菅政権幕引き考

 更新日/2020(平成31→5.1栄和改元/栄和2).9.14日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「菅政権出航考」をものしておく。

 2019(平成31).5.8日 れんだいこ拝


自民党の派閥考
 自民党の派閥と人数は次の通り。
第1派閥 細田派
(清和会)
97人 自主投票
(岸田、高市)
旧・森派。形式的な会長は細田博之。実質的な領袖は安倍晋三前首相。下村博文政調会長、萩生田光一文科大臣、西村康稔コロナ大臣。福田達夫54歳。 まだ当選三回だが父は福田康夫、祖父は福田赳夫という政界きってのサラブレッド。
第2派閥 麻生派
(志公会)
53人 自主投票
(岸田、河野)
麻生副総理兼財務相が領袖。麻生派の前身は河野派で河野洋平が領袖。甘利明税調会長。河野太郎行政・規制改革相が出馬の意向を固めた。
麻生氏は河野氏の父・洋平氏(元自民党総裁、元衆院議長)から引き継いだ弱小派閥に、旧山崎派の甘利明グループ、旧谷垣派の佐藤勉グループ、旧山東派を合併させて細田派に次ぐ党内第2派閥へと拡大した。“俺が派閥のオーナー”という意識が強い。
第3派閥 竹下派
(平成研究会)
52人 自主投票 会長/竹下亘・元総務会長(引退声明)、会長代行の茂木敏充外相、加藤勝信官房長官。参院は、引退した青木幹雄・元参院議員会長が仕切っている。
第4派閥 二階派
(志帥会)
47人 自主投票 二階俊博幹事長が領袖。
第5派閥 岸田派 46人 岸田 岸田文雄・前政調会長、元外相が領袖。
第6派閥 石破派 16人 河野 石破茂幹事長が元領袖(現在、会長の座を放り投げた)
第7派閥 石原派 10人 自主投票 石原伸晃元幹事長が会長。実態は森山裕国対委員長が領袖。
菅派 約30人 (無派閥ながら)菅首相派
 森喜朗・元首相(84)や青木幹雄・元参院議員会長(87)ら、古賀誠・元幹事長(81)ら政界引退後も影響力を保つ重鎮の動向に注目が集まっている。
 大半の派閥が支持候補の一本化を見送る異例の展開となった。
 鈴木宗男の派閥論。「自民党は保守層からリベラルまで幅広いのが強みだ。この中で、独自のカラーを持つ派閥が脈々と続き、そうそうたる人材を育ててきた。私が自民党にいたときは、派閥は同じ『志』や『考え』を共有し、総理総裁を目指す人材をつくる組織だと教えられた」 、「寄らば大樹で、日ごろは派閥にすがりながら、いざというときに、やれ『自主投票だ』、『勝手に行動させろ』というのでは筋が通らない。そういう行動は派閥を離脱してやるべきではないか。そんな自分本位の人物に国の将来を任すわけにはいかない。政治が劣化している」。

 8.2日
 2021.8.3日、石破が顧問を務める石破派(水月会、17人)の代表世話人を務め、過去4回の総裁選で石破氏を支えた番頭格の鴨下一郎元環境相が次期衆院選に出馬せず政界引退する意向を固めた。「70歳を超えたら次の選挙は出ないと以前から決めていた」 。鴨下氏は2日午後、石破派所属議員に電話し、72歳という年齢を理由に引退する考えを伝えた。派閥中堅は「昨年から鴨下氏の考えは決まっていた」と語る。鴨下氏は昨年10月、派閥会長を辞任した石破氏による後継指名を断った。このとき、「いつまでも石破氏の面倒をみられないから」と冗談めかして周囲に説明したという。 鴨下氏は、過去の総裁選で3回、石破氏の推薦人代表を務めるなど陣営で中核的な役割を担い、厳しい戦いに臨む石破氏の精神的支柱だった。石破派は石破氏の辞任以降、山本有二元農林水産相や伊藤達也元金融担当相らベテランが派閥を休退会するなど勢いを失っている。鴨下氏が引退の考えを固めたことについて、同派幹部は「明鏡止水の心境(であること)は変わらない。政策勉強会としてやっていくだけだ」と述べるにとどめた。石破は国民的な人気は高いが、党所属国会議員の支持で広がりを欠く。党の厚生労働族の重鎮として一定の影響力を持つ鴨下氏が引退することは、石破にとって総裁選出馬に必要な党所属国会議員20人の推薦人集めが一層厳しくなったことを意味する。石破の党総裁・首相への道のりが険しさを増している。派閥中堅は「次の総裁選は石破派は『非武装中立』だろう」と述べ、石破を擁立せず菅首相の再選に協力する考えもにじませた。
 8.4日
 8.4日、自民党の石破派(水月会、17人)は顧問を務める石破茂元幹事長が選対委員長を兼務する派閥人事を内定した。石破氏は次期衆院選で派に所属する議員の選挙応援に力を入れる。同派の代表世話人を務める鴨下一郎元環境相が4日、記者団に明かした。鴨下氏は「選挙で戦う先頭に石破氏に立ってもらいたい」と語った。
 8.22日
横浜市長選  8.22日、菅首相のお膝元の横浜市長選で首相が全面支援した小此木八郎・前国家公安委員長が「大敗」した。党内には「首相のもとでは選挙は戦えない」、「衆院選前に首相は代わってほしい」という声が日増しに高まる。麻生氏も周囲に「このままだと選挙は厳しいな」と漏らすようになった。党青年局からは、複数候補で政策論争を交わす総裁選の実施を求める意見が出始めた。
 8.23日
石破動向  8.23日、石破は記者団に「(コロナ対策で)必要な法律や予算を作ること、審議の場を通じて国民の疑問にきちんと答えること。それをまずはやるべきだ」などと主張した。翌8.24日、立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者会見で、次期衆院選や自民党総裁選の前に臨時国会を開くべきだとの認識を示した自民の石破を持ち上げた。「まさにわが意を得たりだ。自民党幹事長までやった石破氏もこう言っているので、政府・与党には一日も早く国会を開いていただきたい」と述べた。
 8.24日
二階派動向  8.24日、二階幹事長が他派に先駆け二階派(47人)としての再選支持を宣言した。最大派閥・細田派(96人)に影響力を持つ安倍前首相も、再選支持を周囲に明言している。
 8.26日
総裁選挙日程  8.26日3時45分、自民党は、菅総理大臣の総裁としての任期が9月末で満了するのを前に午前の総裁選挙管理委員会の会合に続き、午後には総務会を開き、来月末の任期満了に伴う総裁選挙について、「9月17日告示、29日投開票」の日程で、党の規程に基づいて党員投票も実施することを決めた。今回の自民党総裁選挙は、安倍前総理大臣の辞任に伴う去年9月の選挙では実施されなかった党員投票が3年ぶりに行われる。「国会議員票」と「党員票」は同数で、国会議員1人1票の「国会議員票」383票と、全国の党員・党友による投票で配分が決まる「党員票」383票の、合わせて766票で争われる見通し。国会議員の投票は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、会場を従来の党本部に代え東京都内のホテルとしその場で開票することも確認した。一方、党員投票は党の規程では、去年までの2年間、党費を納めた党員に選挙権が与えられることになっているが、3年前の総裁選挙と同様、今回も特例で、去年1年分の党費を納めた党員にも与えられる。全国の自民党員は去年末の時点で113万人余りで、今回、投票できる党員もほぼ同数になるものとみられる。投票は来月28日に締め切られ「党員票」は、各都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、いわゆるドント方式で候補者に配分される。そして「国会議員票」と「党員票」を合わせて、有効票の過半数を得た候補者が当選となる。総裁選挙をめぐっては、菅総理大臣が再選の意欲を示しているのに対し、去年の総裁選挙にも立候補した岸田前政務調査会長が立候補の意向を明らかにしている。他に、高市前総務大臣と下村政務調査会長が立候補に意欲を示している。総裁選挙管理委員会は、今後、公開討論会などの日程について調整を進めることにしている。 9月29日に選出される新総裁が、第100代内閣総理大臣に就任した時点で菅内閣は総辞職する。
岸田動向  同日、岸田氏が出馬表明会見。菅首相のコロナ失政を批判するのではなく、なぜか二階氏を批判の標的にした。会見では「国民の声を聞いて書き留めた」というメモ帳を掲げたものの、発表した公約は「自民党役員の任期制度(最長3年)導入」による「党役員人事の1期1年、連続3期まで」と「中堅・若手の登用」を打ち出し「党刷新」をアピールした。幹事長在任5年になる二階氏に対する退任勧告の裏意味を持った。その後も「二階幹事長のありように国民が関心を寄せている。風通しの良い政党にする」と“二階独裁批判”を重ねた。自民党の大幹部が「あの岸田会見は今までになかった“強さ”を感じた。岸田も腹を括ればできるんだね」と手放しで褒めている。各派の若手議員が岸田支持に回る動きを見せ、岸田氏の支持が急上昇した。
下村動向  出馬に意欲を示す下村政調会長が安倍前総理と会談したことを明らかにし、推薦人の確保に向けた動きを活発化させていね。
 8.27日(金)
岸田動向  出馬表明した岸田は、二階幹事長と会談した。
石破動向  自民党総裁選に石破元幹事長擁立の動きが石破派内にあることがテレビ東京の取材でわかった。石破派の複数の議員が「党内の中堅・若手議員や地方議員などから石破氏への出馬に強い期待がある」と石破氏に伝え、総裁選に出馬するよう促しているという。石破氏は、これまでに菅総理の再選が望ましいとの考えを示しているが、自らの出馬を期待する声について重く受け止めているということで、石破氏の判断が注目される。
佐藤勉総務会長
発言
 8.27日夜、自民党の佐藤勉総務会長はBSフジ番組で、総裁選出馬を表明した岸田文雄前政調会長が打ち出した「総裁を除く党役員は1期1年、連続3期まで」とする党改革案を批判した。「ケース・バイ・ケースだ。決めてやっていくというのはいかがなものか」と述べた。同時に「何かあれば辞める覚悟を持って務めている。個人の判断(の余地)は持たせてよいのではないか」と指摘した。総裁選をめぐっては「何人もの人が出馬し、議論を交わすのが必要ではないか」と強調。菅義偉首相と岸田氏の一騎打ちではなく、3人以上の候補者による論戦が望ましいとの考えを示した。
菅首相動向  8月末、岸田氏の出馬で劣勢に追い込まれた菅首相は、「政権の後ろ盾」である二階俊博・幹事長の更迭という捨て身の戦術を取った。「安倍晋三・前首相と麻生太郎・副総理の描いたとおりの展開になってきた」。安倍・麻生の「2A」が総裁選の裏側で仕掛けたのがこの二階降ろしだった。
 8.28日(土)
下村動向  下村が、立候補に必要な党所属国会議員20人の推薦人を確保したと公言し「推薦人は既に20人以上の協力をもらえる予定だ。より多くの方の賛同を得て出馬したい」としている。ただ、所属する細田派(清和政策研究会、96人)幹部や下村氏に近い安倍前首相は菅首相の再選を支持する構えを崩していない。新型コロナウイルス対策に責任を負う党三役の下村氏の出馬には否定的な意見が根強く先行きは見通せない。「」。下村氏は27日、東京都内で記者団にこう述べ、立候補に重ねて意欲を示した。26日には安倍氏の事務所を訪ね、改めて思いを伝達した。街頭などでは「コロナ対策や少子高齢化対策、ウィズコロナの国家ビジョンなど、自由闊達(かったつ)に議論する必要がある」と述べ、首相の弱点ともいわれる「国家観」も含め論戦すべきだとの主張を展開している。下村氏は着々と出馬への布石を打ってきた。党政務調査会で、総裁選公約の柱と見定めてきた、経済的豊かさにかわる「幸福度」や「充実度」に当たる指標「ウェルビーイング」の研究を推進。今年4月には生い立ちや主要政策を網羅した著書を出版した。派閥会長の細田博之元幹事長は首相支持を明言。参院細田派(清風会)会長の世耕弘成参院幹事長は、下村が党の新型コロナ対策本部長であることから「政権与党でコロナ対応に責任を持っている方は出馬すべきではない」と言い切った。派を離れている安倍氏も同様の考えだ。派内には下村氏が出馬を強行することで対応が割れることへの危機感も少なくない。野党時代の平成24年の総裁選に際し、当時の谷垣禎一総裁を支える党三役の石原伸晃幹事長が出馬を表明し、「平成の明智光秀」と批判されたことを引き合いに出す向きもある。
石破動向  8.28日、石破が鳥取県倉吉市で講演し、「新型コロナウイルス対策を議論する臨時国会を早急に召集すべきだ」とした上で、「やらないということであれば、それを受けて自分がどうすべきかよく考えなければならない。うそやまやかしのない政治をやりたい」と述べた。国会が召集されなければ9月の総裁選への出馬を検討することを示唆した発言だ。立憲民主党は総裁選前の臨時国会召集を求めており、自民党は週明けにも召集の可否を野党に回答する方針。石破は「臨時国会を開いて法律や予算を作って、衆院を解散して国民に信を問うのがあるべき姿だ。自民党の中に『そうだ、そうだ』と言う人がほとんどいないのはおかしい」と語った。石破は当初、総裁選出馬に慎重な姿勢を見せていたが、総裁選日程決定後は「出るにせよ出ないにせよ、まだ時間はある」と記者団に語るなど、姿勢を変化させている。
 8.29日(日)
菅首相動向  8.29日、菅首相が赤坂の衆院議員宿舎で1日を過ごした。外出が一切ない日は5カ月ぶりである。この日の静養で相当のエネルギーを充填した。
 8.30日
下村博文政調会長
動向
 8.30日午前11時24分、総裁選出馬に意欲を示していた下村博文政調会長が菅首相に呼ばれて菅首相と面会した。下村氏は、菅首相から総裁選に出馬するのであれば辞任すべきだとして、出馬断念か政調会長辞任を迫られた。下村氏はあっさり白旗を掲げ出馬見送りを決めた。面会時間はわずか13分だった。
菅首相動向  同日午後3時31分、菅首相が、二階俊博幹事長と林幹雄幹事長代理を官邸に呼び経済対策の策定指示、党の人事刷新について相談した。この時点で「退陣」する気持ちが0%。
岸田動向  首相官邸で菅・二階会談が行なわれた日(8月30日)、出馬のあいさつに訪れた岸田氏を安倍氏は上機嫌でこう激励したとされる。「出馬表明会見は評判が良かったね」。
小泉進次郎環境相動向  小泉進次郎環境相が8月30日から5日連続で菅首相と面会している。「小泉は神奈川11区、菅は神奈川2区という同じ神奈川を選出母体とする間柄」の両者が1対1で会った時間は、30日/10分、31日/1分、9月1日/33分、2日/35分、3日/20分。菅首相が小泉氏に幹事長就任を打診し続けた、との説がある。両者の話はそれだけではない可能性がある。菅首相は小泉環境相から、安倍晋三前首相や麻生太郎財務相が“菅おろし”に関与しているとの情報を得ていたという。「出馬を決断するなら最後まで支える」と激励する一方、党内の厳しい声を伝えた。
菅首相動向  同日夕方、自民党中枢にこんな情報が流れた。「総理が官邸近くのホテルで秘書官と打ち合わせをした席に、岸田さんがいたらしい。そこで総理は岸田さんに、後任の幹事長への就任を持ちかけたとされる」(同党幹部)。“幹事長にするから、総裁選は出馬辞退してくれ”と頼み込んだことになる。会談の有無を岸田事務所にぶつけると、「事実ではございません」と回答した。
菅首相動向  同日夕、菅首相は官邸裏のザ・キャピトルホテル東急の客室に秘書官と入っている。朝食を取る場所として頻繁に使っていたキャピトルだが、最近はほとんど利用していなかった。客室なので、官邸や議員会館、議員宿舎では面会できない人物と接触していた可能性がある。局面の転換に向けた作戦会議を誰かと行っていたとみていいだろう。
 8.31日(火)
菅首相動向  8.31日、菅首相は来日中のケリー米気候変動問題担当大統領特使の表敬訪問を受けている。
菅首相動向  気脈を通じている長崎幸太郎山梨県知事と面会している。
岸田動向  岸田氏は翌31日夜にテレビ番組で、二階氏の後任を打診された場合、「受けることは絶対にない。党総裁選に挑戦しようと手を挙げている」(BS日テレ)と拒否する意向を示した。「その情報が流れたこと自体が、岸田さんを揺さぶる情報戦の一環である可能性も否定できない。それほど菅陣営は焦っていた」(同前)。
毎日新聞ウェブ版
幻のスクープ
 同日深夜午後10時26分、毎日新聞ウェブ版が、「首相、9月中旬解散意向 党役員人事・内閣改造後」の見出しで、菅首相が総裁選を先送りし、内閣改造を来週行い、9月中旬に衆院解散に踏み切る意向と報じた。他紙やテレビも後追いした。夜に入って政局を急変させる衝撃的なニュースが流れた。この記事が政局を大きく動かしていく。菅首相に反発しているとされる閣僚経験者のベテランが仕掛けた「謀略報道説」、菅首相側近からの「アドバルーン説」などが深夜まで飛び交う騒ぎとなった。
安倍動向  同日夜、安倍晋三前首相が菅首相に解散を思いとどまるよう電話で諫めたという。安倍前首相は「党内で反乱が起こってしまう」と語ったとされる。
菅首相動向  毎日スクープに対し、総裁選先送りは許されないとする党内世論が一気に広がり、一段と菅離れが進み党内の空気がガラっと変わった。「その報道に対して菅さんは、ものすごく怒っていました。『ひどい、ひど過ぎる』と言われていました」。
 8月下旬、石破は、出演したテレビ番組で9月の総裁選に出馬するかどうかを問われ、「(菅義偉首相ら)みんなが一致して向かっている時に、『私がやります』とは口の端にも乗せるべきではない」と発言。メディアが一斉に「立候補見送りを示唆」と報じた。それまで、石破氏は「誰がやっても厳しい中で全身全霊でやっておられる」と評するなど、新型コロナウイルス対応で批判の的となっていた首相を擁護してきた。総裁選出馬について「白紙」としながらも、「衆院選は菅首相の下で戦うべきだ」と話し、岸田文雄前政調会長らのように前のめりに首相に挑む雰囲気は感じられなかった。
 9.1日
小泉動向  同日、閣内でいち早く菅氏再選支持を打ち出した小泉進次郎環境相が午前に官邸に駆け付けて菅首相に総裁選を飛ばして衆院解散・総選挙を強行することは無謀であると諌言した。総裁選を先送りして衆院選に臨めば自民党全体のイメージダウンを招き、そうでなくても議席大幅減が必至の総選挙を戦えないと直言したと云う。
菅首相動向  同日、菅首相はぶら下がり会見で、「今のような(感染が)厳しい状況では、解散ができる状況ではない。自民党総裁選挙の先送りも考えていない」と報道を打ち消した。
菅首相動向  同日午後3時頃、臨時役員会開催の連絡がメディア向けに広報されている。菅首相の凄まじい執念を感じざる。
菅首相動向  夕方、日課のように立ち寄る議員会館の自室で、気心を許せる当選同期の盟友・山口泰明選対委員長と約30分会談している。菅首相は山口氏に本音を漏らしただろうと推測できる。
石破動向  9.1日、石破は、東京都内で、参院竹下派に影響力を残す青木幹雄・元参院議員会長と面会した。安倍前首相と石破氏の一騎打ちとなった2018年総裁選で、青木氏は石破氏を支援した。竹下派幹部によると、石破氏は「今回は迷惑をかけません」と伝えたという。青木氏は、「出馬見送り」と受け止めたとされる。首相は、近く踏み切る党役員人事と小規模な内閣改造で、石破氏の要職打診を検討している。石破氏が要職に就けば、総裁選に出馬しない公算が大きい。
岸田動向  9.1日、岸田は、国会内の石原伸晃元幹事長の事務所を訪れ、立候補への理解を求めた。石原氏率いる石原派(近未来政治研究会)は菅首相の再選を支持しているが、石原氏は「頑張ってください」とエールを送ったという。
 9.2日(木)
菅首相動向  9.2日、菅首相は6日にも党役員人事を実施する予定。党四役(幹事長、総務会長、政調会長、選対委員長)の焦点は二階幹事長の後任。石破、河野、小泉を登用する案がある。女性の野田や、細田派に所属し気心の知れた萩生田光一文部科学相を推す声もある。河野、小泉、萩生田各氏らに関しては官房長官への起用もささやかれている。党執行部の一人は「内閣改造はないだろう」と話しており、大規模な閣僚の交代はない見通しだ。
岸田動向  9.2日午前10時、菅首相との対決姿勢を鮮明にしている岸田文雄前政調会長が動いた。コロナ対策を中心とした政策発表の記者会見を開いた。岸田氏としては発信を強化する意味でも大事な記者会見となる。「国民には説明が十分でないのではないか。楽観的すぎるのではないかという声が多数ある」と菅首相のコロナ対応をしっかり批判することも忘れなかった。
菅首相動向  9.2日午後3時53分、菅首相は官邸を出て自民党本部に入り、4階の幹事長室で、二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理と会談した。二階幹事長に総裁選出馬の意向を伝達した後、こう切り出した。「林代理には党四役の好きなポストをお選びいただきたい」。二階側近の林幹事長代理を格上げし、二階には副総裁ポストで金庫も預けたままで、変わらず自民党を仕切ってもらえないか…と提案したことになる。林氏は総理の言葉を噛みしめるように聞き、こう返したという。「ご提案、ありがとうございます。ですが、林幹雄個人としてもそのお話はお受けできません」。面会時間は16分。この時点まで戦闘意欲満々だった。二階は首相と面会した2日夜、派閥議員たちに「菅さんはやる気満々だ」との印象を伝えた。菅政権を支えてきた森山裕国対委員長も、菅首相が辞意表明する3日朝まで総裁選戦略や人事案などについて思案していたと証言している。
菅首相動向  夜、菅義偉首相は、自民党役員人事の一任を取り付けるため麻生太郎副総理兼財務相と接触し、同じ神奈川県選出で信頼する麻生派の河野太郎行政改革担当相を要職に起用することの可否を問うた。麻生氏は声を荒らげ、「おまえと一緒に河野の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」。首相は説得を試みたが、麻生氏は最後まで首を縦に振らなかった。

 西日本新聞は、首相が退陣を表明した翌日の4日付朝刊1面に「安倍、麻生氏〝三くだり半〟」などの見出しで記事を掲載した。自民党役員人事をめぐり、麻生氏が会長を務める麻生派所属の河野太郎ワクチン担当相を要職に起用しようとした首相に対し、麻生氏が「おまえと一緒に、河野の将来まで沈めるわけにいかねえだろ」と「声を荒らげた」と報じた。9.7日、西日本新聞の記事をめぐり、麻生太郎副総理兼財務相の事務所は、記事中の麻生氏が発言したとする内容は「事実に反する」、麻生氏が記事にあるような発言をした事実はなく、記事は「全くの虚偽というほかない」として、記事の訂正と謝罪を求める通知書を西日本新聞社(福岡市)に送った。麻生発言につき記事を執筆した記者から麻生氏が「取材を受けた事実はない」、「速やかに記事の訂正と謝罪をするよう強く求める」としている。麻生事務所は産経新聞の取材に「特にコメントはしない」と述べた。麻生氏周辺は「(麻生氏は)首相という立場的に目上の人にあのような言葉遣いはしない。記事は麻生氏のイメージをひどく傷つけるものだ」と憤る。 西日本新聞社法務広報部は産経新聞の取材に対し「当該記事は十分な取材に基づいて掲載している」とコメントした。
菅動向  首相の後ろ盾である安倍前首相にも党人事への協力を求めたが“三くだり半”を突き付けられた。首相が「孤立」した。「しんどいです」。
菅動向  夜、状況が一変するような情報が菅首相にもたらされる。菅首相は側近の佐藤勉総務会長との電話で、佐藤氏は翌日に控えた臨時役員会で、党役員人事の一任に関し、「文句が出そうだ」と伝えたという。菅首相は佐藤氏と親しく、信頼する仲間の1人である。家族からも退陣を促されたとの報もある。2日夜に態度を180度変えた形跡が認められる。
高市動向  9.2日、高市早苗前総務相は、党総裁選への立候補に必要な20人の推薦人確保に自信を示した。20人以上から推薦人として名前を出して支援するとの申し出を受けていると強調。国会内で記者団に「派閥を超えて多くの議員から応援をいただいている」と語った。推薦人への具体的な依頼は、来週に予定される党役員人事と内閣改造後に始める考えを示した。関係者によると、派閥や男女、年齢のバランスが取れた推薦人名簿の作成を目指しているという。
菅-小泉動向  9.2日、解散という総理の伝家の宝刀が゜完全に封じられ、追い込まれた菅総理が切り札として頼ったのが小泉だった。 「菅総理に残された一手は、小泉氏を幹事長か官房長官に据えるシナリオでした。ところが、菅総理が人事を打診するために4日連続で小泉氏を官邸に呼んだものの打開策が見えなかった。
 9.3日(金)
菅動向  9.3日朝、菅首相の動きに目立った変化はなかった。いつものように8時前に官邸に入り、敷地内を散歩している。だが産経新聞によると、この日朝、政務秘書官らに「(総裁選には)出ない」と語ったという。
菅動向  菅首相は再び攻勢に出る。3日11時30分から、党本部で臨時役員会を開催することを決めた。辞表を取りまとめ、6日にも党役員人事・内閣改造を断行する準備を確定させる流れだった。首相が打ち出した総裁選直前の異例の人事方針には、党内からは「自らの延命のためのもので理解できない」などと反発が強まった。新型コロナウイルスの新規感染者は最近は減少傾向にあるものの、政府の対応に対する世論の視線は厳しく、内閣支持率は低迷している。首相はこうした情勢を踏まえ、党内の求心力回復につなげるために人事に踏み切る考えだった。総裁選には、既に岸田文雄・前政調会長が立候補を表明している。高市早苗・前総務相も出馬に意欲を示している。知名度が高い石破茂・元幹事長や、河野行政・規制改革相らが出馬するかどうかが今後の焦点となる。
総裁選管委の動向  3日午前、自民党は総裁選挙管理委員会(委員長=野田毅・元自治相)の会合を党本部で開いた。党主催の公開討論会など、日程の詳細を決める。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて党主催の地方遊説は行わない方向だ。
菅動向  同日午前11時17分、悲壮な表情をした菅首相が自民党本部に入った。二階俊博幹事長と面会し、総裁選不出馬を伝えた。驚いた二階氏は慰留したが、首相は無言だった。
菅動向  同日午前11時34分、自民党総裁選が急展開を見せた。自民党本部8階で臨時役員会が始まり、それまで「再選に向け、やる気まんまん」とみられていた菅首相が事務方が用意した「党役員人事は6日に行う」という書類には目を落とさず突然、総裁選不出馬、退陣する意向を表明し、約6分で退出した。
菅動向  官邸に戻った菅首相はすぐに記者団の前に登場したわけではない。菅政権を全力で支えてきた側近中の側近である武田良太総務相と真っ先に面会している。その後、河野太郎行革担当相とも個別会談した。この2人との面会は見逃せないポイントである。武田氏は党役員人事が行われれば、三役への起用が見込まれていた上、菅首相の主戦論を支持しつつ、何らかの形で軟着陸を図ろうと努力していた。河野氏についても、この場で菅首相が後事を託す意味で、総裁選出馬を後押しした可能性がある。首相側近はテレビで首相の辞意を知り、こう嘆いた。「人事権も解散権も封じ込まれた総理総裁なんて見たことがない。最後は裸の王様だったよ」。
菅動向  午後1時6分、菅首相は武田氏と河野氏との面会後、官邸で記者団に対して、「私自身、総裁選出馬を予定する中で、コロナ対策と選挙活動を考えると、莫大なエネルギーが必要で、やはり両立はできない。国民に約束している新型コロナ感染拡大を防止するため、専任(専念の言い間違い)したい」と述べた。支持率の低迷が続く中、来る衆議院総選挙に向けて「菅氏のままでは大敗する」と見切りをつけた自民党内の“菅降ろし”の動きに、事実上屈した形となる。
二階動向  役員会後の役員連絡会で、二階氏は「首相からコロナ対策を徹底するために総裁選には出馬しない、人事もやらないと報告があった」と述べた。
河野動向  3日午後、東京・霞が関の財務省大臣室。総裁選出馬に傾く河野氏と向き合った麻生氏がこう言葉を投げかけた。「最後は自分で判断しな」。
河野動向  3日、首相が不出馬を表明したこの日、河野氏は早速、衆院議員会館で複数の議員と面会し総裁選への対応について意見を交わした。新型コロナへの対応をめぐり、菅内閣の支持率は低迷。総裁選後に控える衆院選への影響も懸念される中、麻生派若手には「状況を打破するなら河野氏が首相になるべきだ」との意見が多い。ただ、新型コロナへの対応は容易ではない。政権批判で「河野内閣」が短命に終わらぬよう、派内からは「火中の栗」を拾うべきではないとの声も漏れる。一方、河野氏が昨年、地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画停止を根回しなしで発表するなど、過去の言動を不安視する意見も少なくない。「派として河野氏でまとまる雰囲気はない」(麻生派ベテラン)として、立候補を表明している岸田文雄前政調会長を推す声もある。数々の政局を経験した麻生氏は、決選投票となった場合などを念頭に置きつつ、派にとっての「最適解」を導こうとしているとみられ、周囲には「河野は自分が置かれている状況が分かっていない」ともつぶやいているという。
菅-小泉動向  9.3日夕、小泉進次郎は、菅首相と官邸で面会後、悔し涙を流しながら記者団にこう語った。「批判されてばかりだったが、1年間でこんなに仕事をした政権はない。政権が正当な評価を受けていない」、「菅首相は人間味がないと思われている節があるが、まったく逆だ。懐が深く、常に時間をつくってくれた。感謝しかない」。進次郎氏は菅首相と同じ神奈川県選出で無派閥同士、気脈を通じ合っている。党役員の人事刷新では要職に就くともみられていた。菅内閣の閣僚では真っ先に菅首相の再選支持を表明した。8月30日からは連日、菅首相に会って「出馬を決断するなら最後まで支える」と激励する一方、党内の厳しい声を伝えた。「早期の衆院解散→総裁選の先送り」にも苦言を呈した。
二階派動向  9.3日夜、赤坂議員宿舎の武田良太総務相の部屋に二階派の幹部が集結した。「(総裁選の投開票)29日までまだ一ヶ月近くあるな」。二階氏がそうつぶやくことで、居並ぶ幹部らは互いに顔を見合わせた。しばらくは様子を見、どのタイミングでどう動くのか議論は白熱した。議論が続く中、菅氏が続投に強い意欲を示すために二階氏を幹事長ポストから外そうとしたことを「総理への怒りはありませんか」とある幹部が尋ねると、「ちっとも」。二階氏は短くそう返したという。超然とする二階氏をよそに話題は移っていった。林氏が河野氏の支援に回ること、石破氏が推薦人集めに苦労し、「札(推薦人)をお貸しください」とお願いしてきたら武田氏が交渉役となり、何人か回すこと…などが決められた。その一方で、基本方針は「全方位外交」とし、推薦人を頼んできた候補者には何人か回すことも確認された。82歳のキングメーカーの「次の一手」が注目されている。
石破動向  石破は、記者団に対し「全く新しい展開になった。変化に伴う判断をしなければいけない」と告げた。出るのか、出ないのか-。総裁選の行方を左右する石破氏の決断に、にわかにスポットライトが当たるようになった。メディアの取材は過熱し、議員会館の事務所前には常時、私を含む記者が10~20人張り付くようになった。
 9.4日(土)
世論調査  9.4日、民間調査会社の日本共同ネットニュースが、自民党員に絞って電話で「誰に投票したいか」を聞いたところ、回答を得た2135人の選択は、石破が28.9%とトップで河野(20.7%)を逆転。岸田19.5%、高市7.9%、野田4.3%と続く。下村は0.1%。「まだ分からない」は18.6%に上る。菅の総裁選不出馬によって「自民党に活性化が生まれるか」と聞くと、「今までと変わらない」が57.1%で、「変化が生まれ良くなる」(42.9%)を上回る。
 9.5日(日)
岸田動向  9.5日、岸田が、フジテレビの番組に出演し、アフガニスタンの日本大使館の現地職員らを自衛隊機で救出できなかったことについて「危険な状況の関係者を救うのに現地の安全を確認できないと(自衛隊が)行けないのは国民の感覚としてどうか。日本の危機管理として考えるべきだ」と述べ、自衛隊法改正を検討する必要性を指摘した。
茂木動向  9.5日、茂木がNHK番組で、総裁選での自身の出馬や派としての対応を問われ、「(菅義偉首相の不出馬表明で)ガラッと構図が変わった。会長代行として、グループをしっかりまとめていくことが何より重要な役割だと思う」と述べていた。
 9.6日(月)
読売新聞社調査  読売新聞社は4~5日、緊急全国世論調査を実施し、次の首相にふさわしい政治家は、トップが河野の23%で、石破21%、岸田12%と続いた。自民党総裁選を巡っては、安倍前首相の支援を受ける高市が出馬に必要な推薦人20人の確保にメドをつけた。調査は菅の退陣表明を受け実施。自民党の政治家10人から選んでもらった。4位以下は、小泉11%、安倍5%、高市3%、野田2%などとなった。菅を含め11人で尋ねた前回(8月7~9日調査)は、石破19%、河野18%と拮抗(きっこう)していたが今回調査で逆転した。岸田前回4%、高市同1%からそれぞれ上昇した。
共同通信社調査  共同通信社が4、5両日に実施した全国緊急電話世論調査で、次の首相に「誰がふさわしいか」と聞いたところ、河野31.9%、石破26.6%、岸田18.8%。4位以下は野田4.4%、高市4.0%、茂木1.2%、下村0.6%の順となった。自民党支持層で見ると河野が37.1%で、石破の23.3%、岸田氏20.7%。
甘利発言  河野が所属する麻生派の重鎮の甘利明税調会長は国会内で講演し、党総裁選への出馬の意向を示している河野について、「菅首相がダメだとたたかれた一番の原因が新型コロナウイルスワクチンの迷走と言われ、それでワクチン担当相の評価が上がるってどういう構図になっているのか良く分からない。半分くらいは菅首相に分けてやったら」と皮肉混じりに語った。不出馬を表明した菅が進めたワクチンの政策に関しては、「彼の『とにかくやるんだ』という力が作用したというのは評価していいんじゃないか。かわいそうだという気がする」と述べた。政権発足から約1年でデジタル庁を立ち上げたことについても、「菅首相の剛腕があったから」と評価した。
甘利発言  6日、麻生派重鎮の甘利明・党税制調査会長が都内で講演し、「とんがっていることも大事だが、とんがってる方向と違った人は全部淘汰(とうた)される」と懸念し河野氏を当てこすった。
石破動向  石破が顧問を務める石破派(水月会、17人)内で、河野が出馬した場合、河野を支持する案が浮上していることが分かった。石破は総裁選で出馬の有無について明言していない。石破派幹部は「河野氏の改革志向の方向性は石破氏と同じだ。石破派が唱えてきた政策を実現するためには河野氏支持も選択肢の一つとして考えている」と語っている。石破派で広報委員長を務めている平将明衆院議員は5日に石破と面会し、河野を総裁選で支援する考えを伝えたという。同派は7日に国会内で会合を開き、河野支援の選択肢も含めて総裁選への対応について協議する。
 9.6日、石破の地元・鳥取などを発行エリアとする日本海新聞朝刊に「推薦人20人は集まっている。政策も準備できている」と自信を示す記事が掲載された。一方、午後には民放テレビが「不出馬調整、河野氏支持」と独自ニュースを流した。当の石破氏は不出馬調整のニュースを「言った覚えはない」と打ち消した上で、出演したテレビ番組、記者団の取材に「白紙」「熟慮中」と繰り返した。昨秋の総裁選で獲得した国会議員票は、わずか26票。派閥内における求心力は低下し、石破氏の下を去るメンバーも相次ぎ、1年という時間を経ても票の上積みを期待できる環境からは程遠かった。今回の総裁選には、報道各社の世論調査で石破氏と人気を分け合う河野太郎行政改革担当相が出馬に強い意欲を示していた。石破氏が出た場合、強みである地方票を河野氏に奪われ、再起不能の深手を負ってしまう恐れもあった。
高市動向  高市派の動き。「高鳥修一衆院議員が代表世話人を務める『保守団結の会』や、青山繁晴参院議員が代表の『日本の尊厳と国益を護る会』など、保守系グループがサポートし、既に50人前後の議員からの支持を期待できる状況だ。決して“泡沫”ではない」(自民党関係者)。現在、野田聖子幹事長代行、下村博文政調会長も出馬を検討。竹下派からは、会長代行の茂木敏充外相の待望論も持ち上がっている。
甘利発言  6日夜、自民党の甘利明税調会長はBS日テレ番組で、党総裁選への出馬を表明している岸田について「事情が許せば、応援してあげたいというのが正直なところだ」と述べた。 甘利氏は、岸田を「非常に人柄が良い」と評価した。「世の中が不安と不満で気持ちがささくれ立っている。そういうときに、寄り添うタイプの人がいいと思い、シンパシーを感じている」と語った。 甘利氏が所属する麻生派(志公会、53人)では、河野が出馬意欲を示している。
 9.7日(火)
石破動向  7日午前、石破派が総裁選への対応を巡り国会内で会合を開いた。石破の立候補について、「出馬すべきだ」と大将の背中を押した議員は2人にとどまった。逆に、「河野氏を支援しよう」という声が公然と上がった。派内には、安倍晋三前首相との関係悪化を背景として長く続く「冷や飯食い」に疲れ果て、もう負け戦はしたくないとの空気がまん延していた。「過去の選挙で応援してくれる大勢を犠牲にした。昨年と同じこと(敗戦)は繰り返せない」。石破は、こう何度か口にした。「勝てるか否か」が決断の基準であるならば、出馬の可能性は限りなく小さかった。石破は「国民と党員の声を聴いて、国家と国民のために何をすべきか。それが大事だ」と述べたうえで「白紙」としている。7日放送のTBS系「ひるおび!」で、政治評論家の田崎史郎が石破の動向について現状を解説した。田崎は石破が二階幹事長と同派に所属する武田良太総務大臣と会談した際「推薦人を貸してほしい」と話したという。総裁選に出馬するには20人の国会議員の推薦人が必要となるが、石破は7人の推薦人をお願いしたため、武田大臣は「残り13人の推薦人の名簿を出してほしい」と求めたところ昨夜の段階で名簿は出ていないという。田崎は「(推薦人は)10人集まっていない」との情報があるとして「出馬できないだろう」と予測した。

 石破は、2008年の総裁選に初挑戦して以来、国会議員票の獲得に苦戦し、これまで4回敗退している。前回総裁選では岸田文雄・前政調会長にも敗れて最下位に沈み、派閥会長の辞任に追い込まれた。石破は、麻生内閣で「麻生降ろし」に加担した経緯がある。第2次安倍内閣では、激しい政権批判を繰り広げた。石破と2人の重鎮の確執は根深い。

 派内からは「もはや『参加賞』では許されない」(閣僚経験者)との声が上がる。石破派(17人)は、総裁選出馬に必要な20人の推薦人を所属議員だけで用意できない。しかも派内から平将明衆院議員らが「河野支持」に回っており、山本有二元農林水産相は休会中で、派閥の一致結束が難しい状況だ。二階幹事長が率いる二階派の一部が石破氏の出馬に向け、支援の動きを見せていることも、かえって石破派内の反発を招いている。派内の中堅議員は「二階派の力を借りれば『時代遅れ』のレッテルを貼られかねない」と懸念をあらわにし、「今回は同じ改革路線である河野氏に乗って次期政権内でポストを確保し、次のチャンスを待つべきだ」と語った。鴨下一郎代表世話人が「まだ候補の顔触れも分からないから」と結論を先送りした。
河野動向  7日午後、河野は、自身が所属する麻生派の領袖(りょうしゅう)、麻生財務相と会談した。河野と麻生の会談は6日に続き、2日連続、3回目。麻生派は8日、当選期数別に議員が意見交換するが、ベテラン議員には、岸田支援の声もある。河野は、今週中にも正式に出馬表明する方向で調整しており、対応を協議したものとみられる。
河野動向  7日、河野氏は記者会見で、石破氏が河野氏支持を検討していることを問われると、素っ気なく 「石破さんに聞いてください。石破さんの話を私に聞かれても答えようがない」と応じた。
細田派動向  7日、参院細田派(36人)の意見交換が行われ、高市支持を明言したのは「安倍氏への忖度(そんたく)」からの議員2人だけだった。党を取り巻く危機的な状況を踏まえ、「高市氏には任せられない。安倍氏の意向にみんなしらけている」と漏らす。細田派内には、前身の旧町村派を退会した高市氏に対し「閥務を敬遠した」として厳しい見方が多い。細田派中堅は「惨敗したら安倍氏に傷が付く」と指摘。安倍氏周辺は、支援は推薦人確保にとどめることを念頭に、「安倍氏が恥をかかないように着地させるしかない」と語った。
田崎発言

 9.7日、政治評論家の田崎史郎氏が、TBS系「ひるおび!」で、自民党総裁選について、二階派が誰を支持するのかという問題について、「二階派の人は岸田さんを許さない」とコメント。そのときの田崎氏の表情を恵俊彰が「ホオジロザメが獲物を捕る時の顔」と例え、田崎氏が苦笑する一幕があった。番組では混沌とする自民党総裁選の行方について特集。その中で、二階派が誰を支持するのかという話題となった。恵は「もうひとかた、出てきてない重鎮が二階さん。二階さんがここ(河野太郎氏)に乗っかることは?」と田崎氏に質問した。すると田崎氏は「その可能性はある」と語ると表情を引き締め「二階派の人と話すと、岸田さんを許さない、ということなんです」と、二階派は二階俊博幹事長切りを早々に宣言した岸田文雄氏を「許さない」と思っていると解説した。この「許さない」発言をした田崎氏を見ながら、恵は「顔色変わりますよね、田崎さん…」と言うと「ギラッとした目。ホオジロザメが獲物を捕る時の顔です」と指摘。田崎氏は慌てて笑顔を見せ「変わる?顔隠します?」と苦笑いを浮かべていた。

 9.8日(水)
岸田動向  9.8日午前、岸田が「新しい日本型資本主義」と題する自身の経済政策案を発表した。派閥の創設者である池田勇人元総理大臣が掲げた「所得倍増計画」にならって「令和版所得倍増」を掲げ、格差是正を目指すとした。医療・介護・保育などの分野で働く人の報酬引き上げのために「公的価格評価検討委員会」を設置することや、デジタル技術を活用した所得再分配の仕組みの導入を提案。安倍氏が「3本の矢」と名付けた「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「成長戦略」などが柱の「アベノミクス」を継続してデフレ脱却を目指す一方、「私の経済政策をひと言で言うなら、小泉改革以降の新自由主義的な政策を転換する。私は、新しい日本型の資本主義の構築に向けて、先頭に立つ」と述べた。規制改革・構造改革重視の政策は見直す考えを示した。

 安倍政権時代に起きた学校法人・森友学園を巡る文書改ざん問題について、岸田は2日のテレビ番組で「さらなる説明」が必要との考えを示したが、5日後に「再調査は考えていない」と明言。安倍周辺が「話を蒸し返すな」と反発した影響と見る向きもある。8日の記者会見で岸田は、安倍路線を継承するかどうかを問われると、「ひとくちで言うのは難しい」と言葉を濁した。岸田派(宏池会、46人)は、総裁選が岸田と河野との決選投票になった場合、高市に投票した議員の票を得て勝利する戦略も描いている。特に、安倍の出身派閥で党内最大の細田派(96人)議員から支持を得るには、安倍との関係維持が不可欠となる。細田派では、次期首相に「アベノミクスの継承者」を望む声がある。
麻生動向  8日、麻生財務大臣が、自らが率いる派閥の事務所に到着。総裁選に向けて、所属する議員と話し合いを行った。派閥として河野氏を支持するかどうか、麻生氏は4時間にわたり、所属する議員にヒアリングを行った。麻生派・武見敬三参院議員は「我々のグループの仲間としては、腹を割ってきちんと話して、そしてそれをお互いに調整していきながら、最終的には、会長の判断というものをしっかりと受け止めようと」。ベテランの中には、岸田氏支持の動きもあり、結局は、自主投票になるという見方も出てきている。
茂木動向  9.8日、茂木外相は、財務省で麻生太郎副総理兼財務相と面会した。茂木は面会後、記者団に「内外の情勢について意見交換し、ご指導いただいた」と説明した。茂木は自民党竹下派(平成研究会、52人)の会長代行を務めており、党総裁選についても意見交換をした。
遠藤動向  9.8日、宏池会の流れをくむ谷垣禎一・元総裁を中心とするグループ「有隣会」代表世話人の遠藤利明・元五輪相が岸田氏の支持を表明した。
石破動向  9.8日、出馬するのかしないのか、注目されている石破が突然、二階幹事長と会談した。石破「(Q.どのような話を?)いや、ごあいさつです」、「(Q.総裁選について、何か話は?)ごあいさつなのでね」、「(Q.白紙という立場で変わりない?)それは全く変わりはない」。
河野動向  9.8日、河野は内閣府で記者団の質問に答えた。「(原発政策を巡り)安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」と述べた。持論とする脱原発に関し「いずれ原子力はなくなる」。
河野動向  9.8日、経団連の十倉雅和会長が、河野会談した。河野が根っからの「脱原発派」なのに対し、経団連は原発を推進してきた立場。河野は10日の自民党総裁選出馬正式表明の二日前に「天敵」ともいえる会談をしていた。十倉氏は「河野さんの『脱原発』が気になる。お互いに、言わずもがなでその話になった」と説明。河野は「安全と認められた必要な原発は再稼働させていきます」と応じたが、原発の新増設や、どの程度の原発を再稼働させるかなどの具体的な話はしなかったという。関係者によると、会談は河野からの要請で実現。経団連で行われた。河野の総裁就任に戦々恐々とする財界の総本山に出向くことで、自身に対する警戒心を解きたい狙いがあったとみられる。十倉氏は16日に岸田文雄前政調会長と会談する。
河野動向  9.8日昼、河野規制改革担当相が国会内で安倍晋三前首相と面会した。
高市動向  9.8日、高市早苗前総務相は、国会内で記者会見を開き、安倍晋三前首相などの支援で20人の推薦人を確保したとして自民党総裁選への出馬を正式に表明した。出馬を決意した思いを「アリがゾウに挑むような感じで、全く勝負にならない。でも、やらなきゃいけない」と表現した。女性議員では2008年の小池百合子氏(現東京都知事)以来2人目。93年に衆院選に初当選した高市氏は「30年近く前、“小娘が国会行って何できるねん”と言われた。30歳過ぎて小娘って言われたのがちょっと悪い気はせんかったんですけれども」と笑いを取りつつ、当時を振り返り「確実に時代は変わっていきます」と自身をはじめとした女性議員の活躍に期待を寄せた。出馬表明は岸田文雄前政調会長に続き2人目。2時間近い会見となった。
 「国の究極の使命は、国民の皆様の生命と財産を守り抜くこと、領土、領海、領空、資源を守り抜くこと、そして国家の主権と名誉を守り抜くことだと考えている。その使命を果たすために、私のすべてをかけて働くことをお誓い申し上げます」、「日本を守るために、自然災害、感染症や難病、サイバー攻撃、食料安全保障、経済安全保障や国防にかかる脅威など、様々なリスクの最小化に向けた対策強化に最優先で取り組む」。

 「大胆な金融緩和」、新型コロナウイルス感染拡大などの緊急時や気候変動に対応した「機動的な財政出動」、「危機管理投資や成長投資」の「3本の矢」による「日本経済強靱(きょうじん)化計画」を「サナエノミクス」と銘打って経済を立て直し成長軌道に乗せる。2%の物価目標を堅持し、物価安定目標のインフレ率2%を達成するまでの期間、財政健全化の為の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標を凍結し「戦略的な財政出動を優先する」。インフレの兆候が表れれば投資額を調整すると述べ、事実上のMMT(現代貨幣理論)採用方針を示した。

 感染症対策として、「憲法が絡む問題なので難しいかもしれないが、与野党でよく議論をして、場合によっては海外で行われているロックダウンを可能にする法整備の検討を早急に始めなければならない」と述べ、海外で行われているような都市封鎖(ロックダウン)を可能とする法整備の検討を進める意向を示した。安全保障を巡っては、無人機や極超音速兵器の登場に危機感を示し、「迅速に敵基地を無力化するということを早くできた国が、自分の国を守れると思う。安倍内閣では敵基地先制攻撃と呼ばれていたが、私は迅速な敵基地の無力化と呼ぶ。これをするためにも法整備が必要だ」と、敵基地攻撃を可能とする法改正に取り組む考えを明らかにした。サイバー攻撃への反撃を可能とする法整備を進め、防衛費も増額する。省庁再編も検討する。また、日本に対するサイバー攻撃が昨年、1日あたり13億6600万回に上ったと指摘。「迅速な攻撃者の特定と、場合によっては金融制裁などの政治的な反撃、サイバー空間上での反撃も必要になるかもしれない。既に国民の生命や財産を守り抜けない状況が迫っている」とし、新たな法整備も含めた対策の強化を訴え、サイバーセキュリティー庁の設立などを列挙した。復興庁の拡充。

 憲法改正への意欲も改めて示した。「今を生きる日本人と、次世代への責任を果たす意味で、技術革新、安全保障環境、社会生活の変化など、今の時代の要請に応えられる日本人の手による新しい日本国憲法の制定に力を尽くす」と語った。

 NHKについては、「家計の負担が重くなっているNHK受信料を引き下げるために営業経費の削減、放送波削減、子会社改革、特に随意契約の比率が非常に高い。NHK改革を加速したい」と語った。高市氏は8月に月刊文芸春秋で総裁選出馬の意向を表明していた。
高市動向  総裁選への出馬を正式に表明したのは岸田文雄前政調会長(64)に続き2人目。このほか、河野太郎行政改革担当相(58)、石破茂元幹事長(64)、野田聖子幹事長代行(61)らの動向も注目されている。
株価の動向  8日、日経平均株価は一時、4月9日以来約5カ月ぶりに3万円の大台を回復。終値も約5カ月ぶりの高値となる前日比256円25銭高の2万9916円14銭を付けた。株価は7日連続で続伸。菅首相が退陣の意向を表明した今月3日以降は、3営業日続けて大幅高となり、上げ幅は実に1400円近くに達している。東証1部全体の株価の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も、バブル以来約31年ぶりの高値を2日連続して付けるという沸きっぷりである。
世論調査  9.8.日午後7時42分、J-CASTニュースが、菅首相が総裁選不出馬を表明した9月3日13時21分から9月8日17時にかけて、自民党の有力議員の中で「総裁になってほしい」と思う人の読者アンケートを実施した。全1343票のうち、もっとも票を集めたのは河野氏(357票)。次いで多かったのは高市氏(349票)。河野氏とは8票差だった。3番目に多かったのが、過去4度の出馬経験がある石破氏(185票)。4番目は安倍前首相(166票)だった。安倍氏に次いだのが岸田氏(142票)。前回の総裁選では菅氏に敗れ2位に終わった。今回の総裁選ではもっとも早く出馬を表明したものの、読者からの票数は伸び悩む結果となった云々。
菅動向  9.8日、既に退陣が決まっている菅首相が、米バイデン政権サイドから突然“呼びつけ”を食らった模様で9月下旬の訪米を検討。ニューヨークで行われる国連総会の一般討論演説に合わせたもの、又バイデン米大統領が主催する日米豪印4カ国(クアッド)首脳会議に出席するためとされているが、退陣直前の首相外遊は極めて異例。
 9.9日(木)
石破動向  9.9日、自民党総裁選への出馬を検討中の石破茂元幹事長がTBS番組で、学校法人森友学園への国有地売却をめぐる問題について政府による再調査を主張した。「国民の納得のために必要であれば、やらなければいけない」と述べた。石破氏はこの問題で追及を受けた安倍晋三前首相について「説明はしたのだろう。では国民が納得、共感したか」と指摘。さらに説明を尽くすべきだとの考えを示した。  森友問題では岸田文雄前政調会長が「さらなる説明が必要だ」と述べた後、「再調査等は考えていない」として軌道修正している。 
細田派動向  9.9日、細田派が党本部で総会を開いた。高鳥修一衆院議員が、安倍前首相が無派閥の高市早苗・前総務相を推していることを踏まえ、「安倍先生に恥をかかせるわけにいかない。多くの同志に応援してほしい」と訴え数人が同調する声を上げた。同派は、岸田前政調会長、河野行政・規制改革相を支持する議員も抱える。総会では約20人が発言。自主投票を促す意見も出る一方、菅家一郎衆院議員は「(結束し)主流派を目指して対応すべきだ」と主張した。最後は、派閥を率いる細田博之・元官房長官が「様々な意見があった。よく集約する」と引き取った。来週、再び総会を開く方針だ。高鳥氏らは総会後、高市氏を交えた会合を急きょ開き、独自に走り出した。
竹下派動向  9.9日、会長の竹下亘・元総務会長が「政権のど真ん中で汗をかく集団であるべきだ」との考えを持つ竹下派幹部らが都内の派閥事務所に集まり、会長代行の茂木外相が、療養中の竹下亘会長から派閥のとりまとめを依頼されていることに触れた上で「今回は独自候補を出すのは難しい」と述べ、「総裁選の状況を見極めながら派の対応を決める方針」を確認した。茂木氏は会合後、記者団に「個々の事情は尊重したい。一方でまとまった対応をしたいとの意見も強い。とりまとめ役に徹して意見を集約していきたい」と述べた。
中谷動向
 9.9日、昨年9月の前回総裁選では石破を支持していた中谷元・元防衛相が、岸田を支持する意向を表明した。代表世話人を務める谷垣グループ(有隣会)として岸田を支持するようメンバーに理解を求める意向も示した。中谷とともに代表世話人を務める遠藤利明元五輪相も岸田支持を既に表明している。中谷は、記者団に対し、岸田支持の理由について「(菅義偉首相が不出馬を表明する前から)国民の信頼を得る党にするんだという並々ならぬ決意で真っ先に表明をした。この迫力と真剣味、自分の身を捨ててまでやるんだという姿勢に共感した」と語った。有隣会としての対応については「まとまって(岸田氏の支援を)できたらいいなという形でお願いはしてみたい」と述べた。ただ、有隣会のメンバーには他派閥に所属する議員もいて、実際に岸田支持で一本化できるかは不透明だ。
 9.10日(金)
石破  9.10日、石破はブログで、総裁選への対応について、「(3位に終わった前回の総裁選を振り返り)多くの同志の負担や犠牲を伴いながら同じことを繰り返し、何も得られないとすれば、それは自己満足にしか過ぎないのだろうと考えておりますし、今回それを繰り返すことは避けなければなりません」と書き込んで、不出馬の意向をにじませている。「河野氏を支援すべき」との声に対しては、「岸田氏、高市氏、河野氏の主張をよく拝聴しながら、私のとるべき道を決断するつもりです」と続けている。
高市  9.10日、高市前総務相が日本テレビ系「スッキリ」に生出演。英国初の女性首相、マーガレット・サッチャー氏(2013年死去、享年87)について熱く語った。1979~90年に首相を務め、「鉄の女」と呼ばれたサッチャー氏とは過去にシンポジウムで討論したことがあるという。「イメージ通り非常に強い信念を持っていて、厳しいこともおっしゃるが、特有の温かい優しさも持っておられて大好き」。政治姿勢についても「一時的に国民に不人気な政策でも、国家のために絶対に必要と思ったら信念をもって取り組む。その代わり国民に一生懸命、説明を続けてきた」と共感を寄せた。
河野  9.10日午後2時、河野は麻生派議員に対して総裁選への立候補を報告する会合を開催した。前日夜に、各議員の議員会館にFAXが送られ、多くの議員は当日朝になって報告会の開催を知ったという。 急きょ設定された派閥議員への報告会。その場で、河野氏と若手議員との間で、こんなやりとりが交わされたという。 麻生派若手議員「『はい次、はい次』という物の言い方は地元でも評判が悪いので直してほしい」。河野氏「態度や言い方については気をつけたい」。集まった議員からは「派閥で一致して河野氏を支援するべきだ」という意見も聞かれた。
麻生派  麻生派の報告会の裏で財務省内で幹部会合開かれていた。麻生副総理、甘利税調会長、鈴木前総務会長ら派閥幹部の面々がそろっていた。岸田を支持する意向を示している甘利らが「河野氏での一本化はやめてほしい」と切り出し、これを受けて幹部会合では「河野氏or岸田氏支持を原則としつつも、個別の事情でほかの候補者を支援することも容認する」という方針を確認した。最終調整を経て、週明け以降に派閥の総会を開き、こうした方針を示す見通しとなった。「実質的には自主投票だろう」の声がある。
河野  9.10日午後4時、総裁選に立候補する意向の河野行政改革担当相が、党本部で二階俊博幹事長と会談した。出馬を正式表明するに当り、自身の判断について二階氏に説明した模様だ。
河野  9.10日午後4時、河野太郎行政改革・規制改革担当相が国会内で記者会見を行い、自民党総裁選に出馬すると正式表明した。岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)に続き3人目。河野氏が総裁選に挑むのは、自民党が野党だった2009年に続き2度目。「派閥解消」などを掲げたが、当選した谷垣禎一氏に及ばなかった。

 会見に先立ち記者団に配付されたパンフレットには「産業界も安心できる現実的なエネルギー政策を進める」と明記され、「反原発」を過去に主張していた経緯を懸念する産業界などへの配慮がみられる。このほか、「一方的な現状変更の試みに対抗できる枠組みづくり・抑止力の強化を行う」として、中国の領土拡張的な傾向をけん制。新型コロナ対策では「ワクチン接種を迅速に進め、必要な3回目接種の準備を行う」と盛り込んだ。エネルギー政策については「産業界も安心できる現実的なエネルギー政策を進める」としている。
 「皆さんの思いや不安を受け止め、情報を皆さんと共有し、しっかりとしたメッセージを出し、皆さんと一緒にこの直面する危機を乗り越えていかなければならないと思っている。皆さんと一緒に笑い、皆さんと一緒に泣き、皆さんの思いを受け止め、皆さんに共感していただける。そんな政治を通じて、人が人に寄り添う、ぬくもりがある社会を作っていきたいと思っている」
 「自民党は保守政党だ。保守主義は度量の広い、中庸なあたたかいものだと思っている。日本の礎は長い伝統と歴史と文化に裏付けられた皇室と日本語」
 「みんなの顔が見える地域社会の中で、みんなで相談をして、みんなで決めて、みんなで実行する。そういう政治の原点に今こそ我々は戻らなければいけないのではないか。平等な機会が提供され、努力したもの、汗をかいたものが報われる。そして、誰一人取り残さない、みんなをしっかりと支えていく国家を作っていきたいと思っている」
 「今日本はなんとなく立ちすくんでいる。その間に他の国がどんどんと前に進もうとしている。かつて、先頭を走っていたかもしれないが、残念ながら今トップランナーではなくなったかもしれない。だからこそ、今私たちは重い扉を押し開けて、前へ進まなければならない。皆さんと一緒になって、日本を前に進めていきたい」。

 原発の再稼働をめぐっては、2050年の「カーボンニュートラル」実現に向け、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入を進めるとしたうえで、「安全が確認された原発を当面は再稼働していくのが現実的だ」と容認する考えを示した。森友学園問題の再調査については「必要ない」と述べた。「日本を前に進める」、「自民党を変え政治を変える。日本の危機に全力で」などをキャッチコピーに掲げて戦う。
 高市前総務相「とっても元気な方だと思います。割と声でかいですよね。反原発、原発ゼロでしたっけ、そのポスターがいっぱい貼ってて、その印象があります」。岸田前政調会長「ぜひ多くの候補者の中で活発な論戦を行い、そして自民党の信頼回復につなげていきたい。政治家はややもしますと、能弁にしゃべるわけですが、怒鳴ってばかりだけではチーム力というものは発揮できない」。石破元幹事長は自身のブログを更新し、「多くの同志の負担や犠牲をともないながら何も得られないとすれば、自己満足にしか過ぎないだろう。今回それは避けなくてはならない」、「岸田氏、高市氏、河野氏の主張をよく拝聴しながら、私の採るべき道を決断するつもりだ」などと記した。
石破動向  9.10日夜、石破がBSフジ番組で総裁選への対応について「出馬する可能性は捨てていないし、態勢も維持している」と述べ、告示前まで慎重に判断する考えを重ねて強調した。出馬しない場合に石破氏が支持する候補者の条件については「相手の意見を取り入れる寛容性を持っているかだ。私の考える保守の中核はそれだ」と述べた。週末には立候補予定者の政策集を熟読する考えも示し、「(石破氏が)補える部分があり、目指すべき国家の方向性が一緒なのかを考えないといけない」とも語った。
河野動向 9.10日夜、河野は日本テレビ番組で、石破の動向について「これまで総裁選にも立候補した先輩だ。どういうふうにされるかということは注目していきたい」と語った。石破は今回の総裁選に出馬するかどうか明らかにしていないが、出馬せずに河野の支援に回るのではないかとの見方も出ている。
「党風一新の会」  9.10日、自民党の1~3回生議員が「党風一新の会」を立ち上げた。呼びかけ人は70人に上る(細田派16人、岸田派13人、麻生派と竹下派が各10人、二階派6人、石破派4人、石原派1人、無派閥10人)。“派閥一任”の意思決定に猛反発している。現在90人が入会。自民党衆院議員のうち3回生以下は126人だから7割超の勢力を誇る。代表世話人を務めるのが、最大派閥・細田派に所属する福田達夫衆院議員。祖父に赳夫元首相、父に康夫元首相を持つ“政治エリート”だ。慶大法学部卒、米ジョンズホプキンス大高等国際関係学研究所留学、三菱商事出身というキラキラの経歴も手伝って、「清和会(細田派)のプリンス」とされている。10日に行われたオンライン設立総会では、総裁選候補者と若手の意見交換の場を求める提言を採択。総会後、福田氏は「派閥一任で総裁選の行方を決めないことはほぼ達成できた」と胸を張った。
 9.11日(土)
 9.11日午前、高市前総務相が、読売テレビ番組で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺への侵入を繰り返す中国船に対応するための法整備を訴えた。「実行支配を日本がしている大切な領土だ。領土を守るため、しっかり自衛隊と海上保安庁が動ける環境を確立していきたい」と語り、海上保安庁法や自衛隊法の改正を目指す考えを示した。 中国が2月に施行した海警局の武器使用権限を明確化した海警法について、「非常に強い危機感を持っている」と指摘。「自民党の中でも『海上保安庁法は変えておかなければ民間の方々も守れない』、『海保の職員たち、船そのものも守れない』といった意見が非常に多い」と述べた。
 日本経済新聞社とテレビ東京が菅義偉首相の退陣表明を受けて9~11日に緊急世論調査を実施した。事実上の次の首相となる自民党総裁に「ふさわしい人」を聞くと河野太郎規制改革相が27%で首位だった。2位は石破茂氏の17%、3位は岸田文雄氏の14%で、高市早苗氏は7%の5位だった。
石破動向  9.11日、石破元幹事長が茨城県を訪問し、次期衆院選立候補予定者とともに水戸市などを遊説した。石破氏は桜川市内で聴衆を前に、「正直で誠実で謙虚で、説明責任を果たす。そういう自民党になっていかなければいけない」と訴えた。 菅首相の退陣表明にも触れ、「圧倒的多数で選んだ菅さんを、我々は支えきることができなかった。自民党として、国民に心からおわびしないといけない」と述べた。石破氏は筑西市内で報道陣の取材に応じ、総裁選への対応については「きちんとした答えを責任をもって出すためにはもう少し時間がかかる」、「明日1日よく考えたい」と語った。

 石破幹事長が顧問を務める石破派(水月会、17人)が15日に臨時総会を開く方向で調整していることが分かった。石破氏が総裁選への出馬の是非について態度を明らかにするとみられる。複数の関係者が明らかにした。
 9.12日(日)
 9.12日、高市が、「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ)に出演した際の発言「なんとなく地上波(テレビ放送)を見ていると、私は右翼扱いをされている気がしてしかたがない。こんなに優しく生活者に寄り添った政策をいっぱい構築しているのに、なぜなのだろうと思う」。
 9.13日(月)
河野動向  9.13日朝、河野は、TBS番組で、石破との連携の可能性を問われ「考え方に共鳴してくれる人ならば、どなたでも支援をもらい、1票を入れていただきたい」と語った。
河野動向  「手応えを感じているところです」と話す河野氏は日本テレビ「スッキリ」に出演。「(飲食店などへの)補償は、さっと、その場で払えるというぐらい、行政のデジタル化をしていくというのが大事」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う支援を、素早く行えるようにしたいと訴えた。
河野動向  9.13日、河野は、テレビ番組に出演後、国会内を回り、課題とされる議員票の獲得に力を入れた。石破を国会内の議員事務所に訪ね約20分会談した。総裁選への協力を要請したとみられる。対する石破氏はどう答えたのか。記者団から問われた河野氏は「ご本人に聞いて」とけむに巻いた。石破は、河野氏から総裁選での支援要請があったことを記者団に明らかにした上で「政治や自民党、保守(のあり方)について認識が一致した」と述べた。
高市動向  高市は、国会の議員事務所を回り、「美しく強く成長する国へ」とする政策本を配るなど、自らの政策への理解を広げる戦略で動きが熱を帯びてきている。その後、記者団の取材に応じ、北朝鮮の新型長距離巡航ミサイル発射報道について、「非常に大きな脅威だ」と懸念を表明した。ミサイル防衛に関し「敵基地攻撃能力」保有に言及。抑止力のあるミサイル配備の必要性を改めて訴えた。
岸田動向  9.13日午前、自民党総裁選の告示が4日後に迫る中、岸田が、出馬表明以降3度目となる政策発表会見で外交安保政策を打ち出した。「台湾海峡の安定、香港の民主主義などは、試金石であり毅然(きぜん)と対応してまいります」 。岸田は、8月「新型コロナ対策」、先週「経済」、9.13日「外交・安全保障」と政策を小出しにする戦略をとっている。
石破動向  9月上旬、自民党総裁選政局真っ只中、石破派水月会の事務所が移転している。引っ越し先はこれまでと同じ永田町内のマンションだが、旧事務所の家賃が30万円ほどだったところ新たな物件は約10万円と3分の1。築43年で広さがわずか22平方メートル。水月会の担当者によると、 「以前の事務所の家賃が更新で値上がりするため、もっと安いところで十分だろう、と。以前は派閥役員が10人いましたが、いまは4人体制なので打ち合わせも議員会館の会議室で済んでしまう。利用状況に合わせたスリム化ということです」。 「石破氏は今月1日、いまも参院竹下派に強い影響力を持つ青木幹雄・元自民党参院会長を訪ねています。2016年の参院選に青木氏の長男・一彦氏が出馬した際、全面支援して当選に導いたのが石破氏。青木氏も感謝していたので、参院竹下派は石破氏を推すと思われた。しかし、面会時に石破氏は“今回は迷惑をかけません”と伝えたようなのです。石破氏を支援する二階派の武田良太総務相は、もう一度、青木氏に会うよう説得したものの、石破氏の腰は重い。それどころか、出馬を断念して河野氏の支援に回り、党の要職に返り咲くことも検討している。ただ、この機を逃せば水月会の空中分解は必至。総理への道のりがさらに遠ざかる危険性がある」。(「週刊新潮」2021年9月16日号 掲載)
石破動向  9.13日、石破は、同じく出馬を模索している野田幹事長代行と会談。その後、河野氏とも会談した。石破周辺は「出馬すれば『本当に勝てるのか』と批判されるし、出馬しなければ『石破支持者の期待を裏切るのか』と批判される。本人にとって、どちらにしても厳しい選択になる」と解説する。
 9.13日、石破が河野とさしで会談し、「私が総理総裁になったら、水月会(石破派)の力をお貸しください」との申し出を受けた。
岸田動向  9.13日、岸田は、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、自身が首相に就任した場合の靖国神社参拝について「国のため尊い命をささげた方々に尊崇の念をしっかり示していくことは政治家にとって大切な姿勢だ。適切な示し方を考えたい」と述べた。先の大戦について、岸田氏は日本の将来世代に謝罪の宿命を負わせず、積極的平和主義を目指すとして平成27年に安倍晋三政権が閣議決定した戦後70年談話を踏まえ「国際社会に日本の思いをしっかり訴えなければならない」とし、靖国神社参拝について「崇敬の示し方はそれぞれの政治家、人間が考えていくこと」とした。菅義偉首相が日本学術会議会員の任命を拒否した判断については「撤回は考えない。人事の説明は難しいものがあるが、指摘には、しっかり考えを述べなければならない」とした。北朝鮮対応について、ジョー・バイデン米政権の対北朝鮮政策の見直しを見極めると指摘。首相に就いた場合、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とのトップ会談は「選択として排除しない」とし、米国の対北朝鮮政策を踏まえ検討すると説明。また、来年の北京冬季五輪のボイコットの動きについて「総合的にわが国が判断する。中国との関係は独自の重要性がある」とした。
 9.13日、岸田は、会見で、原発から出る使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル政策」について、「維持しなければいけない」と述べた。使用済み燃料のプール貯蔵量が100%に近づく中、核燃料サイクルを止めると「現実に動く原発すら動かすのが難しくなる」と指摘。さらに日本が目標に掲げている2030年度の温室効果ガス46%減(13年度比)について「原発30基稼働が前提の数字。核燃料サイクルを止めると、その目標すら実現が不可能になるのではないか」と語った。核燃料サイクル政策をめぐっては、総裁選への立候補を表明している河野太郎行政改革相が11日に都内で記者団に「なるべく早く、手じまいすべきだ」などと否定的な考えを示している。
石破関連
 ジャーナリストの須田慎一郎がニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月13日放送)に出演、自民党総裁選について次のように解説した。
 「石破さんはまだ態度を鮮明にしていませんけれど、出られません。出ないのではなく、出ることができないのです。推薦人20人のハードルは高いのです。『20人集まった』と、本人も自信を見せていますけれど、集まっていません。自分の派閥では足りないので、二階派に協力してもらおうとしているのですが、その二階派との間で微妙な感じになっています。協力してもらえるかどうかが見えて来ないので、出ることができないということです。石破元幹事長は出馬を見送るでしょう。石破派閥は17人いるのですが、17人のうち4人は既に他の候補の支援に回っています。残り13人が固まって行動できるのかどうかというところがポイントなのですが、推薦人の20人に足りない人はどうするのか。二階派に協力してもらうという形になっているのですが、問題なのは、協力してもらえるかどうかではなくて、『石破派の残り13人は本当にいるのか』ということです。 どうも13人のうち何人かは、他の候補の支持に回っているようなのです。そうなると、推薦人20人の確保が難しいということで、出馬は見送り。そして、石破派のなかから支援に回っているのは河野さんなのですよ。 改革派路線を全面に打ち立てる河野さんの支援に回っていますから、石破さんの方から河野さんの支援に回る可能性も高いのではないかと思います」。
高市動向  9.13日昼、14日午後4時前、高市が、日本テレビ系「news every」に国会記者会館から生出演し、2回目のワクチン接種を終えたことを明らかにした。ワクチン接種がこの時期になったことについて「私、ワクチン難民だった期間が長いので、申し込んでも取れなくて、今の時期になりました」と説明していた。高市氏は13日夜、2回目のワクチン接種時の写真をインスタに投稿。「医療提供や社会経済活動維持のために働き続けて下さっている多くの方々のご貢献に対し、深く感謝を申し上げます」などと医療従事者やエッセンシャルワーカーへの感謝をつづり、「ちょっぴり副反応かも」と明かしている。
野田動向  9.13日、河野に続いて野田も石破を訪ねた。野田に近い議員は、「石破氏が出なければ野田氏の推薦人になってもいいという議員がいる」と打ち明ける。
共産党動向  9.13日、共産党の小池晃書記局長は記者会見で、「総選挙を目前にして、一政党の党首選びを延々と放送し続けることは、放送の中立性という点から看過しがたい」と述べた。民放のワイドショー番組などが自民党総裁選の話題を連日取り上げていることが念頭にある。小池氏は「もっと公正中立な報道に徹しないと、民意をゆがめることになってしまう、と強く指摘したい」とも語った。
 9.14日(火)
棚橋大臣が河野支持  9.14日、棚橋泰文国家公安委員長が閣議後記者会見で、河野を支持する考えを表明した。棚橋氏は「河野氏を全力で支援していく。(同氏は)改革意欲に燃えると同時に、現実的な選択肢を示している」とコメントした。
井上大臣が河野支持  9.14日、井上信治科学技術担当相が閣議後記者会見で、河野を支持する考えを表明した。「新型コロナウイルスなどで厳しい時代だからこそ、河野氏の突破力や行動力に大いに期待したい」と語った。 
細田派動向  9.14日、最大派閥「細田派」の総会が開かれ午後に終わった。17人が発言したが高市支持を明言したのは3人だけだった。「高市に投票するのは多くても派閥の4分の1程度の20-25人ではないか」(細田派関係者)。岸田と高市の2人を支援することを決めた。細田派内には河野を支援する議員も一部にいて自主投票を求める声も上がっていた。ある幹部は「派内の大勢は岸田だ」と述べてた。安倍前総理が高市支持を鮮明にしているため、岸田だけでなく高市も支援することを決めた。それぞれの陣営に推薦人も出すことを確認している。派閥としては候補者を出さない。
石破動向  9.14日、石破が総裁選への出馬を断念した。菅首相の退陣表明を受け出馬の是非を検討していたが、足元の石破派(17人)でも賛否が割れ、党内での支持拡大を見込めず、周辺に「立候補できる状況でない。見送る」と伝えた。15日の石破派の臨時総会で正式表明する見通し。13日に会談した河野を支援する方向で調整する。関係者が明らかにした。石破の出馬見送りで、党員・党友や国会議員の投票行動に影響を与えそうだ。 総裁選は、出馬表明した河野と岸田、高市の3人の争いの構図がほぼ固まりつつある。
菅動向  9.14日、菅首相(党総裁)が党本部を訪れ二階氏と会談した。
高市動向  9.14日、高市が「選対本部立ち上げ集会」に出席し、会合に駆けつけた議員39人、議員の代理人32人を前に「勝たねばならぬ。勝つしかないという気持ちで走り抜けてまいります」とあいさつした。この日、最大派閥(96人)の細田派が高市氏と岸田氏の両方を支持するとしたことについて「私は無派閥ですので、心から感謝。さまざまな政策のアイデアを出して、積み上げて、勝者は他候補者のいいなあと思ったところを取り込んで、分厚い自民党の政策にした上で衆院選に向かわなくてはいけない」と述べた。選対本部長に選出された古屋圭司議員(68)は「今日来ていただいた方の票は堅いと思っています。本人の出席が予想以上に多かったこともありがたい」。高市氏を支援する安倍晋三前首相は出席しなかった。
石破動向  9.14日3時頃、総裁選挙への出馬を見送る方向となった石破が自民党本部を訪れ二階幹事長と約10分間会談した。会談後、議員会館の事務所前に報道陣が詰めかけたが、代表取材のみに応じ「自分の同士である議員たちに説明しなくちゃいけないので明日(15日)正式に話します」と述べるにとどめた。
小泉動向  9.14日午後7時半過ぎ、小泉が神奈川県横須賀市内で記者会見し、河野を支持することを正式に表明した。小泉大臣は、夕方から地元の神奈川県横須賀市で県議・市議ら党支部の幹部らと総裁選の対応について協議した後、「自民党が変わらなきゃいけないときに誰が党風一新できるのか」、「河野氏の突破力は政界でも群を抜いている。新型コロナウイルス時代に問われる改革の実行には突破力が不可欠だ」、「河野さんしかいない」などとして、河野大臣を支持することを報道陣に表明した。小泉は原子力発電などよりも再生可能エネルギーを優先導入する政府方針の決定に向け河野と連携してきたことを挙げ、「既得権益はエネルギー政策を巻き返そうと躍起になって攻撃している。攻撃に耐えられるだけの国民的な支持を集めたい」と語った。 「河野氏自身が『党風一新』だ。河野氏が首相になれば、日本は変わる」とも語った。有志の若手議員ら約90人が総裁選を通じた党改革を求めて「党風一新の会」を設立しており、同会に河野氏への協力を求めた形となる。 石破が河野氏支持に回るとみられることから、石破に反目してきた安倍前首相らに近い議員に反発が広がっていることについては「仮に石破氏に応援をお願いするから河野氏はダメだという理屈がまかり通れば、組織として健全な姿とはいえない」と牽制(けんせい)した。 「河野氏は防衛戦に挑んでいるのではなくチャレンジャーだ。(総裁選は)『切った張った』の世界。勝つことに(陣営が)一丸となってエネルギーを傾けないと先は見えてこない」と危機感も口にした。
石破動向  9.14日、石破が、日本海テレビの電話インタビューに応え現在の心境を次のように語った。 概要「13日夕方、河野ワクチン担当大臣が訪問し総裁選への協力を要請された。河野さんのほうから仮に(河野氏が)当選したあかつきには、”挙党態勢”というものを作りたい。そういうお話があった。(自身の立候補について)もうそんなに残っている時間が長くないので、さらに深く考えて結論を出したいと思っている。(出馬是非の基準について)それは危機感を持っているかと自分を捨てて国のために未来のために尽くせるかという使命感でしょうね。それがいい加減な人はいけんだよ。こういう時期に河野さんと私が20分会うというのは、うわついた話ではない。本当に日本をどうするんだ、そして自民党をどうするんだどうやってこの選挙に勝つんだというよね。そこにおいて認識の一致をみないとそれは、支持するとかしないとかの問題だ。(ある程度の認識の一致はあったかについて)それは新聞に出ている通りだ。だから、”極めて有意義な時間”だった。(明日の派閥の会合に向けて今、思ってられることは?) それは、国民の皆さんというのは不遜な言い方かもしれないけれど、そういう方の心に響くことを言わなければいかんでしょ。飾ったようなことを言ってもダメで、うわべだけのことを言ってもダメで、自分の信条というものをどれだけ伝わるように述べるかという」。
岸田動向  9.14日、岸田が、BSフジ番組に出演し、総裁選で対決する河野に石破と小泉が支援に回る方向となったことについて「四番バッターを3人もそろえたということだが、相手がどうでも自分自身が何を訴えるかが大事だ」と述べ、対抗心をにじませた。その上で「相手の動きは気になるが、自らの戦いを進めていく。このことに専念するという思いを強くしている」と語った。
高市動向  9.14日、高市が選対本部を立ち上げた。国会内で開いた「選挙対策本部立ち上げ集会」に約40人の議員が集まった(本人39人、代理32人)。高市発言「ファイト・オン・サナエ・フォー・ジャパン」と書かれたサナエタオルを掲げ、決意を新たにした。「勝たねばならぬ…そう思っております。一生懸命、戦います」 。
野田動向  9.14日、野田ブログ「やはり私自身が動く必要性を強く感じ、残された期間で準備に入る覚悟をしたところです」。
 9.15日(水)
野田動向  9.15日、野田が自民党総裁選に出馬する可能性が高まった。野田は、出馬に必要な国会議員20人の推薦人の確保に難航していたが、この日までに「確保するめどが立った」ことを関係者が明らかにした。 野田は16日にも出馬会見を予定している。 総裁選には岸田、高市、河野の3氏がすでに出馬を表明しており、野田が出馬表明すれば4氏乱立による混戦となる。
石破動向  9.15日午後4時頃、石破が派閥の臨時総会を開き、正式に立候補しない意向を表明した。河野を支持する考えも示した。出席者が明らかにした。大きな理由は「改革を志す勢力を二分しない」、「保守とは寛容、という政治理念を共有した」というものだった。質疑の途中、記者から「総理総裁を諦めたのか」と問われ、こう述べた。「厳しい時代に必要であれば、総理総裁をやらなければいけない。そのために日々研さんする。諦めたのなら、研さんをやめる」。
河野発言  河野発言「ワクチン接種、1741の市区町村の皆さんの声を聞きながら、ここまで引っ張ってきましたので多分、政治家のなかで今、実行力、突破力と調整力、一番あるのが河野太郎だと思って頂いていいんだと思います」 。
岸田発言  岸田発言「しっかり話を聞いて、そして対話をし、信頼関係を作って、そして協力をお願いする。私は、そういったリーダーを目指す。私こそ、そういったリーダーにふさわしい」。去年の総裁選挙で敗因の1つ、地方票が少なかった岸田前政調会長は今回、党員・党友票の支持拡大に力を入れ、今月15日もリモートによる対話集会を行いました。
高市発言  9.15日、高市が、党所属の国会議員の事務所を回り支持を呼び掛けた。「(候補者の)人数が多いほど色んな議論ができるので良いことだと思います。非常に幅広い議論ができるチャンスでございますので、1人でも多いといいですね」。
石破動向  9.15日、石破が会見を開き、総裁選に出馬せず、河野を支持することを正式に表明した。その理由について、13日の会談で河野氏から協力要請があったことを踏まえた上で、「自民党を変えてほしい、政治を変えてほしい。この多くの国民の皆さま方の声に応えるためには、改革を志す勢力が二分することなく一致すべきである、そのような思いに基づき決断に至った。河野氏を支援するのは、この志が一致したこと、そして政治理念、国家に対する危機感、国家・国民に対する使命感、これを共有したことが理由だ」と説明。 また、2012年に民主党から自民党に政権交代した後のこれまでの政治を振り返り、「我々自由民主党は、一貫して国民の皆さまのご支持を得て政権を運営してきた。しかし、野党の皆さま方のいろいろな事情、あえて申し上げれば、その政権担当能力、あるいはその気迫、その欠如によって我々が助けられてきたこともまた事実だ。その間、我が自由民主党と国民の皆さま方の思いが、断絶や懐疑が広がってきたと思っている。“他に変わる政党がないから”、そういう消極的な支持を我々脱し、我々水月会の理念である国民の納得と共感を得る政治を確立し、政治を国民の手に取り戻すことが今最も必要である」と述べた。自民党内で、若手議員などが派閥の意向のみには従わない姿勢を示している点を評価した上で、「我々は誰に忠誠を誓うべきなのか。それは主権者たる国民だ。我々を国会議員という立場にくださった、その国民の皆さま方に我々は忠誠を誓うべき。そういうものだ。国民の皆さま方の思いに近いのは、期数の若い議員。総裁選において、それぞれの思いのもと、勇気を持って行動されることを切に願っている」とした。
石破動向  9.15日、石破はBS日テレ番組で、党総裁選をめぐり、石破や小泉が河野を支持していることについて「思いがちゃんと届き、ちゃんと説明してくれる自民党に変わってほしい国民はいっぱいいる。それに正面から応えるといっているのが河野氏、小泉氏、私だ」と述べた。石破は医療体制の拡充や人口急減、気候変動、安全保障問題への対応が急務だとして、「(政府は)逃げないで説明責任を果たすべきだ。総裁選で河野氏には明確な問題意識のもとに発言してもらいたい」とも語った。
河野動向  9.15日、河野洋平氏が、都内の青木幹雄・元参院議員会長の事務所を訪れた。青木氏はかつて「参院のドン」と呼ばれ、参院竹下派に影響力を残す。洋平氏は太郎氏の支持拡大に協力を求めたとみられる。周辺は「父親として居ても立ってもいられないようだ」と解説する。
 9.16日(木)
小泉動向  9.16日、小泉らが河野を支援する派閥横断の会を立ち上げた。 河野陣営は、世論の人気が高い小泉や石破を前面に打ち出し、党員票の拡大を図る狙い。河野「皆様と一緒に新しい日本の国、新しい自民党をつくっていきたいと思っております。しっかり頑張ってまいります」 。国会内で開かれた会合には、小泉ら河野を支援する議員が集まった。16日午後の立ち上げ式には、石破も参加する予定。 河野を支援する閣僚は、「河野・小泉、石破の3枚看板により党員票で圧倒したい」と語っている。
河野動向  9.16日午前、河野は、衆院議員会館で自らを支援する派閥横断会合の準備会に出席。小泉進次郎環境相や麻生、竹下、二階、石破各派の議員らを前に「国民(の声)を背に受け、みなさんと一緒に新しい日本、新しい自民党をつくっていきたい」と訴えた。 
岸田動向  9.16日、岸田は、国会内で党内最大派閥の細田派(清和政策研究会)を率いる細田博之元幹事長と会談した。岸田氏は「よろしくお願いします」と伝え、細田は「頑張れ」とエールを送った。 細田派は岸田と高市を支持対象とすることを決めており、決選投票を見据えた連携を確認したとみられる。
岸田動向  9.16日朝、岸田は、東京都内ので経団連を訪問し、十倉雅和会長と会談した。再分配の強化を柱とする「新しい日本型資本主義」など総裁選で掲げる政策を説明。岸田によると、十倉氏は「経団連と軌を一にするもので全面的に賛同する」と応じた。 岸田はこの後、記者団に「全面的に賛同するという力強い言葉をいただいた。勝利を確信している。経団連、経済界と協力し経済再生と成長へ努力する」と強調。17日の告示を控え「党改革と政策により力を込めて発信したい。勝利を確信している」と語った。
麻生派動向  9.16日昼、麻生派会長の麻生太郎副総理兼財務相は昼の同派会合で、河野と岸田基本的に支持すると表明。高市の支援も容認する。
野田動向  9.16日夕、野田は、党本部で会見を開き、記者団を前に総裁選に立候補することを表明した。 「必要な推薦人20人を整えてもらった。出馬させていただく」と宣言した。出馬理由については、「2日ほど前から各候補者の様々な政策、大変すばらしいものばかりだが、私が政治家として取り組んできている、小さき者、弱き者、その人たちを奮い立たせるような政策を見つけ出すことができなかった」と説明した。具体的な政策については「明日からの論戦で個別の政策は披露したい。これから日本が求められているのは多様性。人口減少とか高齢化の中で、次の日本をつくるためにこれまで主役になれなかった女性、子ども、高齢者、障がい者がしっかりとこの社会の中で生きていける、そして生きる価値があるんだという、そういう保守の政治を自民党の中でつくりあげていきたい」と語った。自民党の野田聖子幹事長代行は、党総裁選への出馬を目指し始めてから、4回目の挑戦で出馬にこぎつけた。浜田靖一・元防衛相らを中心に17日の告示前日まで20人の推薦人集めに奔走した。総裁選では、社会的弱者に焦点を当てた政策を訴える考えだ。野田は2015年、18年、20年と、過去3回の総裁選で出馬に意欲を示したが、いずれも推薦人を集められず、断念に追い込まれてきた。派閥に所属していない野田にとって、必要な20人の確保は、高いハードルだった。今回も推薦人集めに苦労したが、野田の側近は、石破が不出馬を決めたことで「潮目が変わった」と語る。石破を支持していた議員への働きかけを強め、協力を取り付けた。石破との連携の可能性が取りざたされていた二階幹事長とも面会し、二階派の一部議員の加勢も得た。総裁選では、1位の候補が過半数を取らなければ、上位2人による決選投票が行われる。野田氏の出馬により、票が分散し、決選投票になる可能性が高まっている。世論調査での支持が高く、党員票獲得に自信を持つ河野の陣営は「1回目で過半数を取ることは厳しくなった。痛手だ」と語った。岸田の周辺は、「仮に党員票で後れを取っても、決選投票で巻き返すことができる」と述べた。高市陣営には「女性候補に期待する党員票が割れる可能性がある」との見方もある。
 野田の場合、国会議員票20票からの大幅な上積みは期待できない。党員票もそれほど期待できず「4位に沈む」可能性が高い。ところが、野田の出馬は衝撃を持って迎えられている。河野は「小石河連合」の構築で1回目の投票で1位となるとしている。2位岸田、3位高市。注目は「河野が1回目で過半数を取れるかどうか」。過半数を取って一気に「河野総裁」を決めるか、岸田との決選投票となるか、ということだ。安倍、麻生とともに「3A」を構成する甘利が、「菅(義偉)首相がダメだと、たたかれた一番の原因が、ワクチンの迷走といわれているのに、ワクチンの担当大臣の評価が上がるとは、よくわからない」と河野を痛烈に皮肉っている。もう1人の「A」。かつて「参院のドン」と言われ引退して10年以上たった今も隠然たる力を持つ青木幹雄・元参院議員会長が河野をこころよく思っていないという。2010年、参院選を前に青木は軽い脳梗塞で倒れ、長男の一彦を後継候補にした。この時、幹事長代理だった河野は党会合で「青木さんは世襲のために公募をせず、倒れるという芝居じみたことをやった」という内容の発言をし、青木を激怒させた。青木は今もこのことを忘れていない。9.15日、青木事務所に河野の父・河野洋平元総裁が訪れたと報じられた。会談の中身は明らかになっていないが、過去の恩讐を少しでも和らげようという親心による訪問だったとみられている。
河野の政策発言  9.16日、河野が報道各社のグループインタビューに答えた。同性婚と選択的夫婦別姓制度に賛成する意向を示した。「いずれも賛成だ。価値観が問われる問題は党議拘束をやめ、広く議論するのがいい」と話した。年金制度の改革に言及し「年金に最低保障が必要だ」と表明した。財源は「消費税がいいのではないか」と語り、保険料ではなく税方式で最低保障年金を検討すべきだと主張した。河野氏はいまの年金制度について「全世代ベーシックインカムというところまでいっていない。年金の部分で最低保障がやはり必要だ」と強調した。財源について「消費税であれば応分に能力のある人が負担していただける」と説明した。再生可能エネルギーの普及に向けて、太陽光などは天候に左右されるため発電量の変動に備えるバックアップ電源が必要との考えを示した。「いますぐ(火力による)バックアップなしにはできない」と述べた。政府は温暖化ガス排出量について、2030年度までに13年度比で46%減らし50年に実質排出をゼロにするカーボンニュートラルの達成を目指す。7月に公表したエネルギー基本計画の原案では、再エネの割合を18%から36~38%に引き上げる。北朝鮮による日本人拉致問題を巡り「早期解決にはトップ会談しかない」と訴えた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談に意欲を示した。
河野動向  9.16日、河野は、小泉環境相とともに必勝会を開き、戦に出陣する戦国武将になぞらえて、抹茶を飲みアピールした。午後の会合には、石破氏も合流する予定で、3人の頭文字を組み合わせた「小石河連合」が動き出す。
 9.16日、飯島勲内閣官房参与が日、共同通信放送協議会運営委員会で講演し、自民党総裁選は党員・党友による地方票で1位になった候補者が当選するのが望ましいとの考えを示した。直後に衆院選が実施される政治日程を踏まえ、国会議員票の比重が大きい決選投票で地方票の結果が覆されれば「党員の意思を無視した自民党として衆院選で大打撃を受ける」と述べた。飯島氏は自民党の小泉純一郎元首相の秘書官を務めた。小泉氏は2001年の総裁選に出馬し、地方票で圧倒して勝利を収めた経緯がある。
 9.16日、岸田は、河野を支援する石破が今回の総裁選を「古い自民党と国民との戦い」などと指摘したことについて「『変える』とか『新しい』とか言葉が踊っているが、具体的にどうするか明らかにすべきだ。その中身で本当にやる気があるのはどちらかを示すことが大事だ」と述べ、対抗心をにじませた。党本部で記者団の取材に答えた。岸田は「新型コロナウイルス禍で多くの国民が苦しんでいる中、どのようなリーダーがふさわしいのか。コロナ対策をはじめとする政策をしっかりと訴え続けていかなければならない」と強調した。
 9.16日、自民党総裁選挙で、自民党の国会対策委員長を務める森山裕衆議院議員は、河野を支持すると表明した。森山さんは16日午後、河野と国会内にある国対委員長室で会談し、農業関係の改革などについて意見が一致したという。
 9.16日、安倍前首相は、自らのツイッターやフェイスブックで、自民党総裁選で高市を支持する考えを表明した。「コロナ禍の中、国民の命と生活を守り、経済を活性化するための具体的な政策を示し、日本の主権は守り抜くとの確固たる決意と、国家観を力強く示した高市早苗候補を支持いたします」とした。「世界が注目しています」とも記し、支援を呼び掛けた。 安倍氏が対外的に高市氏支持を表明したのは初めて。
 9.16日、飯島勲内閣官房参与は、共同通信放送協議会運営委員会で講演し、自民党総裁選は党員・党友による地方票で1位になった候補者が当選するのが望ましいとの考えを示した。直後に衆院選が実施される政治日程を踏まえ、国会議員票の比重が大きい決選投票で地方票の結果が覆されれば「党員の意思を無視した自民党として衆院選で大打撃を受ける」と述べた。飯島氏は自民党の小泉純一郎元首相の秘書官を務めた。小泉氏は2001年の総裁選に出馬し、地方票で圧倒して勝利を収めた経緯がある。
 9.17日(金)
 9.17日、自民党石原派(近未来政治研究会、10人)会長の石原伸晃元幹事長は17日、自身のツイッターで、同日告示された党総裁選で岸田文雄前政調会長を支持することを表明した。石原氏は「政策的に共鳴する岸田文雄前政調会長を応援します」と投稿した。 石原氏は同い年の岸田氏と関係が深く、平成24年の総裁選では岸田氏が幹事長だった石原氏の推薦人を務めた。 今回の総裁選では、石原派は派としての支持する候補者の一本化を見送り、自主投票とすることを決めている。
 





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