| 別章【社会主義運動戦前史】 |

更新日/2023(平成31.5.1栄和改元/栄和5).6.21日
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(私論.私見)
大正七年の米騒動に続き、労働運動が激化し、キリスト者が大ストライキの指導をするという時代であった。その上にロシア革命のショックが日本を襲い、今にも革命前夜という空気が一部にあった。この時代を回想して菊池寛の「半自叙伝」はこう述べている。
「ロシアのソビエト連邦の成功は、日本にとって大きな影響を及ぽさずにはいなかった。大正十年頃、われわれは社会主義日本の到来、乃至共産主義革命の可能性を考えずにはいられなかった。その頃私は『社会主義について』と云う感想を発表している。(世の中が社会主義化することは、ただ時の問題である。時と手段との問題が残っているだけである。社会主義その物が合理であるように、社会主義化する手段も、出来るだけ合理でありたいと思う。労働者が自覚して、猛獅子の如く立ち上がる前に、現在の特殊階級がほん然として、その非を知ることが緊急なことと思う)と書いている。ただ、自分はこのまま、社会主義乃至は共産主義化するか、それとももう一度反動時代が来るのではないかと考えていたが、後者の予想が当って、思いも依らぬ大反動時代に入ってしまったのである。だから大正末期に於ける共産主義の勃興が、あれほど激しくなかったならば、日本は徐々に、民主主義化、社会主義化の道を辿ったのではないかと思う。共産主義を弾圧するために、そのとばっちりを喰って、あらゆる進歩的な、自由主義的なものが弾圧されてしまったのである。これも、今となっては、益もないくり言であるが……。」