前田恒彦検事逮捕事件考

 (最新見直し2010.10.01日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、前田恒彦検事逮捕事件の概要を確認しておく。

 2010.01.27日 れんだいこ拝


Re::れんだいこのカンテラ時評815 れんだいこ 2010/10/03
 【「2010最高検の現役特捜検事イモヅル逮捕事件」考その1】

 検察制度始まって以来と思われる最高検による現役特捜検事のイモヅル式逮捕事件が発生している。検察内の前代未聞の不祥事であるが、臭いものに蓋をせず、これを公にした最高検の英断を拍手したい。これを仮に「2010最高検の現役特捜検事イモヅル逮捕事件」と命名する。検察が、ロッキード事件以来常習常套化している長年の検察不正腐敗に対しどこまで自浄能力を持つのか、やがて揉み消されるのか、その際に誰が出てくるのか、敵が誰であり味方が誰であるのか等々の関心を持ちながら見守りたい。ここで事件の流れをスケッチしておく。

 2010.9.21日、朝日新聞が、朝刊社会面(34・35面)に社会部の板橋洋佳、野上英文の両記者による「検事、押収資料改ざんか 捜査見立て通りに 郵便不正」記事を載せた。厚労省の偽証明書偽造事件、村木厚労省局長逮捕事件に纏わる「前田検事による押収証拠物改竄事件」をスクープしていた。朝日新聞は、2010.2.12日付けの奥山俊宏、村山治記者による「ロッキード事件『中曽根氏がもみ消し要請』米に公文書」記事に続く超ど級の特ダネをものにしたことになる。さすがは朝日であろう。こうして新聞が頑張らんと世の中面白うない。そういう意味で、朝日の頭脳は何だかんだ云っても記者レベルでは健在で「腐ってもタイ」と云う訳か。毎日はアカンな。上層部の目がどいつもこいつも死んどるわ。こういう社を立て直すのは難しい。

 朝日新聞朝刊がスクープしたこの日、最高検が、前田検事(43)を証拠隠滅容疑で逮捕した。最高検検事が主任を務め、東京地検の検事ら8人が加わる捜査チームが編成され、大阪府内の検事宅や地検の執務室を捜索した。こうして当時の村木厚労省局長を起訴した検事が逆に起訴されると云う異例の事件となった。ところで、大阪地検、高検と云えば、検察の裏金問題を告発した「三井環・元大阪高検公安部長不当逮捕事件」、「左派系言論の砦・
鹿砦社社長・松岡利康不当逮捕事件」で知られている。松岡氏によれば、10.1日に逮捕された大坪検事は「5年前の第1次弾圧の指揮を執った検事」、佐賀検事は「神戸地検特別刑事部長として第2次告訴事件の捜査の指揮を執った検事」であり、「鹿砦社の祟り」と揶揄している。この事件の経緯を確認しておく。

 2004.6月上旬、自称障害者団体「凛(りん)の会」(のちの白山会、東京)が、企業のDM費用を格安料金で請け負う狙いで郵便の障害者割引制資格を取得した。その際、村木局長の部下に位置する上村係長を通じて偽の証明書を偽造した。上村係長が個人的な思惑で独断でやったのか、どういう政治圧力があったのか未だ解明されていない。これを「障害者団体向け割引郵便制度悪用事件」と云う。

 検察の事件構図では、上村被告は村木局長の指示に従い、村木局長の指示の裏には民主党の石井一衆議員の政治圧力が有ったとしていた。ところが、石井議員が圧力をかけたとされる日は、石井議員の日程メモではゴルフをしていたことになっている。検察は、これを崩せていない。つまり、この件でも検察の筋書きが破綻している。別説として、政治圧力の本ボシとして「小泉元首相秘書官・飯島勲ラインの圧力」が囁(ささや)かれている。ところが、検察捜査は伝統的にシオニスタン系政治家の利権活動に対してはメスを入れない。そういう訳で、こたびも端から洗われていない。

 「小泉元首相秘書官・飯島勲黒幕説」は次のことから明らかである。村木裁判で、村木被告に作成の指示をしたとされる元上司らが捜査段階の供述を覆し、村木被告の関与を否定した。関係者の取り調べを担当した検事が証人として出廷し次のように証言している。「元上司は、石井一議員からの依頼で村木被告に指示したことを自ら供述した」とした上で、「(石井議員の名を挙げたのは、)小泉元総理大臣の秘書をしていた飯島勲さんに正直に話すよう言われたためと言っていた」、「但し、元上司が拒んだため調書にはしてない」と証言した。これによると、村木局長の「元上司」は飯島に指示されて、「石井一を嵌めるために嘘の供述をした」ということになる。これは検事証言である。

 検察は続いて「村木厚労省局長逮捕事件」に向かう。この捜査の真の指揮者は大坪弘道大阪地検特捜部長であった。大坪部長は典型的な出世主義者として知られており、こたびも東京地検特捜部への対抗心と功名心に燃え、シオニスタン系政治家の利権活動を隠蔽する為のスケープゴートとして「石井議員―村木局長犯人シナリオ」をデッチあげ、その現場指揮を子飼いの前田検事に取らせた可能性が強い。これを請け負った前田検事も又典型的な出世主義者であり、同じ穴のムジナであったと云うことになる。

 これが世に云う「検察の正義」の裏にある政治主義性である。これを思えば何事も「正義ぶる者」に対しては眉つばするのが賢明であろう。これを不審がらず、「検察の正義」を後押し続けてきた立花隆、日共、メディアマスコミの口先の何たる調法なことだろうか。れんだいこには、ロッキード事件以来の検察の負の構図が見えてくる。この観点を保持しない限り検察不義の真相が見えてこないであろう。そういう意味で今こそ、法の番人が上から法を蹂躙したロッキード事件以来の国策捜査の不正義を洗い直し、ウミを出すべきではなかろうか。こたびの最高検捜査がどこまで迫ることができるのだろうか。心もとないが見守ろうと思う。

 2009.4.16日、大阪地検特捜部が郵便法違反容疑で凛の会設立者の倉沢邦夫被告らを逮捕。5.26日、大阪地検特捜部が、証拠品として上村被告の自宅からフロッピーディスク(FD)を押収。5.27日、稟議書を偽造したとして厚生労働省の上村勉係長(41歳)らを逮捕。

 6.14日、大阪地検特捜部が、上村被告に証明書偽造を指示したとして村木厚子局長ら4人を逮捕。6.29日、検察がFDを印刷したデータを証拠採用した捜査報告書を作成する。7.4日、特捜部が村木局長、上村被告ら4人を起訴。これを仮に一括して「郵便不正事件」と命名する。事件を担当した検事は、前田恒彦主任検事(43)、高橋和男副検事(51)、牧野善憲副検事(42)、坂口英雄副検事(51)、林谷浩二検事(34)、國井弘樹検事(35)である。國井弘樹検事は、大阪地検刑事部から特捜部へ抜擢され、村木局長を取り調べた。この國井検事が、前田検事の証拠物改竄に疑義を訴えることになる。

 検察の筋書きでは、上村被告が村木被告から証明書の不正発行を指示されたのは2004.6月上旬。上村被告が証明書を作成したのはその後という構図となっていた。ところが、上村被告の自宅から押収していたFDの最終更新日時は「04年6月1日午前1時20分06秒」であった。この期日は、検察にとって都合の悪いものだった。

 7.13日頃、前田検事は、検察側の構図と合わすべくFD改竄に着手した。これを「前田検事による押収証拠物改竄事件」と云う。これを前田検事が独断でしたのか、上司との相談の上での行為であったのかは今のところ定かではない。いずれにせよ、前田検事は、1・内規違反である私用のパソコンと専用ソフトを使って、2・FDの期日を「04年6月8日」に書き換えている。この時、同僚検事に対して「爆弾を仕掛けた」と述べている。その真意は定かではない。普通には、検察にとって都合の悪いFDの期日を都合のよいように改竄し細工したと窺うべきだろう。それにしても、「爆弾を仕掛けた」の表現が穏当ではない。他の意味があるやも知れぬ。

 どうであろううと、前田検事は、私用のパソコンでダウンロードしたソフトを使うと云う内規違反をしている。次に、FDの更新日時データを書き換ると云う神聖不可侵である筈の証拠物を改竄している。この二つの罪で前代未聞の不祥事に手を染めたことになる。この行為は、前田検事特有の個性、資質、能力に帰因するとみなすべきだろうか。それとも、長年の検察、警察捜査の常套手法であり今に始まったことではないとみなすべきだろうか。もし後者であれば、恐ろしいほどの精神の弛緩であり、ロッキード事件以来の不正が定向進化し、遂に来るところまで落ちたと云うことになろう。検察正義の呆れた実態暴露と云うことになろう。こたび、この不正を検察内部で採り上げ、隠すことなく徹底捜査し始めていることで多少なりとも救われるが、江戸時代なら間違いなしに「関係者一同即刻切腹もの」であろう。  

 ところが、前田検事がそこまで危険を冒して手を染めた改竄FDは裁判資料に採用されなかった。FD改竄3日後の7.16日、このFDは上村被告側に返却されている。これはどういうことか。改竄したFDがなぜ元に戻すことなく改竄されたままの状態で返却されたのか。これがミステリアスになっている。推測するのに、前田検事のFD改竄直後に既に検察内部で問題となったのではなかろうか。担当検事団内部で問題となったのか検事団外部の注進があったものかは定かでない。こう読み解く必要がある。

 前田検事は処理に困り、上司の指示に従ったものと思われる。当初は意気揚々と「爆弾を仕掛けた」と述べていたが雲行きがオカシクなった。結果的に「大急ぎで返却」したものと思われる。FD返却の際に改竄FDを再改竄して元に戻しておけば良かったが、既に私用のパソコンと専用ソフトを使うこと自体が咎められており、それもできなかったのではなかろうかと考えられる。しかし、このことが後に正真正銘の爆弾になる。「改竄FD」がブーメランのように舞い戻り、皮肉なことに前田検事に炸裂する。その前田検事をコントロールしていた大坪部長と佐賀副部長にも炸裂する。天網恢恢疎にして漏らさずの格言通りになった。 

 検察の構図の誤りを鋭く指摘したのは、村木氏本人であった。9月、村木さんに捜査報告書が開示された。10月、現役の厚労省の局長の身にして大阪拘置所に勾留される身となった村木被告人は、屈辱の中で検察の開示証拠をチェックし、FDの文書データの最終日付けが「04年6月1日午前1時20分06秒」であることに注目した。検査側の立件では上村被告が村木氏から証明書の不正発行を指示されたのは6月上旬としている。このオカシサに気づいた村木被告人は獄中から弁護団に「日時のズレ」を指摘し、「村木厚労省局長逮捕事件」の検察筋書きそのものを破綻させ、冤罪構図を明らかにさせた。にも拘わらず、破れたシナリオを継ぎはぎしつつ暴走したのがその後の大阪地検特捜部であった。何しろ厚生労働省の現役局長を逮捕しておりメンツが掛かっている。今更引くに引けなかったものと思われる。それにしても、その不当逮捕性、冤罪を告発したのは村木被告人の頭脳であったことに脱帽させられる。厚労省の頭脳が検察の頭脳に勝ったことを意味していよう。やはり頭は良くないとイケナイと云うことになる。  

 2010.1.27日、村木元局長は、初公判で検察の起訴状の内容を堂々と否認した。弁護団も、弁護側冒頭陳述で、FD期日のズレを咎めて「検察側の主張は破綻している」と訴えた。 裁判長がこれを認め「検察側の主張と符合しない」と指摘した。マスコミメディアは、この騒動を報道しなかった。この為、検察側は捜査報告書を作成し直し、それが新たに証拠採用されると云うこれまた恐らく前代未聞の失態を演じている。

 2010.10.3日 れんだいこ拝

Re::れんだいこのカンテラ時評815 れんだいこ 2010/10/03
 【「2010最高検の現役特捜検事イモヅル逮捕事件」考その2】

 ところで、前田検事のFD改竄問題は検察内部で燻り続けていたと推理される。1月下旬、村木氏の初公判直後、初公判で衝撃を受けた公判担当の塚部貴子検事(41歳)検事が國井弘樹検事(村木元局長取調担当)に真相を明らかにするよう迫った。國井検事が、東京出張中の前田検事に電話で確認したところ、前田検事は「フロッピーディスクに時限爆弾を仕掛けた」などと言って、意図的な改竄を認めたという。塚部検事は、公判部の主任検事に顛末を伝えた。この時既にFD改竄経緯が検察内部で問題になり、質されていたことを意味している。同僚検事3名と公判部検事1名の4名が、前田検事のやり過ぎに対し不退転の追及の姿勢を見せ始めたようである。

 1.30日、佐賀副部長が土曜日にも拘わらず地検庁舎の執務室に呼び出された。國井検事と塚部検事、公判部主任検事他1名の4人の検事が待ち受け、前田検事の意図的な証拠改竄を報告した。塚部貴子検事は、「前田検事はフロッピーディスクのデータを改ざんしたと聞きました。すぐに公表すべきです。公表しなければ、私は検事を辞職します」と涙ながらに迫っている。この直訴に対し、佐賀部長は、「前田から話を聞く前に公表なんてできないだろう。きょう公表するのは村木公判はもとより、前田検事が応援中の東京の事件にも影響し、ひいては特捜組織を瓦解する」と述べている。当時、村木裁判は始まったばかりであった。データ書き換えの公表は検察の失態となりメンツが潰れることになる。佐賀副部長は臆面もなく真実より検察組織の保全を指示したことになる。この発言通りとすると、佐賀副部長の隠蔽工作責任は免れまい。

 この時、前田検事は民主党の小沢前幹事長の秘書が逮捕された西松事件の応援で東京地検に出張中であった。小沢の当時の公設秘書にして衆議員であった大久保隆規を取り調べていた。その調書が公判に提出され、起訴後に大久保は調書を否認し、裁判官は信用性が低いとして採用しなかった。これが、小沢キード事件の裏舞台である。立花隆、日共、マスコミメディアは口を揃えて「政治とカネ問題に関わる小沢幹事長の政治責任」を追及しているが、こういう不正人士の前田検事が証拠集めした小沢キード事件の構図そのものがイカガワシイとするべきではなかろうか。

 この時、「天の声」まで詮索され、何とかして容疑をデッチアゲせんとしたが、それもできなかった。これを検察審査会が幾度となく蒸し返している。立花隆、日共、マスコミメディアがこれを支援し続けている。バカバカしいと云うべきではなかろうか。その昔は「角栄的なるもの」、今は「小沢的なるもの」を排撃するたびに日本は悪くなる。逆は逆である。「中曽根的なるもの」、「小泉的なるもの」、今は「菅―仙石的なるもの」時代を迎えているが、お陰で日本は惨々たる状況に深のめりしつつある。今日では外交は無論、内政でさえ国際金融資本のお伺いなしには何もできないテイタラクに嵌められている。

 結局、前田検事の証拠改竄は公表されることがなかったが、塚部貴子検事も、なぜかそのまま大阪地検にとどまり、検事を辞めることはなかった。その後も塚部貴子検事は、村木局長が無実であることを知りながら、しっかりと有罪論告を行っている。

 もとへ。「前田検事による押収証拠物改竄事件」は自動回転し始めた。1.30日、大坪部長が東京に出張中の前田検事に電話し、前田検事が意図的にFDを改ざんしたことを認識したうえで「過失として処理しろ」と指示したことが確認されている。同日、佐賀副部長も前田検事に電話している。前田検事は「FDを意図的に書き替えました。自分はもう終わりです」と意図的な改ざんを打ち明け、「どうしたらいいでしょう」と相談している。佐賀検事が前田検事に対して、「早まるな。全て任せろ。FDにまで触らせてしまうとは苦労掛けたな」と発言したことを上記4名の検事のうち2名が聞いていたことが明らかにされている。前田検事は最高検の調べに対し次のように供述している。「佐賀前副部長が再び電話をかけてきて『何かいい説明はないのか』と持ちかけられた。このため、『フロッピーディスクのデータ改ざんの有無を調べていたら、まちがって書き換わってしまった』という言い訳を提案すると、佐賀前副部長は『それでいくぞ』と言って了承した」。

 2.1日午後4時半、佐賀副部長は再び東京の前田検事に電話している。佐賀副部長の日誌説明では「パソコンの操作を間違えて、フロッピーのデータを書き換えてしまった可能性がある。(同僚に)『データを変えているかもしれない』と冗談で話した。そのことが誤解を生んでいるかもしれない」との説明が有ったとしている。随分のんびりとした話をしていることになる。佐賀副部長は、大坪部長に前田検事との遣り取りを報告している。

 2.2日夕方、大坪部長は、玉井英明・大阪高検次席検事、小林敬検事正に対して「フロッピーディスクを調べているうちに誤ってデータを変えた可能性があるが問題ありません」、「今回はミステイクでいく」との報告をしている。但し、玉井大阪高検次席検事、小林敬検事正は報告を否定している。佐賀副部長の日誌説明では「女性検事が『証拠の改ざんを公表しろ』と言い出しトラブルになっている。前田検事に電話で聞いたところ、『操作を誤ってデータを書き換えた可能性がある』と説明している。ただ、フロッピーはもう返却してしまったので、調べようがない」と発言したと記されている。佐賀副部長は再々度、東京の前田検事に電話し、「過失と云うことにしろ。絶対に故意だと認めるな」と命じている。

 この報告を聞き、玉井次席検事はこう怒った。「検事総長が西松事件でピリピリしている時に、女性検事は何てことを言い出すんだ」。これによると、玉井次席検事は、検察正義を愚直に追及していた女性検事を逆にドウカツしたことになる。玉井次席検事の逆ギレ責任も免れまい。いずれにせよ、「前田検事による押収証拠物改竄事件」は、2月上旬時点において当時の次席検事、検事正にも伝わっていたことになる。と云うことは、地検首脳部が事件を把握しながら放置していたことになる。と云うか組織を挙げて「最期の隠蔽工作」に向かっていたことになる。2.3日、大坪部長、佐賀副部長、玉井英明・大阪高検次席検事、小林敬検事正らが善後策を協議している。

 2月頃、「前田検事のFD改竄問題」は更に問題化した。上層部の隠蔽工作に対し抵抗した有志の検事が居たことが窺われる。どの検事との遣り取りかは明らかにされていないが、前田検事は、「元係長がデータを改ざんしていないか調べていただけで書き換えは行っていない」と弁明している。同僚検事の一人が東京地検特捜部に応援に行っていた前田検事に電話をかけ、「FDは重要な証拠なのに、なぜ返却したのか」と尋ねている。前田検事は「FDに時限爆弾を仕掛けた。プロパティ(最終更新日時)を変えた」と明かしたと云う。

 2.5日、前田検事が帰阪。2.8日、大坪部長が前田検事と面会し、「どうしてそんなことをやったのだ」と詰問している。前田検事は経緯を説明し謝罪している。

 2.10日頃、前田検事は、大坪、佐賀部長らに上申書案を見せている。この経緯につき、最高検の調べによると、大坪部長、佐賀副部長は共謀して1~2月、前田容疑者が故意にFDを改ざんしたことを知りながら、2月上旬頃、前田容疑者に電話で「データ改変は過失によるものだと説明しろ」と指示している。大坪部長、佐賀副部長は、前田検事の上申書案を読んだ上で、「もっと過失だと分かりやすく書け」と指示している。

 この頃、大坪部長らは、上司の小林敬検事正に「問題ない」と報告している。但し、修正後の上申書を見せず、前田検事に返却したという。前田検事はその後、この文書を廃棄し、文書の作成に使ったパソコンからも文書ファイルを削除した。最高検は押収したパソコンを詳しく調べ、削除されたファイルの復元に成功。前田検事が文書を修正していたことが裏付けられた。前田検事は「2人に故意だと説明したが、過失で処理するよう指示され、弁解を考えた」などと一連の経緯を認める供述をしていると云う。大坪部長と佐賀副部長は「過失だと認識していた」と容疑を否認していると云う。

 4・27日、大阪地裁が倉沢被告の文書偽造について無罪の判決(郵便法違反罪は有罪)。5・11日、凛の会元会員、河野克史被告に懲役1年6月、執行猶予3年の判決。5.26日、村木元局長の公判で大阪地裁が大半の供述調書を証拠採用せず。6・22日、村木元局長の公判で検察側が懲役1年6月を求刑する。6.29日、村木元局長の公判が結審。

 9・10日、村木元局長に無罪判決下される。

 「村木元局長無罪判決」は「前田検事のFD改竄問題」の責任追及に向かった。検察内で、どう処理すべきかが喧々諤々の議論となったものと思われる。その際のやり取りの詳細は分からない。結論から云えば、大坪派の責任が免れないとして事件の徹底解明に向けて断を下すことになった。

 9.20日夕、休日出勤していた最高検刑事部の八木宏幸検事(54歳)が、大阪高検の榊原一夫刑事部長(52歳)から、前田検事のFD改竄事件の正式な報告を受けた。八木検事は、池上政幸刑事部長(59歳)に「尋常でない事態」の発生を報告した。情報は、伊藤鉄男次長検事(62歳)を通じて大林宏検事総長(63歳)に伝えられた。

 9.21日、冒頭の朝日新聞スクープ。前田検事のデータ改竄が報道される。最高検が、前田検事を証拠隠滅容疑で逮捕する。関連法規は、第104条(証拠隠滅等) 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。第161条の2(電磁的記録不正作出及び供用) 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。大阪地検が、村木さんの控訴断念を発表する。

 マスコミメディアの報道合戦が始まった。当時の大坪部長は取材に対し、「(前田検事のフロッピーディスク(FD)書き換えについて)むちゃし過ぎだよ。質し、(最高検は)本人の話も聞かずにいきなり逮捕した。むごいことをする」と述べている。自身の容疑に対して「今、最高検の調査を受けてますので詳細はコメントできない。改ざんにかかわったわけではない。(問われるのは)監督責任だろう。元上司としての監督責任は痛感しています。改ざんの認識は絶対にない。徹底抗戦する」。当時の佐野副部長は、「逮捕はおかしい」、「供述だけであれば村木さんの時と同じだ」と全面的に争う考えを示している。

 午前9時半、最高検会議が始まり、捜査に乗り出す方針が決まった。刑事部の長谷川充弘検事(56歳)ら7名の検事による捜査チームが編成され、「すぐ大坂へ行け」の命令を受け、現地に派遣された。捜査チームは、FDのコピーを確保し、この日の夜、前田検事を逮捕した。前田検事の同僚たちにより、「部長や副部長は意図的な改竄と知りながら調査や公表を制止した」との証言を得た。

 9.23日、最高検が、大坪前部長、佐賀前副部長の事情聴取を開始する。東京地検特捜部のOBにして最高検の公判部長の吉田統宏が、大坪容疑者に対する初の任意事情聴取。聴取は、24日、26日、27日、28日と続いた。

 9.30日、疑惑が表面化した際、前田検事が、大坪前部長らの指示で作成し、パソコンから削除したとされる上申書案データが復元されたとの報告が検察首脳に上がった。

 10.1日午前、大阪高検公判部長・吉田統宏(57歳)が、大阪中の島の大阪高検庁舎内で、大坪前部長に「どうするつもりなんだ」と問い詰めた。容疑を認めて在宅起訴、逮捕見送りの線を選ぶかどうかの意思の確認であった。大坪前部長は、「徹底的に闘う。逮捕してください」と開き直った。佐賀前部長も否認する姿勢を示していた。大坂に派遣されていた最高検の捜査チームは、「逮捕するしかありません」と東京霞ヶ関の検察トップに伝えた。大林宏検事総長(63歳)、伊藤鉄男次長検事(62歳)らによる協議を経て、午後1時半、逮捕の方針が決まった。

 最高検は、大阪地検特捜部の大坪弘道前部長(57、京都地検次席検事)と佐賀元明前副部長(49、神戸地検特別刑事部長)が証拠改ざんの事実を知りながら、犯罪を隠蔽し告発しなかった犯人隠避の疑いで逮捕した。逮捕直前の取材に大坪前部長は、「副部長の日誌という証拠もある。来るなら来いだ」と自信を見せている。最高検は週明けにも地検の小林敬検事正、玉井英章前次席検事(現大阪高検次席検事)から事情を聴く方針。改ざん疑惑の報告を受けながら、調査しなかった理由などの説明を求めるとみられる。

 10.2日、大坪容疑者と佐賀容疑者は、接見した弁護士に「全面的に争う」としていることが伝えられている。佐賀容疑者は、「検察側のストーリーに乗らず徹底抗戦する」と息巻いているとのことである。こうなるとお笑いでもある。大坂地裁の渡部市郎裁判官は同日、大坪容疑者と佐賀容疑者の拘置を認める決定をした。期限は10.11日までの10日間。最高検は、消されていた前田容疑者の「上申書」を復元したことを明らかにした。大坪容疑者らによる改ざんの隠蔽(いんぺい)を裏付ける物証とみて重視している。

 10.11日、最高検は、大阪地検特捜部主任・前田容疑者を証拠隠滅罪で起訴した。同時に、前特捜部長の大坪、前副部長の佐賀容疑者の拘置延長を請求した。

 10.21日、最高検が、郵便不正事件に絡む証拠改竄隠蔽事件で、大坪、佐賀両容疑者を大阪地検に移送した上で犯人隠避罪で起訴した。同日、法務省は、二人を隠避罪容疑で懲戒免職処分とした。法務省は、小林敬・大阪地検検事正を減給4ケ月、玉井英章・当時の大阪地検次席検事を同6ケ月の懲戒処分、三浦正晴・当時の大阪地検検事正を同1ケ月、太田茂・当時の大阪高検次席検事を戒告、伊藤鉄男・最高検次長検事を訓告、国井弘樹・大阪地検検事を減給1ケ月処分に付した。三浦、小林、玉井検事は処分を受け辞職した。

 柳田法相は、大林宏検事総長を大臣室に呼び、「検察の信頼は地に墜ちた。信頼回復に向けてリーダーシップを発揮してほしい」と口頭で注意した。これに対し、大林総長は「重く受け止め、検証を徹底的に行い、信頼を回復できるよう全力を尽くして参りたい」と述べた。大林宏検事総長は、夕方の記者会見で、「証拠物を改変するという、考えがたいあるまじき行為に及んだ上、検察幹部までをも逮捕、起訴しなければならないという前代未聞の事態に至ったことにつきまして、あらためて国民の皆様に深くおわび申し上げたいと思います」と謝罪した。検察首脳の進退について、「失われた国民の検察に対する信頼を一刻も早く回復することが、私に課せられた責務である」と述べ、早期の辞任を否定した。大阪高検の柳俊夫検事長が、大阪市福島区の高検で記者会見し、「前例のない重大な事態に至ったことは誠に遺憾で深くお詫びします。国民から信頼される検察を取り戻す為に全力を尽くしたい」と読み上げ陳謝する。

 2人はこれまでの調べに、「改ざんが故意だとは聞いていなかった」と一貫して否認を続けている。両容疑者は人事院に処分取り消しを申し立てる方針。大坪弘道・前大阪地検特捜部長(57)の弁護団は、同日の接見で前部長が「起訴されるのは覚悟していた。裁判で自分の主張を訴えていきたい」と話したことを明らかにした。懲戒免職とされたことや、起訴内容についてはコメントしていないという。弁護団によると、前部長はこれまでの面会で「検察組織のために頑張ってきたつもりだ」などと述べていたという。

 仙谷由人官房長官は午後の記者会見で、大阪地検特捜部による証拠改ざん・隠ぺい事件を受けた大林宏検事総長らの進退問題について、「検事総長が自浄自律機能を発揮してほしい。法務大臣の下にも第三者機関ができる。今の段階では徹底的な調査と捜査をすることが一番重要だ。そこまで至ってから、あるいはそこに至る過程で(進退)問題が出てくる可能性は十二分にある。現時点ではそのプロセスの中にある」と述べ、1・事件の全容解明に全力を挙げるべき。2・(進退)問題について言及した。

 2010.10.3日 れんだいこ拝

【前田恒彦履歴】

 前田 恒彦 (まえだ つねひこ)の履歴は次の通り。

 1990年に広島大学法学部を卒業。大学では刑法学者・金沢文雄のゼミナールに参加。
 1993年旧司法試験合格。1994年 最高裁判所司法研修所司法修習生(48期・実務修習地広島)。
 1996年、司法修習修了、東京地方検察庁検事任官。東京地方検察庁検事、広島地方検察庁検事。
 1997年から水戸地方検察庁検事。
 1999年から大阪地方検察庁特別捜査部検事。
 2001年から神戸地方検察庁姫路支部検事。
 2003年から大阪地方検察庁特別捜査部検事。
 2006年から東京地方検察庁特別捜査部検事。
 2008年4月から大阪地方検察庁特別捜査部検事。
 大阪地検特捜部では、元特捜検事で弁護士だった田中森一受刑者の詐欺事件(08年4月)や音楽プロデューサー・小室哲哉元被告による詐欺事件(同11月)などの捜査で主任検事を務めた。また、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件では、東京地検特捜部に応援として派遣され、逮捕した公設秘書(当時)の取り調べも担当した。

 2010年9月21日、大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件により最高検察庁刑事部の検事に大阪地検庁舎内で証拠隠滅罪により逮捕され大阪拘置所で勾留、自宅及び大阪地方検察庁の執務室が捜索された。


【前田検事の捜査履歴】

 前田 検事は、て多くの事件の捜査に従事し、いくつかの事件では主任検事を務め中心的な役割を果たした。特捜部のエース、「割り屋」との評判で出世街道を上りつつあったが、「取り調べが強引」との評判もあった。

 福島県知事汚職事件
 「福島県知事汚職事件」では、東京地方検察庁特別捜査部在籍時に捜査に参加した。東京地方検察庁特別捜査部は、収賄容疑で前福島県知事の佐藤栄佐久ら福島県庁の幹部らが逮捕・起訴された。しかし、東京高等裁判所の判決では、特定企業が受注させる行為が県の職務に対する社会の信頼を失墜させたことを認定はしたものの、知事の弟が受領した土地売買における時価との差額の利益を否定し、換金の利益に留まるとされ、追徴金も免除された。前田は元水谷建設会長や福島県庁幹部の事情聴取などを担当した。しかし、前田に事情聴取された福島県庁幹部は「自分は談合などに関して供述しなかったのに、担当検事(前田容疑者)は供述調書を作成した」と指摘しており、前田の事情聴取の様子について「言っていないことまで供述調書に記された」と批判している。
 山田洋行事件
 「山田洋行事件」では、東京地方検察庁特別捜査部在籍時に捜査に参加した。
 石橋産業事件
 「石橋産業事件」では、大阪地方検察庁特別捜査部の主任検事として捜査を担当した。
 西松建設事件
 「西松建設事件」では、大阪地方検察庁特別捜査部在籍時に捜査に参加した。大久保隆規の調書を作成して公判に提出したが、起訴後に大久保は調書を否認し、裁判官は信用性が低いとして採用しなかった。
 小室哲哉5億円詐欺事件
 「小室哲哉5億円詐欺事件」では、大阪地方検察庁特別捜査部の主任検事として捜査を担当した。
 朝鮮総連本部ビル売却問題
 「朝鮮総連本部ビル売却問題」では検察官証言を担当した。朝鮮総連本部の売却をめぐる詐欺事件の裁判でこの前田検事のとった調書を「信用しがたい」として裁判官から一蹴されている。朝鮮総連本部ビル売却問題で逮捕された緒方重威の弁護団は、前田と、当時捜査を指揮した東京地検特捜部副部長を、当該事件公判における偽証罪で10月に告発する方針。

 元防衛次官の汚職事件で贈賄側の防衛専門商社元専務を取り調べるなど、事件の「キーマン」となる容疑者を担当することが多かった。元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)被告(76)=詐欺罪で有罪判決、控訴中=の共犯に問われた元会社社長、満井忠男被告(76)=同=の取り調べを担当。弁護団は捜査段階の供述調書の信用性を争っている。1審判決は、出廷した前田検事の法廷証言の一部について「信用性の肯定は困難」と指摘していた。
 障害者団体向け割引郵便制度悪用事件
 「障害者団体向け割引郵便制度悪用事件」では、大阪地方検察庁特別捜査部の主任検事として捜査を担当した。検察官は1年6月の懲役を求刑する一方、弁護人は無罪を主張して結審した。裁判中、証人が供述調書を否認と、関係者のアリバイの裏付け捜査のずさんさが発覚し、裁判官は、証拠供述調書のほとんどを証拠書類として不採用となった。この郵便不正事件では、検察が事情聴取でとった供述が公判での証言ではことごとく否定され、村木厚子元厚生省労働局長の上司、塩田氏などは「事情聴取で林谷(浩二)という検事から『石井先生と話した交信記録がある』と言われ、当時(石井氏と)話すなら私しかいない、と思い込み供述した」が、証人出廷の際、交信記録を出すように検察側に求めると、「『交信記録はない』と言われた。林谷検事にウソをつかれショックだった。つくられた記録による記憶で事実ではない」と検察を批判している。さらに「石井議員に証明書の発行を依頼した」と証言していた「凛の会」会長の倉沢被告も「自分でしゃべってないことも調書になっている。村木さんは冤罪だ」と主張。


 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK106」のむにゃ氏の2011.2.5付け投稿「「國井弘樹検事にエールを送りたい」ようこそ!副長のブログへ ~ 責められるべきは賢者・国井検事ではない」を転載しておく。

 >>ヤリ玉に挙がっているのは、前田検事の下で村木元局長を取り調べた国井弘樹検事(35)だ。コトと次第によっては罷免される可能性もある。

 責めるべき相手を間違えてはいけない。

 2010年11月17日 16時12分14秒 テーマ:冤罪事件

 「國井弘樹検事にエールを送りたい」ようこそ!副長のブログへ

 http://ameblo.jp/hennaoji/entry-10709927229.html

 先輩の前田元検事が証拠のフロッピーを改竄した事実を半年間隠していたとして、減給の懲戒処分を受けていた大阪地検刑事部の国井弘樹検事が今月8日付で法務総合研究所の教官として異動していたことが判りました 。ジャーナリストの江川紹子氏は國井弘樹検事が事実を知っていながら、半年間も隠していたのだから、犯人隠避に当たるとおっしゃっていますが・・・

 この点につきまして、私なりにと申しましょうか、世の中の常と申しましょうか、正直者が馬鹿を見るということについて、若干意見を述べさせていただきたいと思います。世の中には、常に真実を知られることによって不利益を被る人たちや真実を誤解して、間違いであるとして反対する人たちが居るものです。このことは歴史上のさまざまな事実から見て、明白です。

 例えば、後に現実となる倒幕を唱えた吉田松陰 や大政奉還を成し遂げた坂本龍馬を反逆者や裏切り者と評価する人たちがいかに多かったか、また、天地明察でも取り上げられた渋川春海 の改歴に利害や無理解で反対した勢力がどれほど多大なものであったか、これらの事例だけ見ても、世の中で正しいことが正しいこととして受け入れられることの難しさがお分かりいただけるのではないでしょうか。天地明察での渋川春海はさまざまな反対に回るであろう勢力に対し全て手を回し勝負を読み切ってから、勝負に出て、その勝負に勝つことによって、正しい歴を採用させています。単に渋川の歴が正しかったから改歴できたのではないのです。要するに、この世の中は、正しいからそれが認められるのではなく、勝負に勝てなければ、正しいことも悪として葬り去られてしまうのです。ご存じのとおり吉田松陰は処刑され、坂本龍馬は暗殺されてしまいました。特に、私がこのブログで追及している民主党石井紘基衆議院議員の暗殺事件 は正義がいかに簡単に葬り去られてしまうのかを私たちのごく身近で証明してくれているのではないでしょうか。

 以上のことを今回のフロッピー改竄事件に当てはめて考えてみましょう。國井弘樹検事が前田検事に知らされた時点で、すぐ上司に話したとしたらどうなっていたでしょうか? 私は、組織内で無かったこととして葬り去られた可能性が高かったと思うのです。もし、そうなっていたとしたら、村木局長はいったいどうなっていたのでしょうか?想像するだけで、恐ろしいことです。國井検事はそのような内部の雰囲気を感じていたのではないでしょうか、そして、半年後、チャンスと見て、話せば必ず表に出すであろう正義感の強い塚部貴子検事に話したのではないかと思うのです。実際に、國井検事が半年後をチャンスと見て身を呈して切った塚部貴子検事というカードは見事に的中し、前代未聞の大スキャンダルを公にしたばかりか、前述の江川昭子氏も委員に含めた検察の在り方検討会議 の設置にまでつなげています。ですから、知った時点ですぐに言うべきであったという江川昭子氏の言い分は、世の中の現実である勝負を無視した机上論ではないかと思うのです。当たって砕けてしまっては、正義を実際に公にして不正を正すことはできないのです。

 読者の皆様はいかがお考えでしょうか? 私は、前述のとおり國井弘樹検事が、機が熟すのを待って身を呈して勝負に出たのだと評価したいと思います。そして、胸を張って新しい職場で後輩の指導や法務組織の改革に当たってもらいたいとエールを送りたいと思っているのです。

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 コメント

 1 ■無題
 はじめまして副長様。内部告発というのは、簡単なようでなかなか出来るものではないと思います。國井検事もかなり迷われたと思います。時期を見計らっておられたかどうかは、分かりませんが、かなり迷われたことは、容易に想像がつきます。結果として、検察の不正が明らかになりましたので、枯れを責めるのは酷だと感じます。彼の行為が責められるなら、今後ますます内部告発行為がしにくくなります。因みに、神戸の海上保安官の内部告発は、動機と背後関係が分からないので、何とも言えません。
 レオヤナギ 2010-12-23 16:35:41

 2 ■Re:無題
 >レオヤナギさん
 コメントありがとうございます。また、主旨に賛同も頂き、ありがとうございます。それにしても、この事件・・・彼が知った時点ですぐ上司に報告したとしたら・・・彼はどこかに飛ばされ、口封じもされてしまい、塚部検事には伝わらなかったのではないかと今でも思わずにいられません。副長 2010-12-23 17:30:07  








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