読書の拝三法

 更新日/2013.09.24日

 れんだいこのカンテラ時評№1172  投稿者:れんだいこ 投稿日:2013年 9月24日
 読書の拝三法

 (とある名著を読了したときの感慨を書きつけておく)

 名著の要件とは、手にした時に拝をして、読み進めながら拝をして、読み終えて拝をするような書物を云う。現にそういう書物がどれだけあるかは別にして、名著とはそういう自然な拝を生むものではなかろうか。

 解説は不要であるが簡単にしておく。最初の拝は礼儀である。あるいは構えと云うべきかも知れない。次の拝は書き手と読み手の応答による。如何な名著でも両者の釣り合いがなければ拝は生まれない。最後の拝は読後感から自然にもたらされるものである。

 これは何も読書だけではない。食事の作法がそうである。食べる前の「いただきます」、食事中の柔和な表情、食後の「ごちそうさま」は読書の拝三法に準じている。こう考えるとよろづに通用するものである。これが純日本式のものか世界でも当たり前のことなのかは分からないが、この作法なき処世はつまらない。と思う。




(私論.私見)