自民党総裁選に立候補した河野太郎ワクチン担当相(58)。河野氏の政治団体が、父・河野洋平元自民党総裁が大株主で、弟・河野二郎氏が社長を務める企業など“ファミリー企業”から、少なくとも6700万円の献金を受け取っていることが、「週刊文春」の取材でわかった。
2012年12月4日付で、100万円を献金
当該の企業は、河野氏の選挙区・神奈川県平塚市に本社を置く「日本端子」。祖父・河野一郎氏が創業し、主に車載用端子などの設計・製造を手掛けている。2020年度の売上高は約170億円で、中国に傘下の子会社を持つ。「河野氏も富士ゼロックス退社後の1993年から約9年間、同社の取締役を務めていました。現在は洋平氏が約30%の株を保有する大株主で、河野氏と二郎氏もそれぞれ2%の株を保有している。いわば、河野家の“ファミリー企業”です」(事務所関係者) 河野氏が代表を務める「自民党神奈川県第15選挙区支部」の政治資金収支報告書によれば、日本端子は2012年12月4日付で、100万円を献金。この日は、自民党が政権復帰を果たした衆院選の公示日だった。同社は2014年にも計250万円、他の年にも数百万円の単位で献金している。
一族の献金が記された収支報告書
「また、日本端子は、河野氏の資金管理団体だった「新政フォーラム」にも毎年のように、100万円を超える献金を重ねてきた」。河野氏が初当選した1996年以降、日本端子から河野氏の政治団体への献金を合わせると、約3000万円に及ぶ。
政治活動が献金によって支えられている実態
さらに、日本端子のほか、河野家の資産管理会社「恵比寿興業」など、他の“ファミリー企業”からの献金を加えると、少なくとも6700万円に上る。河野氏に、親族や関係企業から多額の献金を受けていることへの見解などを尋ねたが、期日までに回答はなかった。これまで、河野氏は<政治に「河野家」を利用しようとはまったく考えていません>(「諸君!」2001年5月号)と語るなど、世襲政治家であることを否定し続けてきた。それだけに、自身の政治活動が“ファミリー企業”からの献金によって支えられている実態について、首相を目指す河野氏がどのように説明するのか、注目される。
9月21日(火)16時配信の「週刊文春 電子版」及び9月22日(水)発売の「週刊文春」では、父・洋平氏や弟・二郎氏からの河野氏への多額の個人献金、高市早苗前総務相とネオナチ団体代表との新たな写真の存在、安倍晋三前首相の顔色を窺い続けてきた岸田文雄前政調会長の政治姿勢、野田聖子幹事長代行の夫が「週刊文春」に出版差し止めを請求してきた問題など、「『次の総理』ここが危ない!」と題し、7ページにわたって総裁選に立候補した4人の政治家を徹底調査している。