449―128 | 帰国運動を後押しする宮顕系日共党中央の思惑考 |
時の首相・吉田茂氏がマッカーサーに宛てた「在日朝鮮人に対する措置」文書(1949年8月末から9月初旬ころのものと推定される)は極めて重要な様相を帯びているように思われる。これによりはっきりすることは、時の権力者が在日朝鮮人に如何に頭を悩め、国内退去、強制送還を願っていたか、ということであろう。してみれば、「在日朝鮮人の帰国事業」は何やら日朝両政府の何らかの裏取引を交えて進められたとの推測を可能にさせる。 こうした際に必ず、国策を裏側から遂行する奇態を見せる宮顕はこれにどう対応したか。案に違わず熱心な推進者であったことが判明する。これを以下考察する。 |
【帰国事業推進を煽り賛美する宮顕】 | |
戦後の左派運動は日朝共産主義者の合体で担われていた。その実態は、不十分ながら「戦後在日の左派運動と日共との関係考」で記したところである。戦後の在日朝鮮人運動の有名な指導者である金天海氏は日本共産党中央委員会の政治局員でもあった。他に宋性徹氏、朴恩哲氏、金斗鎔氏らも日本共産党中央委員会の幹部であったことがこれを証左している。
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【宮顕のソ連や北朝鮮美化論文考】 | |
宮顕は、「前衛」1959.5月号掲載論文「ソ連邦共産党第21回臨時大会の意義と兄弟諸党との連帯の強化について」で以下のようにソ連や北朝鮮を美化している。
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【「帰国事業に対する日本共産党の見解」】 | |
2002.10.27日付しんぶん赤旗は次のように述べている。
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2005.3.28日 れんだいこ拝 |
【黒坂真氏の批判】 | ||
大阪経済大学助教授・黒坂真氏は、当時の宮顕のソ連、北朝鮮賛美論、帰国事業推進論を指摘し、概要次のように述べている。
更に、「インターネットが共産党を滅ぼす 」で次のように述べている。
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【黒坂真氏の「在日朝鮮人帰国事業問題における日本共産党批判」】
黒坂 真氏は、「北朝鮮を美化した日本共産党」論文で、日共の在日朝鮮人帰国事業の旗振り役史実を指摘し、批判している。 黒坂氏のプロフィールは次の通り。1961(昭和36)年、川崎市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。神戸大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学。平成5年より大阪経済大学専任講師。翌年同助教授。マクロ経済学担当。マクロ経済の長期的動向を把握するためには、制度とイデオロギーの分析が不可欠との視点から、共産主義の理論と歴史研究を課題としている。 論文の内容は次の通り。
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(私論.私見)