岸田政権日誌その1

 更新日/2021(平成31.5.1栄和改元/栄和3).9.29日

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、「岸田政権日誌その1」をものしておく。

 2019(平成31).5.8日 れんだいこ拝


【自民党総裁選評定考】
 2021.9.29日午後1時、自民党は、東京都内のホテルで菅義偉首相の後任を決める総裁選の投開票を行う。総裁選には河野太郎行革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏が立候補している。総裁選は国会議員票382票と同数の党員・党友票の計764票で争われる。読売新聞社の国会議員支持動向調査などによると、4候補とも1回目の投票では過半数に届かず、決選投票になる見通し。
 自民党総裁選は、集計が続く地方票の結果を受け、岸田と河野による決選投票が確実な情勢となった。
 午後2時すぎ。1回目の投票結果を野田毅・総裁選挙管理委員長が読み上げた。岸田が国会議員票と党員・党友票の合計で256票を獲得し事前の予想を覆して1位となった。瞬間、国会議員で埋め尽くされたホテルの会場の様子を見守るホテル内のプレスルームに集まった100人以上の報道陣から「ええっ」と驚きの声が上がり、どよめきが包んだ。一時騒然となった。大方の予想を覆し、河野が1位を取れなかったこと、岸田が1位を取ったことに対する驚きだった。国会議員票で高市が114票と河野の86票を上回ったことが分かった際には、「うわあ~」などと特に大きな驚きの声が上がった。  計762票の過半数には届かなかったため、255票で2位だった河野との決選投票となる。岸田は国会議員票では最多の146票、党員・党友票では2位の110票を得た。河野はそれぞれ86票、169票だった。河野は1回目の投票で議員票で100票弱は取れるとみられていたが86という数字が発表されると記者の間からどよめきが起こった。3位は高市の188票。野田は63票だった。“小石河連合”の河野は、党員票は候補者4人の中でトップの169票を獲得した。これも事前予想の5割ラインを大きく下回り4割強を固めるにとどまった。国会議員票は86票で、岸田に60票差、高市にも28票差と大きく離され3位だった。総裁選直前に行われた総決起大会には90人超の議員が出席したにもかかわらず、それよりも票を減らす結果となった。
候補者 合計票 得票率 国会議員票 得票率 党員・党友票 得票率
岸田 256票 33.6 146票 38.4 110票 28.8
河野 255票 33.5 86票 22.6 169票 44.2 39都道府県で1位を確保
高市 188票 24.7 114票 30.0 74票 19.4
野田 63票 8.3 34票 8.9 29票 7.6
 決選投票で、岸田257票、河野170票だった。岸田が2位の河野に87票差で破った。
候補者 合計票 得票率 国会議員票 得票率 都道府県票 得票率
岸田 257票 60.2 249票 65.5 8票 17.0
河野 170票 39.8 131票 34.5 39票 83.0

 野田毅選挙管理委員長が「岸田文雄君が当選者と決定致しました」の報告を得て、岸田を第27代総裁に選出した。10月4日に召集される臨時国会の衆参両院本会議の首相指名選挙で第100代首相に選出される見通し。2009年以来、2度目の総裁選挑戦となった河野は1回目の投票で党員・党友による地方票で3氏を上回ったが、国会議員票で岸田に引き離され、合計で岸田に1票差の2位となった。上位2人がいずれも過半数に届かず、国会議員票の比重が高まる決選投票で岸田に敗れた。


 総裁任期は2024年9月末までの3年間。選出を受け、岸田は両院議員総会で「全員野球で、党一丸となり衆院選と参院選に臨もう」と呼び掛けた。一任を受けた党役員人事に着手し、新執行部を発足させる。

河野 得票率 岸田 得票率 高市 得票率 野田 得票率 合計
北海道 12,379 5,625 5,140 2411
青森 2,943 3,435 943 644
岩手 2,594 1,582 865 632
宮城 3,815 2,897 2,417 790
秋田 4,770 1,386 982 555
山形 3,116 3,268 669 585
福島 4,235 4,233 1,341 845
茨城 13,204 10,428 3,339 1,741
栃木 6,573 3,597 2,587 978
群馬 9,072 4,254 3,282 1,249
埼玉 13,879 6,993 5,151 1,841
東京 29,425 18,659 14,118 3,953
神奈川 29,092 6,185 6,829 1,892
新潟 9,549 2,713 4,363 1,389
富山 9,842 5,350 4,226 1,392
石川 5,642 5,494 3,938 868
福井 2,742 2,716 2,050 441
山梨 4,103 6,603 1,369 752
長野 5,921 2,485 2,228 1,169
岐阜 8,519 5,442 3,340 9,989
静岡 8,722 7,198 4,477 1,169
愛知 17,467 6,150 6,726 2,876
三重 3,876 2,919 1,908 890
滋賀 4,326 1,764 1,472 551
京都 4,188 3,151 2,344 857
大阪 9,821 6,258 7,994 1,627
兵庫 8,100 3,695 6,200 1,491
奈良 1,190 659 5136 184
和歌山 4,895 3,618 2,963 2,296
鳥取 6,360 597 617 179
島根 3,733 3,838 1,169 348
岡山 6,260 44.9 4,106 29.5 3,029 21.7 543 3.9
広島 1,922 20,902 1,596 320
山口 2,947 5,565 5,032 345
徳島 3,703 2,025 988 575
香川 4,707 4,736 1,443 647
愛媛 6,109 3,469 2,674 920
高知 2,677 1,767 866 472
福岡 8,355 7,397 3,858 1276
佐賀 3,063 2,221 1,059 443
長崎 5,213 4,464 2,730 862
熊本 6,012 6,109 2,783 743
大分 5,351 2,430 2,174 676
宮崎 4,732 1,980 1,687 302
鹿児島 7,381 2,528 1,991 1,166
沖縄 1,904 1,735 632 275
全国 335,046 219,338 147,764 57,927

【総裁選後の候補者諸氏のコメント】
 岸田新総裁は、選出後の挨拶で次のように述べた。
 「生まれ変わった自民党を国民にしっかり示す」。「新しい資本主義、自由で開かれたインド太平洋の実現、少子化対策など。早速今日から全力で走り始める」。
 決選投票で敗れた河野氏が、自民党総裁選についてコメントした。
 「力不足でありまして、非力な候補者をここまで応援してくれた多くの仲間、また、党員、議員の皆さん、地方議員の皆さん、そして国民の皆さん、私の力不足をおわび申し上げるとともに、ここまで支えてくださったことに、あらためて感謝申し上げたいと思います」。「(岸田新総裁は)しっかりと日本のかじ取りをやって頂けると思っております。全力で支えていきたいと思います。また、チャンスがあればやっていきたいと思います」
 総裁選を終え、敗北した高市早苗・前総務大臣が
 「結果は結果として、重く私は受け止めます。私は歩みを止めません。絶対に歩みを止めません」

 支持者に対して次のような挨拶を行った。
 「先生方、もうじき衆議院選挙が迫っている中、また来年には参議院選挙があって、本当に毎日毎日地元に張り付いて、歯を食いしばって歩かなきゃいけない、そんな大切な時期に、私の選挙戦をこんなに懸命に支えていただき、本当にありがとうございました。まずは心から感謝申し上げます。ありがとうございました。本当に先生方のおかげで、また全国で、私の知らないところで一生懸命電話かけをしてくださっていたたくさんの方々のおかげで、身に余る結果を残すことができました。選挙は勝ち負けですから、結果は結果として重く受け止めます。党員票が足りなかったのは、すべて私の不徳の致すところでございます。もっともっと、もっともっと頑張れたことがあったんだろうと思って、これは先生方にお詫びを申し上げます。そして、国会議員の先生方の票、第2位をいただけて、100票を大きく超えた114票を頂戴したということは、この選対にご参集くださった先生方と同じく、政策に賛同していただいた、本当にこの政策が必要だと心から思っていただいた先生方のお気持ちと、それから私が至らない分、日々たくさんの先生方と紡いでくださった皆さまが、紡いでくださった絆を私にお与えいただいたそのおかげだと思っております。 でも、勇気が出ました。もう感謝の気持ちでいっぱいですけれども、私は歩みを止めません。絶対に歩みを止めません。今から大事な時期です。岸田総裁の下で、みんなで一致団結し、そしてまた候補者同士が誓い合ったように、互いの政策のいいところを取り込んでいこう。こういう約束も、テレビに映っているところでいたしました。私たちの声も大きく反映されると思っております。 一丸となって、まずは岸田総裁を支え、今度の総裁選挙を勝ち抜きましょう。来年の参議院選挙も勝ち抜きましょう。そして、これからも今回のご縁を大切にさせていただきます。ともに力を合わせて政策を磨き上げて、また次に向かって一緒に歩んでくださいますこと、心からお願い申し上げます。本当に皆さまにも先生方にもお世話になりました。ありがとうございました」 。
 野田
 「私が出なければ総裁選挙の争点に子どもや女性や社会的弱者というのは出なかったと」。

【総裁選後の自民党要職諸氏のコメント】
 9.29日夜、麻生太郎副総理兼財務相は、記者団の質問に「内政にも外政にも明るく、総裁選を通じて総裁の顔になっておられるなという感じがした」と答えた。また、対抗馬だった河野氏に対しては、「非常に残念な思いをされていると思う。選挙は負けるとしんどい。そういう意味ではいい勉強、経験をされたと思う」と語った。 「確かに麻生さん自身も首相を務めた経験があり、その経験を踏まえての発言なのでしょう。ただ、発言の端々に、これまで国民が批判してきた“上から目線感”が拭えないのは否めませんね。お馴染みの“放言グセ”が出たというところでしょう。9月21日の閣議後の記者会見では、メディアが総裁選候補者に森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題を質していることを問われると、麻生氏は『(候補者に)前の政権の評価を聞いて、読者の関心あるのかねえ』と発言。“もう終わったことだ”と言わんばかりの発言には、国民から批判の声が上がりました」(政治部記者)。
 二階幹事長「(新総裁には)スピード感を持って政策に対応する。そのリーダーシップを期待したいと思います」「(Q.幹事長は今回の総裁選で誰に投票?)そんなことは、ここで申し上げる必要はないじゃないですか」。
 9.29日、小泉進次郎環境相は、自民党総裁選の投開票を受けて、自身が支援した河野太郎行革相が敗れたことについて、報道陣の取材に「河野さんを勝たせたかった。残念でした」と、無念の表情を浮かべた。河野には投開票後に「お疲れさまでした」とだけ、声をかけたという。「河野さんは(出陣式で)ご本人が、『河野太郎を支えることは大変なことだ』と言っていたが、本当に(支えるのは)大変な方です」とした上で「でも、支えがいがある」と述べた。進次郎氏はまた、自民党総裁選のシステムや、長い時間を要することにも言及。「河野さんだったら間違いなく、何年も変わっていない開票作業(のやり方)や、総裁選のあり方も変えてくれたと思う。いつまでこのやり方をやるのか感じている方もいると思う。私は、変わる姿を想像していた」と話し、最後まで河野総裁誕生を信じていたことを訴えた。
 投票を終えたばかりの石破元幹事長が、会場から生出演。聞き手は加藤綾子キャスターと松山俊行解説委員。
加藤 「まず、岸田さんが新総裁に選出されましたが、今、どのようなお気持ちでしょうか」。
石破 「それはもう、こう決まったんだから、新総裁のもと、自民党が一致して国のために働ける。選挙はその結果なのでね。そこへ向けて努力をしていくということです。あれこれ言っても始まりません。みんなで一緒にやります」。
松山 「石破さんは、出馬するかどうかかなり迷われていた時期があって、最終的には政策できちんと実現できるという方向性で河野さん支持ということを表明されたわけですが、実際にそれで戦われてみて、結果として、きょう1回目の投票で、予想よりもおそらく議員票も党員票も少なかったんじゃないかなと思いますが、その数字を見た時にどういう印象を持たれましたか?」。
石破 「党員票は、彼も一生懸命頑張ったんだけども、よくこれだけ出たなと思います。ほとんどの地域で1位ですからね。これはありがたかったと思います。これと議員票が、何でこんなに離れたんだろうかということが自民党の根本の問題かもしれません。このずれを直していかないと、いつまでたっても自民党は国民の意思と違うよということを引きずっちゃうので、ここは何とかしなければならないですね」。
松山 「このあと総選挙があるわけですけれども、今回の党員票が1回目の投票では河野さんが1位だったにもかかわらず、決選投票で負けているということが、自民党にとって非常に大きいダメージとして出てくるのかどうか。この辺りはどう見ていますか?」。
石破 「それはもう、あとひと月くらいしかないわけですよね。小細工を弄(ろう)したってどうなるわけでもない。判断するのはやはり、主権者である国民ですよ。この人たちは自分たちの意思と違うことをやっているな、違う行動をするなということになれば、支持が得られない。そういうことです。このひと月の間に、どれだけそれを埋めていくか。それぞれの地域の党員の意向、それは、その地域の人々の意向と言ってもいいでしょうね。それと違う判断をした人たちが、なぜこういう判断をしたのか。なぜこれが国のためなのかということをきちんと説明して、ご理解をいただくということが大事だと思っています」。
松山 「岸田さんは、ノーサイド、全員野球ということを最後、強調していましたが、そういった意味では、河野陣営からもきちんと幹部に起用してという、総体として自民党は当たっていくべきだと、そういうお考えですか?」。石破「それは、人事権者は総裁だから、われわれがあれこれ言うべきじゃないが、派閥にこだわらずに有能な人は登用していく。それが国のための自民党というものです」。
 石破は今回の総裁選の出馬を検討したが断念し、河野の支援に回った。その河野が敗れたことを受け、「都会とか地方とか関係なく、多くの地方の支持をいただいたにも関わらず、国会議員票が思うように伸びなかった」、「自分としてできる限りのことはやって、結果を出せなかったのはとても残念です」と語った。さらに、党員からは幅広く支持が得られたにもかかわらず、国会議員票が伸びなかった点は、「なんでこんな落差が生ずんだろうか。よく党全体として考えなければいけない」と語った。この日夕、こうくぎを刺すのを忘れなかった。「党員の判断と、国会議員の判断のずれは、間違いなく衆院選で問われることになる」。

 9.29日、石破が、フジテレビ系夕方のニュース番組「イット!」に生出演。自身が応援していた河野が決選投票の末、敗れたことに「あれこれ言っても始まりません。みんなで一緒にやっていく」と語った。総裁選後、会場から中継で登場した石破は岸田新総裁の誕生に「それはこう決まったんだから、新総裁の下、自民党が一致して国のために働ける、選挙はその結果。そこへ向けて努力していくということ」、「あれこれ言っても始まりません。みんなで一緒にやっていく」と語った。河野が党員票は多かったにも関わらず議員票は3位だった高市を下回る数字だったことについて、「党員票は、一生懸命頑張った。よくこれだけ出たと思う。ほとんどの地域で1位ですからね、有難かった」と感謝。少なかった議員票との差には「なんでこんなに離れたかは、自民党根本の問題かもしれない。このずれを直さないと、いつまでも自民党は国民の意思と違うよ、というのを引きずっちゃうので、そこをなんとかしなければいけない」との考えを示していた。


【野党のコメント】
 9.29日、立憲民主党の枝野幸男代表は、岸田が自民党の新総裁に選ばれたことについて、「残念ながら、自民党は変わらない、変われないと示した新総裁の選出だったと思う。 まずは安倍、菅政権の何を否定するのか。明確に示していただくことが必要だ」と報道陣に語った。 枝野氏は、新型コロナウイルス対策やアベノミクスをどう評価するのか明確にすべきだと主張。総裁選で掲げた岸田の政策は具体的ではないとし、「コロナ対策、そして国民生活の困窮、経済の長期にわたる低迷に対して具体的に何をなさるか示していただきたい」と述べた。衆院選に向けては、自宅療養中に死亡する人たちが出たコロナ対策の転換や、アベノミクスからの転換、森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざん問題などを論点にする方針を示した。 報道陣との主なやりとりは以下の通り。
枝野 自民党の新総裁が決まった。お祝いを申しあげたい。今の国会議席で指名されれば岸田氏が100代総理になる。任期は短いが、新しい政府としてしっかり説明責任を果たして、論戦に応じていただき、どういう政権を作りどういう社会を目指すか互いに国民の前でぶつけ合いたいと期待している。
Q 岸田氏の訴える政策は立憲民主党と似ている部分がある。どのように違いを見つけて総選挙に臨むのか。
枝野 まず、新総裁として安倍、菅政権と何がどう違うのかを説明いただくことが最初だ。残念ながらここまで拝見していると、自民党は変わらない、自民党は変われないと示した新総裁の選出だったと思う。 (新総裁には)まずは安倍、菅政権の何を否定するのか。特に国民生活が疲弊し、結果的に株価だけで経済を低迷させてきたアベノミクスを否定するのか、それとも肯定するのか。そのことについて明確に示していただくことが必要だ。
 9.29日、辻本清美。
 「岸田新総裁、おめでとうございます。私も宏池会の先輩の加藤紘一さんや古賀誠さんからご指導を受けました。保守本流、そして「リベラル」と謳われた宏池会の魂を安倍元総理らに売って総裁の座を掴んだと言われないように。次は野党との予算委員会での徹底議論ですよ。選挙の前に正々堂々と」。
 9.29日、政治の中身は「安倍・菅直系政治」。自民新総裁に岸田氏 志位委員長が会見。日本共産党の志位和夫委員長が日、国会内での記者会見で、同日の自民党総裁選で岸田文雄氏が当選したことを受けて、次のようにのべた。
 一、今度の結果は、自民党が、政治の中身では、「安倍・菅直系政治」を選んだということだ。一、岸田氏は、9年間に及ぶ安倍・菅自公政治を、重要閣僚として、党の幹部として、中枢で支えてきた。とくに、2015年、安倍政権が、憲法違反の安保法制を強行したさいの外務大臣として、立憲主義の破壊に重大な責任を負っている。総裁選でも、憲法改定の4項目の推進、原発再稼働、大軍拡を進めるとの主張を行った。国政私物化疑惑の究明にも背を向ける姿勢をあらわにしてきた。コロナ対応でも、安倍・菅政治による失政への反省は一言ものべなかった。まさに政治の中身では、「安倍・菅直系政治」というほかない。党の表紙だけ替えても、中身は全く変わらない。一、今求められているのは、コロナ対応の無為無策、強権政治、腐敗政治によって行き詰まった自公政治そのものを終わらせる政権交代だ。市民と野党の共闘で、自公政権を倒し、政権交代を実現し、新しい政権をつくるために全力をあげる。

 9.25日、「出身校でみる自民総裁選」 。岸田が首相になれば野田佳彦氏(11~12年在任)以来の早稲田大学出身の首相だ。出身高校も重要。岸田は開成高校卒。21年には144人の東大合格者を出し、1982年から40年連続で全国最多を続けていることで知られている。OBには初代財務事務次官の武藤敏郎氏ら多くの官僚がいるが、国会議員は意外に少なく首相経験者は前身の「共立学校」出身の岡田啓介氏(1934~36年在任)のみ。岸田は「初の開成出身首相」となった。「男子御三家」として知られる「開成、麻布、武蔵」のうち、麻布の首相経験者には橋本龍太郎(96~98年在任)、福田康夫(07~08年在任)の2人、武蔵には旧制高校時代に宮澤喜一(91~93年在任)がいる。17年9月、開成OBの国会議員や官僚らでつくる同窓会「永霞会」(えいかかい)が発足し岸田が会長に就任。 「表向きは『開成魂』の再確認だが、『岸田首相』に向け霞が関を巻き込んだ応援団の色合いがにじむ」(17年9月15日、産経新聞) 。21年9月9日にJ-CASTニュースが岸田の事務所を取材に訪れた際、岸田の開成時代の同級生が激励に来ていた。この件とは別に、岸田は9日に 「母校である開成高校硬式野球部の保護者有志一同の皆さまから、応援のお手紙とタオルを頂戴しました」 とツイートしている。

 9.29日、岸田が次期総理になることが分かると、29日の株式市場は、新総裁が決まれば普通はご祝儀相場で株価は上がるものだが大幅下げに転じた。株価は将来を予測するものである。岸田政権が株価マーケットに歓迎されていないことを語っている。

 新ベンチャー革命2021年10月1日 No.2794「米国ジャパンハンドラーの子飼い・河野氏を落選させた安倍氏は虎の尾を踏んだか:河井事件で逮捕される可能性が急浮上!」参照。
 http://blog.livedoor.jp/hisa_yamamot/archives/11574980.html
 事前の予想に反して河野が岸田に敗れた。 その敗因は安倍の暗躍である。今、秘かに安倍失脚シナリオが動いている。戦後日本を闇支配し続ける米国戦争屋CIAジャパンハンドラーは、河野支持の小泉ジュニアが一時所属していた米シンクタンク・CSISを根城にしている。CSISは米ジョージタウン大学に置かれており、河野はそのジョージタウン大卒。安倍が河野潰しに走ったということは、米国ジャパンハンドラー様に盾突いたということになる。今後、安倍はタダでは済まない。米国ジャパンハンドラーは、CIA経由で東京地検特捜部を動かす。東京地検特捜部は米CIAに牛耳られている。かつて彼らCIAは東京地検特捜部に田中角栄(元総理)を逮捕させた。今度は安倍を逮捕させる可能性がある。東京地検特捜部は米CIAから指令を出されたら、即、動く。観測では、次期衆院選(来月11月以降の予定)までに、東京地検特捜部は、安倍の下関の自宅と事務所を家宅捜査しそう。現在、安倍の陣取る山口4区を本来の地盤とする林芳正氏(前・参院議員)は参院議員を辞めてすでにスタンバイしている。同氏は今のところ山口4区の安倍氏に気を使って隣の山口3区から出馬すると公言しているが、安倍逮捕となれば林氏は本来の地盤である山口4区から出馬するはず。

 9.29日、人事について、「簡単ではない。1日かかるのではないか」と話していた。

 9.30日、古川禎久元財務副大臣が石破派(水月会)を退会する意向を固めたことが分かった。古川氏は同日、同派で事務総長を務める鴨下一郎元環境相に退会届を提出した。退会が認められれば、石破派は15人となる。複数の関係者が明らかにした。 古川氏は平成27年9月の石破派創設から30年12月まで事務総長を務めていた。
 9.30日朝、就任から一夜明けた岸田新総裁。 秘書で長男の翔太郎氏とともに自民党本部に姿を見せると記者団の取材に応じた。 岸田新総裁「就任して実際活動を始めますと、やることはいっぱいあるなと。日程もかなり窮屈な状況ですので、大変、目まぐるしく今、活動を始めております」。次の首相を決める総裁選で勝利し、念願だった総裁の座を射止めた岸田。 岸田新総裁「責任の重さみたいなものは感じます」。岸田が最初に取り組んでいるのが党の役員と内閣の人事。 30日、あらためて聞かれると。 岸田新総裁「いろいろ検討いたします」、「(人事の構想は固まりましたか?)今、よく考えております」 このあと、自民党本部の総裁室で、側近議員と会談した。人事で、“独自カラー”は出せるのか。 麻生副総理「いい方が選ばれたのではないか」 。安倍前首相「次の衆議院選挙、今度は岸田新総裁のもとに、ともに勝ち抜いていこうではありませんか」 。こうした中、党運営のかなめとなる幹事長に、安倍前首相の盟友で、麻生派の甘利明氏の起用が固まった。
 9.30日午前11時頃、岸田は、東京都内のホテルを訪れていた。 会談の相手は、同じホテルから出てきた、ハットをかぶった麻生副総理。 2人は会談で、人事について意見交換したとみられる。 焦点となる人事で、名前が浮上していたのが、派閥の会合に出席する際、「幹事長」と声をかけられ、笑みを浮かべた麻生派の甘利明税調会長(72)。
 9.30日昼、自身の派閥の総会に出席し、拍手で迎えられた岸田新総裁。 岸田新総裁「宏池会、30年ぶりの総裁派閥として、日本の国難を乗り越えるべく、力を合わせて努力をしていきたいと思います」。
 9.30日、岸田氏と近い関係にある安倍内閣で閣僚を務めるなどした麻生派の甘利氏の幹事長への起用が固まったことがわかった。総裁選では、陣営の先頭に立ち岸田を支えた。 甘利税調会長「党改革のファーストペンギンは岸田文雄さん。紛れもなく、岸田文雄さんにほかならないわけであります」。 また、閣内か党の要職に、安倍前首相の側近、萩生田文科相を起用する案が検討されている。 さらに、総裁選を戦った高市氏を重要閣僚で、河野氏と野田氏を重要ポストで処遇する案が浮上。 そして、首相の女房役となる官房長官には、自身の派閥から、上川法相や小野寺元防衛相の名前が取りざたされている。 一方、立憲民主党の枝野代表は30日、次の衆議院選挙に向けて、野党各党の党首と相次いで会談。 連携を強化していくことを確認した。 立憲民主党・枝野代表「次の総選挙において、自公政権を倒し、新しい政治を実現するということで確認した。残念ながら、自民党は変わらない、変われないと受け止めている」。
 9.30日、自民党役員人事で、岸田新総裁は党四役を固めた。

 10.1日、臨時総務会で甘利明幹事長(72)ら党四役人事を諮り、了承された。決定を受け、公明党の山口那津男代表と国会内で党首会談に臨み、連立政権の合意文書に署名。4日召集の臨時国会での首相指名後の新内閣発足に向け、調整を本格化させた。
総裁 岸田文雄  64 岸田派 衆9。
早大。
官房長官
沖縄基地負担軽減担当
拉致問題担当
松野博一
(ひろかず)
59 細田派 衆7、千葉3区。元文部科学相。萩生田光一文科相、上川陽子法相に競り勝った。「細田派四天王」の一人。
官房副長官 木原誠二 51 岸田派 衆院議員。岸田派(宏池会)事務局長。内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策担当)
磯崎仁彦
(よしひこ)
64 岸田派 参院議員。元副経済産業相。
栗生俊一
(くりゅう しゅんいち)
62 元警察庁長官。栗生氏は警察庁官房長なども歴任し、他省庁との人脈も深い。歴代最長の約9年にわたって事務の官房副長官を務めた杉田和博氏の後任
内閣法制局長官 近藤正春
(こんどう まさはる)
首相秘書官 嶋田隆元 61 政務担当/経産事務次官。永霞会。
荒井勝喜 経産省/商務情報政策局長
宇波弘貴 財務省/主計局次長
中山光輝 財務省/内閣官房内閣審議官
中込正志 外務省/国家安全保障局担当内閣審議官
逢阪貴士 警察庁/会計課長
中嶋浩一郎 防衛省/首相秘書官。菅内閣から続投
山本高義 49 岸田事務所の政策秘書
経産省と財務省の出身が2人ずつを占める。
副総裁 麻生太郎 81 麻生派 衆13。副総理兼財務相(81)。
幹事長 甘利明 72 麻生派 衆12。税制調査会長。
幹事長代行 梶山弘志 65 無派閥 衆7。 
幹事長代理 田中和徳) 72 麻生派(志公会) 衆8。元復興相。
左藤章 岸田派 宏池会 元防衛副大臣
総務会長 福田達夫 54 細田派 衆3。今回の総裁選に際して若手議員らと議員連盟を設立し党改革を訴えていた。祖父は、赳夫元首相、父は康夫元首相。
政務調査会長 高市早苗) 60 無派閥 衆8。前総務大臣。
選挙対策委員長 遠藤利明) 71 谷垣G無派閥 衆8。東京五輪担当大臣。
国会対策委員長 高木毅) 65 細田派 衆7。衆議院議院運営委員長。総裁選挙で岸田氏の推薦人。
組織運動本部長 小渕優子) 47 竹下派 衆7。元経済産業大臣。
広報本部長 河野太郎 58 麻生派 衆8。規制改革担当大臣。

 自民党の岸田新総裁は、10月1日に党役員人事を決定することにしていて、これまでに党四役を固めた。
総務 金子恭之
(やすし)
60 初入閣 岸田派 衆7、熊本4区。
元国土交通副大臣。
法務 古川禎久
(よしひさ)
56 初入閣 無派閥 衆6、宮崎3区。
東大。
外務 茂木敏充
(もてぎとしみつ)
65 再任 旧竹下派 衆9、栃木5区。
米ハーバード大院。旧竹下派(平成研究会)会長代行として
岸田支持を総裁選終盤で表明し岸田優位を決定づけた。
財務 鈴木俊一 68 麻生派 衆9、岩手2区。
早大。元五輪相。内閣府特命担当大臣(金融)、デフレ脱却担当。
文部科学 末松信介 65 初入閣 細田派 参3、兵庫選挙区。
関学大。教育再生担当。
厚生労働 後藤茂之 65 初入閣 無派閥 衆6、長野4区。
東大。政調会長代理。新型コロナウイルス対策に関する政府・与
野党連絡協議会で野党との交渉にあたり、新型インフルエ
ンザ対策特別措置法の改正案をまとめた。厚生労働相での
起用案がある。
農林水産 金子原二郎
(げんじろう)
60 初入閣 岸田派 参2、長崎選挙区。衆5。
慶大
経済産業相 萩生田光一
(はぎうだ)
58 細田派 衆5、東京24区。
明大。内閣府特命担当(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)。産
業競争力担当 、ロシア経済分野協力担当、原子力経済被
害担当。
国土交通 斉藤鉄夫 69 公明党副代表 衆9、比例中国。
東工大院。環境大臣や公明党幹事長を歴任。水循環政策担当。
環境 山口壮(つよし) 二階派 衆6、兵庫12区。
米ジョンズ・ホプキンス大院。内閣府特命担当大臣(原子力防災)。
防衛相 岸信夫 62 再任 細田派 衆3、山口2区。参2。
慶大。安倍前首相の実弟。安全保障環境が厳しさを増す中、安保
政策の継続性が必要と判断したとみられる。
拉致問題 松野博一
(ひろかず)
59 細田派 衆7、千葉3区。
早大。
復興 西銘恒三郎
(にしめ)
67 竹下派 衆5、沖縄4区。
上智大。元経済産業副大臣。福島原発事故再生総括担当。内閣府
特命担当大臣(沖縄及び北方対策)
国家公安会委員長 二之湯智
(にのゆさとし)
77 初入閣 竹下派 参3、京都選挙区
慶大。国土強靱化担当、領土問題担当 、国家公務員制度担当 、
内閣府特命担当大臣(防災 海洋政策)。
こども庁 野田聖子
61 無派閥 衆9、岐阜1区。
上智大。元総務相。女性活躍担当、こども政策担当、孤独・孤立対策
担当 。地方創生。内閣府特命担当大臣(地方創生 少子化
対策 男女共同参画)
経済再生 山際大志郎 53 初入閣 麻生派(志公会) 衆5、神奈川18区。
東大院。元経産副大臣。裁選では岸田の選対幹部を務めた。新しい
資本主義担当、新型コロナ対策・健康危機管理担当、全世
代型社会保障改革担当、内閣府特命担当大臣(経済財政
政策)。
デジタル 牧島カレン 44 初入閣 麻生派 衆3、神奈川17区。
国際基督教大院。行政改革、内閣府特命担当大臣(規制改革)。
国際博覧会担当 (万博) 若宮健嗣
(けんじ)
60 竹下派 衆4、東京5区。
慶大。共生社会担当 、まち・ひと・しごと創生担当 、内閣府特命担
当大臣(消費者及び食品安全 クールジャパン戦略 知的財
産戦略)
経済安全保障 小林鷹之
(たかゆき)
46 初入閣 二階派 衆3、千葉2区。
米ハーバード大院。財務省出身の元防衛政務官。岸田氏が政調会長時代に設
置した経済安保をテーマとする新国際秩序創造戦略本部で
、座長の甘利幹事長の下で事務局長を務めた。内閣府特命
担当大臣(科学技術政策 宇宙政策)
ワクチン接種推進担当 堀内詔子
(のりこ)
55 初入閣 岸田派 衆3、山梨2区。
学習院大院。五輪(東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大
会担当)。
 10.3日、岸田総裁による新内閣の布陣が固まった。70代が農水大臣に内定した金子参院議員、国家公安委員長に内定した二之湯参院議員の2人。60代が岸田総裁や茂木外務大臣、岸防衛大臣など12人。50歳代が経済産業大臣に内定した萩生田文部科学大臣など5人。40歳代が小林、牧島両氏の2人。閣僚の平均年齢は61.8歳。去年の菅内閣の平均年齢60.4歳と比べると1歳余り高い。

 総裁選で訴えた若手や女性の起用を実践しつつ「老・荘・青」のバランスを取った形。20人の閣僚のうち13人が初入閣のフレッシュな顔触れとなる。最年少はデジタルを担当する
牧島かれん氏(麻生派)の44歳。次いで若い二階派の衆議院の当選3回生・小林鷹之氏(46)は政権の目玉となる経済安全保障担当相に就く。ワクチン接種を所管する堀内詔子氏(岸田派)を含め3人が衆院当選3回。万博担当大臣に内定した若宮衆院議員が当選4回生からの起用。一内閣で若手を複数起用するのは異例だ。女性は少子化担当大臣の野田聖子、デジタル大臣の牧島衆院議員とワクチン担当大臣の堀内衆院議員の3人。50歳代は、総裁選後に石破派を退会し無派閥となった古川禎久氏や細田派の萩生田光一氏ら5人となる。一方、初入閣は3回生や古川氏ら13人。旧竹下派の二之湯智、岸田派の金子原二郎両参院議員はいずれも77歳での初入閣となった。
 気になるのがコロナを担当する大臣。田村厚生労働大臣の後任は後藤茂之氏(65)です。厚生労働委員長を務めた経験があり、現在は自民党の新型コロナウイルス感染症対策本部座長です。 西村経済再生担当大臣の後任は、山際大志郎氏(53)です。経済産業副大臣を務めた経験があります。獣医から政治家に転身した、異例の経歴の持ち主ということです。 河野ワクチン担当大臣の後任は、堀内詔子氏(55)です。現職は環境副大臣です。かつては厚労大臣政務官を務めた経験もあります。 コロナ対策の顔として見慣れた人々が、全て交代するということになります。この3人とも初入閣であり、知らないという人も少なくないかもしれません。 コロナ関係の大臣全員交代は「有事のまっただ中で全取っ換え。完全に予想外」。今回の人事をするにあたり、岸田新総理大臣は、以下のように話していました。 岸田新総理 「やはり老・壮・青のバランス、これが大事だということで、現状を考えると、より中堅・若手の登用が必要であると申し上げてきました」 。
 岸田総裁は4日召集の臨時国会の冒頭で首相に指名された後、新内閣を発足させ、8日に所信表明演説に臨む。11~13日に衆参両院本会議で各党代表質問を行い、14日に衆院を解散する方針で、自民党の森山国対委員長が1日、立憲民主党の安住国対委員長に伝える。10月14日に衆議院解散。衆院選は「10月26日公示―11月7日投開票」の日程が濃厚だ。
 北村氏と岸田総裁には開成高校OBという共通点もある。開成OB初の首相となる岸田総裁は、永田町と霞が関の開成出身者による同窓会組織「永霞会」のバックアップを得てきた。
 高木毅の「パンツ泥棒」は、出来心で下着を盗んだのではなく、着きまとっていた女性の部屋の鍵をこっそり複製し、それを使って留守中に部屋に忍び込んで盗んだもの。

【石破の動向】
 10.1日、石破元幹事長が地元の鳥取県鳥取市で記者会見をした。 総裁選では河野行政改革担当大臣への支援について、もっと努力が必要だったとした上で、その仕組みについては今後検討が必要だと指摘した。 「国民の意思に比較的近い、党員・党友の投票結果と議員の投票結果に大きな乖離があるというのは、あまり望ましいことだと私は思わない。第1回では半々なんだけれど、決選投票では47票しかない。そういう仕組みは今後検討されなければならないと私は思っている」 。また、次の衆議院議員選挙では、今回の総裁選で共闘した議員たちへの支援をできる限り訴えたいと述べた。
 10.2日、「鈴木宗男の小石河連合を斬る! 河野氏、石破氏、進次郎氏の人気はメディアがつくり上げた虚像 56%の反河野を理解できない石破氏に限界」。
 自民党の岸田文雄総裁(64)は1日、臨時総務会を党本部で開き、甘利明幹事長(72)と、高市早苗政調会長(60)などの党四役人事を正式決定し、新執行部を発足させた。4日召集の臨時国会で首相指名を受け、同日中にも「岸田内閣」を発足させる。激戦となった総裁選では、河野太郎行革担当相(58)が、知名度のある石破茂元幹事長(64)と、小泉進次郎環境相(40)との「小石河連合」で勝負に出たが、大敗した。敗因は何か。かつて自民党で20年間、政治活動し、永田町を知り尽くす日本維新の会の鈴木宗男参院議員に聞いた。

 「コロナ禍で国民が等しく困難な状況にあるなか、国民や国家が必要なのは『腰の据わったリーダー』だ」。宗男氏はこう語った。 総裁選の1回目投票で、岸田氏は1票差で河野氏をリードし、上位2人の決選投票で「257対170」と引き離した。 宗男氏は「政治家、特に自民党総裁を目指すような人物は、24時間、一挙手一投足を見られている。上を目指す人は『あの人は面倒見がよい。親切だ』と思われる姿が大事だ。岸田氏はそうしてきた。1年前の総裁選敗北時と見違えるほどの覚悟と決意があふれていた。これが支持を得た」と評した。

 河野氏はメディアの世論調査では支持が高かったが、約2週間の総裁選の間に風向きが大きく変わった。 宗男氏は「石破氏を抱き込んだ時点で、河野氏の『負け』は決まった。進次郎氏も含め、『小石河の3人は人気者だ』というのはメディアがつくり上げた虚像だ。あくまで世論調査の数字は参考程度にすべきもので、絶対ではない。近くで政治活動をしてきた同僚議員の視線は厳しい。ところが、『小石河連合』は踊らされ、ポピュリズム的なムード選挙をやろうとして、大失敗した。もはや機能しない」と語った。

 敗因は他にもあるという。続けた。「総裁選の政策論争を続けるなかで、河野氏の地が出た。腹の中で抑えればいいのに、自民党内で政策を議論する部会を『ギャーギャーやっている』と表現して、撤回した。週刊誌報道では官僚への高圧的言動が『パワハラ』と言われた。『脱原発』や『女系天皇容認』の持論も、その場しのぎで封印した。党内や国民にすべて見透かされていた」  河野氏を支援した石破氏は総裁選直後、民放テレビの取材に対し、「(河野氏の)党員票は、ほとんどの地域で1位でした。これと議員票が、なんでこんなに離れたんだろうかということが、自民党の根本の問題かもしれません」と恨み節をこぼしていた。  これについて、宗男氏は「河野氏の党員票は全体で44%。残る56%の圧倒的な声は『反河野』だったと理解できないところに、石破氏の政治家としての限界がある」と切り捨てた。「小石河連合」のうち、河野氏は閣僚から外れ、今後は党広報本部長として汗をかく。明らかに「格落ち」の粛清人事といえるが、宗男氏は「民主政治では、負けたらそれなりの責任を負うべきだ。世が世なら打ち首ものだ」といい、続けた。「上に立つ人は、嫌な話であっても進んで聞く心構えが必要だ。気に入らない意見も(SNSで)ブロックなどせず、受け止めるべきなのだ。還暦を超えれば人は生まれ変わる。精進し、人間力を養えばチャンスは巡ってくる」。

 進次郎氏については、「彼はまだ政治家として12年。国会議員は20年やって、やっと評価される。外交や安全保障問題などで、もっと基礎体力を付けるべきだ」と語った。石破氏率いる石破派は、総裁選の最中に山本有二元農水相が、総裁選後には古川禎久元財務副大臣も退会の意向を示し、15人まで減った。宗男氏は「いつまでも、つくられた虚像(=世論調査の人気)を追いかけて、『いずれ復権して総裁選5回目の挑戦だ』などと思っているとすれば、お粗末だ。頭を早く切り替えるべきだ」と警告した。

【閣僚の人選】
 10.2日夕、岸田総裁が党本部入りし、官房長官に起用予定の松野博一元文部科学相らと閣僚の人選を進めた。岸田派の金子恭之元国土交通副大臣(60)、無派閥の後藤茂之元法務副大臣(65)を初入閣させる案が浮上。総裁選で掲げた「経済安全保障推進法」の制定に向け経済安保を担当する閣僚ポストを新設し、担当の首相補佐官の任命も検討する意向だ。関係者が明らかにした。4日召集の臨時国会で首相指名後、直ちに組閣に着手し、皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て、新内閣を発足させる。その後、副大臣・政務官人事などを行う方針だ。経済安保を巡っては、米中対立など国際秩序の変化を踏まえ、政府は中長期戦略の検討に着手している。岸田氏は総裁選を通じ、担当閣僚設置とともに、各種施策の実施を担保する経済安保推進法成立を目指す考えを示していた。担当閣僚は国外への技術流出防止のための国家戦略策定などを進める見通しだ。

 閣僚人事では、要職で処遇する方針の萩生田光一文科相(58)、上川陽子法相(68)のポストも検討している。事務担当の官房副長官を含め新首相の周辺を固める官邸メンバーの人選も急ぐ。

 10.4日午前、菅内閣は臨時閣議で総辞職した。昨年9月に就任した菅義偉首相の在職日数は384日。総辞職に当たり首相談話を閣議決定し、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言などを全面解除したことについて「安心とにぎわいのある日常に向けた大きな一歩を踏み出せた」と強調。「この1年間で国民が安心と希望を持てる未来のために道筋を示すことができた」と成果を誇った。首相は就任時、自ら「国民のために働く内閣」と命名し、デジタル庁創設や地球温暖化対策、携帯電話料金引き下げなどに取り組んだ。一方、新型コロナで緊急事態宣言を各地に発令するなど対応に苦慮。宣言発令中に東京五輪・パラリンピックを開催し、世論の賛否が分かれた。4日午後に首相官邸を後にする際は、職員から花束を受け取り、拍手で見送られた。菅政権は、新型コロナウイルス感染者が東京五輪期間中に急増するなど、新型コロナ対策への不満から支持率が急落し、発足後1年余りで幕を閉じた。
 次の評がある。
 管内閣総辞職。昨年9月に就任した菅首相の在職日数は384日。戦後12番目の短命でジ・エンドとなった云々。日刊ゲンナリウンザリがおちょくり記事を載せている。ところで、私は菅はんの岸田政権水路を切り拓いた政治的功績を評価している。歴史は表読みだけでは真相に辿り着けない。裏読みが必須で、その裏読みと表読みの交合で味加減の良いものになると思っている。
 岸田政権誕生は菅はんが望んだ結果なのか、期せずしてそう云う結果になったのかそれは分らない。結果はそうなった。なぜそうなったのか、それは、菅はんの不出馬表明のタイミングにある。その時点で出馬表明していたのは岸田はんのみ。そこへ本命の菅はんが不出馬宣言した。この時点で岸田はんの先行逃げ切りの道が敷かれたことになる。不意を食らった高市、河野、野田が出馬するが、菅はんとの真っ向勝負の旗印を鮮明にしていた岸田はんの立場が悪くなろうはずがない。この分かりやすい勢いが後半にブリがつき、河野はんを寄り切った。この流れを作った菅はんの暗夜行路功績や大と見なすのは私だけだろうか。

 10.4日午後1時半頃、臨時国会が召集され、菅義偉(Yoshihide Suga)氏の後任となる衆参両院本会議の首相指名選挙自民党岸田文雄Fumio Kishida)総裁が第100代内閣総理大臣に選出された。ただ、来月に衆院選が行われるため、第100代首相としての在職日数は「短命」。岸田氏が衆院選で勝利した場合、改めて特別国会での指名、皇居での首相親任式を経て、第101代首相となる。首相の就任代数は、天皇に任命されて総辞職するまでを1代と数えるため、1人で複数回、代を重ねることがある。安倍晋三氏は4回就任し、第90、96、97、98代の首相を務めた。
 
政党 候補者
自民党 岸田文雄総裁 311
立憲民主党 枝野幸男代表 124
日本維新の会 片山虎之助共同代表 11
国民民主党 玉木雄一郎代表 11
自民党政務調査会長 高市早苗
 10.4日午後2時頃、岸田自民党総裁は、衆参両院の本会議で行われた総理大臣指名選挙の結果、第100代の総理大臣に選出された。菅内閣は、4日午前、総辞職し、これを受けて午後1時から開かれた衆議院本会議で総理大臣の指名選挙が行われた。岸田文雄総裁が自民党や公明党の支持を受けて、総理大臣に指名された。
 午後1時半から開かれた参議院本会議でも総理大臣の指名選挙が行われた。
政党 候補者
自民党 岸田文雄総裁 141
立憲民主党 枝野幸男代表 65
日本維新の会 片山虎之助共同代表 15
国民民主党 玉木雄一郎代表 15
無所属 嘉田由紀子
国民民主党副代表 伊藤孝恵
 午後2時ごろ、岸田総裁が総理大臣に指名され、第100代の総理大臣に選出された。

 「宏池会」から30年ぶり首相
 岸田文雄氏は、池田勇人元総理大臣が創設した派閥、「宏池会」を率いています。池田氏以降、宏池会からは、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一の総理大臣を輩出していて、岸田氏で5人目の総理大臣となります。宏池会から総理大臣が誕生するのは、1991年に就任した宮沢氏以来、30年ぶりとなります。
 岸田氏は直ちに組閣に着手し、同日午後3時45分からは閣僚名簿が発表された。

 10.4日午後、石破は、首相に選出された岸田総裁について「国民の皆さま、特につらい人や苦しい人の声を聞く政権であってほしい」と訴えた。国会内で記者団に語った。岸田首相が組閣する閣僚人事の顔ぶれに関しては「老壮青のバランスに気を使われた。危機的な日本に最も素晴らしい人事かどうかはこれから判断されることだ」と述べるにとどめた。自身が顧問を務める石破派(水月会、15人)から入閣者がゼロだったことについては「われわれのグループにはそれぞれの分野に通暁した人がいる。できれば登用してもらいたかった」と語った。

 今後の外交日程

 今後の外交日程です。今月以降、主要な国際会議が立て続けに予定されていて、中でも今月30日からイタリアの首都ローマで開催されるG20サミット=主要20か国の首脳会議は、おととし日本で行われて以来、2年ぶりに対面の形で実施されます。また来月1日と2日には、気候変動対策の国際会議、COP26の首脳会合がイギリスのグラスゴーで行われる予定です。一方、今月から来月にかけては、テレビ会議形式による首脳級の会議も多く予定されています。▽今月12日にアフガニスタン情勢をめぐるG20サミットの緊急会合が行われるのをはじめ、▽今月下旬にASEAN=東南アジア諸国連合の関連会合、▽来月上旬にAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議、また▽来月下旬にはASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会合が行われることになっています。
 10.4日、皇居・宮殿での閣僚の認証式は午後8時8分に終了し、岸田文雄内閣が正式に発足した。
 岸田新首相は衆議院の解散・総選挙について、10月14日に解散し、19日公示、31日投開票の日程で行う意向を固めた。 複数の自民党幹部によると、岸田新首相は4日に召集された臨時国会の会期末となる14日に衆議院の解散に踏み切り、総選挙は19日公示、31日投開票の日程で行う意向を固めた。 21日の衆議院の任期を念頭に、できるだけ早く選挙を行う必要があると判断したとみられる。 立憲民主党・安住国対委員長「岸田さんらしからぬ奇襲作戦に出てきたのかなと。19日から、与野党をがっぷり四つの論戦を政権交代選挙ですから、やりましょうということを話したい」。岸田新首相は4日夜の記者会見で方針を説明する見通し。




(私論.私見)