所得格差考

 (最新見直し2011.12.13日)

 (れんだいこのショートメッセージ)
 ここで、所得格差について論考する。

 2011.12.13日 れんだいこ拝


 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK123 」のgataro 氏の2011.12.13日付け投稿「所得上位1%が全所得の9.2% 広がる日本の格差(しんぶん赤旗)」を転載する。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-13/2011121301_06_1.html

 2011年12月13日(火)
 所得上位1%が全所得の9.2% 広がる日本の格差(しんぶん赤旗)

 日本で、所得上位1%の人々が2005年、全所得の9・2%を占め、第2次世界大戦後、占有率が最も高くなっていることが、フランスの研究グループの資料で分かりました。


 この資料によると、戦後6%〜8%台前半で推移してきた上位1%の所得占有率は、02年以降8%台後半以上を記録するようになり、04年は9・0%に達し、05年は9・2%を記録しました。調べたのは、フランスのパリ経済学院に設置された「世界所得高位データベース」です。この資料は経済協力開発機構(OECD)の報告にも使用されました。

 貧富の格差の拡大は、小泉純一郎自民・公明内閣が「構造改革」路線に基づき、社会保障の削減や労働法制の改悪を進めてきた時期と重なります。

 日本の所得格差については、OECDが5日発表した報告文書「分断されたわれわれ―なぜ不平等が増大し続けるのか」でも指摘されています。同報告は「2008年の日本の上位10%の平均所得は754万円で、下位10%の平均所得(75万円)の10倍であった。これは1990年代半ばの8倍、1985年の7倍より大きい」と述べています。また、OECD各国に対し、「政府は富裕層に公正な比率の税を負担させるために所得再配分における租税の役割を再検討する必要がある」と提言しています。

(私論.私見)

 フランスのパリ経済学院に設置された「世界所得高位データベース」を12.13日付け赤旗が記事にしている。それによると戦後から2005年までの貧富格差が分かる。これを史上最大の9%代にしたのが小泉改革以降だということが判明する。この記事は良い。問題は次の事である。図表によると、角栄政権時代の1975年頃に所得格差が大きく縮まっている。小泉政権の所得拡大政策を批判するのなら、それを縮めた角栄政権を評価するのが公正な分析だろう。これについて語らないとはどういう意味か。対角栄批判は対小沢批判として今でも続けられている。その背景は何なのか。フランスのパリ経済学院に設置された「世界所得高位データベース」を12.13日付け赤旗が記事にしている。それによると戦後から2005年までの貧富格差が分かる。これを史上最大の9%代にしたのが小泉改革以降だということが判明する。この記事は良い。問題は次の事である。こう云う風に捉え語るのが政治評論ではなかろうか。方や絶対悪、方や絶対正義的且つ片手落ちの正義評論は胡散臭い。これが言いたいところである。現代は、こういう病気にかかっている。批判は良いのだがマルペケ式の粗脳思考に陥っている。これを外在的批判と云う。これではいけない。

 2011.12.13日 れんだいこ拝

 「日本の貧困率って・・・そんな?・・・」を参照する。

 2011.7.24日情報。2009年の厚労働省の調査による相対的貧困率によると、国民の6人に1人が年間112万円未満で生活しており、過去最悪の16,0%。OECD(経済開発協力機構)の2000年代半ばの貧困率調査でも、日本は加盟30カ国中、4番目に悪かった。民主党政権は3年前、貧困解消に向けた取り組みとして初めて06年の貧困率を公表。2回目となる今回はそれより、0・3ポイント悪化している。貧困率が悪化した原因は、所得の低い65歳以上の高齢者や非正規労働者の割合が増えたためだとされる。仮にそれが事実だとしても、それは下方分析である。上方分析もせねばなるまい。小泉改革以来、一定数ながら高額所得者が生み出され、その他方で低額所得者が増えていると云う構図ではないのか。

 2011.12.14日 れんだいこ拝



 「★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK119」の判官びいき氏の2011.9.21付け投稿「野田政権に対するれんだいこ書簡その5、増税中毒路線批判(れんだいこ)」に対するレスを転載しておく。
 02. 2011年9月21日 15:06:05: mkaYVKlNb2
 増税するなら、富裕層への増税を!

 ■野田佳彦首相は、国家の非常事態を救うため「金持ち大増税」で富裕層の「愛国心」の有無を試せ!(板垣英憲)
 「オバマ米大統領は19日の演説で、財政赤字の削減額について、すでに法制化したものを除いて今後10年で1.5兆ドルとした7月末の与野党合意から上積みし、2倍の3兆ドル(約230兆円)超とする提案をした。その半分は富裕層への増税で賄う内容で、今夏の米債務上限引き上げを巡る論議と同様に、野党・共和党側との厳しい対立は必至だ。 大統領は19日昼、『富裕層や大企業を含む皆が、公正な負担を負わなくてはならない』と訴えた。政権高官によると、3兆ドル超の削減の内訳は、(1)高齢者向け医療制度での支出抑制を含む歳出削減で0.58兆ドル(2)富裕層の増税などの増収分が1.5兆ドル(3)イラクやアフガニスタンからの米軍撤退に伴う戦費の減少で1.1兆ドル、など」。

 ローマ帝国の衰亡ではないけれど、世界に冠たる米国帝国が滅んでは、いかに「金持ち」でも、心安らかには生きていけないだろう。平和で自由な国家体制という大きなフィールドがあってこそ、富裕階層も成り立ち得る。それにしても、米国ばかりでなく、欧州、さらには日本を含めて、経済不況、財政難という苦難に陥れているリーマン・ショックの大本となったあのサブプライム・ローンで大儲けして金持ちになった連中がいるはずである。世界で400兆円規模とも言われた大損害の反対側には、400兆円大儲けした者がいてもおかしくないからである。少なくとも米国ではオバマ大統領が苦労している。このまま見て見ぬフリをして、放置しておけば、米国帝国の崩壊によって、富裕層も大変な目あう。となれば、いま富裕層に求められているのは、これまでに増しての「愛国心」であろう。富裕層が増税によって、真の愛国者であるかどうかが試されている。この構図は、日本でも同様である。「広く薄く公平に」というのが、税の大原則だが、いまの国難とも言うべき、非常事態下では、「金持ち大増税により、「愛国心ありや、なしや」を徹底的に試す必要がある。これを私は、富裕層対象の「愛国税」と呼ぼう。
 http://news.livedoor.com/article/detail/5877481/
 http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/cfb52fe06e5e19304ccac6c98362a4f1

 ■増税の優先順位
 アメリカのオバマ大統領が、財政再建の手段の一つとして富裕税の増税を提案しているのが話題になっている。富裕税は、個人の総資産から総負債を差し引いた純資産の大きい人に課税するもので、年間所得のみに課税する所得税よりも、富の再配分に有効と考えられているようだ。日本でも戦後の一時期にアメリカの勧告で導入されたことがあるが、税務把握が困難などの理由で、所得税の一本化に戻された経緯がある。日本はアメリカ以上に復興財源など緊急の財源が必要なのだが、議論は法人税(実質は減税を凍結する現状維持)と所得税の定率増税が中心になっている。菅・前首相が言及していた高額所得への増税案は、いつの間にか消えてしまった。アメリカに追随して急進させた所得税のフラット化(高額所得への減税)を見直す議論が出てこないのは理解に苦しむ。税制の基本は「余っているところから足りないところへ回す」再配分に尽きる。つまり「痛くない増税」から優先するのがいい。痛くない税金の典型的なものは相続税だろう。本人にとっては生きているかぎり関係がない税金で、先祖の遺産で恩恵を受けるのは、せいぜい孫の代までで充分だろう。つまりは「2回相続したらゼロになる」程度でよい。「グローバル化」以前はそうだった。企業活動や文化芸術で財をなした人の業績は、法人化によって継承できるから、個人に遺産を残す必要はないのだ。相続税が引き上げられれば、生前贈与が盛んになって遊休資産が活用されることにもなる。高額所得への累進課税も、以前は最高実質93%だった。これも誤解されるのだが、9割以上を税金で召し上げるという話ではない。何段にも控除して残る最高額の部分にのみかかる税金で、世間常識を超えるような高所得は社会に還元しなさいと、富者の社会貢献を制度化したものと言える。この制度の下で日本は高度成長していたのだ。その他、当ブログは何度も書いているのだが、企業にとって黒字が出ているときの法人税は痛くない。経理を駆使してすべての経費や法定積み立て、役員報酬まで支払った後に残る純益にしか税金はかからない。企業にとって何よりも大切なのは、黒字決算ができるような経済環境なのだ。企業の法人税を減税しても社員の給料が上らないことは実証されている。法人税が高ければ、むしろ企業は経費としての人件費を増やすだろう。(追記・「税率はどのように変ってきたか」をご参照ください。)
 http://news.livedoor.com/article/detail/5875798/

 ■税率はどのように変ってきたか
 日本の税制はどのように変ってきたのか。ネットで公開されている財務省の資料で見てみよう。結論から先に言うと、昭和から平成に変った1989年から大きく様変りしたことがわかる。最大の理由は「国際水準に合わせる」ことだったと思うが、大幅な減税を強行する一方で、歳入の減少を補う工夫をした気配がない。おそらく消費税の引き上げが視野にあったのだろうが、景気の回復を待つということで、とりあえず国債の増発で歳入の欠陥を補うことにした。その先送り政策を20年間続けた自公政権の結末が、現状なのだ。個人の所得に対する日本の税金には、伝統的に強い累進性があった。オイルショックに襲われた昭和49年、1974年当時、国税と住民税を合わせた最高税率は93%だった。それ以前の税率も90%以上だったことを覚えている。ただし年間1800万円程度以上の高額部分について適用されるので、所得の全部に最高税率がかかるわけではない。1800万円以上も所得のあった人は、超過部分は1割ぐらいを自分のものにして、あとは社会に還元しなさいということだ。保守党政権に支配されていた日本で、つい20年前までこのような税制が行われていたことは感動的でさえある。一億総中流と呼ばれた高度経済成長は、このような税制の中で実現していたのだ。日本の平社員と社長の給料の差は10倍ぐらいだが、アメリカでは千倍にも万倍にもなるという話が、海の向こうからの噂だった時代である。
 個人所得税(住民税を含む)最高税率の推移
 1974年 84年 87年 88年 89年 95年 99年
  93% 88% 78% 76% 65% 65% 50%
 http://pub.ne.jp/shimura/?daily_id=200911
 高度成長時代、富裕層への税率は、93%だった!(ただし年間1800万円程度以上の高額部分について適用)











(私論.私見)