していることになる。これが、江田―菅の現在的な政治的位置である。イメージとは随分違うことになる。

 マスコミは、新世論に棹さすように、小沢の失言を引き出そうとあの手この手で挑んでいる。今や映像社会なので誰が何を云ったのか、言葉だけでなく当人の顔ごと我々の記憶に焼きつけられることになる。この際、しっかり確認しておこう。してみれば国際金融資本の御用聞き稼業も楽ではない時代になりつつあると云うことか。とはいえ、この連中は今までウマ飯を食わせてもらっているので、今更ヤメタができないのだろう。そういう訳で、哀れな立ち回りを見せられるばかりとなる。

 日本記者クラブ主催の民主党代表候補公開討論会で、小沢候補に「政治とカネ」でいちゃもんをつけていた4人組が明らかになった。「悪徳ペンタゴン4人衆」と規定すべきか「国際金融資本4人組」と云うべきかの詮議は別にして、これを確認する。1・原田亮介(日本経済新聞編集局次長。ワシントン帰り)、2・倉重篤郎(毎日新聞論説副委員長)、3・橋本五郎(読売新聞論説委員、渡邉恒雄の腹心)、4・星浩(朝日新聞編集委員、ワシントン帰り)とのことである。

 この4人組は、「野中証言」によって暴露された内閣機密費貰いの「言論とカネ問題」に頬かむりしたまま何食わぬ顔をして「政治とカネ問題」を追及していることになる。それができる厚顔の持主であることを晒している。しかしながら、せっかくの追及も小沢候補に見事に肩すかしを食わされたのがお笑いである。れんだいこは、こういう手あいが年収ン千万円を取り、ぬくぬくしている世の中を変えねばならぬと思う。分不相応の高給が売文売弁不善を為す原因と思わるので、次回の給与から世の為人の為になるようカンパするよう要請する。どうせ馬の耳に念仏だろうが。 

 菅派が、今後も政治を論ぜず一つ覚えの「政治とカネ問題」を繰り出すなら、そろそろ誰かが質問せねばならない。「菅さん、あなたが小沢候補がされたような捜査を東京地検特捜部から受けた場合、不起訴を勝ち取る自信が有りますか。あなたの政治資金収支報告書を見せてください」。菅はお口をどう廻すのだろうか。まさか領収書の要らない企業、団体から闇献金を受けていながら何食わぬ顔しているのではあるまいな。こう問えば、菅派は総崩れになるのではなかろうか。それを思えば卑怯な追及派でしかない。

 さて、選挙戦は後10日ばかりとなる。論戦はますます小沢有利に推移すると見るが、アンダーグラウンドでは何が起きているのか分からない。今は拮抗しているようなので大丈夫だが、形勢不利となるや国際金融資本派は何をしでかすか分からない。次にどういう技に転じるのだろう。この辺りが見どころになりつつある。

 2010.9.3日 れんだいこ拝

【小沢一郎の民主党代表選公約考】

【民主党代表選公開遊説】

 民主党代表選公開遊説が9.4日(土)から東京・大阪・北海道で開催され、菅直人首相と小沢一郎前幹事長が演説する予定となっている。
 東京地区は9月4日(土)13:00 〜新宿駅西口街頭にて
 大阪地区は9月5日(日)15:00 〜大阪梅田駅街頭にて
 北海道地区は9月9日(木)15:00 〜札幌大通駅街頭にて


 「阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK93」の韃靼人氏の2010.9.4日付け投稿公訴棄却 「首相を起訴することは可能か?~憲法75条の解釈を巡って」(Because It's There)へのコメント」を転載しておく。

 http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-2104.html#comment3678
 Because It's There

 首相を起訴することは可能か?~憲法75条の解釈を巡って
 2010/08/29 [Sun] 19:06:03

 小沢一郎氏が民主党代表選に立候補することを表明し、しかも小沢氏が代表となるだけの支持が集まっている反面、検察審査会の議決次第では強制起訴される可能性があります。そこで、新聞各社が、「現職の首相は起訴される可能性があるのか」という問題について、記事にしています。

 (中略)

 「小沢氏が首相になった場合、憲法上は起訴困難か

 憲法75条は、国務大臣在任中は首相の同意がないと起訴されないとしているだけで、その間は時効の進行が止まり、辞職後に起訴が可能になると理解されている。このため、検察審査会が起訴議決した場合は、大臣退任後、裁判所が指定した弁護士が、議決に基づき起訴すると考えられる。」((2010年8月26 日17時41分 読売新聞))

 (1) この公訴時効の問題について、宮沢=芦部補訂「全訂日本国憲法」(日本評論社、1978年)589・590頁を引用しておきます。

 「〔2〕 「その在任中」とは、本条でみとめられる国務大臣の特典が、その国務大臣の地位にある期間のみ存在し、国務大臣の地位を退くとともに当然に消滅することを意味する。

 〔5〕 「訴追の権利は、害されない」とは、本条でみとめられた特典は、国務大臣の地位に伴い、その在任中にのみ、存するのであり、国務大臣の地位を去った者に対しては、まったくみとめられず、しかも本条の特典がみとめられることによって、国家が犯罪を犯した人に対して有する訴追の権利そのものは、なんら影響を受けないことを意味する。

 本条の特典によって、訴追の権利がなんら影響を受けないことは、主として、その犯罪に関する公訴の時効期間が本条の特典によって影響を受けないこと、すなわち、その時効は、その罪を犯した人が国務大臣の任にある期間は、その進行を停止することにおいてあらわれる。

 しかし、このことは、かならずしも、国務大臣への就任とともに、その時効が進行を停止するという意味ではない。国務大臣就任後も時効は進行するが、その者についての訴追について必要な内閣総理大臣の同意が拒否されたときにはじめて、その進行を停止するのである。けだし、その同意の拒否によって、その事件に関して公訴を提起することが不可能な状態が確定するからである。その状態は、その国務大臣の退職によって、消滅し、そのときからまた時効は、その進行をはじめる。

 本条但書の趣旨は、要するに、その事件につき公訴提起が不可能な状態のあいだだけ、時効が進行を停止する、というにあり、国務大臣在任中でも、内閣総理大臣による同意が拒否されるまでのあいだは、国務大臣に対する公訴提起は不可能ときまった状態ではないから、時効は進行すると見るべきである。」


 (2) 公訴時効に関するポイントは、「国務大臣への就任とともに、その時効が進行を停止するという意味ではない。国務大臣就任後も時効は進行するが、その者についての訴追について必要な内閣総理大臣の同意が拒否されたときにはじめて、その進行を停止する」ということです。

 したがって、毎日新聞は、首相や国務大臣は「在任中は時効停止」するとしていますが、その記述は間違いなのです。もし、裁判所が指定した弁護士が、報道記事を読んで「在任中は時効は停止する」と勘違いして、在任中起訴の手続に入らなかった場合には、公訴時効は進行してしまい、後で公訴しても公訴は無効で終わることになります。おバカな弁護士も多いですから、そうした事態もあり得るのでしょう。

 なお、民主党の渡部恒三元衆院副議長は8月21日、テレビ東京番組に出演し、9月の党代表選で小沢一郎前幹事長の擁立論が党内で強まっていることについて「首相になると検察は小沢氏を起訴できなくなる」として、「「小沢氏出馬は起訴封じ」であるといった発言をしています(産経新聞:2010.8.21 12:56)。

 しかし、訴追できないのは「在任中」に限るのです。「その在任中」とは、本条でみとめられる国務大臣の特典が、その国務大臣の地位にある期間のみ存在し、国務大臣の地位を退くとともに当然に消滅することを意味するのですから、首相や国務大臣がその地位を失えば、訴追できるのです。ですから、「起訴封じ」のための出馬のようにいう渡部恒三元衆院副議長の発言は、明文上、間違っています。憲法75条の明文はともかく、渡部恒三元衆院副議長は、憲法75条の趣旨を本当に分かってうえで発言しているのでしょうか。(渡部恒三元衆院副議長の発言は、支離滅裂なことが多く、まるで痴呆症の症状がでている患者のようで見ていて悲しくなります。)

 6.最後に。「郷原信郎さんのTwitter」を一部引用しておきます。

 「今日午前10時から放映のBS朝日「激論!クロスファイア」(昨日収録)の中でも言っているように、小沢氏代表選出馬問題と検審問題とは関連づけるべきではない。私は小沢支持者ではないし、政倫審等での説明を行うことなく代表選に出馬することには反対だが、検審議決問題とは全く別問題だ(続く)
 8:36 AM Aug 21st webから

 (続き)陸山会不動産取得問題で第5検審が再度の「起訴相当」の議決を出す可能性は低いと思うが、仮に、それが出たとしても、「検察限りで終わらせるのではなく公開の法廷で決着すべき」という検審の判断に過ぎず、検察が「有罪の見通し」に基づいて起訴したのとは意味が異なる(続く)
 9:05 AM Aug 21st webから

( 続き)従来も、検審の起訴相当、不起訴不当議決を受けて検察が不起訴処分を覆して起訴した事例の有罪率は極めて低い。「推定無罪の原則」は有罪率99%を超える検察の起訴については事実上機能していないが、検審の「強制起訴」については絶対に守られなければならない。(続く)
9:06 AM Aug 21st webから

 (続き)もし、検審で1回「起訴相当」の判断が出されたというだけで、その後検察が再度不起訴にしているのに、再度の「起訴相当」議決の可能性だけで、その被疑者は総理大臣になる資格がないとすると、11人の審査員の判断が、総理大臣のについての拒否権を持つことになる。(続く)
 9:07 AM Aug 21st webから

 (続き)それは、議会制民主主義を否定するだけでなく、検察審査会制度そのものを歪めることになりかねない。小沢氏が総理大臣をめざして代表選に出馬することの是非という政治的な問題と検察審査会の議決という司法の領域の問題とは切り離して考えるべきだ。
 9:11 AM Aug 21st webから

 昨日は明石での講演の後、新幹線で福岡に来て宿泊、今朝は陸路鹿児島に向かう。一昨日の浜松講演以降「ドサ回り旅芸人」のようなスケジュールが続く。その合間に「小沢氏の代表選出馬問題と検察審査会の議決を関連づけてはならない」と述べた連続ツイートに多くのフォロワーが注目してくれた(続く)。
 8:30 AM Aug 23rd webから

 (続き)こういう反応を見て、この国の社会にもまだ最低限の健全性が残っていることを感じる。私は、小沢氏の擁護者ではないし、小沢氏が現時点で首相をめざすことを支持するわけではない。しかし、そのこと是非については、堂々と政策論で臨むべきだ。(続く)
 8:42 AM Aug 23rd webから

 (続き)それを「検察審査会の議決の可能性」という議会制民主主義を否定する暴論で封じようとする一部の閣僚など民主党幹部の発言には、ただただ呆れるばかりだ。検察審査会が何を目的にしていて、どのように位置づけられるべき存在なのか、よく勉強してから発言してもらいたい(続く)
 8:45 AM Aug 23rd webから

 (続き)私も小沢氏の政策を支持してはいない。だからこそ、反小沢の人達に、検審議決などの反則技を持ちだすのではなく、小沢氏の政策のどこが問題で、なぜ首相にしてはならないのかを堂々と議論してほしい。政治家として日本の民主主義の歴史に対して恥ずかしくない発言をしてもらいたい
 8:48 AM Aug 23rd webから 」

 根本的に疑問を感じるのは、郷原信郎教授が述べるように、「検察審査会の議決の可能性」を持ち出すことによって、立候補の自由の阻止を図ったり、政策によって選択することから目を背けさせ、政党政治や議会制民主主義を否定しまう点です。私たちは、戦前に起きた「帝人事件」を反省して、破滅の道を歩むことを阻止するよう、憲法に種々の規定を設けた意義を忘れてしまったのでしょうか。

 憲法75条の解釈について色々と触れてきましたが、そうした解釈を知らなくても、現職の首相は起訴される可能性があるのか否かは、さほど難しい問題ではありません。というのは、行政権は内閣に属すると定め(憲法65条)、憲法上、国民主権を採用し、国民が政治問題について内閣に委ねるとした以上は、政治問題はあくまで国民が判断する問題であって、検察権によって政治が左右されるべきではないからです。誰もが分かり切った事柄であるはずです。

 言い換えれば、政治問題は、あくまで国民が選挙を通じて判断する問題であって、検察権によって政治が左右されたり、検察権といった国家権力などを使って国会議員の追い落としを図るべきではない――。 選挙によって、自民党から民主党を中心とした政権に交代できた以上、検察による浄化を念頭においた自民党政権時代の意識は捨て去るべきなのです。

 日本の政治状況が変わったことが分からず、自民党政権時代の政治記事であるかのような報道を繰り返す報道機関や、自民党政権時代の野党意識が抜けない政治家(民主党の前原氏、仙谷氏、枝野氏、岡田氏、野田氏)に影響されてはいけません。私たち市民は、いまの政治状況にあった判断を行い、決定するべきなのです。

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この記事へのコメント
ウルトラC
当人が起訴に同意するといったウルトラCがあるそうだ。裁判があるからといって、この件で国会で答弁しなくても済むだろうしね。まあ、それを言ったら、刑事訴追の虞があるからといって、拒否もできるか。
2010/08/30 Mon 09:54:10
URL | YO!! #-[ 編集 ]
>YO!! さん:2010/08/30 Mon 09:54:10
お久しぶりです。
コメントを幾つか頂いていますが、ともかく一つだけお答えします。


>当人が起訴に同意するといったウルトラCがあるそうだ

それはありません。
首相の場合は、同意の有無を問わず、当然、訴追できないとするのが通説です。憲法75条の趣旨、憲法75条の論理解釈、国民主権からして、その通説は揺ぎ無いものといえます。

憲法75条は、条文の位置づけからして人権規定ではないので、個人が、憲法75条の特典を放棄するというわけにもいきません。ですので、首相が「特典」放棄に同意しても無効ということになるでしょう。

ですから、仮に何らかの形で同意を得たとしても、憲法75条に反して違憲ですから、たとえ起訴されてもその公訴は無効であるとして、公訴棄却(刑訴法338条)となります。


同意を得るような事態にならないのは、首相だけでなく、実は、国務大臣の場合も同様です。

国務大臣が訴追される場合も、75条に関して、総理の同意などを含む法律上の訴追手続はありません。それは、憲法75条の趣旨は、訴追による内閣の職務執行への干渉を排除するものであり、その趣旨に沿った対応といえます。

また、検察による訴追の場合ですが、現行法上、法務大臣が検事総長に対する指揮権を発動することで(検察庁法14条)で、同意を得るような事態には至らないようにしています(宮沢「全訂日本国憲法」590頁、野中ほか「憲法Ⅱ」181頁)。
(検察以外の訴追の場合には、より憲法75条の存在理由が大きいというのは、エントリーで書いた通りです。)

戦前の明治憲法には、日本国憲法75条のような規定はなく、だからこそ「帝人事件」のようなことが起きて、それを防ぐことはできませんでした。でっち上げの贈収賄事件で大臣を逮捕起訴→検察リーク報道→煽られた世論による内閣批判→内閣総辞職→戦争の道へとたどったことはよく知られた事実です。75条はそうした反省を踏まえた規定ですね。

ようするに、大臣や首相を起訴するようなことはあってはならないし、法律上、阻止する規定(検察庁法14条)もあるので、実際上、起訴できない仕組みになっているのです。ですから、「75条は閣僚の訴追を事実上、閉ざす規定」(郷原氏の発言「東京新聞平成22年8月27日付朝刊「こちら特報部」)なのです。

東京新聞以外の報道機関は、憲法75条の文言だけを見て、75条の趣旨や法制度全体をよく考えることなく、勝手な法解釈をするから、間違えるんですよね。マスコミは、間違いを流布するのは止めてほしいものです。YO!! さんも、マスコミ報道を鵜呑みにして「ウルトラC」があるなんて吹聴しない方がいいと思います。

それにしても、YO!! さんは相変わらずですね(苦笑)。
このエントリーは、首相は当然に訴追できないという点を、特に強調して書いているのですが、YO!! さんは、理解できなかったのですから。

振り返ると、YO!! さんはエントリー内容が理解できないコメントが多く、今回も同様です。もしかしたら、YO!! さんはアルツハイマーではないですか? 病院で一刻も早く検査した方がいいと思います。早く検査して薬を処方してもらえれば、幾分改善しますし、進行も止まることがあります。
2010/09/01 Wed 19:11:48
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
はあ?
>首相は当然に訴追できないという点を、特に強調して書いているのですが

だからウルトラCなんですよ。
2010/09/02 Thu 09:38:44
URL | YO!! #-[ 編集 ]
筆者様、本日始めてこちらの記事を拝見いたしました。民主党代表選挙と検察審査会を結び付けるべきではない、という趣旨には賛同します。

---引用開始

産経新聞 9月2日(木)11時28分配信

 民主党代表選で小沢一郎前幹事長を支持する海江田万里衆院財務金融委員長は2日のTBS番組で、小沢氏の政治資金問題で検察審査会が「起訴相当」と議決した場合、訴追に応じる意向を小沢氏が表明する方向で検討していることを明らかにした。海江田氏は同番組で、「(事前に)訴追に応じると言った方がいいとの声は、小沢陣営の中にもある」と語った。

---引用終わり

お伺いしたいのですが、これは小沢氏においても憲法解釈が間違っている(少なくとも宮沢解釈にたっていない)ということになるのでしょうか?もちろん、「在任中に」訴追があり、それに応じる、とまでは言っていないわけですが。。その点に興味があります。

僭越ながら質問させていただきます。
2010/09/02 Thu 15:04:36
URL | foolish #-[ 編集 ]
>YO!! さん:2010/09/02 Thu 09:38:44
コメントありがとうございます。
また頑張ってコメントされているのですね。


>>首相は当然に訴追できないという点を、特に強調して書いているのですが
>だからウルトラCなんですよ。

ウルトラCは、難度が高いというだけで、「できない=不可能」という意味ではありません。ですので、YO!! さんは言葉の意味が間違っています。

ウルトラ-シー (三省堂「大辞林 第二版」より)
〔和 ultra C〕
(1)体操競技で、かつての最高の難度 C よりもさらに難しい技。現在の最高難度は D 。
→難易度
(2)離れ技。

また、YO!! さん自身、「当人が起訴に同意するといったウルトラCがあるそうだ。裁判があるからといって、この件で国会で答弁しなくても済むだろうしね。」と答えていますよね。「裁判がある」と書いてますよね。これは、起訴して裁判が適法に進行することが前提ですよね? 不適法で公訴棄却という形式裁判で打ち切りになるのなら「裁判がある」と書くわけにはいきませんよね? ですので、矛盾したコメントになっています。

このように、YO!! さんのコメントは、<1>ウルトラCという意味を間違えている、<2>最初のコメントは、「首相は訴追できる」という意味になっているのに、今回のコメントは、「首相は当然に訴追できない」という意味だと変えてしまい、矛盾したコメントになっています。

アルツハイマーになると、言葉の意味が分からなくなり、平気で矛盾したことを言い出し、それでも当人には分からないのです。アルツハイマー患者と接するようになって、YO!! さんの発言がまさにそうだったと、初めて分かりました。

YO!! さんの周りの方もかなり、YO!! さんの言動に対して精神的な負担になっているはずです。周りの方のためにも、ぜひ病院へ行くべきです。ぜひ頑張って下さい!
2010/09/03 Fri 23:34:58
URL | 春霞 #ExKs7N9I[ 編集 ]
>foolishさん:2010/09/02 Thu 15:04:36
はじめまして。コメントありがとうございます。


>民主党代表選挙と検察審査会を結び付けるべきではない、という趣旨には賛同します。

ありがとうございます。

「民主党代表選挙と検察審査会を結び付けるべきではない」という結論に至る理由は、色々考えることができます。例えば、「総理大臣を選ぶのは、国会であり、その後ろにいる多数の有権者や政党の支持者であるというのが議会制民主主義の仕組みになっているのに、11人の市民が左右させるのは、反民主主義的」とか、「代表選という政治的な問題と検察審査会の議決という司法の領域の問題とは切り離すべきで、司法の問題で政治問題を左右させるのは、民主主義に反する」とか……。

そもそも、2度目の検察審査会の判断が出ていないにもかかわらず(別の告発による検察審査会の事件では、もはや強制起訴はできない)、強制起訴を期待するような言動を行い、強制起訴を前提として、立候補の自由を奪い、政治的な責任を問うのは、犯人と同様に社会的地位を失墜させるもので、無罪推定の原則を潜脱するものであって、妥当ではありません。

裁判員裁判が実施される前に、最高裁事務局から、「犯人視報道は控えろ」とねじ込まれて、「逮捕・起訴されても犯人視報道はしない」との指針を出しています。それなのに、マスコミは、たびたびその「指針」を破るのですから、呆れてしまいます。「約束」を守らないマスコミには、ますます、裁判所は厳しい判断をする結果(名誉棄損の高額化など)になるでしょうが。


>小沢氏の政治資金問題で検察審査会が「起訴相当」と議決した場合、訴追に応じる意向を小沢氏が表明する方向で検討
>海江田氏は同番組で、「(事前に)訴追に応じると言った方がいいとの声は、小沢陣営の中にもある
>これは小沢氏においても憲法解釈が間違っている(少なくとも宮沢解釈にたっていない)ということになるのでしょうか?

マスコミは、首相が同意すれば首相を訴追できるとする説という少数説に立って、盛んに「同意するのか」を迫っているわけです。対応として、「その立場は間違っている」と憲法解釈を説く方法もあるでしょう。小沢氏も、マスコミに対してよくやっています。ここのブログは、その方法を採っているわけです。

しかし、少数説に立つマスコミを「間違っている」などと非難すると、マスコミが悪意に満ちた記事を書き、世論の反発を煽りたてるおそれがあります。ですから、「同意する、逃げない」と言った方が、憲法解釈はともかく、政治的な姿勢として、マスコミや国民に対して「受け」がいいということでしょう。

「『同意』したとしても、憲法論上、違憲となるから、裁判所が憲法75条により起訴は違憲と判断して公訴棄却という、実質的な審理をすることなく裁判打ち切りになる」はず――と、そこまで深く考えての判断かは分かりません。

もちろん、小沢氏は、司法試験に合格するべく勉強をし、憲法論を交えた演説をしたりしてます。ですので、小沢氏が、憲法75条の憲法解釈を知らないはずがないでしょう。ですので、「小沢氏においても憲法解釈が間違っている」わけでなく、宮沢説(通説)の結論を想定してはいるでしょうが。


>「在任中に」訴追があり、それに応じる、とまでは言っていないわけですが

「応じる」とはっきり言っていないことは確かですが、事実上は、「応じる」と言っているのと変わりません。

ただ、「応じた」後、どうなるかは実に不確定です。

憲法75条の同意を含めた訴追手続は定めていませんので、「同意」があっても、実際上、適法な訴追にする条件が整うのか分かりません。検察審査会が起訴議決した場合は、検察官ではなく、裁判所が指定した弁護士が、議決に基づき起訴するので、法務省側は誰も協力しませんし。(東京新聞を除く)マスコミは分かっているのでしょうか。

それに、弁護士に東京地検特捜部が持っている証拠を渡すのは、死ぬほど嫌なようです。ですので、今度は、事務局側は、検察審査会の結論として起訴議決にはさせないでしょう。

たとえ、起訴したとしても、裁判所が憲法75条上、違憲と判断して公訴棄却という、実質的な審理をすることなく裁判打ち切りになりかねません。それを回避するため、指定弁護士は、憲法論も準備しなければなりませんが、エントリーで書いたように、説得的な説明を展開できるのか疑問です。
2010/09/03 Fri 23:42:10

01. 2010年9月04日 04:57:50: A13TtQ2Nsg

検察審査会の議決?
自民党政権末期に最後の手段として野党になった時の手段に使おうと
検察審査会法を改正したのだ。
まだ湯気が立っている。平成21年5月21日の法改悪によって
変えた真意は?

たった11人の適当な市民(実際には公正に選ばれるか分からない)が、民主主義で選ばれた結果を左右させるのはクーデターに等しい。


阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK93」の判官びいき氏の2010.9.4日付け投稿「弁護士の仮面を被った政界の吸血ユダ仙谷由人が、小沢一郎を内閣不信任で追い出すと恫喝。(憂き世の日々に埋もれて)」を転載する。

http://onsen-kabumasa.cocolog-nifty.com/okirakunikki/2010/09/nhk-1a1e.html

 時事通信の記事だが・・・・・
 ◆◆◆◆「小沢内閣」不信任に言及=訴追後も在職の場合−仙谷長官
 仙谷由人官房長官は3日午後の記者会見で、民主党の小沢一郎前幹事長が首相に就任し、検察審査会の議決により強制起訴された場合、小沢氏が無罪を主張して首相の職にとどまっても、衆院で過半数を占める民主党などの賛成で内閣不信任決議案が可決される可能性に言及した。仙谷氏は弁護士出身。民主党代表選では菅直人首相を支持している。仮定のケースについて法律の専門家の立場から発言したとみられる。

 小沢氏は3日、起訴された場合の対応について「堂々と受けて潔白を主張したい」と、訴追に同意する考えを表明した。これに関し、「法廷闘争と首相の職務は両立できるか」との質問に対し、仙谷氏は、朝日新聞の記事に引用された憲法学者の論文が「衆院はいつでも不信任決議によって内閣を倒すことができる」と指摘していることに触れ、「そこに記載されていることに尽きる」と強調した。不信任案が可決されれば、首相は衆院を解散するか、内閣総辞職しなければならない。

 論文は、故宮沢俊義東大教授の著書「全訂 日本国憲法」の一節。それによると、国務大臣は在任中、首相の同意がなければ訴追されないとした憲法75条に関し、衆院は内閣不信任の権限を持っていることを理由に「大きな弊害も考えられない」としている。 (2010/09/03-19:26)◆◆◆◆◆◆◆

 ついに民主党内のトロイの木馬というか裏切りユダそのもの本質をさらけ出して来たようだ。テメエ絡みのカネ問題には一切スルーするが、検察が大量の時間と税金を投入して大捜査してもシロだった案件を、暴力団まがいの実体も定かでない連中が検察の小沢冤罪に陥れの意向を挺して審査会に告発した胡散臭さが腐臭のごとくに漂う今回の検察審査会をまるで正義のごとくに扱うこの弁護士という衣を着た政界の吸血鬼は人権感覚も人間性も皆無のようで、こんなゴロツキゴキブリがアホカン首相を支持して権力私物化しているのが現菅政権の実体のようだ。

 しかし、この仙谷ってゴロツキの心根はまるでどこかのヒロシの独り言あたりのネットウヨなみの下劣な奴だな。そして、「カネと数の政治」とアホ極まる発言をして、民主主義と政治の本質をまるで理解していない低能を露呈したカン首相をアホな軽い神輿として軽蔑の内心でニタニタ笑いで担いでいるのがゴロツキゴキブリ仙谷ってことが良く分かる発言だ。

 NHKに生出演の小沢に「政治とカネ」質問する馬鹿キャスター
 午後9時のNHKのニュースの冒頭に小沢一郎が生出演していた。そこで、この従米隷属の内面を羊の面で隠す男性キャスターが、予想通りに「政治とカネ」の説明が足りないとかアホ質問をして、小沢を貶そうと必死で、「小沢サンは丁寧な説明が必要では」とまるでキチガイ発言をしている。小沢一郎ほど完全オープンな会見で丁寧極まる説明をしている政治家はいないではないか。この男性キャスターはこれまでどこを見て取材して来たんだよ。お前はメクラ痴呆症か。

 3日のツイート
自民どうでもいい党の目付きのキモイ石破が3日小沢一郎が検察審査会のあり方に批判的見解を示したことに「政治家の姿勢としていかなるものか」と疑問だとさ。この馬鹿、検察審査会の本来の意義がまったく理解できていないようだ。この手のものに政治が壟断される怖さがこの馬鹿には想像できないようだ
posted at 21:02:32

 産經新聞のアビルコビルメタボ偏向記者が、テメエのブログ で産経のゴロツキ記事を批判する読者を「何をどう考えようと自由です」と開き直りながら、「当然のことながら私にも見方も意見もあれば、それを述べる権利もある」と下劣ゲスな小沢誹謗中傷正当化
posted at 14:07:28

 テメエのカネ問題もあるしね。卑劣なギスギス女だ。 蓮舫が「政治とカネの議論は終わりにしよう」とほざいている。自分の親分である仙谷が不正事務所費計上を暴露されたものだから発言しているのは哀れ。小沢氏のは真っ白・仙谷のは真っ黒。
posted at 13:23:53

 昨日の民主党代表選討論会でカンが「カネと数の政治」と小沢一郎を揶揄するアホ発言をしたが、その言葉をそのまま副見出しにしてマスゴミ界の究極のゴミタメ産經新聞が今日の社説で「訴追されうる首相疑問」と検察審査会の告発者などの胡散臭さもスルーしていつもながらの小沢一郎誹謗中傷にアジェンダ
posted at 13:21:47

 カルト党は反吐が出るほど大嫌いなクソ集団だが、マスゴミにとっては金づるでもありタブー集団。そこで小沢が首相になったらカルト党を政権に取り込むのもマスゴミ対策のひとつの手段かな。カルトタブーと小沢恐怖症でマスゴミは少しはまともな報道をするようになるかもな。毒を以て毒を制すもいいかも
posted at 13:15:37
k appamanさんのブログで朝日の3日付け腐れヘドロ社説知る。朝日は完全に知能崩壊だ。 QT @kappaman 明け方に朝日新聞の社説を見たら、またまた腹が立ったのでブログを更新しました。これからしばらく寝ます。「民主党代表選 ~ ウソとデタラメの頂点に達した朝日新聞社説」posted at 11:26:30

 朝日新聞の社説は今や産經新聞と同類のマスゴミ界の腐れヘドロ的論説なんで見るだけで吐き気なんだが、その3日付けの社説が昨日の民主党代表選討論会を取り上げ、知能崩壊状態だ。kappamanさんがブログ で小沢恐怖にションベンチビル朝日社説掲載


 「阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK93」のtk氏の2010.9.4日付け投稿「在沖米海兵隊 広がる不要論 下院の重鎮「冷戦の遺物」2010年7月16日(琉球新報+WSJ)」を転載する。

 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-165027-storytopic-3.html

 在沖米海兵隊 広がる不要論 下院の重鎮「冷戦の遺物」2010年7月16日 [3 users]
 2010年7月16日 [3 users]

 在沖米海兵隊の不要論が最近、米国内で急速にわき上がっている。米民主党の重鎮で、政府に影響力を持つバーニー・フランク下院歳出委員長が「米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物であり、時代遅れだ。沖縄に海兵隊がいる必要はない」と公に訴えたことがきっかけだ。同氏らの意見が反響を呼び、メディアも大々的に取り上げている。背景にあるのは深刻な財政赤字。リーマン・ショック以降、不況で生活に苦しむ国民の不満が、膨大な軍事費に向き始めている。米軍の戦略見直しと財政再建の必要性が合わさり、海外駐留米軍の撤退を求める声は拡大する様相を見せている。

 ことの発端は今月6日。与党フランク氏と野党ロン・ポール氏の両下院議員が、米国の有力サイト「ハフィントン・ポスト」に寄せた論文だ。「なぜわれわれは軍事費を削減しなければならないのか」と題し、2010年度の軍事費6930億ドル(約61兆円)は歳出全体の42%にも上り、経済活動や国民生活を圧迫していると説明。米国が超大国として他国に関与することが、逆に反米感情を生み出している側面も指摘した。

 結論として「財政再建と雇用創出が国の最優先事項だ。度を越した軍事費問題に取り組まなければならない」と強調した。

 この記事が大きな反響を呼んだ。8日に大手テレビMSNBCやCNNニュースはフランク氏らを招き、論点を取り上げた。10日は米公共ラジオ局も取り上げ、フランク氏は「1万5千人の在沖海兵隊が中国に上陸し、何百万もの中国軍と戦うなんて誰も思っていない。彼らは65年前に終わった戦争の遺物だ。沖縄に海兵隊は要らない。超党派で協力し、この議論を提示していきたい」と訴えた。

 12日のウォールストリート・ジャーナルは「普天間飛行場の県外・国外移設を望む沖縄に、強力な助っ人が現れた」とし、今後この動きが加速する可能性に触れた。

 国会議員を15期30年務め、政治手腕に評価の高いフランク氏の発言には、綿密な裏付けがある。自らが主導し超党派で立ち上げた軍事特別委員会が、6月に発表した報告書だ。軍事専門家らを交えて軍事費を細かく精査した結果、欧州やアジアの駐留軍の縮小、オスプレイなど軍用機調達の停止・延期などによって、10年で1兆ドル(約88兆円)が削減できるとの試算を出した。

 ワシントン・ポスト紙は、この報告書を踏まえた記事を掲載し、「米国は世界の警察として、アフガニスタンやイラクだけでも1兆ドルを費やしてきたが、世界の中の役割について再考が必要だ。われわれはそろそろ正直に、そして公に議論すべき時期にきているのではないか」と、海外駐留米軍の役割について国民的議論を呼び掛けた。
 (与那嶺路代ワシントン特派員)

Rep. Barney Frank: Why We Must Reduce Military Spending(The Huffington Post)

フランク米下院議員、沖縄の米海兵隊の撤退を主張 - Japan Real Time - WSJ(The Wall Street Journal日本版、原文へのリンクも)

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 http://jp.wsj.com/japanrealtime/2010/07/12/フランク米下院議員、沖縄の米海兵隊の撤退を主/

 普天間基地の県外・国外移設を望む沖縄の人々にとって強力な助っ人が新たに現れた。米民主党のベテラン議員、バーニー・フランク下院議員だ。

 Bloomberg News
 米民主党のバーニー・フランク下院議員

 名前のごとく歯に衣着せぬ発言で有名なフランク議員は、米議会の中でも発言が最も注目される政治家の1人だが、先週のトークショーで普天間基地問題について物議を醸す発言をした。フランク議員は7月8日のMSNBCの番組“モーニング・ジョー”で「私が(海兵隊が駐留する普天間基地について)話をした人のほとんどが、アメリカの海兵隊はジョン・ウェインが亡くなったころに沖縄から撤退していたと思っていたみたいだ」と往年のハリウッドスターの名前を交えながら語り、「海兵隊がいまだに沖縄にいる意味が私にはよく分からないね」と話した。

 フランク議員はさらに「確かに私も沖縄周辺で台湾と対峙している中国を野放しにしたくはないが、1万5000人もいる沖縄の米海兵隊が今後、中国本土に上陸して、中国軍と戦うことになるとは思えないね。他に空軍も海軍もあるだろう」と発言を続けた。

 マサチューセッツ州選出のリベラル派の民主党員であるフランク議員が、テキサス州選出の共和党のロン・ポール下院議員と共同で、防衛費の削減、特に海外駐留の支出の大幅削減を主張する論文を7月6日に発表すると、メディアで大々的に取り上げられ、このところ同議員に対して取材が相次いでいる。この論文自体は沖縄の米軍問題について言及しているわけではないが、フランク議員はメディアの取材で、第2次世界大戦の遺産で21世紀には意味のないものとなっている無駄な支出の象徴として沖縄の米軍基地についてたびたび言及している。

 フランク議員は7月10日、米ナショナル・パブリック・ラジオの取材に対して「沖縄に1万5000人もの海兵隊は必要ない。沖縄に駐留する海兵隊は65年前に終わった戦争の遺物に過ぎない」と述べた。

 こうした意見に対しては海兵隊のみならず、異を唱えるアメリカの政治家は多い。米太平洋海兵隊司令官のキース・J・ストルダー中将は2月、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対して、沖縄における米海兵隊のプレゼンスは、米軍のアジア展開において不可欠な要素であり、広範囲にわたる同地域に持続的な安定をもたらしていると説明し、「短期的に普天間基地が撤退されることになれば、日本に非常に深刻な影響をもたらすことがこの地域で起こる可能性がある」と語った。

 フランク議員が沖縄の米軍基地問題について今後どの程度関与するのかは不透明だ。フランク議員の民主党内での影響力は大きいが、同議員が影響力をもつのは、主として自身が委員長を務めている米下院金融委員会であり、軍事政策ではない。しかし、景気後退に対する不安の高まりを受けて歳出削減への圧力が強まっている現状において、沖縄の政治家も米軍基地の駐留を望んでいないと明言していることもあり、フランク議員の意見によってこうした動きが加速する可能性がある。

 フランク議員はMSNBCのニュースキャスター、キース・オルバーマン氏に対して「沖縄の海兵隊を活用できる機会はない」と主張した。
記者: Jacob M. Schlesinger

 英語原文はこちら≫  


Re::れんだいこのカンテラ時評799 れんだいこ 2010/09/04
 【朝日社説士の懲りない説教考】

 9.4日付け朝日新聞社説「小沢氏とカネ―仮に訴追を受けたなら…」が又もや珍奇な説教を繰り返している。「開いた口がふさがらない」社説士の手になるものと思われるが、名前入りでないので同一人物かどうか分からない。こうなると、我々は、各新聞社に著名入り社説を要求すべきではなかろうか。「クリーンな政治」の等価は「クリーンな言論」ではなかろうか。

 毎日新聞は一般記事には記者名入れが多い。ならば、社説も署名入りにすれば良いのに。社説を執筆者名入りにしてはならない理由が分からない。全てとは云わないが、「開いた口がふさがらない」とか「小沢氏とカネ―仮に訴追を受けたなら…」とかの個性的な主張をされる場合には名入れが義務と責任とされるべきではなかろうか。

 さて本題に入る。こたびの朝日社説「小沢氏とカネ―仮に訴追を受けたなら…」はもはや難癖そのものである。この社説士は「政治とカネ問題」追及に飽いたのか、思うようにならないので転じたのかは分からないが、今度は「検察審査会起訴問題」に転じている。代表選記者会見の席上、小沢候補が「堂々と受けて立つ」と表明したのが気に入らないらしく、そうなると意訳概要「首相が被告席に立つと云う前代未聞の事態になる」として、そうなる事態そのことを批判して首相責任を問おうとしている。

 しかし、この論法に従えば、小沢候補は一体どうすれば良いのだろう。朝日社説士に気に入られる為には、首相になってはならず、そうとすると民主党代表選辞退以外に方法がない。どうやらこれが狙いのだろう。「開いた口がふさがらない」の論旨と合う訳だ。

 しかし、こうなると、くだんの朝日社説士は引き続き小沢の立候補そのものが間違いとして、立候補させない論、立候補後は取り下げ論を展開していることになる。これについては、れんだいこは先に「言論の自由を超える強権力的物言い」だとして批判した。これが耳に張っていようがいまいが構わないが、相変わらず強情な論陣を張る懲りない御仁だと云うことになる。そうまで云うのなら、いっそ表に出てくれば良かろう。私が書いたのだが「それが何か」と不遜ぶる姿が見たい。このままでは物陰から矢を射るようで卑怯姑息過ぎよう。

 社説曰く、「小沢氏は訴追を受ければ国会での説明に応じる考えも示したが、その前に、この代表選の中できちんと疑問に答えてもらわなければならない。4億円の土地購入の原資をめぐる小沢氏の説明は二転三転した。手元資金があるのに、利息を払ってまで銀行融資を受けるといった不自然な資金の流れについても、納得のいく説明はない。小沢氏の了解なしに秘書が独断で処理したというのも、額面通りには受け取りにくい」、「収支報告書の虚偽記載を、相変わらず『手続きミス』だと言っているが、収支報告書の記載が信用できなければ、政治資金公開制度の根幹が揺らぐ。単なる形式犯ではない」。

 この論理論法もオカシイ。社説士がここまで云うのなら、既に出されている検察の不起訴文、検察審査会の見解模様、その他ネット情報で展開されている事件解析等々に目を通して、その上で自身の見方を披歴しながら論評するのが筋だろう。自身をシロウト席に置いて白紙の状態からの高みの見物批判するのはオカシイのではなかろうか。社説は常に「言論の責任問題」と直通しており、その緊張関係で論ぜられるゆえに値打ちがある。無責任云いたい放題は許されまい。ましてや偏した迎合記事をや。

 社説士よ、「今回の代表選では、カネと数の原理が幅をきかす『古い政治文化』の是非も重要な論点となる。説明責任を軽んじる政治もまた、古い政治である」などと偉ぶるのはエエ加減にして貰いたい。れんだいこが云い換えておく。「今回の代表選報道で見られる問題は、一方の側を意図的故意に持ち上げ、他方を貶す不公正さである。こういう手法が幅をきかす『古い報道文化』の是非が問題にされねばならない。言論責任を棚上げにした報道の仕方は『古い報道』である」。

 既にボチボチ云われ始めたが、これを機会に和製アルジャジーラ放送局、新聞、雑誌を急いで立ち上げねばならないのではなかろうか。原口が総務相の今なら許可される可能性がある。善は急げ、誰か出でよ。れんだいこを評論員として雇ってくれふふふ。

 2010.9.4日、れんだいこ拝
  麻生太郎のゴーストライターにして朝日新聞編集委員の曽我豪がライターの可能性ありとのこと。

 国際金融資本派が最も恐れていた事態が生まれつつある。菅がロッキード事件を持ち出したことにより、これを奇果として田中角栄の見直しが急速に始まりつつある。これは同時に、ロッキード事件以来の催眠術が解け始めたことを意味する。れんだいこには、国際金融資本派の焦りが手に取るように見えてくる。

【達増岩手県知事の「政治とカネ小沢問題見解」】
 「阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK93」の明るい憂国の士 氏2010.9.4の付け投稿「民主代表選:達増岩手県知事の中立公正な卓見 (植草一秀の『知られざる真実』)」を転載する。

 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-e715.html
 2010年9月 4日 (土) 12:30

 民主代表選:達増岩手県知事の中立公正な卓見

 岩手県知事の達増拓也氏が小沢一郎氏の「政治とカネ」問題について的確な発言を示している。岩手県の公式サイトが知事会見録を掲載しており、少し長くなるがその一部を転載させていただく。すでにネットでは知る人が増えているが、一般には知られていないことであるので紹介させていただく。なお、文中、太字部分は私によるものである。
 
 「記者  民主党代表選に絡む動きですが、ここ数日の間で、主に首相サイドからのアプローチだと思うのですが、対立回避に向けた、融和に向けた動きというのが鳩山さんを仲介人としてなされています。具体的に言ってしまえば、多分小沢さんの出馬を翻意してもらおうという動きともとれるのですが、こうした今現在の状況についてどうお考えでしょうか。
 
 知事  今まで民主党で代表選挙を行う時に、小沢一郎さんが無競争で代表にという流れになりそうな時には、「みんなで選挙をしなければ駄目だ。対立候補を立てなければ駄目だ。菅君、立ちなさい。」というのは、渡部恒三さんが、かつて前原代表が辞めた直後の状況の中で言ったせりふです。2年に1度行うと決まっている代表選挙ですから、民主党のガバナンスの問題として2年に1度、その時その時で誰が一番代表にふさわしいかということを決め直していきましょうと党則で決めて、全国の党員サポーターも巻き込んで行う話ですから、それを何か調整して実施しないことにするというのは妙な話だと思います。代表が辞めて、急遽次の代表を選ばなければならないという時に、幹事長が中心になって選挙をしないで次の代表を決めるというのは、菅直人さんがかつて代表を辞めた後、岡田さんが代表に選ばれるプロセスで、岡田幹事長が周旋して自らが代表になるというパターンであったことなのですが、2年に1度の代表選挙はきちんと行うのが原則だと思いますし、まして今現職で代表をしている側が、ほかの人が立候補するのをつぶしにかかるというのは、これは権力の濫用以外の何物でもない、めちゃくちゃな話ですので、そうなることは望ましくないと思います。
 
 記者  今回の民主党代表選が、小沢さんと菅さんの対決になるとされる根本は、そもそもは菅さんの小沢外しというのが1つあったと思うのですが、逆に小沢さんが総理になられた場合、人事の処遇で、菅さん又は菅グループ等について、どのように扱えばいいと思いますか。
 
 知事  全然心配していないのですが、まさに小沢、菅で代表選挙を争った、前原代表が辞めた直後の局面で、小沢代表になって、菅さんが代表代行になり、鳩山さんが幹事長になり、トロイカ体制で、それで参院選にも勝利して、政権交代への流れをつくっていったという例がありますので、小沢一郎代表であればきちんと適材適所、人を生かしながら党勢の拡大、そしてそれがひいては日本全体を良くしていくということを力強く進めることができると思います。過去にそういう実績があるわけで、全然心配していません。
 
 記者  つまり菅さんをきちんと処遇してあげることができるということでしょうか。
 
 知事  ただ、去年のマニフェストを1年もたたないうちにやめてしまおうとか、党内の合意もないのに消費税アップを決めて打ち出して選挙で大敗するとか、そういう人を、そういうことにかかわるところで遇するのは常識から考えると難しいのだと思います。まさに適材適所、その人に合ったところで、中長期的に税のあり方を考えるところのトップとかは良いのかもしれません。そのように適材適所で行えば良く、今まで偉かった人をこれからも偉いままにすればいいというものではないのだと思います。
 
 記者  今、世論調査等がいろいろなところで行われていますが、大方の予想どおり小沢さんよりは比較的菅さんにシンパシーのある結果が出ていると思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

 知事  インターネット上の世論調査では、読売オンラインが小沢さんの出馬を支持するかで、支持するという人が圧倒的、スポーツニッポンの菅、小沢のどちらが良いという調査で小沢さんが圧勝と、ネット世論調査では小沢さんの圧勝というのが出ていると聞いており、そうするといろいろと知っている人は小沢さんを支持しているということなのだと思います。逆に言うと、大手新聞社や通信社等が行っている世論調査では、その対象となっている国民がいろいろなことを知らされないまま答えてしまっているのかと思います。政治と金の問題とか言いますが、いろいろと有名なネット論客の人たちの発言、それがツイッターで普通の人とかともやりとりされている中では、もう政治と金の問題というのは検察がつくった虚構であると。そもそも西松事件も村木厚生労働局長の事件と同じように、検察側が呼んだ証人が検察に反する証言をしていて、無罪になる可能性が高く、陸山会問題も逮捕や起訴に相当するような訴因ではないと。更に言うと、検察審査会の今やっている審査を申し立てた人というのが、外国人の権利に強く反対するという外国人排除的な政治運動を行っている人が申し立てたのであって、かなり小沢一郎は左翼で駄目だ、中国に甘いから駄目だみたいな中で、検察が暴走してこういうことになっていることが、インターネットの中では広く知られるところとなってきているのだと思います。国民全体に知らせるのは、マスコミが報道ぶりを転換すればすぐできるかもしれないのですが、今までのようなマスコミの報道ぶりですと、そういうネット上では共有されている大事な知識、情報を国民にきちんと伝えていくには、2,3年かけて志ある人たちが国民一人ひとりに直接伝えていくということをやらなければならないのだとは思うのですが、今回は民主党の国会議員さんと地方議員さんと党員サポーターですから、2週間あればかなり真実は浸透するのではないかと思っています。
 
 記者  今のマスコミの報道では、なかなか一般の国民は小沢さんの本来の姿が分からないのではないかというお話だったのですが、知事から見て今のマスコミの小沢報道というのは偏向しているとお考えでしょうか。
 
 知事  まず、報道の自由というのがあって、取材の自由とか、編集の自由とかもありますから、それぞれ書きたいことを自由に書き、出版すれば良いのだとは思っているのですが、ただそもそも今小沢一郎さんが日本の総理大臣ではないということはとても異常なことだと私は思っています。というのは、西松事件で元秘書が逮捕されて、そのことで代表を辞して、それで代表として去年の総選挙に突入することができないで総理大臣になれなかったわけですが、今やその西松事件というのはきちんと裁判していれば元秘書は無罪になるであろうということが見えてきています。その裁判を止めてしまうために、陸山会事件という別の事件でまた逮捕して、西松事件のその決着が出ないようにもなってしまっている。ということで、小沢一郎さんが本当は総理になっていてしかるべきなのに、なっていないという異常事態を引き起こす中で、マスコミはそれを防ぐ役割は果たせなかったということだと思うし、そして今現在もその異常さを是正する役割は果たしていないと思います。
 
 記者 憲法75条と検察審査会の話なのですが、小沢首相が誕生した場合に、検察審査会で強制起訴という議決がなされたら、小沢さんはどういう対応をすべきだと知事としては考えていらっしゃいますか。
 
 知事  そもそも検察審査会に申し立てをした人とその目的との関係で、それを受理して審査会を始めたことが本当に妥当だったのかという問題もあると思うのですよね。外国人参政権の問題とか、在日外国人の権利のことで争いたいというのであれば、それは別途国会の中の立法政策論の議論の中で争えば良いのであって、だからそもそも何のためにそういう申し立てがなされたのかということも含めて大局的に判断して、またそこで問題になっていることも土地だか建物だかの実際の取得の日と届け出の日にずれがあって、年度をまたいでいるということと、あとは銀行からの資金調達が間に合わなかったところをポケットマネーで払ったと書いていなかったと。本当にそこが問題なのであれば、それぞれ今までは自治省、総務省から直すべきなら直すべきという指摘があって、それに従って直せば済んでいた話で、そもそもそういう司法の場で争うことにはなじまないということだと思います。だから、形式で考えるのではなく、中身で国民が納得できるような形で対応がなされれば良いのだと思います。
 
 記者  小沢首相がもし誕生したら、鳩山さん、菅さん、小沢さんと、ころころ替わってしまうことになるわけですが、知事としては解散総選挙で国民に信を問う必要はあるとお考えですか。
 
 知事  まず、去年の衆院選の原点に立ち返って、あの民意に沿った体制にしていくという趣旨からすれば、あえて民意を問う必要はないのだと思います。それからもう一つ、去年、西松事件で小沢さんが代表を辞めたのは、あの時話していましたが、一切やましいところはないと、ただ党内ががたがたしているので、選挙に向かって党が一枚岩になるように辞めたということです。先ほど言ったように、あのようなマスコミ報道の中で国民に真実を伝えるには、やはり2,3年かかる局面だったから、つまり国民が間違った情報を基に選挙に臨まなければならないというのは、民意をゆがめる危険性があり、だから小沢一郎さんはそんな民意がおかしくなる、ゆがむと分かっているような選挙を行ってしまうのは、政治家、トップリーダーとして責任あることではないということで身を引いたわけです。だから、やはりそういう民意がねじ曲げられるような選挙結果になりそうな解散総選挙はしないという判断をするのではないかと思うし、それは正解だと思います。

 記者  政治と金なのですが、蓮舫さんなんかは、国会で説明すれば良いのではないか、小沢先生本人もテレビ番組で話すみたいなこともおっしゃっていますが、知事としてはどういう場で、どういった説明をするのが望ましいと考えていらっしゃいますか。
 
 知事  私は、いろいろと自分で調べて大体分かっていますから、もう説明はしてもらわなくても結構なのですが、いろいろな人がいろいろな意見を言うのは、それは人の自由だと思うのですが、内閣の一員は内閣を構成している法務省の検察当局が起訴しないと言っていることについて、起訴の可能性があるとか言ってはいけないと思います。内閣として一体となって白ということにしているのだから、そこで黒ではないかみたいなことを言い出すのは、内閣をぐじゃぐじゃにすることになると思います。内閣というのは、最強の権力機関なわけですから、その一員としてやはり言動には気を付けてもらわないと困ると思います。
 
 記者  民意がねじ曲がるというような、世論調査の結果ですと小沢さんに厳しいようなデータが出ているわけですが、その結果がそのまま選挙の結果に反映されるとやはり、ざっくりと言って衆院選で負けるとなると、それは民意がねじ曲げられることになると、そういうような趣旨の話でよろしいのでしょうか。
 
 知事  ええ。しかも、ネット調査の結果というデータがあるわけです。それとネットの外でやっている世論調査での180度違う結果が出ている原因、理由を考えていった時に、それはそこに参加している人たちの性格の違いとか、何かそういう違いとかというよりは、ネットで得られる情報を踏まえて判断しているのか、そうでないのかというところがやはり最大の違いであり、今民意を形成するのに必要な情報がネットでしか得られないみたいなことになっています。そういう中で、やはり国民全体の民意を問うとかすると、民意はゆがめられてしまうと思います。そういうことは、去年の春ごろから起きているのですが、その中で小沢一郎さんは党代表を辞めるとか、今年党幹事長を辞めるとかということは、やはり選挙直前にそういう民意が大きくゆがめられる危険性がある形で選挙に突入してしまうのは、国のかじ取りをしている政治家たちとしては避けなければ駄目なのであって、自分が身を引くことで民意がゆがめられない形で国政選挙が行われるというために身を引いたということなのだと思っています。だから、そのようにして政治家の犠牲において民意がねじ曲がらないような工夫ができるのですが、ただ今回は党の中の選挙であり、さすがに議員とか党員サポーターは自ら意欲を持って政治に参加している人たちで、自分の主体的判断に必要な情報は自分の責任できちんと収集して判断をするということだから、正々堂々立候補しているということだと思います。」 (ここまで岩手県知事会見録からの転載)
 
 達増拓也岩手県知事は、ネットから真実の情報を得て、全体について正確で公正な判断を示している。マスゴミが事実を正確に公正に報道すれば、すべての国民が達増知事と同様の公正な判断を示すことができるようになるはずである。
 
 民主党代表選に際しては、投票権を持つサポーター、地方議員に、ネットからの真実の情報発信を、必ず周知徹底しなければならない。マスゴミの偏向情報によって総理大臣を決定する選挙が歪められることを絶対に阻止しなければならない。





(私論.私見)