故三浦和義氏の夫人が殺害された事件は1981年、ロサンゼルスで発生、三浦氏は悲劇の夫としてテレビに登場。が、84年に週刊文春が「三浦氏が保険金目当てに仕組んだ犯行ではないか」と報じたことで一転「疑惑の人」となり、世間を揺るがす騒動となった。安倍氏はワイドショーにたびたび登場、疑惑追及の先頭に立ち注目された。文芸春秋社退社後はフリージャーナリストとして活動していた。陽子夫人によると、肝臓がんが見つかったのは昨年10月。今年9月に東京・築地のがんセンターから自宅に近い神奈川県内の病院に転院した。故人の遺志で葬儀は親族だけで済ませた。
「◎もう1人の主役」を転載しておく。
27年前に起きたロス疑惑事件の三浦和義元社長が米国留置場でTシャツ首吊り自殺した。容疑は殺人の共謀罪。サイパンからロス市警に移送、着いたばかりだった。 この自殺問題を中心にテレビ各局が報道合戦していたが、ゲストに懐かしい顔を見つけた。ロス疑惑をすっぱ抜いた当時の週刊文春、ロス疑惑担当取材班キヤップの安倍隆典さんだ。ロス疑惑事件の主役、三浦氏がなくなった今、もう一人の主役は間違いなく安倍さんだ。安倍さんはテレビ朝日系の番組「トゥナイト」などでよく登場、あれ以来みかけていなかったので懐かしいお顔と見入ってしまった。当時、私は雑誌媒体などマスコミと思っていなかったが、1974年、立花隆氏が月刊文芸春秋に発表した「田中角栄研究~その金脈と人脈」の記事をみて大いに感激、雑誌媒体の底力を知らされた。この記事の反響から7年後、また 文芸春秋社の週刊文春から安倍さんの大スクープが出、日本国中を賑わした。私は速報主義の日刊紙こそマスコミの王道と思ってきたが、この2つの事件報 道をみて「調査報道こそ雑誌ジャーナリズムの原点、醍醐味」ということをま ざまざと知らされた出来事だった。立花隆さんと安倍隆典さん、3つの共通点がある。 [1]東大卒、[2]文芸春秋社の編集者出身 、[3]名前に「隆」がついている。安倍隆典さんは平成2年退職し、高齢者向け月刊誌「花も嵐も」編集長を経て現在はフリージャーナリスト。傍らイベント企画、画廊経営も手がける。私より3年年上の安倍隆典さん、テレビで「白髪」が目立っていた。事件発生から27年もの年月がたっているから無理もないなあ。 ▽著書「三浦和義との闘い―疑惑の銃弾」http://tinyurl.com/53epac (蓮香尚文・ 記) |