男女まぐわいのこと

 (最新見直し2006.10.31日)

 急に、「男女まぐわいのこと」と題した一文を書き残しておきたくなった。普通は、語らないのが嗜みのテーマであるが、語らないのも善し悪しで、みんなが嗜みで語らない空漠の谷間で、「男女まぐわい」の道を間違ったり、道を踏み外してしまったりすることもあるので、何か有益なことを語っておこうと、ふと思った。私は今、青二才ならぬ71歳の身であるが、この間に会得したことはこうである。但し、書き始めてみると、案外と云うかぞっこんこれが難しい。さて弱った、ええいままよ、とにかく書きつけておこう。
 「男女まぐわい」は人類存続の元になるものであるが、それを成り立たせる要件を明らかにしておこう。一般に、男は女を、女は男を好くものとして捉えているが、間違いではないにせよ精密ではない。精密には、特定の或る男は彼の嗜好範囲の女を、特定の或る女は彼女の嗜好範囲の男を求めているのであって、女なら誰でも良い、男なら誰でも良い、という訳にはなっていない。願望的なものは同じなのだが、具体的現実的になると好みが出てきて選ばれたり排除されたりする。そうであるが故に、選ばれたり排除されたりする要素とか基準を知り対応するのが良い。それらの順位は不明で千差万別だろうから順不同に思いつくままに要素のみを確認しておく。

 面貌容姿。顔つきのことである。一般に男前、美男子、美女、別嬪、器量良し等々と表現される。逆にぶ男、ブス。面貌容姿の評価は随分好みに左右される。実際のマッチングでは美男美女の組み合わせよりも次善的マッチングの方が普通と云うか圧倒的である。組み合わせの釣り合いが取れていない場合、低い方から見て「高望み」と云う。女性から見て恵まれすぎた嫁入りを「玉の輿」と云う。

 体格体型。身長、体重、体型。立ち居振る舞い、歩き方。

 年齢。能力。家格。身分。学歴。財産。家督の相続順位。職業職種。役職。給与。気質。性格。人生観。集中力や粘り強さ。意欲。地域性。

 要するに、一個の人間の中には、これらのありとあらゆるものが自ずと詰め込まれており、それらが選ばれたり排除されたりする素材、要件になっている。もっともそういうことを意識して「まぐわう」かどうかは別である。意識しようがしまいがついて回っているということである。そのうえで、選ばれようとする場合には、そのスキルを磨くのが自然である。逆は逆である。
 これは結婚の場合の話である。但し結婚前の交際、結婚後の交際時にもなにがしか関係している。要するに似たもの同士、引き合うもの同士がまぐわう」のである。だから、より良い相手、相応しい相手とマッチングする為には、それにふさわしい自分磨きをしておかねばならない。自分磨きは何も「まぐわう」為にするのではなかろうが結果的にそうなる。
 娼婦とか娼夫の基準は、まぐわい」要素のうち経済的利益を重視して恋愛的なものを下位に落とし込めざるをえないところにある。




(私論.私見)