ベンジャミン・フルフォードの中曽根論

 (最新見直し2006.5.22日)

『東京アンダーワールド』という戦後史ものを書いたスポーツジャーナリストのロバート・ホワイティングだって、ナベツネ(渡邉恒雄元読売社長)の英語の家庭教師をやっていた、CIAの情報要員だった。
 2004.8.9日 れんだいこ拝


【中曽根のプロフィール】
 ベンジャミン・フルフォード氏の中曽根論は次の通りである。「阿修羅」の「ベンジャミン・フルフォードというカナダ人ジャーナリストの『ヤクザ・リセッション』という本は、副島隆彦やその他の国内ジャーナリストの本からの寄せ集め本である」より孫引きする。

 (『ヤクザ・リセッション』145−147ページ)

 以上のリストを見て誰もが思うのは、ロッキード事件以後、ほぼ同じ事件が毎年のようにくり返されていること。そして、そこには必ず何人かの政治家の名前があり、事件の構造がほぼ同じということだろう。が、それ以上に忘れてはならない重大なことがある。それは、リストの表面にはけっして表れないが、逮捕された者より、逮捕されなかった者のほうが、よほど汚染されているということである。このリストで登場する政治家で田申角栄を除いて、もっとも大物は、竹下登である。しかし、彼は1度も逮捕されなかった。リクルート事件をみてもわかるように、ほぼ同じ犯罪の容疑 suspicionがかけられながら、逮捕される者と逮捕されない者が、どの事件にもいる。

 ロッキード事件で後藤田正晴の容疑が追及されなかったのは、なぜなのか? 警察庁官房長、警察庁長官、国家公安委員長を歴任したからなのか? イトマン事件で亀井静香の容疑が追及されなかったのは、なぜなのか? 後藤田と同じく、警察官僚の出身だったからなのか? そして、歴代の首相たちは、なぜいつも容疑を追及されることなく、逃げ切れたのであろうか?

 本当の「黒幕」は中曾根康弘ではないのか?

 中曾根康弘元首相は、高齢にもかかわらず、いまだに日本の政界に隠然たる力を持っているとされている。「大勲位」と呼ばれ、日本の戦後政治においては超一流の大物と一般国民には信じられている。しかし、田中角栄以後のすべての疑惑事件をたどり、「闇の紳士録」のぺ一ジをめくっていくなら、彼こそが背後にいた「黒幕」 fixerであることがわかる。これは、日本の政治史を研究している欧米の学者、私のような外国メディアの記者の常識といっていい。違う言い方をするなら、彼こそが、日本を堕落 downfallさせ、現代の惨惰たる状況 miserable situationを生み出した張本人なのである。

 実際、中曾根ほど多くの疑惑を持たれた政治家はいない。九頭竜川ダム汚職(1964)、殖産住宅事件(1972)、ロッキード事件(1976)、リクルート事件(1988)と、少なくとも4件の事件において、彼は逮捕されても仕方のない状況にあった。しかし、なぜかどの事件も側近たち scape goatsの逮捕によって決着がつき、けっして申曾根本人に捜査 investigationの手が及ぶことはなかったのだ。ロッキード事件では側近の佐藤孝行元総務庁長官が、リクルート事件では藤波孝夫元官房長官が逮捕され、事件は沈静化してしまった。また、これまでの汚職事件で逮捕された政治家の多くが中曾根側近なのである。(略)

 CIAにさえにらまれなければ日本の検察など怖くない

 1972年8月、田中角栄とアメリカのニクソン大統領が会談して、ロッキード社のトライスター購入が決定した。が、その決定の裏には、ロッキード社が政商・児玉誉士夫を販売代理人とし、同時に、商杜の「丸紅」と航空会社「全日空」にも働きかけた政界工作があった。それが、5年後、なぜか突然、アメリカの外交委員会(多国籍企業小委員会)で発覚し、大騒ぎになったのだった。なかでも問題となったのが、田中角栄に渡った5億円の成功報酬 contingency feeであったが、不思議なことに不問に付された政治家がいた。この事件では、先にP3C対潜哨戒機の導入疑惑が発覚し、中曾根康弘(当時、防衛庁長官)や後藤田正晴(当時、官房副長官)にも重大な疑いがもたれたのである。しかし、なぜかこの軍用機問題は消減して、民間航空機の疑惑だけがロッキード事件として社会問題となったのだ。

 ベンジャミン・フルフォード氏の『テロ世界戦争と日本の行方』(211ページ)

 恩義のある人の葬式にさえ顔を出さない人間は卑怯者である。中曽根を政治家として育てて、金銭面で一番面倒を見たのは児玉誉士夫である。なのに中曽根は児玉の葬式に出なかった。中曽根というのはそういう男である。旧内務官僚(本当は、その中でも特高警察)あがりの、根っからの官僚自己保身体質の男が中曽根である。やっぱり、党人派に対して、官僚派というのは政治家として質が良くない。私は党人派の政治家が好きだ。

 フルフォード氏は、1961年生まれのカナダ人。父親がカナダの外交官だったため南米ブエノス・アイレス住んだ経験がある。20年前に上智大学比較文学科を卒業した後、カナダのUBC( University of British Columbia、ブリティッシュコロンビア大学)を卒業後、日本での生活が忘れられなくて再来日。日本で日経新聞の「日経ウィークリー」英字紙でジャーナリスト生活を始め記者としてのキャリアをスタートさせた。その後「フォーブズ」のアジア太平洋支局長を務める傍ら、「サウスチャイナ・モーニングポスト」(香港の英字紙)にも寄稿する。アメリカの通信社ナイト・ライダー Knight Ridder のレポーターとなり、日本発の記事を送るようになった。「ヤクザ・リセッション」、「日本がアルゼンチンタンゴを踊る日」(2002年 光文社ペーパーバックス)他多数の著書がある。







(私論.私見)