2006.10.07 | 平野貞夫「ロッキード事件、葬られた真実」 |
Re:れんだいこのカンテラ時評221 | れんだいこ | 2006/10/07 | |
【平野貞夫「ロッキード事件、葬られた真実」考】
平野貞夫氏が「ロッキード事件、葬られた真実」を世に問うている。平野氏が次第に角栄を真っ当に評価する目線を嵩じさせていることが判明する。後書きで次のように記している。
平野氏は大胆にも、本書の中で中曽根の悪事を衝いている。本来なら、児玉ー中曽根ーナベツネラインの訴追へ向う捜査が、国策捜査で意図的に角栄逮捕へ捻じ曲げられた事を内部証言している。れんだいこは、もっと早くこのことを指摘して欲しかったと思うが、この結論に至るには何がしかの浄化期間が必要であったのかも知れない。 れんだいこが思うのに、平野氏はあの当時、立花流の「諸悪の元凶田中角栄論」に論理的に組み敷かれ、角栄追放過程の政治史的意味を読み取れず手をこまねいていたまま見過ごしていたのではなかろうか。平野氏は本来なら、戦後保守政権内のハト派対タカ派抗争に於いて、ハト派的立ち回りをすべき位置にいた。にも拘わらず、ハト派の総帥角栄が四面楚歌の中で討ち死にさせられつつあるにも拘わらず、いわば政治的中立性という美名の下に見殺しにしたのではないのか。平野氏は今、そういう風に客観的に自己を捉えることができるようになったのではなかろうか。 平野氏が、そういう悟りを得るにはある種の時間が必要であった。ロッキード事件以降の政局推移を見て、「角栄的なるもの」から「中曽根的なるもの」への転換を見て、その後のせめぎあいの政局を経て、このところの旧福田派の森ー小泉ー(安倍)と三代続くタカ派政権の動きを見て、政治の質が恐るべき貧困になったことに愕然とさせられ、対極的に角栄時代の政治を愛惜し始めたのではなかろうか。これが、平野氏の「ロッキード事件、葬られた真実」の執筆動機であるように思われる。 れんだいこは、ここまで辿り着いた平野氏に更に問いたい。そろそろのどに刺さったトゲを抜くべきではなかろうか。「5億円贈収賄」はどこまでが本当なのか、むしろ冤罪ではないのか。この観点に立って検証し直して貰いたい。れんだいこは、ロッキード事件にネオ・シオニストによる謀略的なものを認めているので、こう立論することは容易く出来る。この視点を持たない平野氏がどこまで迫ることができるのだろうか。角栄愛惜も、「5億円贈収賄」を事実と認めたうえで為すのと、冤罪と看做して為すのとでは迫力が違ってこよう。 「中曽根的なるもの」をもっと検証し直して貰いたい。中曽根の政治論全体が如何に食えない代物で、偽装愛国で、実はネオ・シオニストへの身売り国売り以外の何物でもないことを検証し直して貰いたい。中曽根政治こそが正真正銘の利権政治であることを告発して貰いたい。現下の旧福田派の森ー小泉ー(安倍)と三代続くタカ派政権が、「中曽根的なるもの」の焼き直しでしかないことを検証して貰いたい。現下の政治の貧困を質すにはこの作業を避けては通れないのではなかろうか。 逆に云えば、平野氏が知る限りの力で「角栄的なるものの実像」を証言して欲しい。角栄政治が如何に有能で且つ議会制民主主義を踏まえたものであったのかを証言して欲しい。金権にまみれたが、独り角栄だけが責められるには及ばない当時の自民党内の仕組みを証言して欲しい。立花式「諸悪の元凶田中角栄論」を自壊させる内部証言に向って証言して欲しい。それにしても我々は、ネオ・シオニストの買弁評論家でしかない立花の諸言説に騙されすぎてきた。中曽根批判の次は立花批判にまで向わねばなるまい。 れんだいこに云わせれば、角栄及びそのブレーンが指針せしめた「日本列島改造案」は歴史千年の時空に残る名作である。日本がこれをバイブルにして国家建設に向えば誤ることが無かった。今からでも遅くない、読み直して政策の下敷きにすべきであろう。読まない批判家が多過ぎる。読んでも理解できない低脳批判家が多過ぎる。 「日本列島改造案」の構想と思想を読み取れない自称インテリとサヨイストが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とばかりに、罵倒し続けてきた。角栄は同書の中で近未来のIT社会の到来をも誤ることなく想定している。環境、クリーンエネルギー対策にも示唆している。物流の速度をもって社会の進歩を計るという卓越した史観を披瀝している。「中曽根的なるもの」のタカ派が為す事は凡そ、反「日本列島改造案」政策ばかりである。小泉政権5年有余は、角栄の指針せしめた総路線を破壊する政策に熱中しただけであった。「自民党内ハト派を、それがねじれハト派であろうとも最終的に解体し、ひいては国家をネオ・シオニズム利権に丸投げする」ものであった。 そういう政策をマスコミは囃し立てる。御用評論家が持ち上げる。よってたかってイジメられた角栄と対蹠的に、よってたかって褒めそやす。これを覆すには叡智が必要である。まずは頭脳で負けてはならない。次に情報戦で負けてはならない。金力でも負けてはならない。我々の進撃が開始され、何れの日にかきっとシオニスタンを封じ込め、彼らを歴史法廷に引きずり出し、その悪業の数々の裏舞台を明かさせよう。今や、政府自民党がシオニスタン・タカ派勢力に純化された分闘い易いと云うべきではなかろうか。 2006.10.7日 れんだいこ拝 |
(私論.私見)