法人税の大企業無税政策考

 (最新見直し2010.06.30日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、経営者役員の高額給与問題を確認しておく。

 消費税廃止を訴えます!(活力ある日本を取り戻せ!)
 http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/934.html
 投稿者 まるす 日時 2010 年 6 月 21 日 21:08:06: 3bEVsqHgPljbg 


 2010.06.30日 れんだいこ拝


【東京都副知事・猪瀬直樹の伝える法人税の極度落ち込み仕掛け考】
 猪瀬直樹の「眼からウロコ」の日付けブログ「外形標準課税の導入をめぐる舞台裏巨大企業の利益代弁者に対してロジックで攻める」(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100726/238501/)を仮に「猪瀬資料」と命名し、これを反面教師的に参照する。猪瀬本人の思惑と違って、次のように裏読みできる。

 これによれば、「銀行を含め巨大企業が繰越欠損金のため法人税を支払っていない」と云う。その例証として、住友商事10兆円、日立製作所8兆円、日産自動車、東芝6兆円、NEC5兆円、三菱電機4兆円、日石三菱、三菱自動車工業3兆5000億円の売上があるにも拘わらず法人税を全然払っていないと云う。特に給料が高いと言われている日本航空1兆6000億円、東京海上火災保険1兆3000億円あるにも拘わらず法人税を払っていないし、もちろん法人事業税も払ってこない」(2000年11月28日の政府税調第6回総会議事録より)とのことである。補足として、東京都の税収は2007年度に5,5兆円でピークを迎え、2009年度は4,3兆円まで落ち込んでおり、法人事業税収の全体では2008年度の1,3兆円から2009年度の6800億円と半減している。法人事業税の税収減は景気の影響だけではなく、2008年税制改正で新設された地方法人特別税という名目での東京都の税収が3000億円ほど他の都道府県に分配されていることも影響していると云う。

 
猪瀬のこのブログで参考になったのは以上である。猪瀬のブログは、このことを問題にせず、外形標準導入の正当性を論証する為に弁じている。「2004年度から導入された外形標準課税が景気動向にかかわらず2000億円前後で安定しており、法人事業税の落ち込みを緩和している」と自画自賛している。ちなみに、外形標準課税とは、「儲かっているかどうかといった企業の経営の中身ではなく、企業の外形、つまり事業規模などを基準にして課税する方法である。利益に対してではなく、人件費や資本金など企業の規模に対して課税される。課税対象は資本金が1億円以上の大企業で、地方税である法人事業税の4分の1を外形標準課税に置き換える」もので、猪瀬は、「赤字企業でも税が課せられるので、景気の影響を受けにくく安定的な税収を確保できる」としている。「外形標準課税が導入される前、会計上で利益を出している企業からだけ税金を取って、赤字を装っている大企業からは取らないというアンフェアな税制になっていた。都道府県の行政サービスを受けていながら、法人事業税を負担していない巨大企業が多数存在した。全体の8.5%にすぎない21万社の企業が、法人事業税の98%を負担していた。法人事業税の過去10年間の平均税収は4.4兆円である。行政サービスを受けている黒字の企業も赤字の企業も、同じようにトータルで4兆円払えばよいのだ。増税ではなく組み替えにすぎない。そうしないと、がんばって黒字を出している企業に、他の赤字企業がたかっているも同然ということになる」と弁じている。

 何でも逆さに見る癖のある猪瀬のらしさであろう。猪瀬が何をどう云おうと、我々は、「銀行を含め巨大企業が繰越欠損金のため法人税を支払っていない」こと自体を咎めねばなるまい。それを企業のみ責めるのではなく、法人税を支払えない経営環境、その経営環境にも拘わらず役員が高額報酬取り続けている不正の告発に向かわねばなるまい。これが真っ当な怒りとなるべきであろう。

 今日、消費税10%増税が導入されようとしている。こたびの「猪瀬資料」によれば、消費税10%増税を呼び水する為に、政策的に法人税の落ち込みが仕掛けられているとも裏読みできるのではあるまいか。「猪瀬資料」は本人の思惑と違って、こういうことに活用できそうである。それにしても、消費税増税派は何ときたない手を使うのだろうか。国を歪め国を売るエージェント活動そのものではなかろうか。こういう売国奴官僚、政治家、財界要人を一刻も早く追放すべきであろう。

 2010.7.29日 れんだいこ拝





(私論.私見)